というわけで回想入ります。
遅刻ちこく~~~~~!
私、獅子戸怜!いままでは普通の社会人だったのだけれど、突然世界中に顔が知れ渡って一躍有名人!なんだかよくわからないうちにIS学園に入学することになったの!
いかん、眩暈がしてきた。自分で言うものじゃないなアホか。
なんでそんな言動したのかって?そりゃ言いたくなりますよ、まさかの二度目の高校生活。しかも女の子ばかりの学園。俺男だけど。
灰色の青春をやり直すときがきたのだあああああああああ!
……まあ、遅刻しそうなのは本当なんですけどね。
あの天災博士が俺を公開したのが五日前でその言葉通りIS学園に入ることに決まったのが昨日。入学式の前日ですよ、一夏よりひでえや。
放送が終わった後はもうどうしようかと思ったね。とりあえず会社に電話入れて行けそうにないことを……俺も状況がよく分かってないから何とも言えなかったんだが上司も茫然と頷くだけだったしな。今日遅れたのも入学することになって会社を抜ける作業が……大人には社会のしがらみがいくつもあるんですよ。せっかく仕事に慣れてきたと思ったらあの自由人め、簡単に他人の人生をめちゃくちゃにしやがる。
そんなわけで急いで向かっているのだがIS学園は日本が運営しているがどの国家にも属さない場所とされ、海上フロートに建てられている。本土と唯一繋ぐ道はリニアがあるのみとなっている。ここで問題なのがゼロだ。いや、ISって待機状態っていうのがあって装着者のアクセサリーになって守ってくれたり、すぐに装甲を転送できたりするのだがゼロはまったくそんなことはない。あの放送から世間ではゼロが最初のISだと考察されているけど、そもそもISではないと思うんだよなー。ちょっと大きいペットロボット的な扱いだったんだが……とにかくゼロは体長4メートル、高さは1.2メートルくらいの体そのままでIS学園まで行かなければならないのだ。まあ関係者だしリニアには乗せてもらえるかもしれんがその道中だって大騒ぎになること間違いなしだ。そこで俺がとった画期的な方法は……
はい、ゼロさんの背中に乗って海を駆けてます。街中はちょーっと高いところ走りましたよ、ピカピカのIS学園の制服が濡れそうになりました。高校生デビュー最悪のスタート切るところだったわ、遅刻しそうな状況だけど。IS学園初の不良か……
冗談じゃない。
なんとかリカバリーしなければ……いや事情があるんだちゃんと言えばいい、いつ?
うーん、男のIS装者なんてみんな興味を持つはず、転校生的なノリで囲まれるはずだ!そこでフレンドリーな感じに……話せるか俺?大丈夫だ、学生の頃の俺ではない!営業スマイルを習得し、鍛え上げた営業トークで……いや、だめだろ相手女子高生だぞ!何か話題話題……お、そういや皆ゼロのことは気になるよな。俺に聞かれても正直困るんだけど、初めて会った時の話でもすればいいんじゃないか?えっと、初めてゼロと出会ったのは小学生の頃―――
むかしむかし、あるところに小学生で帰宅途中のししどりょうくんがいました。
怜君は山へ柴刈り……ではなく星を見に行ったのです。
夜空の?いいえ、山に落ちた星をです。
普通の人は落ちた衝撃も音ないので見間違いと思うでしょうが、怜君は落ちたと感じたのです。意気揚々と山を登る怜君でしたが日が落ちた途端に辺りは暗くなり、迷子になってしまいました。
ついに怖くなって進むことも引き返すこともできなくなったその時、茂みの中からガサゴソと物音が……
食べられる、と後ろに倒れこんだ怜君の前には!
・・・・・・うさ耳の少女がいました。
茂みの中から耳だけが飛び出してピコピコ、ビンッ!と折れ曲がったと思うと耳の倒れた方向へ進んでいきます。
彼は一人でなくなったことに安心しましたが別の不安が募ります。
彼女は同じ学校にひとつ上で通っていましたが全学年で知らない生徒はいないほど有名でした。
彼女は篠ノ之束という珍しい名前もさることながらとても《変わっていました》。
フリフリのお洋服にピンクの髪とうさ耳で、とてもかわいらしいのですが、彼女はだれとも仲良くしようとしませんでした。
小学校ではよくある、男子のちょっかいも女子グループによるいじめもどこ吹く風で、逆に追い詰めて相手が逃げていくのを怜君は何度もみたことがあります。
彼女は《そもそも相手を見ていない》ようです。
「こっちから強烈な反応が!近いよ近いよ~」
今もそうで、怜君に構わずどんどん進んでいきます。
話しかけられる雰囲気でもなく、かといって一人に取り残されるのは嫌だった怜君は
少女の後ろについていくことにしました。
うさぎ(みたいな少女)を追いかける……彼女の格好も相まっていつしか読んだ絵本のようだと怜君は思いました。
本では追いかけると突然穴に―――
落ちました。先を走っていた彼女の体が下へ沈んでいきます。
怜君は彼女の手を掴むことができました。
しかし、とっさのことだったので踏ん張ることができずそのまま……
山での転落。彼は死を覚悟しました。
思い切って目を開けると彼女の顔がありました。
向こうもこちらを見ていました。彼らは呆けた顔して見つめ合っていました。
無限に続く時間を感じていましたが現実はすぐ腹から斜面にぶつかりました。
二人は絡み合って転がっていきます。
ようやく止まった時、彼は彼女下敷きになってあちこちを打ち付け、動けないでいました。彼女はしばらく馬乗りに彼を《見て》いましたが前を見ると痛む様子もなく立って進んでいきます。
彼は寝ころんだまま周りを見渡します。なるほど、落ちたのは山の崖ではなく
大きなくぼみだったようです。
その中心にはほのかに辺りを照らす光の元……四角い箱?
