いんふぃにっと・亀仙流   作:サイデリア

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一発ネタ及び番外編シリーズ。
基本、出オチです。


番外編
【番外編】もしも、セシリアだけセシリアマスクだったら


 ここは本来の世界観に近い「インフィニット・ストラトス」の世界。

 織斑一夏は亀仙流を習っていないし、シャルロットも女装した波紋戦士でもない。

 

 しかしセシリアはセシリアマスクだったのです。

 

【新入生】

 その年のIS学園1年1組は注目の的だった。

 世界初の男性ISパイロット、織斑一夏がいるからだ。

 

 が、在籍する生徒の注目は全然別のところにあった。

 

(鉄仮面だ)

(鉄仮面がいる……)

(鉄仮面がネイルアートしてる……)

 

 教室の後ろの方の席で、両足を机の上で組むという非常に行儀の悪い態勢で、青い鉄仮面に金髪縦ロールという異形の女子生徒が、鼻唄混じりに爪の手入れをしていた。

 

「フフン、出来ましたわ。どうです、そこの貴女。可愛らしいと思いません?」

 

 鉄仮面の少女は隣の席の女子に、完成したホワイトベースにトリコロールで仕上げた左手の爪を披露した。

 

「あ、本当に可愛い」

 

 ゴツい鉄仮面と反して器用らしい。鉄仮面は満足そうに逆側の手の作業を始めた。

 

(よく分からないけど、悪い奴じゃないみたいだな。それに、お陰で誰も俺の方なんて見てないし)

 

 唯一の男子生徒ながら、それ以上のインパクトを持ったクラスメイトにより、織斑君は原作のような針の筵に晒されることはなかった。

 

 

【ファーストコンタクト】

 

「ちょっとよろしいですの」

 

 休み時間。織斑君は鉄仮面縦ロールに声を掛けられた。

 

「な、何か用か?」

「そんなにぶっきらぼうにしなくてもよろしいではありませんの。ただの挨拶ですわ。セシリアマスク・オルコットです」

 

 外見に反した常識的な態度に面食らいながら、一夏も自己紹介する。

 

「まあ、朝のホームルームで名前は知っていましたけど。そこはそれ、やはり初対面の印象というのは重要でしょう?」

「はあ……で、俺に何の用なんだ、セシリアさん」

「セシリアマスクです、織斑さん。マスクまでが名前です。まあ、織斑さんがどうしてもと仰るなら? そのハンサムマスクに免じて『せっしー』とお呼びくださってもよろしいのですよ?」

「いえ、結構です」

 

 結局、セシリアマスクは織斑君からのつっけんどんな返答に「そうですか」と一言返し、トボトボと自分の席へ戻っていった。

 

 織斑君は「本当に何のようだったんだろう」と、次の授業まで首を捻っていた。

 

 

【クラス代表】

 

 真っ先に立候補するセシリアマスク!

 

 クラスメイトに推薦される織斑君!

 

 どちらがクラス代表に相応しいかを巡り、一触即発になるかと思いきや?

 

「どうせなら、わたくしもイケメンが活躍するところが観たいですわ。というわけで、セシリアマスクはクールに辞退します」

 

 が、無情な千冬先生は立候補の取り下げを認めず、結局二人は対戦する流れとなった。

 

 なお、試合内容は開始一秒でセシリアマスクが織斑君にタワーブリッヂを決めたものの、時間一杯まで織斑君がギブアップせず、逆にセシリアマスクが、

 

「いつまでも耐えるから、私の背筋が逆に音を上げてしまいましたわ。腰痛が酷いので、やはりクラス代表は辞退します」

 

 と言い張って棄権した。

 代表には決まったが、原作以上にやるせない気分を味わった織斑君なのであった。

 

 

【ちょっと飛ばしてゴーレム戦】

 

 乱入した謎の黒いIS!

 立ち向かう織斑君と鈴ちゃんだったが、敵は強大で追い詰められてしまった。

 

 そこに颯爽と現れるセシリアマスク(生身)!

 

「タワーブリッヂですわー!」

 

 セシリアマスクの必殺技が黒いISの装甲を、フレームを、コアを粉砕する!

 

「リングにおいて飛び道具など無粋! 身に付けた力と技こそ全てですわ!」

 

 

「……何あれ、バイオゴリラ?」

「うちのクラスのセシリアマスクさんだ」

「いや、だから何者よ、セシリアマスク!? 人間!?」

 

 織斑君と鈴ちゃん、出番なし。

 

 なお、この様子をモニター越しに見ていた束は、せっかくクロエが入れてくれたココアを盛大に吹き出したのであった。

 

 

【夏到来】

 

 サマーシーズン到来!

 

 IS学園は臨海学校!! 海ではしゃいで水着だワッショイ!

 

 だがセシリアマスクの気分はとっくに水平線に沈んでいた。

 

「仮面が重くて泳げませんの」

「脱いだら?」

「!! シャルロットさん、破廉恥ですわ! マスク超人に素顔を晒せだなんて、このエッチ! スケベ! 変態! ネプチューンマン!!」

「待って待って!! えっ、そこまで一大事だったの!? てかネプチューンマンって誰!?」

「そんなことより織斑さんはまだですの? あの方の水着だけが楽しみでしたのに」

「流したよ、この人! しかもヒロインにあるまじき俗物っぷり!」

「あら? 織斑さんの意外と逞しい裸体を更衣室やらシャワー室でさんざん鑑賞した挙げ句、一緒に寝た女のセリフでしょうか、それは」

「さりげなく虚実折り合わせてこないで!」

「背中とかセクシーですわよね、彼」

「うん。意外と筋肉盛り上がってて──はっ!?」

「あらやだ、とんだムッツリスケベですこと──むっ!」

 

 その時だった!

 セシリアマスクの超人センサーが、大気圏から突入し、接近する物体を捉えた。

 

「だから、一夏みたいはイケメンが上半身裸だったら、誰だって目がいっちゃうでしょ!? ……あ、あれ、どうしたのセシリアマスク?」

「直感しました。箒さんが危ない!」

 

 砂浜を蹴って走り出したセシリアマスクは、シャルロットを残してあっという間に見えなくなった。

 

 

 セシリアマスクが切り立った崖を垂直に登っていく。その先には、織斑君に水着を見せるのが恥ずかしくって隠れていた箒がいた。

 突然現れた鉄仮面縦ロールに、剣道少女は肝を潰した。

 

「せ、セシリアマスク!?」

「箒さん、伏せて!」

 

 勢いよく跳躍したセシリアマスクは、今まさに落下してきた謎の物体をオーバーヘッドキックで水平線の彼方へぶっ飛ばした。

 

「ぶべらばっ!?」

 

 物体からくぐもった悲鳴が上がった気がしたが、もはや遠くの海へ潮流に乗って流されていくだけの物体よりも、腰を抜かした箒の方がセシリアマスクには気掛かりだった。

 

「お怪我はありませんか?」

「だ、大丈夫だが……な、何だったんだ、今の?」

「知りません。それより、こんなところにいないで、ビーチへ行きませんか? その素敵な水着姿で織斑さんを悩・殺・ですわ♪」

 

 箒に手を差し出し、セシリアマスクは(多分)柔らかな笑顔を浮かべた。

 

 

 なお、蹴り飛ばされた物体に乗っていた篠ノ之束は、ハッチが変形して出られなくなり、操縦系統も壊れたため五日間海上を漂流した挙げ句、フィリピン沖で漁船に救助された。

 

 よって福音事件も起きず、箒も夏休みに入るまで専用機が貰えなかった。

 




復活記念の番外編です。
またの名をボツネタ供養のコーナー。
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