とある冒険者のキセキ  「元題名 とある「えこ民」の物語」   作:想いの力のその先へ

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2018/5/23三次職説明の部分が諄かったので修正


四話

 とある「えこ民」の物語 四話

 

 ダウンタウンに戻りなんでもクエストカウンターの前で受付嬢が声を掛けられる。

 女の子の声だ、誰だろうと思い振り返る。

 そこにはお揃いの白い制服を纏い帽子をかぶった5人の男女の子供たちがいた。

 一人は茶髪の短めに髪を整えた男の子だ、その隣には金髪のセミロングの女の子、頭に輪っかと背中に白い翼が生えているタイタニアの女の子だ。

 そしてその後ろに二人よりも背が小さめで制服がくたびれた感じの赤毛の男の子と女の子がいる、どちらとも悪魔の羽と尻尾は生えているドミニオンだ。

 そして最後の子、この子が受付嬢に話しかけた子だ。

 茶髪のツインテールに下半分が茶色、上半分が若葉色のアホ毛がある、昼間バルルが言っていた『エコ』ことエコ坊・アルマだ。

 そしてこの五人が着ている制服はダウンタウンにある「人間」が通うための学校、アクロニア学院の物だ。

 何故アルマ・モンスターであるエコが人間の通っている学校に行っているのかと言うと、これにもちゃんと理由がある。

 

 エコが両親に送り出されてなんでもクエストカウンターに戻った後、従業員見習いとして何度か簡単なクエストをしたことがある。

 その中に老夫婦から学院に通っている孫が忘れたお弁当を代わりに届けてくれというものがあった。

 この孫というのがこの5人の子供の内の一人茶髪の男の子ユスティだ。

 その時はまだエコ以外の4人でつるんでおり、自身が貴族階級であることを隠していた。

 その為に豪勢だった弁当をわざと忘れ皆と行動していたが、そこにエコを含むアルマたちが弁当を届けに来てしまう。

 隠したいユスティとクエスト達成のために配達したいエコたち。

 一色触発の雰囲気になってしまうが、ついてきていたアルマの一人、着物を着て金色の髪と獣耳そして尻尾を持つローキー・アルマ、彼女の

 

「上に立つ者が下の者と一緒に居るのはいいがそれだけが良い長としての条件ではないのではないか?」

 

 という言葉と、その後にエコにかけられた言葉

 

「こんなにいっぱいの料理みんなで一緒に食べた方が絶対においしい!」

 

 その言葉で和解、結果ユスティとエコは友達となりその繋がりでタイタニアのアム、ドミニオンの男の子フィロと女の子のリザ全員と友達になる。

 

 また別の日に街に出たエコは彼等に再会する。

 彼らの秘密基地の事を告げられる、行ってみたいエコだがこれは秘密、来たいのならヒントを上げるから探してみろと言われる。

 仲間たちに相談してみるが具体的には分からない、ならば自分の足で探すべきと飛び出し、アクロポリス中を駆け回る。

 だがそれだけで見つかる訳もなく、途方に暮れているとアミスと出会う。

 そうしてアミスに相談すると、更にヒントを出してもらいついに秘密基地の場所を発見、その場所は湖に繋がっており古くなった小型の飛行庭が鎮座していた。

 

 そして運命の日、その日はアクロポリスに嵐が来ていた。

 暫く止みそうにないため物資の買い置きをするべく外に出たエコ、外で飛行庭を避難させていたアミスと会い説明を受けるが、なら低い所にあるお庭は何なのかと質問しそれは浮力を失った古いものだと説明を受ける。

 そうして話した後アミスと別れ帰路を急ぐがそこでユスティの祖母と出会う。

 祖母の話だと午前中で学院は終わりなのにいまだにユスティが帰ってこない。

 心配だからと探していたらしい、だが流石にもう危ない、そこでエコは祖母に家に帰ってもらい自分と連れで探すと言い捜索に乗り出すがどこにもいない。

 その時エコはふと思いつく、もしかして皆秘密基地にいるのではないかと。

 

 その頃エコの連れであるピンクのエプロンドレスとうさ耳を付けたアルマ、ミニードゥ・アルマは今度はエコも見つからなくなったとしてなんでもクエストカウンターに帰還、他のアルマたちに応援を要請する。

 そしてアルマたちも秘密基地を探し始めるが一人、受付嬢は最悪の事態を想定し、とあるアルマを派遣する。

 

