103話を投稿させて頂きます。
メインストーリー 第6部 第3章まで進んで思ったこと。
柳瀬家の代表の声が女性だったことに驚きました。
となると、マイマイパパは代表じゃないのか……?
あと、連邦に反省を促すダンスの動画のコメントで『身構えている時に来るタイプの死神』というセンスの塊としか言いようのないコメントは大事にしたいと思う所存でございます。
「あの!……タキリヒメさん!私と剣の立ち会いしませんか!?」
自問自答していた姫和は、可奈美の大きな声でハッとなり、可奈美の方へ意識を集中させるのであった。
それは、剣術好きな少女である可奈美が言うには何の問題も無い発言のように朱音達は思えたため、誰も咎めなかった。実際、本来の時間軸では何も問題視されていなかったし、前回の会談も特に何も言われなかった。
――――しかし、
「……貴女は確か、衛藤 可奈美隊員でしたね?それは、貴女が所持している"千鳥"を使ってのことでしょうか?」
今回は、可奈美のそんな性格と性質を理解していないタキリヒメ派の議員が居たのである。
「……えっ?あ、はい。……そうですが?」
しかし、可奈美はどういう意味で聞いているのか気付かなかったため、そのまま思ったことを返答するのであった。
「なるほど、可奈美隊員はこれから共闘すべき相手に真剣でもある御刀を向けるということですか。……しかも、タキリヒメ様に対して最も致命傷を与えるであろう"千鳥"で、ですか?……朱音様。これは一体どういうことなのでしょうか?もしやとは思いますが、立ち合いと称してタキリヒメ様を亡き者にしようという心算ではないでしょうな?」
これから共闘しようというタキリヒメ相手に、最も効果の有る御刀"千鳥"という刃を向けて立ち合いを所望したという可奈美の返答を、タキリヒメ派の議員は可奈美から引き出してから朱音に抗議していた。
タキリヒメを立ち合い中の事故と称して殺害する気ではないかと。
「そ、そのようなことは断じてありません!!……ただ、彼女は刀を合わせた者を感覚的に捉えられると言いますか、そのような特質を持つ娘でありまして、それ故にタキリヒメのことをよく知ろうとし、そのために行動に起こしただけであります。彼女はそのようなことまで考えておりません。」
タキリヒメ派の議員の追及に、朱音は可奈美の"剣を通してまっすぐ対峙して、感覚的に相手を理解する習慣"が有る娘であると説明するが、
「この期に及んで嘘を並べるお積りですか!?いえ、共闘に関する協議の場において刀を抜こうとするなど言語道断です。……このことについては、正式に刀剣類管理局へと抗議文を送らせてもらいます!」
タキリヒメ派の議員は、朱音の言葉を聞く意味がないと言わんばかりに怒りながら語気を強め、刀剣類管理局本部に可奈美隊員が共闘相手であるタキリヒメに御刀を向けようとしたという内容の抗議文を送ると非難していた。
「まあ待て、まだ14かそこらの娘御の言うことだ。そう辛く当たるな、我は気にしておらん。」
しかし、タキリヒメが刀剣類管理局に正式な抗議文を送ると激怒している議員に、怒ることなく平静となるようにと命じていた。
「……しかしながらタキリヒメ様。可奈美隊員は歳が幾つであるとしても、彼女は刀使であり、この国が承認する立派な国家公務員の一員です。彼女の発言がどのようなことになるのかというのを理解してもらう必要があります。」
「私がこうしてもか?」
タキリヒメがそう言うと、タキリヒメ派の議員に向けて頭を下げるのであった。
「!……タキリヒメ様、頭を上げて下さい。」
「そうは言うが、貴君が彼女等を咎めるのであれば、前回の彼女等の会談にてその点ついて我も窘めるべきであったであろう?」
「……分かりました。貴女様のご指示通りに致します。」
そのため、タキリヒメが代わりに頭を下げることでどうにか治めたかのように見せたのであった。
そうすることで、可奈美や姫和に懐が広いところを示すと同時に、
「という訳だ。我の提示した"ノロの分祀体制から荒魂を離島に配備する方針への変更"と"一定数のタキリヒメ派の人間を刀剣類管理局の方針について協議にする場にも参加させる"ことをよくよく検討するようにお願い申し上げる。朱音局長代理?」
