ほのぼのバトスピ伝   作:ヴァーチャル

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第6話 漆黒に染まりし氷結の翼

渇いた大地。ここはバトルフィールド。この大地に2つの光、緑と白の流星が舞い降りる。光が弾けた跡に、二人の戦魂者が立ち、鋭く互いの目を見合う。

緑の光から現れた方は、緑の作業服を着ているおとなしそうな中年の男性。対して白の光から現れた方は、黒い翼を生やした白い戦魂スーツを着た少年。その眼はギラギラと輝いている。

 

「この夜空に、ボクの戦魂を捧げてやる!!さぁ、白のダンスといこう!!」

「……って、お前誰だよ!?」

 

斬は驚いて叫んでしまう。当然だろう。さっきまで自分と一緒にいた、そこそこ知っているはずの人物が、全く違うキャラで目の前にいるのだ。どう違うかと言うと、引っ込み思案っぽかった気弱そうな少年が、ドヤ顔で腕組んで堂々としていて、なんか眼がオッドアイになっているといえば、もう大体分かるだろう。オッドアイというのは目の色が左右で違うってことである。鴉は白と黒。

 

「ひどいな斬さん。ボクだよ、鴉だよ」

「いやだってお前、そんなにテンション高くねぇし、そんなイタい格好しなさそうだったし」

「さらっと酷いな斬さん。まぁボクには今から戦魂があるんで、説明は姉貴に任せとく」

「あ、姉貴……?」

 

これまでは可愛らしくお姉ちゃん、なんて呼んでいたのに、今は可愛いというより格好いい感じだ。斬は少し悲しい気持ちになった。

 

「あぁ、斬さんには言ってなかったね。鴉は戦魂するときはイケメンになるんだよ」

「さらっとわけわかんねぇこと言うね」

「なんか、テンションが高くなると性格もハイになっちゃうみたい。あ、眼はカラーコンタクトだよ」

 

いつまでも驚いてるわけにもいかないので、とりあえず無理矢理でも納得しておくことにした。

 

「会いたかったですよ、鴉さん」

「どうも。じゃあついでに、ボクの仲間にもこれから会わせますよ」

「それは楽しみですね……」

 

オジサンと鴉が最初の手札を引き、二人の戦魂が始まる。先攻はオッサン。

 

「私のターン、『一番槍のシベルザ』を召喚。さらにバーストをセットし、ターン終了」

「ボクのターン、『ボーン・ダイル』、『ジャコウ・キャット』、召喚。召喚時効果で、シベルザには退場してもらうよ」

 

ボーン・ダイルは紫のスピリットだが、自分のメインステップ中、自身に白のシンボルを2つ追加する。これによって軽減シンボルを稼ぎ、コスト4のジャコウ・キャットを早く召喚できたのだ。

 

「ジャコウ・キャットの[連鎖(ラッシュ)]発動。デッキから1枚引く」

「連鎖?」

「効果を発動したあと、特定の色のシンボルが自分の場にあれば発動する効果のことだな。ちなみにジャコウ・キャットの連鎖の条件は紫シンボルだ」

「解説ご苦労さんバシン巡査」

「ですが、私もただではやられない。バースト発動、『双翼乱舞』。2枚ドローする」

「ボーン・ダイル、攻撃だ」

「ライフで受けましょう」

 

紫色のワニのような生き物が、飛んでオジサンに突進し、ライフを砕く。

 

「オジサンにブロッカーはない。攻めるか……?」

「ボクはこれで、ターンエンドだ」

「私のターン、『ダンデラビット』見参。効果でコアを増やし、シベルザを再び召喚」

 

人参を口にくわえたウサギと、槍を背負った獣が召喚される。

 

「あれ、ダンデラビットを後に出せばコアがもう1個増えたんじゃ?」

「コアが足りねぇよ。鴉がもう1回攻撃してたら、それは可能だった。逆に言えば、鴉がコアブをさせないように計算して攻撃したってことだな」

「おぉー。考えてるなぁー」

 

オジサンは自らの場と手札を見て、目を閉じる。

 

「私はターンエンド」

「慎重なんですね。緑だから、速攻してくると思ってました」

「いえ、ゆっくり楽しませてもらいます」

 

オジサン 状況

[手札]5[ライフ]4

[場]《回復》

ダンデラビットLV1(1)

シベルザLV1(1)

 

「ボクのターン、『ソードール』召喚。そっちが来ないなら、こっちから行く!ブレイヴ、『サグナ・オックス』を召喚し、ジャコウ・キャットに合体(ブレイヴ)!!」

 

