【完結】刀使ノ巫女+α   作:tatararako

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131話を投稿させて頂きます。

この小説内の政府の考え。
五輪の成功>>>>>(今まで使った予算と得られるであろう対価の壁)>>刀使

金という悪魔が力を持った結果。
     
      


東京23区特別災害予想区域

     

    

    

「同志達よ。遂に我々は立ち上がる時が来た。……我々刀使は、政治の道具として利用され、今日に至るまで耐え忍んできた。」

 

冥加刀使等を含めた維新派達が集まる東京ホテルにて、ソフィアの演説が始まっていた。

 

「事実、この国が我々に対して行ったことは何か?……それは我々には荒魂と戦えと命じておきながら、彼等は荒魂と手を組もうとしていたのだ。それだけで我々を粗略に扱ったということが分かるであろう?」

 

それを聞いた冥加刀使達等は頷き、同調している様であった。

 

「そんな我々の言葉を聞き集まった勇者達。伝統を守り続ける我が母校の綾小路武芸学舎だけでなく、荒魂事件が頻発する関東を中心に活躍した鎌府、他校との技術交流を以って伍箇伝の発展を促した美濃関、優秀な刀使を輩出した平城学館、最新技術の研究を欠かさなかった長船の刀使達が集う維新派の我等の声に同調してくれたことに感謝する。」

 

それだけでなくソフィアは、母校の刀使だけでなく他の四校からも来た刀使達も称賛していた。

……理由は、自身等の主張の正当性の確保と維新派に集った刀使達が敵前逃亡するのを防ぐためである。

 

「そんな君達に伝えたいことがある。……それは、嘗てこの国でも維新が起こり、その者達は当時の為政者であった江戸幕府によって反逆者の烙印を押され露となった。だが、その者達の中には維新を成功させ、時の英雄であり国の立役者として祀り上げられることになるが、江戸幕府の下で維新の者達を朝敵として戦い続けてきた幕府軍はどうなった?その幕府軍は朝敵として葬られてたのがこの国の歴史だ。故に、我々は嘗ての維新のようにこの狂った世を是正すべく、改革を起こすべく維新派と名乗り立ち上がった。……故に、我々の行いは正義であり、この戦いが終わった後は維新を成功させた者として、我々は英雄として祀り上げられるだろう。」

 

ソフィアは、幕府軍を今の刀剣類管理局になぞらえることで維新を起こそうとする自分達の活動の正当性を主張していた。

 

「……そして、これは明かしていなかったことだが、君達の勇気ある行動に同調する者が後に続いていることもここで明言しておこう。」

 

それだけでなく、ソフィアは荒魂の討伐を使命とする刀使としての領分を守る君達の行動に同調する者が大勢現れているように述べているが、実際は全てがソフィアのシンパであり、出身校がバラバラの冥加刀使40名程と血気に逸り参加した年若い刀使80名程しか維新派に同調する刀使が居なかった。

 

……そのため、ソフィアの言っていることは嘘である。彼等を敵前逃亡させないための詭弁を使ったのである。

 

「これより、我々は我等の拠点に向かいつつある刀剣類管理局本部所属の特別祭祀機動隊及び自衛隊と米軍の支援部隊を迎撃、これを撃退した後に国会並びに警視庁といった政府の重要施設を占拠し、我々の主張を全世界に広げる行動に移る。……各員の健闘を期待する。」

 

このソフィアの言葉を聞いた刀使達は慌ただしく動き始めるのであった。

 

「冗談じゃない。……犬死になんて御免だ。」

 

その中に、ソフィアの思惑から外れた者が居ることに気付くこともなく。

 

「……それで、どうなさいますか?」

「……冥加刀使による一点突破しかないな。そこでだ穂積、頼みたいことがあるのだが。」

 

政治的根回し、戦力差や策、兵士の練度など全てにおいて敗北している維新派にはそれしか賭けるものが無いうえ、ソフィアは穂積にあることを頼むのであった。

 

 

 

 

 

 

指揮官が真希、舞衣、沙耶香、エレン、早苗隊員他数名という編成がなされている第一班は真希と舞衣、そして早苗が維新派との戦いの前に少し話していた。

 

「柳瀬、岩倉、何故僕等が冥加刀使達ではなく、決起に逸った若い刀使達を相手にするか分かるか?」

「……いえ。」

「……わ、分かりません。」

 

真希にそう問われた舞衣は憮然とした表情で、早苗は困惑した表情で真希に返すのであった。

 