刀剣類管理局に正式な抗議文を送ると激怒している議員をタキリヒメが抑えた見返りに、タキリヒメが提示した二つの条件をよく検討するようにと釘を刺すことができた。
そのうえタキリヒメは、朱音が舞草の保守派との間に亀裂が生じ始めていることを知っているうえで、二つの条件を呑むようにと迫っていたのである。
こうすれば、仮に条件を呑んだとしても、舞草の保守派は朱音に反目し、分裂してしまえばこちらを攻撃するどころではなくなるうえ、例え二つの条件を拒否したとしても可奈美の件で抗議文を送り、刀剣類管理局の社会への信頼を失墜させることができるため、そうなれば刀剣類管理局の社会への信頼を取り戻そうとする朱音側から再度話し合うことを求められる可能性が高いのである。その際に、こちらは今回の会談よりも強く迫ることができるのであり、タキリヒメはそれが狙いであった。
タキリヒメにとってはどっちに転んだとしても、得しかないのである。
「……さて、それと衛藤 可奈美よ。お前は刀を合わせた者を感覚的に捉えられるからこそ我と手合わせ、もとい立ち合いを所望していると前回もそう申しておったな?」
「あっ、はい!」
タキリヒメにそう言われ、可奈美は二つ返事で答えるのであった。
「だが、それが本当の願いか?」
「えっ……?」
しかし、タキリヒメに突然そう問われた可奈美は戸惑った。
……何故、そんなことを聞くのかと。そんなこと聞かないで欲しいと。
「重ねて尋ねる。……本当にそれが今のお前の本心であり、お前の願いか?」
「!……ええ、そうです!……そうなんです。だから、私はそうすれば、お互いよく見れば人間の事も荒魂の事もよく知り合えるんじゃないかなって……。そうすればお互い、お互い歩み寄ることができるんじゃないかな、……とそう思っただけです。」
可奈美は、タキリヒメに必要なことなのかと再度問われるものの、強く、ハッキリと必要であると返答することができなかった。
「……ふむ、よく知る。よく見る。というやつか?ならば、その前に其方に尋ねたき事がある。……無理をしておらんか?」
弱弱しい声で返答をした可奈美を見て、タキリヒメは尋ねてはいけないと思いつつも、何故か尋ねてしまった。
可奈美自身に自信が無いというか、何処か迷いが有るかのように見えたからであろうかとタキリヒメはふと考えてしまっていた。
「!……そんなことは……ありません!!」
その結果、可奈美はまるで聞き分けの無い子供が意固地になったかのような返答をし、反抗的な目でこちらの様子を伺うというタキリヒメが危惧していた説得が困難となる状態へと向かってしまった自分の愚行を後悔していた。
……相手の領域に必要以上に踏み込むのは、却って相手に警戒されるということはタキリヒメは理解していた。だからこそ、タキリヒメは尋ねてはいけないと思っていたのだが、何故かは分からないが聞かねばならないと思ってしまったのである。
「可奈美よ。そういうお主は、見えているのか?……いや、この我に対して本当に望んでいるのは、聞きたいことはそれだけか?」
そうして、相手に警戒感を与えるだけの悪手であると理解していても、タキリヒメは優しい口調で再度尋ねるのであった。
本当に望んでいるのは、立ち合いだけなのかと……。
そう優しい口調でタキリヒメ尋ねられた可奈美は、どう答えるべきか悩んでいた。
「…………。」
何故かは分からないが、可奈美はタキリヒメのことを大きくて、広くて、何もかも受け入れてくれて、それこそ人間も荒魂も吞み込む、というよりも優しく包み込んでくれるような、さざ波しかないような穏やかな海みたいに感じられ、何故か母の美奈都の顔を思い出してしまった。
『何でまだ出動できないんですか!?もう総理は襲われているんでしょう!!?』
『まだ出動命令は出ていないので、持ち場から離れないで下さい。』
そして、母の美奈都の顔を思い出してしまったせいか、国会周辺での警備の際、デモ隊との衝突を避けさせるためなのか、国会周辺で警備に就いていた警察官と自衛官に遮られ、前線に居る優の元へ行けなかったことで、何も出来なかった自分を思い出し、自責の念に駆られていた。