 そして場面はエコに映る、秘密基地に着くと予想道理にユスティ達はいた。

 だが最悪なことに全員古い飛行庭に乗っておりそれを繋いでいる縄が千切れそうになっている。

 自分が手を離したら縄が千切れユスティ達の命が失われるだろう、しかし人の身体では力が出ないそのため彼らを助けるためにはモンスターの姿に戻るしかない。

 だがもし嫌われたらどうしようと葛藤するが、彼らの泣き顔を見てそんな事よりも彼らを助けたいとモンスターに戻り縄を引っ張る。

そして時間を稼げたお陰でアルマや一緒に捜索していた混成騎士団が間に合う、4人は救出され安心したエコは気絶し荒れ狂う湖に落ちてしまう。

 が、其処には受付嬢に派遣されていたアルマ、青色のレオタードと白色のドレスを合体させた服を着て頭に長いツノのようなものが生えたシーホース・アルマ。

 彼女が水を操ってエコを救出する、彼女は元々タイタニア界にある海底洞窟の出身だ、故に水の中はお手の物なのだ。

 しかしそれとは別にエコがモンスターであるとばれてしまう。

 混成騎士団はエコを討伐しようとするがその前に救出されたユスティ達が立ちふさがる、エコは友達だから殺さないでくれと。

 その後人間の姿に戻ったエコや、アミスの説明を聞いた騎士団は。アルマ・モンスターには手を出さないと約束、その代わり有事には騎士団に協力するようにとこちらも約束を取り付ける。

 これが現在騎士団となんでもクエストカウンターが懇意になっている理由だ。

 そして人間とモンスターが仲良くなる可能性を探る為、仲が良い4人が通っている学院にエコをテストケースとして進学させたのが彼女が本来人間の学校に通っている理由だ。

 

 

 そう言って彼女達の事を考えているとこちらに話しかけられているようだ

 

「エコはエコだけど、お兄さんの名前はなんていうの?」

 

「私の事はナナシでいいよ、君たちも同じように呼んでいいからね」

 

 そう言って他の4人にも告げる、4人とも理解してくれたようではい、と返事をしてくれた。

 ちょうど5人とも帰っている途中で私たちを見つけたので声を掛けてみたそうだ。

 特に私は見たことない顔だから興味がわいたのだろう。

 そして私が冒険者であると知るといろいろと質問したがっていたが、今日は流石に遅くなるのでまた今度にしなさい、その時は答えてあげるからと言うとどこか残念そうにするが、エコちゃんに都合のいい日を伝えるからと言うと今度は顔を輝かせはい、と元気よく返事し帰っていった。

 

 そしてなんでもクエストカウンターに着くと受付嬢からリビングに案内される。

 パンパンと軽い音がし紙吹雪が舞う、クラッカーを使ったのか。

 中を見ると大きなテーブルがあり料理が並べられている、そして今帰ってきたアルマ以外のアルマが勢ぞろいしているようだ。

 私の歓迎会のようだ、思わず皆にありがとうと言うと、みんな笑顔で宜しくお願いしますと言ってくる。

 そして皆との挨拶交換した後に、歓迎会を楽しんで部屋に戻りゆっくりと休んだ。

 

 

 

 翌日朝起きてリビングに向かうと厨房に誰かいる、赤と白のどことなくメイド服に見えるような衣装に身を包み、髪は金髪それに赤いカチューシャを付け触手のように見える尻尾を二本持つテンタクル・アルマだ。

 基本厨房は彼女一人で取り仕切り、昨日の歓迎会の料理も一人で全部作ったらしい、また彼女が厨房に立つときは近寄らないほうがいいらしい、なんでも料理に対する意気込みと言うか迫力が凄すぎて以前怖い思いをしたものがいるとか何とか。

 ふいに彼女から声を掛けられる、気配に気づいたのだろう。

 

「おはようございます、もうすぐ朝ごはん出来ますから待っててくださいね」

 

 それだけを言うとまた作業に没頭し始める、邪魔をせずに待っていた方がいいだろう。

 そうして待っていると、少しづつ皆こちらに来ているようだ、複数人の足音と話声が聞こえてくる。

 そうこうしている内に朝ご飯も出来たようだ、出てきた料理はなんと日本食だった、きちんとお米を炊いたふっくらごはんに白だしの味噌汁、アジの開きに野菜サラダだ、皆日本食が珍しいのか興味津々だ。

 私はそういえばゲーム内でもアクロニシキやアクロヒカリなんて名前の品種が実装されていたな、と思いだす。

 何でもファーイーストから久しぶりに良い材料が入荷していたので、久々に日本食を食べようかなと思って調理したらしい、あとこの料理はこの世界においてはファーイーストの料理になるそうだ、何でもファーイーストのさらに東、海で隔てた場所にある国から伝わって定着したのだとか。

