みなさん、おはようございま~す。時刻は間もなく朝の五時をまわります。
最近はもう作者にも行動が読めなくなっているセシリアマスクでございます。
え、どうして声を潜めているかって?
実はわたくし、ただ今シャルルさんの寝室に忍び込んでいるからのです。
あ、別にいやらしい事なんて考えていませんわよ?
昨夜ネットで観ました昭和のTV番組で「寝起きドッキリ」というものを知りまして、さっそく試しに来たのですわ。
といっても、学園に友達がおりませんので、試しても怒らなそうなシャルルさんの元にお邪魔しました。
織斑さんでもよかったのですが、ルームメイトの布仏さんはともかく、万が一にも篠ノ之博士と×××な場面に遭遇したら嫌なので、こっちにしました。
さてさて、それではシャルルさんの寝顔を拝見、ですわ。
「くか~zzz」
おっと、こっちはルームメイトの方でしたわ。
大口開いてよく寝ています。口が渇きましてよ?
と、いうわけで反対のベッドに。
「zzz……」
………………………ハッ!?
いけないいけない、うっかり見惚れてしまいましたわ。これだから美少年は……危うくわたくしの中の野獣が目覚めるところでした、ふう。
それにしても、こうして見ると本当に男性なんでしょうかという疑問が尽きませんわ。まつ毛とかめっちゃ長いですし。
これはもう、確かめるしかありませんわね。
布団を捲って、
「何やってるのかな、セシリアマスク?」
おっと。シャルルさんがわたくしの腕を万力のような力で押さえ付けていますわ。
バズーカ撃つ前に起こしてしまうだなんて。
「もう、あと少しのところでしたのに」
「何があと少しだよ、変態淑女。そこは色々とデリケートなんだから、妙な真似しようとしないで」
「し、シャルロットさん? なんだか掴まれた腕が痺れるのですけれど?」
あ、これまずいですわ。この方、本気で怒ってらっしゃいます! 波紋がビリビリと伝わっていますもの!
ここは禁じ手のフェイスオープン!
「ごめんなさい、つい出来心でしたの。許してくださいまし?」
と、素顔の上目遣いで甘えるように懇願します。こういうとき、美少女は得ですわ。
「……まったく」
シャルルさんが手を放してくださいましたわ。プイと横を向いたお顔がほんのり赤くなっておいでです。
……案外チョロいですわね、この方。ワルい女に騙されたりしないかしら。心配ですわ。
「それで、こんな朝早くから何しに来たの? それ以前に部屋の鍵は?」
「あれぐらいの鍵ならISコアを通してちょちょいとハック出来ますわ。ご用の方は特に」
「無いの!?」
「はい。強いて言うなら叩き起こしに来た、ぐらいでしょうか。もう起きてしまいましたので無駄足でした」
「……たまの休みに何やってるの?」
ぼっちだから暇なのです。
「あ、そ」
「というわけで、朝食を摂ったら出掛けましょう」
「何が『というわけ』なのかな?」
「ご心配なく。篠ノ之博士と織斑さんなら今日明日はトーマス・ライト研究所で泊まり込みですわ。あそこ、関係者以外は立ち入り禁止ですから着いて行けませんし」
「それは知ってるけど……ま、いいか」
「うふふ、シャルルさんとデートですわ♪」
そう言うと、シャルル君は満更でもなさそうに頷いてくれました。
うふふふ、では今日一日付き合っていただきましょう。
ブティックとコスメとランジェリーショップに、回るべきお店はいくらでもありますもの。
……実のところ、柄にもなく緊張しているのです。男の子とデートなんてしたことありませんもの。……それ以前に同年代の友達自体が初めてなのですけど、それはそれ。
ただ、この後寮を出る間際に鈴さんと箒さんに鉢合わせし、デートのはずが四人でのショッピングになってしまったのは業腹でしたわ。
それはそれで楽しかったのですが、シャルルさんったら水着を試着した箒さんに鼻の下を伸ばしたりして。悔しかったので、シャルル君にもドギツイビキニをお勧めしておきましたわ。