そのうえ、その後も可奈美は勇気を持って優との面会へと向かったのだが、それができなかった。
理由は、優が半ば荒魂と化していることから、荒魂扱いされていることが発端となっているが、やはり決め手となったのは、自衛隊員をノロのアンプルで強化することで人体にどのような影響があるか、蝶型の荒魂を使役することが可能となればどのような作戦行動が可能になるのかという人体実験の後始末を行った江仁屋離島。民間人に偽装した反政府主義者の隠れ家となっていた安アパートへの襲撃作戦といった非合法な作戦を遂行したことで優のことを高く評価した政府上層部の強い意向と昨今の諸外国による非合法な工作活動による侵略に対抗するため、陸自の特戦群と米国のCIAやDIAといった諜報機関の指揮下に在る部隊と共に非合法な活動と作戦に従事させられていた。
そんな事情もあり、タギツヒメやタキリヒメといった大荒魂に対して有効打となる"千鳥"を所有する可奈美隊員の造反を防ぐこともそうだが、可奈美と優が接触すればするほど、優が非合法な活動と作戦に従事させられていることに気付かれる可能性が姫和よりも高かった(それに、タキリヒメやタギツヒメといった大荒魂に対して有効打となる"小烏丸"の所持者であり、他者に依存する傾向が強い姫和には、優に対して依存するように仕向けることで刀使としての役割を果たそうと躍起にさせるようにし、タキリヒメやタギツヒメといった大荒魂に対する対抗策と有用な戦力を保持したかったという日米両政府の思惑があった。)。そのため、可奈美には治療中や討伐任務中といった理由を付けて優との接触を可能な限り妨げていた。
(……また何もできなかった。)
優の居る所へと向かえなかったこと、優との会えないことを一つ一つ思い出していた可奈美は、優が何時かは自分を残して何処か遠い所へ行ってしまい、自分は一人ぼっちになるのではないのかという恐れを抱き、タキリヒメに心を委ねたくなる気持ちを抱いてしまう……。
そして、タキリヒメの要求を受け入れてでも、共闘すれば良いのではないのかと考えてしまう。
「……すみませんが、面会時間は過ぎました。本日のところはお帰りください。」
だが、これ以上話を進めてタキリヒメと可奈美が立ち合いするのを何とか防ぎたかったタキリヒメ派の議員の横やりのお陰で、可奈美は冷静になるのであった。そして――――、
『気を付けてね。』
『それに、政府の一部はタキリヒメを支持し、人権と一部の国政を一任させるべきだと言っておりますが、それは危険な事でしょう。タキリヒメは我々の様な者がどうこうできるものではない。』
聡美と朱音がタキリヒメは充分に警戒すべきであるという趣旨の発言を思い出し、可奈美はタキリヒメに心を委ねることを踏み止まることができたのであった。
「……分かりました。それでは、また後ほど。」
こうして、可奈美達とタキリヒメの会談は何の進展もなく終わり、次の予定の薫とエレンといった他の刀使達との会談の準備をするのであった……。
姫和と可奈美との会談を終えたタキリヒメは、次の予定であった薫とエレンとの会談を行っていた。
無論、彼女等を味方に引き入れればと思い、タキリヒメは応じたのだが……。
「…………お前、何が目的だ?」
開口一番、薫はタキリヒメにそう問い質したことにより、エレンを驚愕させていた。
「……ふむ。目的とな?」
だが、タキリヒメは薫にどういう意味か尋ねるのみであった。
「どうせ、お前の目的は『愚かなる人間共よ!我に従え~~~。』……てな感じなんだろ?」
「……薫?益子の刀使がそんな短絡的なことを言っても良いんデスか!?」
「良いんだよ。先方が全然対話に応じないんじゃ、俺はそう言いたくなる。」
薫のエレンの会話を聞いたタキリヒメ派の議員は、不遜な態度を慎むよう窘めようとするが、タキリヒメはそれを手で制すと、スッと立ち上がるのであった。
……すると、
「フハハハハハ!!愚かなる人間共よ!我に従え~~~。」
と突然言い始めたのであった。
