東2局 ドラ表示牌{一}
北家 氷川日菜 19000点
東家 丸山彩 22000点
南家 大和麻弥 22000点
西家 若宮イヴ 37000点
戦況は若宮イヴ有利となっていた。だが、まだ最初の1局が終わっただけ。逆転の可能性は皆十分すぎるぐらいにあった。
丸山彩配牌
{二三五七九九②②269南南北}
(うーん、また悪くない配牌だけど、安いなー)
ドラが一つあるとは言え、逆に言うとそれだけしか無い手。チャンタに持って行こうにも、三色に持っていこうにも無茶が過ぎる。早く和了れる可能性はあるが、決して打点は期待できないだろう。親だから大事にしたいところではあるが。
丸山彩 打{北}
大和麻弥配牌
{一三①②③③④⑥⑧⑨2東北} ツモ{3}
(良い感じの手ですね。三色も一通も見える。今後のツモと、周りの動きに合わせて選択していきましょう。四風連打も避けたいですし、最初はこちらですね)
良形2向聴。打点もそれなりに期待できる。この局は是非物にしたいところ。
大和麻弥 打{東}
若宮イヴ配牌
{二八111345678西北} ツモ{西}
(いい流れです!この局も私がいただきます!)
その配牌には流れの良さが浮き出ていた。またも跳満が期待できる手。門前で仕上げれば満貫以上は約束された手。一気に勝負を決めかねない。
若宮イヴ 打{八}
氷川日菜配牌
{一九①⑧⑧379東東南発白} ツモ{白}
(うーん、8種8牌。これもるんって来ない配牌だなー)
その配牌はひどい物だった。国士無双には少し遠く、チャンタも望めそうにない。和了るとするならば、東と白、ドラに賭けるしか無いだろうか。鳴いていくのが無難だろうか。
氷川日菜 打{3}
丸山彩2巡目
{二三五七九九②②269南南} ツモ{南}
(手は進んだけど、やっぱり安いなー)
丸山彩 打{9}
大和麻弥2巡目
{一三①②③③④⑥⑧⑨23北} ツモ{⑥}
(六筒が対子になりますか。頭にする部分が無かったのでありがたいですね。問題は何を切るかですね。現状、できることならイヴさんから点を頂きたいです。イヴさんの初手は八萬切り。それだけではなんとも判断できないですが、また染めてる可能性は大いにあります。ここは、その線を追ってみましょうか?牌効率的に理想ではありませんが、イヴさんから萬子が出る可能性は十分あります。それを狙ってみましょう)
大和麻弥 打{④}
若宮イヴ2巡目
{二111345678西西北} ツモ{八}
(うっ、さっき切った牌を引いてしまいました・・・)
若宮イヴ 打{八}
氷川日菜2巡目
{一九①⑧⑧79東東南発白白} ツモ{赤5}
(うーん、さすがにこの手は和了れる気がしないなー。適当に切っちゃおうかなー)
氷川日菜 打{南}
丸山彩3巡目
{二三五七九九②②26南南南} ツモ{②}
(うん、良い感じ!後もうちょっと!)
丸山彩 打{2}
大和麻弥3巡目
{一三①②③③⑥⑥⑧⑨23北} ツモ{1}
(理想的ツモですね!これで、この後の展開が楽になりました)
大和麻弥 打{③}
若宮イヴ3巡目
{二111345678西西北} ツモ{六}
(またいらない牌です・・・このまま切っちゃいます!)
