IS/ZERO   作:zaku

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次話投稿に直打ちしてたら原稿消えてました。
1話2話は大丈夫だったのにナンデ!?と思ったらはあ、自動保存ですか
よく分からなくてむしゃくしゃして一気に3日で書き上げました―――

ってしたかったのに延びに延びてこの有様だよ!
ここの話まで書こうって決めてみたらもう長いこと長いこと。
話の流れ全然覚えてなくて自己解釈で書いちゃった!
……嘘です 原作引っ張り出してきました。久しぶりに読んだけど……べつにこれでいいやって思っちゃった(笑)
で、改めてみるとokiuraさんのイラストがかわいい。アニメの方に注目されがちだけど原画あってこそだよ。
新装版?何それおいしい(売れてる)の?



まえがきですでに長いですが2話同時投稿です。チェックてきとーだし誤字脱字あっても許してください。


第3話 決意

これは……想像以上にきつい……

 

一夏は教室中から己に向けられる視線を感じて嘆息した。

しかし、視線を咎めることはできない。ISは女性にしか動かすことができないという常識を覆した人物に興味を持つのは当然のことである。

全学年の生徒が集まる入学式はさらに地獄……となるはずが《あの人》が注目を集めたのでなんとか乗り切ることができた。

その代償(というか派手にやって千冬姉に強制退場)でここにはいない。距離が近い分、これはこれでつらい……

 

あの人を問答無用で連れ去った千冬姉の態度からして、あの人とは知り合いだろう。

ISの世界においてまず名前が出てくる束博士、ブリュンヒルデ・織斑千冬の知人、

彼は一体何者なのだろうか―――

束さんの妹にして六年ぶりに再会した幼馴染、篠ノ之箒は彼と面識があるだろうか、と気になり窓際に座る彼女に目をやる。

 

そっぽを向かれた。あれ?俺嫌われてる?

 

「―――くん、織斑一夏くん!」

 

「は、はい!」いきなり指名されて声が裏返ってしまった。

 

「あ、あの、つぎは織斑一夏君の番なの、自己紹介してくれると、嬉しいかなあ、

なんて……」

 

俺が気を紛らわすために考え事をしている間にクラスの自己紹介が始まっていたみたいだ。いきなりで全然大丈夫じゃないが俺の顔色を窺うように泣きそうな顔でお願いする先生を見て

 

「いえ、大丈夫ですからそんなに謝らなくても……はい、自己紹介ですよね」

全然大丈夫じゃないのに立ってしまった。というかこの先生は大丈夫なのか?男に慣れてないのかなあ……俺のことが怖いと思われてたら結構傷つく。なんとかして好感度を上げなければ。

そのためにはまず言われたことをちゃんとやろう。意を決して後ろを向く。

 

うっ―――周りを見渡せばすべての女子と目が合う、箒だって今は俺のこと真剣に見てるし、先に自己紹介のこと気づかせてくれても良かったんじゃないか?

 

いかん。腹を括ろう、名前を言うだけだ、おし

「えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

頭を下げ、まあ大丈夫かと頭を上げて終わろうと―――視線がそうさせなかった。

もうちょっと何か言ってよ的な視線はなんだ。これで終わりじゃないよね?な雰囲気はなんだー!

 

 

 

 

 

 

 

 

「はは……お久しぶりです千冬さん」怜は頭押さえながら再開の言葉を口にした。

 

「まったく、海上から所属不明機が会場から接近と聞いてもしやと思ったが」呆れた声で千冬さんは言う。

 

「さらにそのまま入学式に突入するなど……やはり束の友人か」

 

いや、俺はそんなことする気更々なかったよ。まさか来た直前から会うとは思わなかったけど過剰反応したゼロが悪い。ちなみにゼロはアリーナの倉庫で待機中だ。

最初は離れようとしなかったのだが千冬姉の一喝でおすわりした。ついでに『反省中』のプラカードを首に下げてやったぜ!

