異世界転生、いい響きだ。
俺TUEEEEにハーレム、上手くいけば一国の王になることも夢じゃない!!
……と、思っていた時期が俺にもありました。
「…………うそやん」
別に死んだ記憶もなかった。
気が付けば見知らぬ天井があって自分じゃない体に驚いた。
それで直ぐに異世界転生したっていう夢を見てると察し、続く限り楽しんでやろうかと思っていた矢先のことだ。
――俺が間桐臓硯になっていると知ったのは。
「……若返ってるのも謎だけど、間違いなく髪型的に慎二じゃなくて臓硯だよなー」
さて、俺が間桐臓硯だとするとここがいつの時代なのかが気になる。
四次か五次か……。
もしかすると一次とか二次の可能性も大いにある。
「……桜チェックといくか」
頑張って蟲のいるところ片っ端から探していこう。
まあ所詮は家の中、すぐに見つかるさ。
「……キモッ」
案外すぐに見つかったのは見つかった。
だが、虫嫌いが臓硯になって蟲を見ても嫌いなことに変わりはなかった。
んでもって、桜はいない。
慎二もいないとなると、俺の知ってるFate世界よりかなり過去なのか?
そんなことを考えているとインターホンが鳴った。
こんなところに人が来るなんて……。
いや、臓硯って表向きはいい人みたいなポジなんだよな。
自治会的な集まりの話とかなら適当に相手してやろう。
「はいはい、臓硯なら現在留守で……」
一目見て、驚いた。
ちっちゃい娘が荷物とか用意して少し泣いた後みたいな感じで目の前に立っていたのだ。
「……まさか、遠坂桜か?」
「……は、はい……」
めっちゃ不審がられてる。
……そういや桜って最初期は凛と同じ髪色だったんだな。
えー……マジか……。
「……改めて、俺が間桐臓硯だ。この姿なのは魔術を色々試してたら……若返った」
今更ながら俺はなんで幼少期桜に言い訳するみたいなことしてるんだ。
いや、臓硯みたいに振舞えって言われても無理なのは無理なんだけどさ。
ほら見ろ、何言ってんだこいつみたいな目してやがるぞ。
「とりあえず、暫くは魔術を教えるつもりだが、魔術師になるか魔術が使える一般人として生きるかは自分で決めろ」
というか、俺も魔術の使い方を学びたいんだが……。
なんか、臓硯の体なんだからササッと習得できないものかな。
「よし、挨拶も済ませたことだ。荷物を置いて出かけるぞ」
「い、今から……ですか?」
「師として、弟子にはカッコつけたいものなんだ。」
とりあえず、第四次聖杯戦争まで多少は時間があることが分かってる。
なら、それまでに最終目標に向かって色々と動かないといけない。
俺のバッドエンドを回避し、一流魔術師として恥じない程度には強くなる。
特に前者に関してはご飯粒一つ残したぐらいでビクビク怯える生活やチンしないレトルトの方がましとかいう日々を送らないためにも早期の行動が大切だ!!
「行くぞ、今夜はファミレスだ!」
「……ファミレス?」
「俺の奢りだ。腹一杯食べていいぞ!」
間桐の家ならある程度金は持っていることは知っている。
第一印象は重要。ということで今日は大盤振る舞いで一万までなら出してやろうじゃないか!!
「……ファミレスって、なんですか?」
「……え?」
――その時、俺は知ってしまった。……いや、改めて思い知らされた。
遠坂家って、普通に金持ちだったなーということを。