拝啓ドッペルゲンガー   作:油口

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ボカロの拝啓ドッペルゲンガーを書きました。
気ままに更新するので、暇潰しに見て行ってください!


第1話

私の名前は紫悠 亜美(しゆう あみ)。みんなからは容姿端麗、秀外恵中(しゅうがいけいちゅう)と言われていた。

だけど、私にはどうでもいいことだった。

(つまんない…)

一人、夕日の光が照らされている教室で、そんなことを考えていた。

いつからそんなことを思うようになっただろう。毎日毎日、同じことの繰り返し…。

街に遊びに行きたくても、家が厳しいから出かけられない。そのせいで、友達付き合いができず、友達がいない。

いつしか私の世界は色あせていた…。

「もう一人自分がいたらなぁ〜…」

そしたら、その自分に任せて、思う存分街で遊べる。

そんな夢のようなことを一人小さく呟いた。

ーもし、その夢のような願いが叶うとしたら?ー

「!?」

突如、誰かの声がした。透き通った声なのに、どこか不気味な声が…。

ーもし、もう一人の自分がいたら?ー

「だ…だれ!?」

「これはこれは、名前も名乗らず失礼いたしました」

一瞬、自分の影が伸びたかと思うと、影の中から黒い靄(もや)のようなものが出てきた。

その靄(もや)は、徐々に人型になっていき、姿が見えてきた。

しかし、その姿は…

「どうもこんにちは、君の分身です」

胸に手を当て、軽くお辞儀をしている…

私がいた…。

「は…?私の分身って…な…何の冗談よ…」

私は目をこすり、目の前で起こってることが夢でないことを再確認する。

「冗談も何も、貴女は“もう一人自分がいたら”と願いましたよね?」

私の分身が目を細め、問いださすように聞いてきた。

「そりゃあ願ったけど…」

冗談のつもりだった。ふと考えただけだったのに…

「そんな真摯な願いが私を呼びました」

分身は微笑んでいた。なぜかそれが、私に恐怖を覚えさせた。

「まぁ過程などはさほど問題ではありません。私は結果だけあればよろしいのです。これより大切なことがあるのですから…」

「大切なこと…?」

大切なこと?と聞き返したが、私は何となく察しはついていた。

「はい、私は先ほどの貴女の願いを叶えに来ました」

「願いって…“もう一人自分がいたら”ってやつ?」

「私はその願いを叶えるためにここに来ました。」

また胸に手を当て、微笑みながら“代行者”(メサイヤ)は言った…。

「本当に私の代わりになってくれるの…?」

得体の知れない恐怖はある…が、自由になれるチャンスが目の前にある。このチャンスを逃したら、多分一生自由になんてなれない…

「ええ、もちろん!なんでもやりますよ!私は貴女の分身なんですから!」

こうして、私と”代行者“の奇妙な日々が始まった…。

 

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