そうして、薫とエレン、それに美弥とタキリヒメ派の議員等はポカンとするのであった。
「……よし!これで我に従う気になったであろう?」
「いやいや待て待て!どうやったら、そんなふうに受け取るんだよ!!?」
タキリヒメの返答に困惑しながらツッコミを入れる薫。
「うん?我にこういうのやって欲しかったから、そんなことを述べたであろう?」
「ちげぇーよっ!!んな訳あるかーーー!!」
薫のツッコミにタキリヒメが薫の求める姿に合わせてやっただけだと答えてきたので、薫はそんなつもりは無いと大きな声で否定するのであった。
こうして、薫の追及をタキリヒメは躱すことが出来たのであった。
その次は、歩がタキリヒメに面会していた。
理由は、歩のことを心配していた美弥が、それを望んでいたこともあり、タキリヒメが要請したのである。
当初は、折神 紫派と目されている綾小路武芸学舎出身の歩とタキリヒメを接触させることによって、綾小路側にタキリヒメのことが漏れることを警戒して接触させないようにされていたのだが、国会周辺の騒動にタキリヒメが自分から姿を晒したこともあって、隠す必要性が無くなったので面会が許されたという経緯があるのだが、そのことを歩と美弥は知らない。
「あ〜ゆ〜む〜〜。」
とはいえ、美弥は歩が来てくれたことには素直に喜んでいた。
タキリヒメの監視役として、この部屋にずっと軟禁されていた美弥は、歩が荒魂事件が頻発している関東を中心に活動する特別任務部隊から特別遊撃隊に転属された(監視は今も続いているため。)という話を聞き、上手くやっていけてるのかどうか心配であった。そのため、元気そうにしている歩の姿を見て、一安心したと同時にタキリヒメに勉学漬けと地獄の訓練の日々に辟易していたため、安堵したのである。
「ど、どうしたの美弥!?というか何でこんなところに!!?」
「いや、だってアイツ私のことを自分の従者だとかホラ吹いて此処に拘束させたんだよ!!酷い目に遭わされたんだよぉっ!!」
美弥は歩に涙と鼻水を流しながら近付くと、タキリヒメのことをアイツと呼んで、指を差しながら必死に自分の窮状を訴えていた。
「え?……そ、そうなの?」
美弥の行動に驚いていたこともあって、状況が読み込めなかった歩はタキリヒメのことを横目で伺うことしかできなかった。
「何を言う?我は此奴に紫直伝の剣術を教えてやっているだけだぞ?」
「え?……それだったら、別に酷い目に遭っていないのかな?」
しかし、美弥の訴えに対して、タキリヒメは剣術を教えているだけだと返答していた。
強い刀使になることで社会に貢献したいと日々奮闘し、日夜訓練に励む歩はそれを聞き、それは酷い目に遭っているということになるのかとつい思ってしまい。口に出してしまった。
「だっ、騙されないで歩!アイツはあんなこと言っているけどパワハラ、労基違反上等でこれぐらいできて当然、できなきゃ折檻するっていうヤベー奴だから!!」
「何を言うか。我のお陰で写シが一回から二回ぐらいは張れるようになったではないか。それを考えれば、礼を言われるのは解るが、批難される謂われは無いぞ?」
「だったら、あの卑猥な言葉の羅列のようなこと言うなよ!!聞いてるコッチはすげぇ恥ずかしいんだよ!!どうせお前、意味分かんないで喋ってるんだろ!!」
「いやー、そんなことはないぞ?ちゃんと理解して、心を鬼にして言うておるだけだぞ?」
「じゃあ、どういう意味で言ってんだよ?理解してるんだったら言えることだよな?」
「……いやぁ、今それを言うのは少し憚れるからのう。」
「誤魔化すなあぁぁぁぁぁ!!!」
美弥とタキリヒメの言い争いを遠巻きに見ながら、歩は仲が良いなと思いつつも、美弥のことを羨んでいた。
何故なら、特別任務部隊から本部直属の特別遊撃隊に栄転したとはいえ、周りのレベルの高さに驚愕するとともに真希や可奈美から教授を受けているにも関わらず自分が強くなっているように感じなかったため、周りとの差が埋まっているように感じなかった。そのため、自分が何故選ばれたのか、自分は部隊のお荷物になっていないか毎日が不安であった。
「……いいなあ、美弥は色々と教えてもらって。」