「柳瀬は自分達の実力不足であると思っているのだろう?……だが、それは違う。今後のことを踏まえてだ。」

「今後のことを踏まえて……?」

 

今後のことを踏まえて。と答える真希にそれはどういうことかと訝しむ舞衣。

 

「我々が戦う相手は今は反逆の徒ではあるが、革命の徒ではない。中には周りの雰囲気に流された者、同調しなければ自身の命が危ぶまれた者、参加した友人を死なせたくなかったといった動機で動いた者達も居る。……そういった者達は維新派の言う“荒魂殲滅”に心から心酔した訳ではない。むしろ、タギツヒメと内閣官房長官の宣言により判明した維新派等の悪行に反旗を翻している可能性が高い。」

 

真希は舞衣と早苗に説明する。

維新派に属する若い刀使等の中には維新派に心から臣従していない者や反旗を翻そうとしている者が居るということを。

 

「となれば、維新派に属する冥加刀使、そして維新派の重鎮等を拘束或いは始末すれば彼等はこちらの説得次第では従順な羊へと変わる可能性が高い。……この戦いの後、我々刀剣類管理局と特別祭祀機動隊は批判されることになり、刀使の志望者は漸減の一途を辿ることになるだろう。それを踏まえると、彼女等は有無を言わさずに最前線へと放り投げることができる駒として再利用できる。」

 

であるならば、維新派の最大戦力であり当作戦の討伐目標でもある冥加刀使、ソフィアや静といった維新派の重鎮等を拘束もしくは始末すれば何名かはこちら側に戻る可能性が高いため、決起に逸った若い刀使達を殲滅する必要性が無いということを真希は舞衣等に理由を説明していた。(当作戦の区域が特別災害予想区域に指定できたのは荒魂を身に宿している冥加刀使が居るからであり、決起に逸った若い刀使達が冥加刀使ではないというのも理由に含まれている。……つまり、舞草の隠れ里にて行われたやり方とほぼ同じである。)

 

「折角の未来の戦力となる人材を消耗させるなど、馬鹿のすることだと思わないか?」

「戦いの後のことまで……。」

 

それだけでなく、この戦いが終われば先ず刀剣類管理局は間違いなく騒乱を巻き起こしたとして批判の対象にされるため、今後の刀使の志願者の数は漸減の一途を辿ることは目に見えているのである。……そのため、決起に逸った若い刀使達を降伏させ、今後の荒魂討伐任務の最前線に放り込めば、漸減した刀使の志願者の補填としてまだ使えると真希は舞衣と早苗に説いていた。

 

それを聞いた早苗は、戦いの後のことまで考えている真希に感服したかのような声を上げつつ、心の中でも称賛していた。

 

「今後は君等も分隊長、もしくは前線の部隊を担当してもらおうと思っている。……岩倉、自分達の部下となるかもしれない者達だ。今後のことを踏まえて丁重に扱え。柳瀬、戦いの後のことも考慮して戦闘を進めれば、戦場全体を支配することができるということを覚えておくといい。君等ならできる。」

「はっ……はい!」

「……分かりました。」

 

真希はそう言うと、投降した若い刀使は早苗が指揮することになる可能性があることを考慮しておけと話すのであった。理由は、真希が担当するよりも早苗が担当した方が指示に従うであろうし、何よりも謀反を考えた際に早苗に話す可能性が高く、そのような行動を取れば真希に心酔する早苗は真希の耳に必ず入れることは容易に想像が付くからである。

 

そして、舞衣に戦いの後のことも考慮するように教えたのは、彼女の指揮官としての能力の高さに真希が期待していることもそうだが、彼女は柳瀬グループの令嬢でもあるため、上手く育てれば寿々花の様に元警察関係者を諜報員に仕立て上げたりする術を得て、真希のような前線指揮官か寿々花のように諜報員を使った工作ができる司令官になれる可能性があるからである。

 

……そうなれば、元維新派であった刀使も彼女達の指示には聞くことになるだろうと考えながら、真希は舞衣と早苗にあることを説くのであった。

 

「……ふたりとも、険しい顔をするな。柳瀬と岩倉は刀使達を拘束するに留めるよう糸見 沙耶香、古波蔵 エレンの両隊員に伝えてくるが良い。……きっと二人共喜ぶぞ。」

「はっ……はい!ありがとうございます!」

「……了解しました。」

 