束ちゃんはさっそくなんだかよくわからない機器を取り付けています
「これは一体何?」怜君も物体に近づいて束ちゃんに聞きます。
「……」
反応なし。意識したわけではないけど結果的に庇ったのだから一言くらいあってもいいんじゃないかと思う怜君は挑発します。
「篠ノ之さんでも分からないことがあるんだ」
「……何なの君は。私は分かってたよ、落ちてくること」
今度は返してきました。メーターが振り切れて壊れる機械を見ながら。
落ちてくることをあらかじめ知っていたのはすごいと素直に驚きました。
しかし、これが何かは分からないようです。
一メートル四方の正方形。鉄などの金属とはなんとなく違う質感。中心から強烈な光を放っていて細かい溝が不思議な紋様のように浮き出ています。
……これは新手のUFOで球体は宇宙人なのだろうか。小学生ならではの柔軟な発想で怜君は「初めまして、あなたは誰ですか?」と放ちました。
――沈黙。
「何なの君は。もう離れて」
彼女の言葉でちょっと恥ずかしくなった怜君は慌てて取り繕うとして箱に触れ――
「触らないで!」
彼女は引き離そうと彼の右腕を掴み、慌てて駆け寄ってきた彼女に驚いた彼はバランスを崩して
――箱の中に手を突っ込みました。
グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
なにかが《います》。箱が《ある》だけではなく、恐ろしい何かが。それは触れたことで彼の頭の中で現れました。いや、彼女にも伝わっているようです。
とてもとても大きな存在。彼らを威嚇しているようです。身が竦んで手を引っ込めなかったのは逆に良かったかもしれません。
『ごめんなさい』彼は頭の中で自分の素直な気持ちを伝えました。
そして『はじめまして、ししどりょうです』
こっちも怖かったけどそれ以上に《向こうも怖がっている》ように感じた怜君は自分を名乗りました。
次の瞬間、彼らは現実にいました。いや、そもそもあそこはどこだったのでしょう。
そして箱は―――形も何も、変わっていませんでした。
ただ、光が穏やかになり中心に美しい球体があることが分かりました。
今度は伝わるかもしれないと言葉を放とうとして、
上から音が近づいてくるのに気が付きました。
「ヘリコプターだ」
宇宙からの落下物に気が付いたのは彼女だけではなかったようです。
ちょうどいい、見つけてもらって返してもらうと彼は考えていたのですが
「束さんホッピングブーツ!」
突然彼女が飛び上がったかと思うと彼を背中から抱きしめ、くぼみを抜け、ぴょんぴょん山を下っていきます。
「ちょっ、なんだよ!うわぷっ」彼は枝葉に絡まれながら問います。
「ごめんねー。方向はなんとかできるんだけど高さは開けられないの。」
彼はなぜいきなり下り始めたのかを聞きたかったのですが別の答えが返ってきました。
とりあえず「俺は盾ってことかーーーーー!」彼は叫びました。
―――家に戻ったころには擦り傷だらけで落ちた時に打った痛みがなくなっていることに気づきませんでした。
その後、彼女は頻繁に怜君の家に来るようになりました。なぜか?例の物体が彼の家にあるからです。あの夜の次の日、カーテンを開けたらドン!と庭に置いてありました。びっくりです。家族も大きな謎の物体を見て驚いたようですが、昨日自分が見つけた、と答えると「人様のものではないのね」と確認して、それだけでした。それでいいんですかお母様。
もしかしたら宇宙人の所有物かも……と考えていると束ちゃんが例のごとくうさ耳をピョコピョコさせて入ってきました。
「うーん、束さん大せいかーーーい!さすが天才の私!」
いきなり自画自賛です。不法侵入ですよ、どうしてきたと彼が言うと
「で、どうするのこれ?」ぐうの音も出ませんでした。
どうしてここにあるかも分からず、このままというのも危険な感じがするので、結局束さんに任せることにしました。
外でやるのは~と言って人様の家の庭を掘り返して地下室を作って数日。見たときは絶叫した怜君ですが、「秘密基地みたいでいいじゃないか」寛容すぎませんかお父様。
で開き直って自分も壁打ちとか遊び場として盛大に活用していると