 しかし海を隔てた状態でよく伝わったものだ、というのもそもそもこの世界には海の上を移動する船という概念がない。

 実は三種族はこの世界群の先住民ではなく他世界の人間だからだ、もともとエミル・タイタニア・ドミニオンは同じ世界に住んでいたが其処が次元クジラに襲われ命辛々逃げ出しその末にこの世界群に辿り着いた、そしてこの世界には原住民がいてこの世界に住まわせてもらう代わりに海には入ってはいけないという契約を交わしたのだ。

 一応ドミニオン、タイタニアの世界にはそういった契約はないが、そもそもドミニオンはそういったことをする余裕はないので実質海に入られるのはタイタニア界だけだろう。

 あと蛇足になるが夢の世界タイニーアイランドもビーチは存在するが入れない、そのくせ夏には水着の販売が行われているのだが。

 そうしてご飯を食べていた途中だがブーフがそういえばと言った感じで話し出す

 

「昨日の歓迎会の時にも言ったけど今日アミス先生の用事があって教室が休みだからみんな宜しくね」

 

 その言葉にローキーが悩んだような声を出す。

 

「そういえばそんなこともいっておったの、一体どんな用事なんじゃろうなぁ」

 

「ああ、其れは今日私とアミス先生でちょっとギルド元宮に顔を出さないといけないんだよ。 それでそれがいつ終わるかわからないから一応休校という形を取ったんだよ」

 

「なんと、ナナシが関係しておったのか。 それで一体どういった用事なのじゃ?」

 

「ちょっとそれはまだ言えないんだ、ごめんね」

 

「なんじゃ言えぬのか、仕方ないとはいえ残念なのじゃ」

 

 そうして朝ご飯を食べ終わりなんでもクエストカウンターを出たところで、アミス先生と遭遇する。

 

「あらナナシちゃん。 ちょうど時間が良かったのかしら、それじゃあギルド元宮に向かいましょうか」

 

 そうして二人でアップタウン中央に存在する白亜の宮殿ギルド元宮に向かっていった。

 

 

 

 

 しばらく歩きギルド元宮に辿り着く、ここは複数回に分かれており1階がロビー2階から4階が各冒険者の職業のギルド用の施設そして目的の5階が議会長室の他にドミニオン、タイタニア、この世界の原住民である古の民、DEMから反逆した心を持ったDEMの各代表の執務室そして今回使用する会議室がある。

 会議室に入ると既に入室していた全員が此方を向く、その中にはノールの姿もある、他の騎士団の代表やそれぞれの種族代表、ギルド評議会会長と共にかつてゲームの方でよく見た姿エミル達もここにいた。

 何故エミル達がここに? それにエミル達がいるなら彼らに三次職の事については教えてもらえばいいんじゃないだろうか? 彼らもストーリー終盤では三次職のスキルを使用していたはずだが。

 そう思っているとどこにでもいそうな風貌の品のいいお婆さんが話し始める、ギルド評議会会長だ。

 

「これでちょうど全員のはずですね、それじゃ会議を始めますよ」

 

 私たちが最後だったようだ、其処まで遅い時間じゃないと思っていたが待たせてしまったのだろうか?

 兎にも角にも会議が始まる、最初は混成騎士団から今の所モンスターなどの被害はないがやはり人手が足りないので今後はクエストカウンターに積極的に依頼を回すことが増える可能性があるそうだ。

 次はドミニオン代表並びにDEM代表からドミニオン界は今はまだ膠着状態だがもし敵方のDEMがこれ以上の増派をしてきた場合、支えるのが不可能になる可能性が高いとの報告だ。

 その次はタイタニア代表と古き民代表だ、タイタニア代表の方はウェストフォートに心を持たないDEMの力を弱体化させる結界装置の設置が完了、同じ装置を、エミル界タイタニア界にも設置予定。 古き民はあくまでエミル界限定だが後方支援をしてくれるらしい。

 そしてエミル達はこのエミル界の守護者、正確には守護竜であるエミルドラゴンから次元クジラが完全にこの世界を去っていったのを確認したので改めてドミニオン戦線に復帰して、一部はドミニオン界の反DEM派のDEMの首魁であるDEM-ドラゴンの援護に回るとの事だった。

 さて次は私の報告になるのだろう、何から話すべきか。

 

「初めまして私はナナシと申します。 三次職についてなのですが、ええとそちらの対次元クジラ戦線の英雄の方。 エミル君とお呼びしても?」

 

「僕は呼び捨てでいいよ」

 

「ありがとう。 私の知識が正しいのであればエミル達は三次職のスキルを使ってたはずだけど三次職じゃないのかい?」

 

 彼らは全員ストーリー終盤においてタイタニア界の守護竜、タイタニアドラゴンとの修行で力を覚醒させ以降の戦いではそれぞれの三次職カンストであるLv50のスキルを使用している。

 

「そうなの!? 僕のスキルに三次職のスキルが……」

 

