というわけで、今回で唐突に最終回です。
「平和だなー」
「そーだねー」
夏休みに突入してからというもの、ラボで一日中イチャイチャしてばかりの一夏と束であった。
あまりのラブラブっぷりにクロエは学園近辺に一人で引っ越し、最近仲良くなったラウラと一緒にブラブラしている。何でも、お互いに他人のような気がしないらしい。
「って、何を和んでるんだーっ!!」
そこへ空気も読まずに飛び込めるのは、世界広しと言えども篠ノ之箒だけだろう。
「よう。どうした?」
「どうした、ではないぞ義兄上! 一体いつになったら私の専用機が完成するのだ! お陰でワイリーとの決戦に私だけ参加出来なかったんだぞ!!」
「ま、まだそこにこだわってたの、箒ちゃん!?」
ものすごい剣幕の箒が言っているのは、ひと月前の臨海学校の出来事である。
突如として海底から浮上した軍事要塞に陣取ったDr.ワイリーと、配下の戦闘ロボット軍団との戦いが勃発したのだ。
一夏を初めとする一年生の
ワイリーは逮捕され、彼が盗んだエイジャの赤石を取り戻したシャルルはチベットへ帰ったが、何故か数日後に再び女装姿で戻ってきている。
だが専用機が無かった箒は、原作ヒロインであるにも関わらずその戦いに参戦できないのであった。正確には生身で飛び出して対空砲火で撃墜され、そのまま退場している。さすがの束といえど、既存機体のカスタムならともかく一週間で0から専用機を開発するのは無理だったらしい。
「勘違いしないでほしいのは、エックスやゼロ級の機体を造るのは無理ってだけで、原作の紅椿級だったら造れたんだからね!」
「どこ向いて誰に話してるんだ、姉さん! こっちを見ろ!」
箒としては鈴と一緒に戦えなかったのが相当堪えたらしく、こうして日夜催促しにやってくるのだが、残念なことに無い袖は触れないのである。
「そうカリカリするなよ、箒。何だったら簪とかに相談したらどうだ?」
「もう行ったぞ。でも、今は18メートル級の搭乗型マシンに掛かりきりで手が離せないんだそうだ」
なお、箒がその搭乗型マシンのテストパイロットになるのは、ほんの二日後のことである。
ぷりぷり怒りながら箒が帰って行ったので、また二人でまったりする一夏と束――、
「お邪魔します」
が、数分と経たずに今度はシャルルがこそこそと潜り込んで来た。
「お前かよ、オカマ野郎」
「どうして束さんは僕への当たりだけやたら強いのかな」
「違うぞ、シャルル。束は基本的に誰にでもこうだ」
「そっちの方が大問題じゃないかな」
シャルルは靴下まで脱いで、自宅のような気安さで寛ぎだす。
今も女生徒として通学しているシャルルにとって、まったり気を抜いていられる場所は多くない。寮の自室にいてもルームメイトが
「シャルルは帰省しないのか?」
「うん。リサリサ先生にも言われたけど、当分はこっちでの仕事が優先だって」
「今度は何だっけ? 弓と矢?」
「うん。といっても、IS学園は本命じゃないから、何かあったときに出動するぐらいじゃないかな。だから基本は一学生として――」
「そうはいきませんわ!」
今度は鉄仮面の淑女が我が物顔で入ってきた。
「セシリアマスクじゃないか。休みの間はイギリスじゃなかったのか?」
「そのつもりでしたが、お父様にシャルルくんの事を話したら、是非会ってみたいと仰せられまして。一緒に帰ってきましたわ」
「デジマ?」
束がコンソールを操作して校庭の様子を映すと、セシリアマスクの父・ロビンマスクがプロレスリングを用意して待ち構えていた!
セコンドには母のアリサの姿もある。なお、アリサは超人ではないので素顔だった。
「これって、娘が欲しければ私に勝ってみせろっていう、あれ?」
「その通りですわ。というわけでシャルルくん。わたくしに格好良いとこ見せてくださいまし?」
「
気まずいなんてもんじゃない、せめて着替えさせてくれとゴネるシャルルだったが、結局ISのアンダースーツ姿でリングインさせられ、ロビンマスクと60分を超える死闘を演じることとなった。
一夏もシャルルのセコンドとして共に戦い、最後は現役を退いて久しいロビンマスクのスタミナ切れにより、辛くもシャルルは勝利をもぎ取った。
試合後には互いにガッチリ握手を交わし、シャルルはロビンマスクから正式に交際を認められたのだった。
それを遠巻きに観戦していた鈴は、
「やっぱり最後のオチまでセシリアマスクかい!」
そう誰もいない空に向かって、人知れずツッコんでいた。
……え、これじゃ打ち切り?
えっと……気が向いたら短編書くかも……いや、もう書かないか。
感想など書いてくださった皆様、ありがとうございました。