ロンダルキアの悪魔王 作:刺身798円
???
以前来た場所に私はいた。
切なくも優しい色合い、心が洗われるような建築物、暖かで力強い光。
ーーーああ、▲▲▲▲よ、何と言うことでしょう。あなたが死んでしまうなんて!あなたに今一度の生を授けましょう。さあ、行くのです!▲▲▲▲!私は聖霊▼▼▼。私はいつでもあなたを見守っています。
暖かな光に導かれて、私は目を覚ました。
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【バズズ様!!】
【メローネ、お前は仲間を引き連れて逃げろ。】
【嫌です!バズズ様!】
【俺の言うことが聞けんか!さっさとしろ!!】
【あああぁぁ………………はい。】
メローネは、俯きながら仲間を率いてハーゴン神殿を去っていく。
死神が、今一度ハーゴン神殿に襲来した。
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【貴様、なぜ生きている?】
バズズはハーゴン神殿の壁に背中をあずけながら、ローレシア王に聞く。
三度目の戦いは、戦いにならなかった。全快のローレシア王、対するは死にかけて片腕のなく策を練る暇も無かったバズズ。まったく勝負にならなかった。バズズは配下を逃がし、孤独にローレシア王と戦い、当然敗れた。もうバズズの体は動かない。
【俺は確実に貴様が死んだのを確認したはずなのだがな?】
「聖霊様に助けられた。」
【なんだって?】
「聖霊様に助けられた。俺が世界を暗黒に陥れる貴様を倒さないといけないと。」
バズズはそれを聞いて目を丸くする。
「聖霊様は俺を祝福して甦らせてくれた。」
【ブッ、バッハッハッハ!】
それを聞いてバズズはおかしいとばかりに笑い出す。
「貴様、何がおかしい?」
【貴様、本当に馬鹿だったんだな。貴様それ騙されてるぞ。】
「なんだと!?」
【貴様は祝福されてるんじゃない。呪われてるんだよ。不死の呪いなんざ、悪魔だって忌み嫌うぜ?】
「そんなわけ!!」
【あるんだよ。考えてみろ。なぜ生き返ったのが貴様だけなんだ?貴様には二人他にも仲間がいたはずだろう?二人は生き返ったか?俺達は貴様の死体の四肢を切断して、燃やしたはずだぞ?そんな状況でなぜ平然として生きていることに疑問を抱かない?貴様は呪われて、騙されて、束縛されているんだ。そしてそんな貴様を思う通りに動かして喜んでいる奴らがいる。滑稽だな。今に見てろよ。貴様はいつか必ずそれを理解することになる。フン、まあどうでもいいことだ。】
ローレシア王は黙り込む。
【覚えておけ。俺は負けて死ぬ。それは摂理で別に構わん。しかし俺の部下達は決して諦めない。貴様らがどれだけ俺の部下達を追い詰めようとも、俺の部下達は必ずや仲間の屍を乗り越えて貴様らに逆襲することだろう。たとえば俺が一度貴様を殺したように。必ずだ。ハッハッハッハッ、ハーッハッハッハッ。】
バズズは笑いながら、やがて息絶えた。
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人類側………サマルトリア国民七割死傷、ローレシア兵士約三百名行方不明、サマルトリア王死亡、ムーンブルク女王死亡。
ロンダルキア側………全体の魔物のおよそ8割が死亡。首脳部ほぼ全滅。
人類、ロンダルキア軍双方に壊滅的な被害を出して、戦いは収束した。
ローレシア王は以後、ロンダルキアに攻め入ることは無かった。バズズの死の間際の言葉が彼の耳に残っていたのかどうかは、定かではない。
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時は流れた。
ロンダルキアに残る廃墟跡地。古くなり忘れ去られたそこには、
人々の知らない魔物の楽園、奉られる一柱は、破壊神シドー。
もう一柱は………ロンダルキアの守護神、バズズ。
終