「知らなかったのか…… エミルが使っていたジリオンブレイドや他の皆さんがタイタニアドラゴンとの修行で得たスキルは三次職の一番最後に覚えるスキルですよ」

 

 その言葉にエミルPTは全員驚いたような顔をする、本格的に自覚がないのかそれともプレイヤーとは違う方向に進化しているのか。

 とは言え彼らが解らない以上此方が説明する必要があるか、まだこの辺は差異が解らないから確定情報とは言えないのだが……

 

「それじゃあ三次職について話しますがこれはあくまでも私の知識の中にある方法なので、多少の差異がある可能性がありますので其処はご容赦ください」

 

 そして私は説明を始める。

 三次職は二次職か無職であるノービスを極めた存在がとある禁術で現在の肉体を捨て一つ上の位階に昇るものだと。

 そして条件としてはエミル世界の守護竜エミルドラゴンとノーザンに存在するあらゆる知識を収集されている大図書館「エンシェントアーク」に住んでいるケット・シーに認められ、更に原初の転生者、この世界において一番最初に三次職になった者たちである「武神」に力を示した上で後継者の一人として認めてもらう。

 ノービスの場合は世界各地を巡り研鑽を積み自らその位階に至ることが出来るという事を。

 

「そういえば転生者って言ってるけどどういう意味なの?」

 

「その言葉通りの意味です、彼らは人としての身体を捨てさらに上位の存在へと自身を昇華させているのです」

 

 この言葉にここにいる全員がショックを受けている、自身が人であることを捨てるという事をそうそう決断できる訳はないだろう、特にこの世界はゲームではなく現実だ。

 とは言えこれは正確なことではないしフォローとしてもっと込み入ったところまで話しておくか。

 

「ですが人の外に行くという訳ではありません。 正確に言うなら先祖返りという言葉が正しいです」

 

「先祖返り?」

 

「そう先祖返り。 かつての三種族は三次職以上の能力を有していましたが長らくの平和で退化、資源戦争が始まる前の時点で今の状態になっていたのです。 それを一部とはいえ取り戻したのが三次職という訳です」

 

 その言葉に少し空気が軽くなるのを感じた、人外になるのではなく元に戻るその言葉が効いたのだろう。

 物は言いようという奴だろうか。

 

「これで一応三次職の事は以上です。 何か質問はありますか?」

 

 その言葉に返答はない、正直皆お腹いっぱいなのだろう。

 そこで評議会議長が口を開く。

 

「何もないのなら今回の会議はこれで終了としましょう、あとテクニカル職に関しての資料は後に書面として各人にお渡しします。 正直三次職に比べるとすごく小さい事ではありましたが」

 

 

 

 

 

 

 そうしてこの場は解散になるが私はエミル君に聞きたいことがあったので呼びかける、すると彼は歩みを止めこちらに振り向いた話を聞いてくれるようだ。

 なので次元クジラ戦について聞いてみる。

 

「クトゥルフとの戦い? でもナナシは彼らの事を知っているんじゃなかったの?」

 

「一応知識にはあるがその知識との差異がないかの確認をね」

 

「なるほどね、確かに確認は重要だものね。 最後の戦いの分だけでいいのかな」

 

「ああ、其れだけお願い」

 

 そばにいるアミス先生も興味があるようだ、自分の教え子たちの事だし当然か。

 

「あの時は僕たちのPTと彼らのPTの二つのチームで行動してたんだ」

 

 いきなりの差異である、ゲームのストーリーはお一人様のコンテンツであった。

 その後の話だと大筋の流れは変わらないようだったが戦闘にアルマなどのパートナー組は不参加クジラ戦以外のアバターは各地に散って治安維持に当たっていたらしい、パートナー組も力不足の為こちらに回されていたそうだ。

 話してくれたことに礼を言い、エミル達と別れアミス先生と共にギルド元宮を後にした。




「守護竜」

エミル界    エミルドラゴン
タイタニア界  タイタニアドラゴン
ドミニオン界  ドミニオンドラゴン
        DEM-ドラゴン

 に存在するドラゴンたち、世界竜とも。
 DEM-ドラゴンに関しては元々ドミニオンドラゴンを模して造られ敵対していたが、後にこちら側に寝返る。
 尚以前にクジラがタイタニア界に進行して来たときにDEM-ドラゴン以外で食い止めているが、その時にタイタニアドラゴンが負傷、更にエミルドラゴンが内部に入ってクジラを封印しているため、タイタニアドラゴンは自世界を守護に専念。
 ドミニオンドラゴンは自世界とエミル世界を守っていたが、DEM-ドラゴンがこちら側に来た時に自世界の守護を丸投げしてエミル界の守護に専念している。
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