真希は舞衣と早苗の二人にそう説明すると、早苗は嬉しそうに沙耶香とエレンに真希が言っていたことを伝えに行くが、舞衣は早苗とは対称的に少し暗い顔をしながら早苗と同様に伝えに行くのであった。

それを見た真希は、やはり自分は勇敢な指揮官になれないのだろうという自身が言っていた言葉を思い出す他なかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………。」

 

その一方、指揮官が紫、可奈美、益子隊員他数名とタギツヒメといった者達が編成されている第二班に所属することとなった姫和は、維新派との戦いの前に一人で空をぼんやりと見ながら佇んでいた。

そんな姫和を見かけた寿々花は、ある用事を持って声を掛けるのであった。

 

「……十条さん、少しよろしくて?」

「何の用だ?」

 

姫和は、優を利用して、タギツヒメをこの戦場に引っ張り込んで来た張本人である寿々花を睨みながら返事をしていた。

 

「ええ、実は興味深い話を持って来まして。」

「なら消えろ。私はお前に用は無い。」

 

寿々花は、姫和に対して興味深い話を持って来たというものの姫和は興味がないと言って寿々花を拒絶していた。

 

「そうですか。……実は私達が御守りする折神家は特別荒魂と近しい者の家系であり、その力を持っていたからこそ荒魂と融合できたのです。その力は柊の家系。つまりは十条さんの母親である篝様も同様の力を持っていたそうです。……つまり、十条さんにも同じ力が流れているということになりますわよね?」

「……それは本当なのか?」

「ええ、荒魂を鎮めるのが折神、祓うのがお前達柊の家系であり、折神と柊はいわば表と裏のような関係だったそうですわ。故に、紫様は大荒魂と融合できた。」

「…………。」

 

姫和は、寿々花の荒魂を鎮めるのが折神、祓うのが柊の家系であり、折神と柊はいわば表と裏のような関係であるがために、折神家と柊家という両者は刀使の中でも特別荒魂と近しい者の家系であるがために荒魂と融合することができるという話しを黙って聞いていた。

 

「その力を使えば、貴女は大荒魂の力と知識、それに記憶も手に入れられる。そうすれば、ノロのアンプルの知識を得られますし、大荒魂クラスの力を得ると広域に及ぶ荒魂への支配力で荒魂達を使役し、隠世への高い干渉力を有するそうですわ。……そういえば、優ちゃんは半ば荒魂と化していますし、それにノロのアンプルの知識を得れば治療方法も見つかるかもしれませんわね。」

 

そうして黙って聞く姫和を見た寿々花は、姫和が荒魂と融合する力を使ってイチキシマヒメを取り込めばノロのアンプルの知識を得て、荒魂化した人間の治療方法と広域に及ぶ荒魂への支配力を使えば優を思い通りにすることができるかもしれないという甘言を用いていた。

 

「ですが、イチキシマヒメも龍眼を持つ大荒魂で既に刀使と融合している以上、容易く屠ることはできないでしょう。……ですが、刀使と荒魂の融合は乗算。それに、今は近くに大荒魂に対しても致命傷を与える小烏丸がありますので、近くに居る荒魂を使えば簡単にイチキシマヒメ以上の力を手に入れられるでしょう?」

 

甘言を用いてきた理由は、イチキシマヒメは龍眼を持つ大荒魂であると共に静という刀使と融合しているから容易く打ち破ることはできないということ、刀使と荒魂の融合は乗算であること、そして姫和の手許には大荒魂に対しても致命傷を与える小烏丸と荒魂であるタギツヒメがこちら側の陣営に居ると寿々花は姫和に話すことで、姫和にタギツヒメと融合してもらうことでイチキシマヒメと融合した静に対抗できる戦力を得るだけでなく、タギツヒメといった20年前の大災厄の真実を知る者の口を封じようともしていた。

 

「…………つまり、私にタギツヒメを斬れと?」

「まあ、どのように受け取るかは貴女次第ですわ。……前にも言いましたがイチキシマヒメは刀使と融合していますから簡単にはいきませんわよ?」

 

寿々花は刀使と融合したイチキシマヒメは簡単に打ち破れないとだけ言うと、姫和から離れて行くのであった。

そして、寿々花が離れた後に姫和は一人物思いに耽っていた。

 

「……タギツヒメの力を手に入れられるか。」

 

そう思って姫和は、自身が持つ小烏丸をじっと見つめていた。……しかし、

 

(何故だ?……同じというなら何故折神でもなく、私でもなく優がタギツヒメにその身を捧げなければならないっ!?……私の父さんは名も無き荒魂に殺され、それだけでなくタギツヒメに母さんの命を奪われ、それだけでなく優も掠め盗られた!!そんなの不条理だ!納得できない!!)