だってあの逃げた後、建物に入ったと思ったら裏方みたいなところでそのまま壇上に上がっちまうんだもの。全校生徒やら教員やらの視線が一瞬にして集まった時はさすがに肝が冷えた。

うわーみんな超美人とかいう単純な思考しかできなかった中、窮地に立たされた俺は

 

『主役は遅れてやってくるものさー!!』そう高らかに声を上げた。

 

……あの状況だと正解だって!、そのあとの千冬姉のチョップ&耳を引っ張られながらの退場も完璧。ナイスでした千冬姉……もうちょっと手加減してくれたら嬉しかったけど。

 

「いやあ、社会の荒波に揉まれて荒んでた心にいきなり高校生に戻れるってなったらハイになりますよ。学生ってだいたいあんなノリで騒ぎません?」

みんな学生は勉強ばっかで早く大人になりたい―――なんて考えてるだろうけど社会人になってからの方が数十倍も大変だし、学ぶことが多いぞ。やっぱり学生時代が一番楽しいのよ。

 

「束のノリに付き合ってた お 前 の 方 が 狂 っ て る ん だ !」

 

そんな一語ごとに強調しなくても……束がおかしいって分かってる時点で充分常識人の範疇ですよ。まま、これから大人を経験した男を魅せてかわいい女子高生を………………に手を出したら大問題なんだろうなー。ん?俺は大丈夫、まあこの歳だし女子高生かわいい!って思うだけですよ。問題は一夏だろ、思春期真っ盛りの男がこの状況は絶対まずいって。ちゃんと俺が抑えなければ。

おお、ちょうど一夏君が自己紹介しているところみたいだ。水を差さないように外で様子を見ましょうや―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ、以上です!」

 

がたっ!っとずっこける数人の女子。いい反応だがあいにく俺は芸人でもなんでもないのだ、期待してもらっても困る。

 

まあひとまず座ってもいいかな、と前に向き直ると。

 

バシン!!学籍簿で叩かれた。

 

「げえっ!千冬姉!?」俺を叱りにわざわざこの教室に?

 

叩いた本人は低めのトーンで「お前は満足に自己紹介もできないのか」

 

「いや、でも千冬姉―――」

 

バシン!!今度は斜めからたたき上げるように飛んできた。

 

「学園では織斑先生と呼べ」

 

「はい。織斑先生」

 

うーん、身内だからといって甘くするようなタイプじゃないことは百も承知だが、逆に厳しくしすぎじゃないか、千冬姉。

 

そんなに叩くとまわりが怖がるぞ―――と思っていたら

「きゃーーー!!千冬様よー!ついに本物に会えたわ!」

「かっこいいですううう!お姉さまって呼んでもいいですか!?」

「私のことも叩いてください!お姉さまー!」

 

うわー……千冬姉に憧れる人は多いとは思うけどすごい反応だな。

当の千冬姉は心底うっとしそうに―――その後ろにいたもう一人の男子入学生は若干引いた顔をしている。

 

「毎年よくもことれだけの馬鹿者を集められるな。感心させられる。それとも何か?私のクラスに馬鹿者を集中させているのか?」

 

「馬鹿者っていうか俺と一夏君がいるあたり、厄介ごとを背負わされる感ありますよね」バシン!!横へ薙ぎ払うような叩き。とっても痛そう。

 

千冬姉は眉間を抑えながら「そういうことを言うんじゃない……ほれ、お前も自己紹介しろ。仮にも社会人だったならわが弟のような醜態は晒すまい?」と顔を横に向けた。

 

「これで叩くのは八つ当たりじゃないですか?……えー、こほん。この度IS学園に逃げこ…じゃなかった入学させてもらいました獅子戸怜です。唐突な出来事で自分でも処理し切れてませんが、ISに関わっていく《覚悟》だけはしてきました。性別も年齢もちがいますが皆さん共に切磋琢磨していきましょうね。よろしくお願いします。」と最後に最敬礼。おー、すごい。クラス中から自然に拍手がでた。

 

彼は「どう?」と言わんばかりに千冬姉をみるが「できて当然だ馬鹿者」と、辛辣。

うう、自分が情けない。

彼も言われてどうということもなく、俺の隣の席に座り「千冬さんとは小学校時代からの知り合いだったけど君とは初めてだね。で、唯一同性の一夏君とはより親しくしていきたいな」と手を差し出してきた。

 

「こちらこそよろしくお願いします!」しっかりと握手する。まったく、男一人だけの状況なんて考えるだけでも恐ろしい。やっぱり一緒に生活を共有する男は欲しい。

 

「というより俺が千冬姉の弟って獅子戸さんは知って……」

 

「いや、知らない人はいないでしょ。一般人の中の一般人、ヒラのサラリーマンの俺ですらニュースで騒がれたときは家族がどうとか言われたんだから。それより年が離れてるからと言ってそんなに堅苦しく呼ばなくてもいいよ。ここじゃ同級生なんだし怜って呼び捨てでいいよ。俺も一夏って呼ぶから」

 

「いや、俺のことは構わないんですけど怜……さんとか……あ、怜(にぃ)って呼んでもいいですか?」

 

