いんふぃにっと・亀仙流   作:サイデリア

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 ISと無印ドラゴンボールのクロスオーバーです。
 この世界にはサイヤ人とドラゴンボールはありませんが亀仙人とかは存在します。
 他にも小ネタレベルでクロスするかもしれません。



ぷろろーぐ

「おれ、強くなりたいんだ! 千冬ねえが、好きなことをできるように! おれを守らなくてもいいぐらいに!」

 

 小学6年生の織斑一夏が、亀の甲羅を背負ったハゲ頭の老人に熱く語る。

 

 春先の遠足で、一夏は山へハイキングにやってきた。

 そこで松茸狩りに来て遭難したウミガメに出会い、彼を背負って海まで連れていった。

 ウミガメは感動し、是非お礼がしたいから待っていてくれと言い残し、海の向こうへと帰っていった。

 それから一晩明けて翌朝。ウミガメが連れてきたのが、件の老人だった。

 

 老人はファンキーなサングラスの奥でキラリと眼を輝かせ、一夏に答えた。

 

「ワシの弟子になりたいのなら、ピチピチギャルを連れてくることだ」

 

 ピチピチギャル=きれいなお姉さんだと理解していた一夏は、さっそく電話で知り合いのお姉さんを呼び出だした。

 篠ノ之束は、呼び出しから10分もしないうちにジェットパックを背負って一夏の元へ文字通り飛んできた。

 

「ハロー、いっくん。束お姉ちゃんだよ~。突然どうしたのかな?」

 

 一夏は束にカクカクシカジカと説明した。すると束がなぜか頬を赤らめてくねくねしだした。

 

「えっと……いっくん、他にもきれいな女の人の知り合いっていたんじゃないの? その、ちーちゃんとか」

 

 一夏は首を振った。一番きれいだと思った相手が束だったと。

 真剣な目で見つめられ、束は柄にもなく身悶えた。

 

「若いもんはえ~の~」

 

 空気になりかけていたハゲの老人は、愉快そうに若者たちを見守っていた。

 

「連れてこいと言ったのに呼びつけたのは……ま、いいじゃろう。一夏よ、お主の弟子入りを認めよう」

「ありがとうございます!」

「ていうか、誰このおじいちゃん?」

 

 今更ながら疑問を抱いた束に、老人はわざとらしく咳払いをしてから答えた。

 

「ワシは亀仙人じゃ。世間では『武天老師』なんて呼ばれておるよ」

「ふ~ん。興味ない」

「あらら」

 

 束の素っ気ない態度にずっこける亀仙人だった。

 

 そして、数年の歳月が流れた。

 

 時代はまさに大IS時代!

 女性にしか扱えないパワードスーツ<インフィニット・ストラトス>の出現によって、世界の軍事バランスは変わるような気がした。

 しかしバトルジャケットという対抗馬がいたので世の中は思ったより女尊男卑にはならず、むしろ「高価だけど女にしか使えないISよりバトルジャケットのが優秀じゃね?」という意見もあり、軍隊での女性の発言力を高める程度の効果で落ち着いた。

 

 とはいうものの、ISが兵器として優秀であることには変わりなく、原作と似たような流れでIS学園は建設された。

 

「え~の~。一夏、ピチピチギャルに囲まれて、え~の~」

「またその話ですか? いい加減にしつこいですよ、武天老師さま」

 

 ここは南国の小さな島に建てられた一軒家。亀仙人の住居、カメハウスだ。

 一夏は荷物をまとめながら、同じ言葉を繰り返す師匠に呆れていた。

 

「こんなことなら、ワシもISに触れておけばよかった。そうすればワシも女子高に入学して――」

 

 でれでれと表情を崩す亀仙人。一夏はもう無視することにした。

 

「人の気も知らないで、いい気なものですね。俺が目指しているのは武術家なのに。天下一武道会の優勝も逃すし……はあ」

 

 一夏が思い出していたのは、つい先日出場した第21回天下一武道会だ。

 世界中から腕自慢の集まるこの大会。若干15歳にして決勝戦まで進んだ一夏だったが、謎の武術家・ジャッキー・チュンに惜しくも敗れてしまった。

 そのうえ、会場に飾ってあったISになんとな~く触れた結果、女性しか動かせないハズが起動してしまった。加えて一夏の歳の離れた姉は、IS業界における天下一武道会『モンド・グロッソ』のV2チャンピオンであった。さまざまな要素が合わさって、一夏の存在はあっという間に世界に広まってしまった。

 

 それからいろいろあって、一夏はISパイロットの養成機関『IS学園』へ入学することになってしまった。

 

 最初は武術家志望であることを理由に断った一夏だったが、亀仙人から「どのような経験も修行になる」との言葉に折れ、渋々了承したのだった。

 

「じゃあ、武天老師様。行って参ります」

「うむ。達者でな。仲良くなったピチピチギャルはちゃんと紹介するのだぞ」

「そればっかっすねぇ!?」

 

 一夏は荷物を頭の上に固定し、褌一丁で海へと入っていった。これから泳いで日本へ向かうのだ。

 

「俺も筋斗雲に乗れたらなぁ」

 

 心の清い者が乗れば自在に空が飛べる筋斗雲。残念ながら、一夏も亀仙人も乗ることが出来なかった。

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