そんな理由もあり、歩はタキリヒメから剣術等を教えてもらっている美弥を羨んでいた。そして、ついボソリとそんなことを口走ってしまった。
「え?……どうしたの歩?」
歩がボソリと口走った言葉をたまたま聞いてしまった美弥は、どうしたのかと尋ねたのであった。
美弥にそう尋ねられた歩は、友人相手に愚痴のようなことを吐いてしまったことを後悔するが、このまま黙ったり、隠しても美弥に悪い印象を与えるだけだと思い、正直に話すことにした。
「……いや、私、本部直属の特別遊撃隊の一員に選ばれたんだけど、何て言うか……私が選ばれた理由が分かんなくて、部隊のお荷物にならないように鍛錬を続けていて、上達しているかどうか分からないで悩んでいたときに獅童さんや衛藤さん、同じ隊に居る先輩や友達から色々教えてもらってはいるんだけど……それでも、自分が思っているほど上達しているように感じてなくて、それで私もタキリヒメさんに剣術を教えてもらえれば上達するんじゃないかなー、とかつい思っちゃって……。」
特別遊撃隊に配属された歩は、真希や可奈美の指導の下で鍛錬を励んだことと、同じ部隊に所属する先輩方と仲間の応援もあって、初めての実戦時に相対した巨大な荒魂を部隊の仲間と共に討伐できたのだが、歩としては可奈美や真希、同じ部隊に所属する人達といった世話になった方々への恩返しとその人達のお陰で上達したという証明も兼ねて、単独で倒したかった。
そのうえ、同じ部隊の仲間、つまりは特別遊撃隊に配されるほどの実力者と共に討伐したことで、実際は先輩や仲間達の実力のお陰なのでは?という疑問を抱き、自分個人の実力は大して上がっていないのでは?と思い悩むようになり、遂には同じ部隊の優秀な仲間の足を引っ張っているだけなのでは?と、仲間にそう思われてはいないだろうかと不安に思っていたのである。
「……私、このままじゃ良くないっていうのは分かっているんだけど、でもこれ以上どうすれば良いのか分からなくて、それでちょっと行き詰ってて………。」
とはいえ、真希と寿々花は歩の部隊指揮能力においては可奈美以上のものがあると評価しており、可奈美と同じ部隊の先輩や仲間達もひたむきに鍛錬に励む姿を見て、好感を持たれており、歩が危惧する事態にはなっていないのだが、歩はそのことに気付いていなかった。
「そっか、歩も苦労してんだね………。」
歩の悩みを聞いた美弥は、歩は出世したけど、それに見合う苦労と研鑽を積んで、色んな人の世話になったからこそ、それに見合った結果を残そうと日々奮闘しているのだろうと思ったのである。
「……だったらさ、一人で思い悩まず先ずは周りの環境を最大限活かすようにするってのはどう?」
そのため美弥は、日々奮闘している歩の努力にアドバイスしようと思った。
「……周りの環境を最大限活かす?」
「そうそう。歩の話を聞いてて思ったんだけど、今の歩は特別遊撃隊っていう周りのレベルが自分よりも高い部隊に配属されて、思い悩んでいるんだよね?それで同年代の子は何人か居るの?」
「……まあ、何人かは居るけど。」
「その人達は、どういう人達なの?」
「実家が道場の娘さんとか、小さい頃から剣術をやっていた娘とかが多いから、向上心は強くて、日頃の鍛錬は欠かさない人達ばかりだよ。」
先ず美弥は、歩の今現在の状況を聞き、そこからタキリヒメから教わった中で最も最適であろうと思える方法を歩に伝えようとしていた。
「……それなら、歩達の練習風景を動画にして公開するってのはどう?」
「え?」
そして歩は、美弥の『動画配信者になって、仲間と共に練習風景を配信すれば剣術が上達する。』という答えに驚くしかなかった。
あの世界では刀使が作る焼きそばは飛ぶように売れるらしいので、刀使やタキリヒメがYoutuberになったら人気出そうだと思うんですよね。個人的に。
それはそうと、美弥と歩をプレイアブル化してください。お願いします。
あと、突然で申し訳ありませんが、諸事情により次回の更新を最後に8月中は更新できませんので、次々回の更新は9月以降となります。
誠に勝手で申し訳ございませんが、ご了承の程お願い致します。