「構わないよ、俺一人っ子でけっこう憧れてたんだよね。あ、タメ口で良いから」

 

お互いに大勢の女性の視線を一身に受けるという男にとって羨望される状況の辛さを体験した小心者二人は順調に仲良くなっていった。

 

そんな男達を置いて千冬は「遅れてしまってすまないな山田君。進行を任せてしまった」

「い、いえ副担任ですからこれぐらいはしないと」

 

あれ?ということは……

「諸君、このクラスを受け持つことになった織斑千冬だ。君たちを立派なIS操縦者にするのが私の仕事だ。その基礎を築く最初の一年―――私の言うことをよく聴き、よく理解しろ。出来ないものはできるようにみっちり指導してやる。逆らってもいいが私の言うことは絶対だ、結果を出せ。」

 

やっぱり千冬姉が担任か……そして想像通りのスパルタ方針。このご時世大丈夫なのかと思ったら

「きゃーーー!千冬様直々に教えていただけるなんて勝ち組よ!」

「千冬お姐様に叱っていただけるなんて感激ー!でも時には優しく……きゃっ///」

「あーん!みっちり個別指導されてみたいわ!」

 

またしても黄色い歓声が上がる。……千冬姉はどのクラスの担任なってもこうなるような気がする。対する怜兄はうへぇーと顔が暗くなっている。このクラスの過剰反応っぷりからか、これからの千冬先生による熱心な指導を想像してか……まあ両方だろう。俺もそうだ。

 

結局強引に千冬姉が号令をかけ、SHRは終わったのだった。―――

 

 

 

 

 

 

 

 

あー……参った。これはきつい、どうしたものか。怜はさっきまでの頼りなかった山田先生がすらすらと教鞭を振るう中、必死に教科書の内容と照らし合わせていた。

ISを学ぶための機関であっても生徒はみんな高校生(俺は違うけど)。専門学校のように普通の授業ももちろんある。一時限目は日本語(IS学園が日本にあること、あの束博士がいまだ解明できていないISのデータを日本語でしか書かない、というか日本語ですら理解不能らしく、IS界隈の標準語は日本語なのだ。一瞬で女尊男卑の風潮になったりとISの影響力は半端ないね。)で、まあ授業懐かしいな~って感じで終わったわけだが問題はISの授業である。まずは初歩の初歩、ISの基礎理論の授業を今教わっているわけだが。

何だこの分厚い教科書は。リファレンス本か何かか。取扱説明書って考えるとISだけあってまあ納得できるけど、なんで五冊もあるんだ。

ここしばらくの放課後は復習予習漬けだな……一夏も一緒に勉強するかな?と横に目をやると案の定『みんな授業で言ってること分かってるのか!?』と言いたそうにまわりをきょろきょろしている。

 

他のみんなはIS学園に入るために猛勉強してきたわけで、こんな基礎中の基礎は読みながら確認するぐらいだろう。お前はちゃんとノートとろうな。

あっ、一夏と目が合った女子が慌てて取り繕っている。一夏がなんでもないことを確認して向き直るとなんだか残念そうな顔になった。くっそ、これだからイケメンは……見つめただけでこれか。

 

しかしそんなに挙動不審だと「織斑。ちゃんと聞いてるのか」千冬さんに気付かれた。さすがに何回も叩くようなことはしないか、一夏がこれ以上勉強できなくなってしまっては大変だ。

 

「織斑君。何か分からないところはありますか?気兼ねなく先生に訊いていいんですからね?」山田先生が丁寧に聞く。

 

「先生!」一夏が元気よく声を上げた。

「はい、織斑君!」山田先生、やる気になっているところ悪いが一夏は……

 

「ほとんど全部わかりません!」うん、やっぱし。

 

「え………………ぜ、全部ですか?……」山田先生は顔を引きつらせ、いけない、とかそのですね、と困ったようにおろおろしだした。それを見て俺は

「おい一夏ぁ~、真耶ちゃん困らせてるんじゃねえよー」

 

「ま、真耶ちゃん!?」がぁん!と今度は泣きそうな顔。ああ、この先生はいじられキャラだな、しかも豊満なバストだし。(別に関係はない)

 

バシン!……さすがに叩かれるか、それとも何か俺の脳細胞は死んでもいいってか?学籍簿が石のように重たく圧し掛かってるぜ。

 

「山田先生だ。ふざける余裕があるとは、お前は大丈夫なようだな?」

 