馬のような形をした骸骨が現れ、バラバラに分解された自らの身体の破片を、ジャコウ・キャットに鎧のように装備する。白銀の猫が純白の光を放つ。

 

「おぉ、ブレイヴ!!」

「行け合体スピリット、合体アタックだ!!」

「ライフで」

 

合体した猫が駆ける。ダブルシンボルの凄まじい攻撃力。これを受ければひとたまりもないだろう、という俺の予想に反して、猫の突進は緑色のバリアーに阻まれる。

 

「シベルザの効果。シンボルを2つ持った合体スピリットのアタックでは、互いのライフは減りません」

「おぉ~。じゃあ、鴉の攻撃は意味ないってこと?」

「それはどうかな?」

 

猫の上でコアが1個輝き、猫の中に取り込まれる。

 

「サグナ・オリックスは合体アタックのとき、ボイドからコアをひとつ機獣におくことができるんだよ」

「なるほど。コアブーストのために、あえて攻撃したわけか」

「そういうこと。ボクはターンエンド」

 

鴉 状況

[手札]3[ライフ]5

[場]《回復》

ボーン・ダイルLV1(1)

ソードールLV1(1)

《疲労》

ジャコウ・キャット&サグナ・オリックスLV2(2)

 

「私のターン、結界(ネクサス)『賢者の樹の実』を配置。さらにマジック『ギャザーフォース』」

「そろそろ来ますか」

 

オジサンの気の流れが変わったことを、鴉は戦魂者の勘で理解する。彼の期待に応えるかのように、オジサンは1枚のカードを振りかざした。

 

「闇に蠢く沈黙の鎌よ。蘇った心の輝き、未来を想う魂の光を、その刃に映せ!!『黒蟲魔王 ディアボリカ・マンティス』、見参!!」

 

緑に輝く甲冑、禍々しく光る鎌。これぞカマキリだ、という感じのカマキリが現れる。

 

「おぉー。あのオジサン、カッコいいカード使うな~」

「虫は男のロマンだよなー」

「さらにバーストセット。私はこれでターンエンド」

「あれ、動かないんだ?」

「だがボクは止まらない!!王が見る世界。漆黒の未来を拓く決意の力が、集いし刃で神を斬る『黒皇機獣ダークネス・グリフォン』、召喚!!」

 

黒い氷の塊が出現し、華々しく砕け散る。天から注ぐ闇と氷の柱が交わり、ぶつかり合う波動の結び目から、神々しい鷹が生まれる。

 

「め、メ、メカッコイイー!!」

「同じ白でも、私のデッキとは違うキースピリットを選んでるわけだよ~」

「召喚時効果で、ディアボリちゃんとシベルザを手札に戻す。さらに連鎖紫で、2枚ドロー」

 

鷹が放つ氷の吐息がカマキリたちを吹き飛ばす。

 

「よしっ。これで合体すれば……」

「させません!!バースト発動、『甲竜封絶破』っ!!」

「なっ!?」

 

オジサンの場のバーストが弾けとび、同時に白い竜巻が巻き起こり鷹を捕らえる。そしてそのまま鷹は吹き飛ばされ、空の彼方へ消えた。

 

「甲竜封絶破は相手の召喚時効果に対して発動し、相手のフィールドのカードをデッキの下に戻しちまう」

「バースト1枚で鴉のキースピリットを即座に消した……!!すげぇぜオジサン!!」

「だが召喚時効果はしっかり喰らった。ブロッカーはダンデしかいないが、鴉はどうする?」

 

鴉は少し悔しそうな顔をしながらも、前を見据えてカードに手をかける。

 

「このチャンスを逃すかっ!!『イグア・バギー』を召喚。そしてアタックステップ、合体スピリットで攻撃」

「ダンデさん、ブロック頼みます!!」

 

ダンデラビットが防御のために破壊される。さらにボーン・ダイルが続き、オジサンはその攻撃をライフで受けた。

 

「賢者の樹の実の効果により、ボイドからコアを1つリザーブへ。さぁ、まだ来ますか?」

「……いえ、ターンエンドです」

 

鴉 状況

[手札]4[ライフ]5

[場]《回復》

イグア・バギーLV1(1)

ソードールLV1(1)

《疲労》

ボーン・ダイルLV1(1)

ジャコウ・キャット&サグナ・オリックスLV2(2)

 

「あの人、動かねぇな」

「鴉の攻撃でも微動だにしない。たぶん、カウンター型の戦魂者」

「キーカードが揃うまで待ってるわけだな」

 