打{六}
氷川日菜3巡目
{一九①⑧⑧赤579東東発白白} ツモ{白}
(麻弥ちゃんは塔子落としでイブちゃんはツモ切り2回の萬子連打?二人とも怖いねー。彩ちゃんも早そうな気配がプンプンするし、あたしだけ遅れてるなー。まぁまだまだ対局はこれからだよー)
氷川日菜 打{一}
そして、丸山彩の4巡目。このツモから、この局は一気に最終局面を迎える。
丸山彩4巡目
{二三五七九九②②②6南南南} ツモ{六}
「来た!リーチっ!」
丸山彩 打{横6}
決して手は高くない。ドラが一つ付くだけの手。だが、早い。4巡目でのリーチ。通常なら誰も付いて来れないだろう。だが、この局は違った。
大和麻弥4巡目
{一三①②③⑥⑥⑧⑨123北} ツモ{⑦}
(ここでテンパイですか。ここは彩さんのリーチの影に潜ませていただきましょう。おそらく、イブさんもそろそろテンパイするはずです。その際の捨て牌が、自分の待ちならこの局は自分の勝ちですね)
大和麻弥 打{北}
若宮イヴ4巡目
{二111345678西西北} ツモ{西}
(来ました!ドラ二萬単騎か北地獄単騎の2択ですね!安全なのは北切りの二萬単騎!ですが、その場合はツモっても裏ドラが二枚乗らないと跳満に届かないです。北待ちなら一枚しか残ってない上に、ドラを切らなければいけないので危険です!ですが、ツモって裏ドラが1枚乗っただけで跳満に届きます!それに、武士に逃げるという選択はありません!危険な道を真っ向勝負!虎穴に入らずんば虎児を得ずです!)
「通らばリーチです!」
若宮イヴ 打{横二}
「へー。イヴちゃんドラ切りなんて思い切った選択をするねー」
「うぅ、通しだよ・・・」
「ふふっ、武士の精神を尊重するイヴちゃんらしい選択ね」
「えぇ、イヴさんなら切ってくれると信じてました。イヴさんを信じた自分の勝ちでしたね。ロンです」
大和麻弥
{一三①②③⑥⑥⑦⑧⑨123} 若宮イヴ放銃 打{二}
「三色ドラ1の3飜40符は7700点です」
「うっ、マヤさんは完全に無警戒でした・・・」
「へー。塔子落としまでして怪しいと思ってたけど、萬子狙い撃ちかー。麻弥ちゃんも思い切ったことするねー」
「えぇ、正直危ない綱渡りでしたよ。上手くいってよかったです」
「ううっ、リーチかけたのにツモることすらできなかったよ・・・」
「ふふっ、彩ちゃんもまだまだこれからよ。がんばってね」
東3局 ドラ表示牌{8}
西家 氷川日菜 19000点
北家 丸山彩 21000点
東家 大和麻弥 30700点
南家 若宮イヴ 29300点
この局、すでに8巡目に差し掛かっていた。それまでの序盤決着の波は見られず、中盤に差し掛かっている。だが、この局も動く気配が見えてきていた。
大和麻弥8巡目
{二二八③③⑤赤⑤⑧⑨113赤5} ツモ{5}
(これはもうチートイで確定ですね。次のツモで素直に入ってくれればありがたいですが)
大和麻弥 打{3}
若宮イヴ8巡目
{①①②③778白白発発中中} ツモ{南}
(うっ、大三元が見えているのに、三元牌が一枚も河にさえ出てきません・・・まだ全部山に眠っているのでしょうか?)
若宮イヴ 打{南}
氷川日菜8巡目
{一二三四五六七八九⑥⑥⑦南} ツモ{東}
(うーん、1向聴から3巡連続無駄ヅモ。手を変えてもなんだかテンパイまで持っていける気がしないし、このまま流れにまかせてテンパイを待とうかなー)
氷川日菜 打{東}
丸山彩8巡目
{四八②②②456999北北} ツモ{六}
(き、きた!どうしよう?リーチかけた方がいいのかな?かけないと役が無いけど、まだ手変わりも三暗刻も狙える。ドラも3枚あることだし打点も十分ある。ここは黙テンで!)
丸山彩 打{八}
先手を取ったのは丸山彩。だが、皆決して遅れは取らない。この丸山彩のテンパイを皮切りに、場は一気に動くこととなる。
大和麻弥9巡目
{二二八③③⑤赤⑤⑧⑨115赤5} ツモ{⑧}
(お?来ましたね。おそらく、彩さんもそろそろテンパってるでしょう。日菜さんも近そうです。ここはチートイの利点を生かして、こそこそ動き回りましょう)
大和麻弥 打{八}
若宮イヴ9巡目
{①①②③778白白発発中中} ツモ{発}
(来ました!1向聴です!大きいの狙いますよ!)