「も~!しーちゃんもうちょっと協力してよ~~~」
おや?「おい、束姉しーちゃんとは誰だ?」彼も尋ねます。
「やだな~、ここには束さんとりょーくんとあと一人しかいないよ?」
……となるとこの箱がしーちゃんなわけですね。今まで束姉が色々いじってみたりはしたがあまり捗ってはいないらしく、光が明滅して反応をよこすくらいです。あ、束ちゃんと怜君は普通に話すぐらいの仲になったようですね。
「えぇ……その名前はどうなんだ……」
四角いから、白いからしーちゃんなのでしょうか?束ちゃんは残念のネーミングセンスの持ち主のようです。
「そんなこと言ってもっといい名前思いつくの!」彼は良い名前を挙げようとして―――
うーん、シロ……いや同じレベルだろ。こういう時は自分の名前からとってりょう…怜…そうそう初めての人なんかは、れいって読まれたりするんだよな。
「レイなんてどうだ?」
「むー、それじゃあ親はりょー君みたいじゃん。一番最初に見つけたのは私なのにー!」
むう、一瞬で由来に気付いてしまうとは……やはり天才か。
結局、口論になり、最終的には声を掛け合って反応したほうにすることにしました。
「おいでーしーちゃーーーん!」
「俺が親だぞレイ!レーーーーーイ!」
はたから見るととてもシュールです。でも二人は必死です。
束ちゃんはおもむろにディスプレイを取り出し様々な画像を映しだしていきました。
人、動物、建物。するとどうでしょう、四角い形だった外殻がカシャカシャと細かく動き出したではありませんか。
怜くんは焦りました。なにかなにか……何も持っていません。名前をもっとかっこよく―――閃光のレイとか?一発アウトな気がします。もう怜くんはやけくそ気味に名前を呼び続けました。
「レイ、レイ、レイ―――ゼローーーーーーーーー!」次の瞬間。
動きか止まったと思ったら激しく光が瞬き、怜君は押しつぶされました。
彼はが目を開けるとのし掛かっていたのは真っ白な獣。
四足歩行の……犬、じゃないなライオンかな?何はともあれこいつはゼロだ。
怜君はとてもうれしくなりました。
一方、敗れた束ちゃんはというと
「ゼロ―――零―――」と思案顔でぶつぶつ呟いたり、
「…!?すっごいデータだよ!」と感極まったり、
「あーん、結局ゼロはりょーくんの方が好きなんだ~~~」と悔しがって百面相です。
しまいには、「もういい!束は自分で自分の作るもん!」そう言って束ちゃんは怜君に見せることなく、地下室で何かを作り始めました―――
「ISが作られた経緯がこんなんだと知ったら皆どう思うかなー」潮の風を感じながら呟きました。
ふと気づいたんだがまさか俺が原因でISって女性にしかつけられなくなったんじゃね……これは伏せておこう、重要なのはゼロはISじゃないってことだ。あれ?これもまずくないか?IS条約が適用されなくなっちまう!
せっかくのお話が極秘情報満載となり、テンパっている間に学園の領地に到着。
「どうする……とりあえずド派手に登場でもして……」
「登場の仕方より遅刻の言い訳を考えたほうが賢明だと思うが」
げぇっこの声は!
「よし、逃げよう」尋常じゃない気配を感じて咄嗟にそう呟いてしまったのがゼロに聞こえてしまったようで俺を乗せたまま走り出してしまった。
ああ…久しぶりの再会だしこれからお世話になりますとか言おうと思ったのにゼロにも相手の機嫌の悪さが分かったのだろう、しかたないね。
最近は束とも会ってなくて実に落ち着いた生活をしていた。久しぶりに連絡してきたと思ったらこの有様だ。昔は束と仲良くなってから色々と巻き込まれていたがあいつじは今も変わらない。そう感じて―――
まあ今回も苦労しながら楽しみますか―――そう怜は呟いた。
文章自体は5日も前にできていたんだぜ……そう、書き方がおかしい。
何回読み返しても三人称視点とかうまくかけてる気がしない。そもそも筋書きがおかしいかも
自己満でいいやと思っていましたが感想貰っちゃいました……うひゃー///
そんなこんなでIS2期見て書き上げました。
いきなりOVA宣伝で吃驚したけどあれもアリなんじゃないかな。
一夏だけまるで別人みたいだったのがあれだけどあいつはどうでもいいや。