オジサンのターン、オジサンはシベルザとディアボリカ・マンティスを再び召喚する。

 

「そして、私の相棒を紹介しましょう」

「へえ」

「星を纏う緑の風、誇りと自由の騎士と共に降臨!!『星騎士ハーキュリーΩ』召喚っ!!これで、ターンエンド」

 

オジサン 状況

 

[手札]2[ライフ]3

[場]《回復》

シベルザLV1(1)

ディアボリカ・マンティスLV1(1)

ハーキュリーΩLV1(1)

賢者の樹の実LV1

 

「キースピリットの召喚、だけど」

「攻撃はないな」

「サグナ・オリックスは合体アタックのとき、疲労状態のスピリットに指定アタックできる。迂闊に攻撃はできねぇな」

「……ボクのターン」

 

鴉はカードを引き、そして笑う。

 

「ボクと同じく、キーカードが揃ったら一気に攻めて決めるタイプですか」

「えぇ」

「つまりコンボ重視。緑でその戦術は珍しいですね」

「緑だから、燃えるのですよ」

「……なるほど。でも、ボクも負けません!!天空より注ぐ月の光を受け、眠れる獅子は誇りに吠える。『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』、LV2で召喚!!」

 

空に獅子座が浮かび上がり、次の瞬間、銀色に煌めく獅子が地上めがけて駆け出す。幻想と現実の狭間が砕け、この大地に獅子が降り立った。

 

「カッコいいー!!これが鴉のキースピリット!?」

「12宮Xレアの1体だな」

「私のラグナちゃんとかよりちょっと後に出たやつだね」

 

獅子が吠える。しかしまだ動くべきときではない。鴉はジャコウ・キャットに手をかける。

 

「合体アタック」

「ライフで」

 

シベルザの効果でライフにダメージは無いが、鴉のコアは増える。

 

「ボクはこれで、ターンエンド」

 

鴉 状況

[手札]4[ライフ]5

[場]《回復》

ストライクヴルム・レオLV2(2)

ボーン・ダイルLV1(1)

イグア・バギーLV1(1)

ソードールLV1(1)

《疲労》

ジャコウ・キャット&サグナ・オリックスLV2(2)

 

「私のターン。では、こちらもブレイヴ投入!!『突機竜アーケランサー』を召喚し、ハーキュリーΩと合体!!」

 

ガチョガチョガチョーンと音が鳴り響き、赤の機械の竜と星騎士が合体する。合体スピリットが全身から真紅の光を放つ。

 

「ディアボリカ・マンティスをLV2へ。では、行かせていただく。合体アタック!!」

「ライフです!!」

 

シベルザはシンボル2つを持った合体スピリットのアタックによるライフの減少を封じるが、この合体スピリットはシンボル1つ。よってシベルザの効果は受けない。赤い竜巻が、鴉のライフを1つ吹き飛ばす。

 

「さらにディアボリカ・マンティスLV2の効果。神速が相手のライフを破壊したとき、さらにもう1個ライフを破壊する。ハーキュリーは神速を持つので、ライフをいただく!!」

「……っ!!」

「私はこれで、ターンエンド」

 

オジサン 状況

[手札]3[ライフ]3

[場]《回復》

ディアボリカ・マンティスLV1(1)

シベルザLV1(1)

賢者の樹の実LV1

《疲労》

ハーキュリーΩ&アーケランサーLV2(3)

 

「ボクのターン。出でよ背徳の闇。13番目の絶望より生まれし邪神の魂が、忌まわしき暗黒の業を為す。『蛇皇神帝アスクレピオーズ』召喚」

 

空に蛇遣い座が浮かび、注ぐ紫の光とと共に巨大な蛇が降臨する。これも12宮Xレアの1枚。

 

「召喚時効果で、イグア・バギーを破壊して3枚ドロー。イグア・バギーを召喚し、アタックステップ」

 

鴉はジャコウ・キャットに手をかける。ハーキュリーΩのBPは12000。合体したジャコウ・キャットの8000では及ばない。疲労状態のスピリットは通常ブロックには参加できないが、ハーキュリーΩは神速が召喚されたとき、自らを回復させる効果がある。それらを全て理解しながらも、鴉は攻撃を仕掛ける。

 

「合体アタック!!」

「揺さぶりをかけてきましたか……。ならば応えましょう。『マー・バチョウ』を神速召喚。ハーキュリーΩは回復、そしてブロック」

 

星騎士がジャコウ・キャットを叩き伏せ、こっぱみじんに破壊する。鴉は苦笑いを浮かべる。

 