若宮イヴ 打{①}
氷川日菜9巡目
{一二三四五六七八九⑥⑥⑦南} ツモ{⑧}
(お?来たね-。ここはダマでもいいけど、それだと面白くないよね-。なんだか和了れる気はしないんだけど、まぁいっか。よーし!いっくぞー!)
「リーチ!」
氷川日菜 打{横南}
(ううっ、リーチかけられちゃったよ・・・なんだか他の2人も危ない感じがするし、このままだとまた和了られちゃうよ・・・お願い、来て!)
丸山彩9巡目
{四六②②②456999北北} ツモ{9}
(九索?この局面で?・・・これを引いたってことは、やるしかないよね。『アレ』を)
静かに、丸山彩は目を閉じた。それを疑問のまなざしで見つめる他メンツ。だが次の瞬間、不思議な現象が巻き起こった。
「これは、風ですか?」
突如、事務所内に風が吹いたのだ。季節は夏終盤。真夏日となったこの日、当然部屋は密室にし、冷房をもったいぶらずにかけていた。だが、その風は、明らかに冷房のものとは異なっている。
生暖かいのだ。まるで、何かに包まれているような暖かさ。そして、安心感を与えてくる。そして、その場の皆が気づくことになる。その風が、卓に座る一人の少女から出ていることに。その少女の体が、淡い光に包まれていることに。
「あ、アヤさん、どうしてしまったのですか?」
「おーこれは不思議な現象だねー。うーん、やっぱり彩ちゃんは面白いな-」
「この光は、もしかして・・・」
「千聖さん、何か知ってるんですか?」
「えぇ、この光は・・・」
「カン」
その千聖の声は、少女の声によってかき消された。声の発信源は、丸山彩。それはいい。丸山彩が声を出すだけならばそれはいい。だが問題は、その声の内容だった。
「あ、彩さんこの局面でカンするんですか!?正気ですか!?日菜さんがリーチしてるんですよ!?」
カンとは謂わば、諸刃の剣だ。自身の打点を上げて、追加でツモができるメリットはある。だが、他のメンツのドラを増やしてしまう可能性だってある。それに、リーチをかけている者に対しては、裏ドラまで増えるため、実質2種類ドラを増やすことになる。謂わば諸刃の剣だ。
その諸刃の剣を、丸山彩は臆することなく抜いた。その選択に驚愕する面々。ただ一人、白鷺千聖を除いて。
丸山彩
{四六②②②456北北} 暗カン{裏99裏}
「そう、彩ちゃんあなた・・・」
白鷺千聖はこれまで、多くの芸能人と対局してきた。その中にはトップアイドルといえる存在達も含まれる。そんな彼女達は、誰一人例外なくある役を得意技としていた。厄介な実力者達だ。
今年のインターハイでは、長野代表に所属した一年生が、この役を頻繁に和了り注目を集めていた。そして、白鷺千聖にはわかっていた。今正に、丸山彩はその領域に入ろうとしているのだと。
「あなた、トップアイドルの素質があったのね」
丸山彩は、昔からアイドルに憧れ、そのための努力を惜しまず行ってきた。辛いときもあった。挫けそうになったときもあった。だが、笑顔だけは決して忘れず、いつか報われるときが来ると信じて、努力を続けてきた。
今、その努力が花開くときが来た。
「ツモ」
丸山彩
{四六②②②456北北} 嶺上ツモ{赤五} 暗カン{裏99裏}
「ツモ、ドラ4、赤1・・・嶺上開花。3000、6000」
騒然と静まりかえる室内に、彼女の宣言だけが木霊した。
どうもソウリンです。
この作品の主人公は彩ちゃんです。
主人公は彩ちゃんです(大事なことなので二回言いました
この対局はもうちょっとだけ続くんじゃよ。
そして、今自分大会ルールで迷ってるんですよね。(決まってないのかよ
咲本編ルールに合わせるのかあえてシノハユルールに合わせるのかで迷ってます。
シノハユ面白いですよね。咲スピンオフでは阿知賀編も怜も好きですが、シノハユが自分は一番好きだったりします。
慕ちゃんマジ天使。はやりんマジアイドル。
どっちのルールにするかはまぁ大会始まるまでに決めておきます。始まって決まってなかったら大問題だ。
では、今回はこの辺で。
ではでは、よかったら次回もお願いします!