世界最強な男   作:シャト6

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第3話

ナツ達はキノコを取りに出かけ、残ったツバサ達は村の中を調べて回っている。だが、やはり人の気配は感じない。

 

「しかし…」

 

ツバサは先程から気になる線を見つけていた。

 

「町の至る所にあるな」

 

するとその線が突然光だし、村全体が動き出した。

 

「!?まさかさっきの線は魔方陣か!」

 

ツバサは確かめる為、高い所に登る。するとマカロフ達も異変に気付いたようで、ツバサと同じく高い場所にいた。

 

「無事だったみたいだな」

 

マカロフ「お前さんもな」

 

エルザ「マスター、あれは魔方陣では?

 

「「「ええっ!」」」

 

マカロフ「ああ。お前が見つけたあのいくつもの線は、魔方陣の一部じゃ。そしてこの魔方陣は、かつて禁止された封印魔法…アライブ発動させる為のものじゃ」

 

ルーシィ「アライブ?」

 

マカロフ「あれを見ぃ!一目瞭然。本来生命のない物を生物化して動かす魔法じゃ」

 

「なるほど。この村の連中は、その禁断の魔法を発動させた為、コイツらの餌食になったって訳か。流石闇ギルドの村だな」

 

ルーシィ「うそっ!!」

 

ツバサの言葉にルーシィは驚いていた。

 

エルザ「先程、ある家の納屋を調べていたら、いくつもの魔法道具を見つけた。いずれも、まともな魔法な物じゃなかった」

 

マカロフ「じゃが、これぞ不幸中の幸い」

 

ナツ「じっちゃん、何だよそれ」

 

マカロフ「奴等は生き物じゃと言うた筈じゃ。大抵の生き物は…食える!!

 

ルーシィ「えぇぇぇぇ!!」

 

またまた驚くルーシィ。まぁ、そりゃそうですよね。あんなのを食べるって言われたらねぇ。ナツとグレイは、マカロフの言葉を聞いて食う気満々の顔をする。

 

ルーシィ「怖い顔で何言ってんのよ!」

 

すると、エルザが一目散に崖を下りていった。

 

ルーシィ「えぇぇっ…エルザそこまで腹減り…」

 

ナツ「行くぜぇ!」

 

ハッピー「あい!」

 

グレイ「やっと食えるぜ!」

 

ルーシィ「ちょっ!?2人とも!」

 

マカロフ「わしの分も頼んだぞぉ!」

 

ちゃっかりマカロフは、自分の分も頼んでいた。ちゃっかりしてるねこのじいさんはさ。で、ツバサは下りた連中を座りながら見ていた。あんたもあんたで、マイペースね。そしてナツ達は、化け物を調理と言う名の一方的な略札があり、焼き、冷やし、細切れになった化け物を食べ始めた。だが…

 

『マッズズゥゥゥゥ!!!!』

 

どうやら、羽根魚並に不味かったみたいです。そして、その後マカロフが魔法を使い、食べられそうになったナツ達を救出し、それと同時に行方不明だった村の連中も助けたのであった。んで、村の連中に町の行き方を聞いたナツ達は、なんとか無事にフェアリーテイルに帰ったのであった。ツバサは、町に着いたと同時にナツ達と別れた。それから2週間後、ツバサは酒を求めて町をブラついていた。

 

「ねぇ聞いた?何でも今、妖精の尻尾(フェアリーテイル)幽鬼の支配者(ファントムロード)が争ってるって噂」

 

「聞いた聞いた。あそこは特に昔から仲悪いって話だしな」

 

カップルがそんな話をしてるのを聞いたツバサ。

 

「…少し気になるな」

 

「何でも、今回は幽鬼の支配者が妖精の尻尾のメンバーを大木に吊るしたのが切っ掛けらしいよ」

 

「昨日の夜だろ?女1人と男2人が吊られてたって聞いたぞ」

 

「確か女の方は、レヴィって呼ばれてたな」

 

(レヴィだと)

 

ツバサは知っている名前を聞いて、驚きの顔をするが直ぐに平常心を保つ。

 

「とにかく妖精の尻尾のギルドに行ってみるか」

 

そう決めたツバサは、直ぐにギルドへと向かった。そして到着してその光景を見たツバサは…

 

「おいおい、一体全体どうなってんだよ」

 

ツバサが見たもの。それは幽鬼の支配者のギルドが二足歩行しており、倒壊寸前の妖精の尻尾のギルド目掛けて、何かを撃ち込もうとしており、それをエルザが前に出て受け止めようとしていたのだ。

 

「いくらなんでも、エルザに防げない。仮に防げたとしても、エルザはただではすまねぇな」

 

ツバサは、頭をかきむしりながら立ち上がる。

 

「仕方ねぇ。今回は助けてやるか。ガキの頃とはいえ、俺の弟子でもあるしな」

 

そしてその場から姿を消した。

 

エルザ「ギルドはやらせん!!ふせろオオオオ!!!!」

 

エルザの叫び声で、回りの全員が待避する。そして攻撃は止まることもなくエルザ目掛けて迫ってくる。

 

エルザ「止めてやる!!」

 

「よく言ったエルザ」

 

エルザ「えっ?」

 

突然目の前に現れた男ツバサの姿に、エルザは驚き唖然とする。

 

「取り合えず俺の後ろから動くなよ。…I am the bone of my sword.熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」

 

ツバサは詠唱を唱え、自分とエルザの前に盾を出現させた。その盾は七重になっており、1枚1枚が古の城壁並みの強度をもつのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パリン!パリン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ、相手の攻撃も強いため2~3枚程割れてはしまったが、なんとかツバサとエルザ、そしてエルザが自らを盾にしてでも護ろうとしたギルドには、傷1つなかった。