「サグナ・オリックスはスピリット状態で残します。ボクはこれで、ターンエンド」

 

鴉 状況

[手札]6[ライフ]3

[場]《回復》

ストライクヴルム・レオLV2(2)

アスクレピオーズLV1(1)

ソードールLV1(1)

イグア・バギーLV1(1)

ボーン・ダイルLV1(1)

《疲労》

サグナ・オリックスLV1(1)

 

「では、攻めさせていただきます」

「待ってましたよ」

「これが私の、最後の切り札。絶望を塗りつぶす緑の(かいな)よ、星の光と交わり闇を砕け!!神の力、『巨蟹武神キャンサード』召喚!!」

「蟹座の12宮Xレア──っ!!」

 

金色の刃を手に輝かせ、緑の甲冑を纏った蟹が猛く吠える。

 

「念には念をいれて、賢者の樹の実をLV2にします。さぁこの攻撃をどう凌ぐか、見せていただく。合体アタック!!そしてキャンサードの効果。あなたはこのアタック、スピリット2体でなければブロックできない!!」

「そんな効果があるのか……!!」

「さぁ、どう受けますか!?」

「フラッシュタイミング、マジック『幻影氷結晶』を使用。ハーキュリーΩを選択」

「な──っ!?」

「アタックはライフで受ける」

 

ハーキュリーΩの体が透け、その突進から力がなくなる。鴉は微動だにせず攻撃を受けるが、ノーダメージ。

 

「幻影氷結晶は選んだスピリットのアタックによるライフの減少を封じる」

「ハーキュリーΩは連続攻撃が得意なスピリットだけど、これじゃ無意味だね」

「ぬぅ……。ならば、ディアボリカ・マンティスでアタック!!アタック時効果でアスクレピオーズを疲労。そしてフラッシュタイミング、マジック『スタークレイドル』を使用。ハーキュリーΩを手札に戻し、ソードールを疲労させる。アーケランサーには申し訳ないが消えていただく」

「そのアタック、ボーン・ダイルでブロックします」

 

音速ではしる鎌に切り裂かれ、ボーン・ダイルは破壊される。

 

「だけどダブルシンボル相当の攻撃

は防いだ。いい仕事したぜ」

「まだ終わりません。キャンサードの攻撃。そしてフラッシュタイミング、ハーキュリーΩを神速召喚」

「ライフです」

 

鴉のライフは破壊され2になる。

 

「続け、ハーキュリーΩ!!このアタックはスピリット2体でなければブロックできず、通ればライフを2ついただく!!そしてまだマー・バチョウが控えている。これで、終わりです!!」

「……それはどうでしょう?フラッシュタイミング、マジック『幻影氷結晶』を使用!!」

「なん……だと……!?」

 

ハーキュリーΩが再び力を失う。鴉は攻撃をライフで受けるが、幻影氷結晶の効果でライフは減らない。

 

「……2枚目を持っていたとは……!!」

「さぁ、どうしますか?」

 

オジサンは自分の手札を見る。コスト1のマッハジー。白のバウンスマジックを警戒してキャンサードやシベルザのLVをあえて上げず、ハーキュリーΩの連続攻撃で波状攻撃を仕掛ける戦術だったが、幻影氷結晶という意外なカウンターに阻まれた。

 

「……ふっ、やりますね。ですがターン終了時、賢者の樹の実の効果で、私のスピリットは全て回復します。これでターンエンドです」

 

オジサン 状況

[手札]1[ライフ]3

[場]《回復》

ディアボリカ・マンティスLV2(3)

ハーキュリーΩLV1(1)

キャンサードLV1(1)

シベルザLV1(1)

マー・バチョウLV1(1)

賢者の樹の実LV2(2)

 

「ボクのターン!!では、ボクのとっておきも見せましょう。獅子と並び立つ星の使者よ、戦いの大地を緑に染める豪腕で、神の力をここに示せ!!『巨蟹武神キャンサード』召喚!!」

 

蟹座が出現し、鴉の元のスピリットたちが叫ぶ。仲間が駆けつけたことへの喜び、勝利への咆哮が、戦いの場に轟き大地を揺らす。オジサンの場のそれと同じ姿の蟹座の12宮Xレアが、鴉の場に降臨した。

 

「まさか、あなたの切り札もキャンサードとは!!」

「ふふ。驚いたでしょ?」

 

鴉はお茶目にウィンクし、得意気に微笑む。オジサンも嬉しそうに笑う。同じ切り札を使っているというだけで、二人の間には謎の絆のようなものが生まれていた。

 