「山田先生、俺にも教えてくださーい」

「おい」

「いやさすがに昨日今日じゃ無理ですよ……規約覚えてくるので精一杯ですって」

 

――――――「ほう、それならIS運用協定――アラスカ条約の第2条言ってみろ」

 

「そんな何条とか言われても」

 

「……『IS保有国の制限と義務』だ」

 

「ああ、確か『各国のパワーバランスを保つため、協定によって決められた数以上のISを待機、武装させてはいけない。また、運用は緊急時の防衛、災害救助、救援を求められた場合のみとし、ISの機体情報は公開しなければならない』でしたっけ?まあ、俺のゼロは調べられてもいないんで公開のしようがないんですけど」

 

「ふむ、基礎よりも根本的なことを覚えてきたか。ある意味ここにいるだれよりも理解しているかもな。いいかお前らよく聴け―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

『ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遙かに凌ぐ。そういった”兵器”を深く知らずに扱えば必ず事故が起きる。―――これはまだ知らない方がいいか、と目の前の俺にしか聞こえない程度に呟き―――そうしないための基礎知識と訓練だ。そして”兵器”ということを自覚させるのが条約だ。理解できなくとも覚えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ』

 

千冬姉の言葉が教室に響く。俺も、周りも静かに聞いている。みんな改めて理解するのだ―――ISは絶対的な力であると。―――

 

その反面、俺は思わずにはいられない。なぜ、普通なら関わることのできない世界(IS)に踏み入ることになったのか。

 

「……貴様、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」

 

うわ、なんで分かっちまったんだ?顔に出ていたのか?

 

「望む望まざるにかかわらず、その中で人は進んでいかなければならない。それを放棄するなら、まず人であることをやめるべきだな」

 

手厳しいお言葉である。つまり現実と向き合えってことか?

さらに横から声がかかる。

 

「一夏君、お互いこうして奇妙な……あいつの仕業だけど……立ち位置になっちまった。ISは大きな力だ。これから世界を相手に影響が及ぶなんてざらじゃない。さて、きみは――――――どうしたい?」

 

怜兄が問いかけてくる。口元は優しそうに笑っているけれど―――目は真剣だ。

自己紹介の時の《覚悟》ってそういうことだったのか。やっぱり怜兄はすごい、いや俺が浅はかだったのか。

 

おれが、なにをしたいか

 

今までずっと肝に銘じてきたことがある。それは絶対に家族を見捨てないことだ。千冬姉にはいつも守られていたけれど、大きな力を手に入れて―――今度は俺が守る番だ。たとえ世界が相手でも千冬姉を見捨てない。俺は顔も知らない両親とは違う。

 

 

そのために俺はまず―――強くなりたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

顔つきが変わった。良かった、理不尽な境遇に苛まれながらこれからを過ごすことはなさそうだ。人は何事も向上心を持って進まなければ落ちぶれる。やる気を持った一夏なら大丈夫だ、俺なんかよりも素質はあるし、絶対強くなるだろう。《ISに乗れる》んだから。

 

たとえ「織斑君、入学前の参考書は渡されましたか?あちらの方が分かりやすいと思いますよ。」

 

「……電話帳と間違えて捨てました……」たとえ頭の方は残念であっても。

 

バシン!これはしょーがないね。

 

「必読と書いてあっただろう馬鹿者、後で再発行させてやるから一週間で覚えろ」

 

「いや、それは………………分かりました織斑先生」

 

うん、やはり一夏は強い。それじゃあ俺と一緒に―――

 

「織斑君!分からないところがあったら授業が終わっても放課後に教えてあげますから、頑張りましょう!ね?」

山田先生が両手を握りしめて張り切っている。あれ?

 

「はい!それじゃあ今日からよろしくお願いします!」それに答える一夏。あいつさりげなく山田先生の手を握りやがったぞ………あのー

 

「ひゃあ!お、織斑君!?そんな……あ、放課後に二人っきりだなんて……教師と生徒ですよ!で、でも織斑先生の弟なら……」山田先生は突然顔を赤らめ、その様子を一夏は不思議そうに見ている。

 

「んん!山田先生、授業の続きを」

 

千冬姉が一言釘を刺して、授業が再開されたのだが。

 

………………山田先生ェ…俺のこと完全に忘れてますよね。フフ、たとえ教師と生徒の間柄であろうと年上をないがしろにするのはいただけないなあ。これから先、たっぷりといじってやらないとな……そう胸に誓う怜であった。




いきなり字数が3倍になってもいいか、と思ったけど1,2話が同じくらいの文量だしいいオチが思いついたのでここで切る。
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