 

エルザ「す、凄い…」

 

「自分達の住みかを守る。それは大事な事だ。だがなエルザ、自分を犠牲にしてまで守っても、それで万が一何かあれば、残された連中はどう思うよ?」

 

エルザ「あっ…」

 

そう言われ、エルザは理解した。確かに大切なギルドを守りたかった。だが、あれを食らえば下手すれば死んでいたと言うことをすっかり忘れていたのだ。

 

『ぐぬぬ…余計な奴が現れたが、まぁいいだろ。もう貴様等に凱歌はあがらねぇ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ。今すぐだ』

 

「狙いはルーシィか」

 

今回の事件の目的であるルーシィの名を出す幽鬼の支配者のマスター。

 

「ふざけるな!」

 

「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!」

 

「ルーシィは仲間だ!!」

 

そう言われた瞬間、妖精の尻尾の仲間が相手に向かってそう叫び出す。

 

『渡せ』

 

だが相手はそんなのはお構いなしに同じことを言う。

 

エルザ「仲間を売るくらいなら死んだ方がマシだっ!!!!」

 

『オオオオオオオオオオッ!!!!』

 

エルザの言葉に、ギルドの全員が同意し叫ぶ。

 

ナツ「俺達の答えは何があっても変わらねぇっ!!お前等をぶっ潰してやる!!」

 

その言葉を聞いたルーシィは、我慢できずに涙を流していた。

 

「いい仲間じゃねぇか」

 

ツバサは泣くルーシィの頭を優しく撫でてあげた。

 

「今回ばかりはほっとく訳にはいかねぇな。女を泣かせたクソ野郎に、少しばかりお仕置きをしなきゃなんねぇからな」

 

ゆっくりと歩きながらツバサは、空間から真っ黒な太刀を取り出す。

 

エルザ「あ、あの剣は!!」

 

その剣を見たエルザは、傷だらけな状態にも関わらず、体を起こす。

 

エルザ「ま、まさか…ツバサが…あの人…だったなんて」

 

「エルザ?あの人って?」

 

隣にいる白髪の女がエルザに話し掛ける。だが、エルザの視線はずっとツバサを見つめていた。

 

『ならば更に特大のジュピターをくらわせてやる!!!!装填までの15分、恐怖の中であがけ!!!!』

 

そして先程撃ったジュピターを再び発射する準備に取り掛かった。

 

「猶予は15分か」

 

そんなことを考えていると、幽鬼の支配者のギルドからたくさん人が出てきた。

 

「ジュピター撃つってのに、何でギルドの連中…!?なるほど」

 

出てきた奴を見て、ツバサは何かに気付いたみたいだ。

 

「面倒だな」

 

ツバサは、出てきた連中目掛けて持ってる大剣を1振りした。

 

『ぎゃあああああああ!!』

 

するとその振った箇所から、斬撃が飛び出し一瞬で最初に出てきた連中を切り裂いた。

 

『!!!!!!!!』

 

それを見た妖精の尻尾と幽鬼の支配者達は、全員言葉を失っていた。

 

「ふむ…黒刀を出すまでもなかったようだな」

 

そう言うとツバサは、黒刀をしまい新たに刀を3本取り出し腰に着けた。そしてルーシィの方に歩き出す。

 

ルーシィ「え、えっと」

 

「向こうの狙いはお前だルーシィ」

 

ルーシィ「あっ…」

 

ツバサにそう言われ、顔を下に向ける。

 

「そこで提案だが…お前、俺を雇わないか?」

 

ルーシィ「えっ!」

 

そう言われたルーシィは、慌てて顔をあげる。

 

「この戦いが終わるまでの間、お前が例え拐われようが、全力をもって助ける事を約束しよう」

 

ルーシィ「い、いいんですか」

 

「もちろんだ。だが当然、雇われるからには報酬を払って貰わなければならん」

 

ルーシィ「報酬…」

 

その言葉に、ルーシィは考える。確かにツバサ程の人にこの戦いの間全力で護ってもらえれば嬉しい。だが、彼はギルドに所属いていない人で、数少ないS級以上の力の持ち主。報酬も破格なのである。

 

ルーシィ「私…そんなにお金なくて」

 

ミラ「ルーシィ…」

 

隣にいるミラジェーンは、ルーシィの手に肩を乗せる。

 

「報酬が払えないか。別に金じゃないんだがな」

 

ルーシィ「お金じゃない?も、もしかして私の体を!?」

 

ミラ「そ、それはズルい…じゃなくてダメよ!ルーシィの代わりに私が体で!!」

 

「いや…誰もそんな事言ってねぇしよ」

 

2人が暴走するのを見て、ツバサは呆れていた。

 

「おい!いつまで喋ってんだよ!早く手を貸してくれ!!」

 

「やれやれ。もう次が出てきたのか」

 

ツバサは呆れながら、3本の刀を抜き始める。

 

「ルーシィ。お前に要求する報酬は…」

 

ルーシィ「報酬は…」

 

「笑え」

 

ルーシィ「…えっ」

 

「戦いが終わったら、笑って出迎えてくれ。それで十分だ」

 

ルーシィ「…はい!」

 

「おしっ!契約成立だ!!」

 

契約が成立し、ツバサは笑っていた。

 

「囲んでも意味ねぇぞ。龍…巻き!!」

 

回りを囲んでいた連中を空高く吹き飛ばした。

 

「さて…依頼者泣かせたんだ。そして、知り合いを傷つけた。覚悟はできてんだろうな?幽鬼の支配者さん達よ!!」


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