「さぁ、ここから本番だ!!サグナ・オリックスよ、我が友と合体せよ!!これが、ボクの最強の合体スピリットだ!!」

 

ストライクヴルム・レオとサグナ・オリックスが合体し、LVは3になる。BPは15000。破格のパワーを持った怪物が誕生した。

 

「でも合体したらダブルシンボルになる。シベルザの効果で……」

「いえ、斬さん。ストライクヴルム・レオの合体時効果により、ボクの光導と星魂に白のシンボル2つを追加する。よって合体スピリットはトリプルシンボル!!」

「そっか!!シベルザが防げるのはダブルシンボルの合体スピリットだけ。やるぜ鴉!!」

 

今の鴉の場には、シベルザの効果を受けるカードはない。よって鴉は何も出し惜しみすることなく、渾身のアタックが可能なのだ。

 

「行け合体スピリット!!月明かりに吠え、我が地を駆け巡れ!!」

「……ぐぅ!!」

 

このアタックを受ければオジサンの負けは確定。思わず顔が歪む。しかし最後まで諦めることはしない。

 

「シベルザ、マー・バチョウ、ブロックを頼みます!!」

 

ブロックに駆り出された小さな戦士が緑の疾風に吹かれ翻弄される。キャンサードの効果が発動している攻撃の時は、ブロックしている2体のうち1体を攻撃側が選び、選ばれたスピリットとアタックしているスピリットがBPを比べてバトルする。鴉はシベルザを選び、獅子の巨大な足がシベルザを叩き潰す。

 

「ぬぅ……!!」

「続けアスクレピオーズ!!そしてストライクヴルム・レオは、このスピリット以外の自分の光導か星魂が疲労した時、回復する!!」

「ライフで受けるっ!!」

 

トリプルシンボルが起ち、ダブルシンボルのアスクレピオーズの攻撃がオジサンを襲う。蛇の尾がオジサンの周りに出現したバリアに巻きつき、どす黒いレーザーを容赦なく叩き込む。

 

「ぐっ!!」

「続け、我が友よ!!」

「ハーキュリーとディアボリカ・マンティスでブロック!!」

「ディアボリカ・マンティス、ダンスの相手はお前だ!!」

 

ディアボリカ・マンティスの鎌から放たれた衝撃波をかわし、獅子の咆哮が大地を砕く。ディアボリカ・マンティスが正面から飛んでくる巨大な岩石を鎌で切り裂き、その視界を正常な状態に戻した時、月明かりに照らされた獅子はその眼前に迫っていた。それを認識した瞬間、獅子の刃は鎌を切り裂き、そのままディアボリカ・マンティスを切り裂き破壊した。

 

「イグア・バギー、アタック!!このアタックが、我が友を再び呼び覚ます!!」

「フラッシュタイミング、『マッハジー』を神速召喚。キャンサードとマッハジーでブロック」

 

イグア・バギーは破壊される。しかしオジサンの場にブロッカーは無く、鴉の場には回復状態のスピリットが2体。勝負は決まった。

 

「さすがです、鴉さん」

「あなたもね」

「ふふ。さぁ、スカッと決めてもらいましょうか!!」

「えぇ。行くぞ、ラストアタックだ我が友よ!!合体アタックだぁぁっ!!」

 

告げられたラストコール。獅子が駆ける。

 

「ライフで受けるっ!!」

 

オジサンの最後のライフが砕ける。鴉の勝利が決まった。

 

 

 

「……素晴らしい戦魂でした」

「はい。また、よろしくお願いします。今度は息子さんともやりたいですね」

「ありがとうございます」

 

二人は微笑みながら握手した。

 

 

 




由希「はい、始まりました~!!斬さんの~雑談ステップー」
斬「わっ、なんだぁ!?」
由希「今回から、ここで雑談していきま~す。あ、私は白咲(しろさき) 由希(ゆき)です」
斬「お、おー」
由希「今回は鴉の初戦魂だったね」
斬「そうだな。ところで、なんであのオジサンって鴉のカードでびっくりしてんだ?ファンなら知ってそうなもんだけど」
由希「あの人はダークネス・グリフォンで無双してる鴉しか知らなかったみたい」
斬「強いもんなグリフォン」
由希 「うん。じゃあ、そろそろしめてください」
斬「え、いきなり!?っと、戦魂者諸君、いい夢を……Good-Bye」
由希「キザだねー」
斬「うるせーなー。じゃあお前しめろよ」
由希「みんな、これからもよろしくね~」
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