 

だが、優はそんな目に遭わせているタギツヒメに何一つ愚痴もこぼさない。何一つ不平不満を述べない。

 

(でも、分かってしまうんだ。……きっと、アイツは私が討つべき『タギツヒメ』じゃなくなったことを!!)

 

それに、思い出すのはタギツヒメが内閣府で述べた『友人達』の話を思い返すだけで殺意が鈍る自分が居たことを。タギツヒメのことを禍神としても、荒魂としても見れない自分が居たことに苛立っていた。

 

(……わからない、わからないんだ私にも!なにもかも失った!復讐も、戦う意味も、刀使であるべき理由も、私は一人だ!一人で居た!だからアイツを憎んだ!なのに、なのにアイツは憎むべき相手じゃなくなった……!なら私は、いったいだれを憎めばいい!?だれを殺せばいい!?何をすればいいんだ!!?)

 

一人で佇む姫和は、心の中でタギツヒメに対する声を吐露し、慟哭していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――東京都内23区。

 

維新派にイチキシマヒメと体内に荒魂を入れた冥加刀使を理由にして特別災害予想区域にされた場所にて、自衛隊と米軍の支援を受けた刀剣類管理局本部所属の特別祭祀機動隊とそれと袂を分かった維新派との戦いが始まっていた。

なお、特別災害予想区域にすることで民間人の避難をできるようにするだけでなく、対刀使用のボウガンを使用し、刀使が戦闘で命を散らす光景がある戦闘を民間人が見ることで後々の厄介とならないようにしていた。

 

「くそっ!また待ち伏せだっ!!」

「戦況はどうなってるの!!?」

「良いわけないよっ!戦車に対抗できる奴が負傷しているんだからっ!!」

 

戦闘前、維新派は新型S装備を装着した冥加刀使達による一点突破を狙ったものの、戦車に対抗できるであろう第五段階の八幡力が使える刀使が全て負傷か戦闘行動が取れない状況となっていたため、突破が困難な状況となっていた。

 

なお、冥加刀使達による一点突破を看破し、それを阻むために色々と仕組んだのは寿々花であった。

その仕組んだ物を説明するには、戦闘前に行われた寿々花と真希、それに甲斐陸将補等が集まる作戦会議の場でのこと、

 

『――――維新派の最大の戦力が冥加刀使しかない点、戦力差が圧倒的な点から、冥加刀使の力に頼った一点突破を狙ってくることは明々白々。故に、冥加刀使の中で第五段階の八幡力を持つ刀使を第一優先目標として無力化させた後に特別祭祀機動隊で阻もうと思いますが、それが難しいと判断した後は、自衛隊の航空及び地上支援で一点突破を阻んでくださると、助かりますわ。』

 

寿々花が、維新派の狙いが冥加刀使の力を頼りにした力押しの一点突破だと説明すると、それを阻むべく冥加刀使の中で第五段階の八幡力を使える刀使を無力化させた後に自衛隊のAH-64Dといった航空戦力と10式戦車といった地上戦力で特別祭祀機動隊を支援してほしいと話すのであった。

 

『……それは私も考えておりましたが、どのようにして冥加刀使の位置を特定するのですか?』

 

しかし甲斐は、冥加刀使達の位置をどのようにして捉えるのかと尋ねるのであった。それに対し、寿々花は、

 

『最大の戦力である冥加刀使達による一点突破を狙っているのですから、その冥加刀使達に少しでも強化すべく新型S装備を装着させるのは当然の行動かと思われます。』

 

冥加刀使達による一点突破を狙うのであれば、冥加刀使達を少しでも強化させるために新型S装備を装着させる必要があると述べると、

 

『そして、新型S装備は心拍数といった装備者本人のバイタルや的確に指示を得られるように位置情報などの各種情報を指揮所に送ることで従来のS装備よりも生残能力と戦闘能力を高めていますが、裏を返せば新型S装備を装着している者が何処に居るのかが丸分かりということですわね。』

 

新型S装備の利点であるデータリンクシステムを利用して、新型S装備を装着した冥加刀使達が何処に居るのか分かるようにしたと話していた。

 

『元々、S装備は折神家が管理している物ですから、そういった細工は容易でしたわ。』

『……なるほど、怖いことを考えなさる。』

『この日のために、AH-64Dを飛ばすことを継続したり、荒魂討伐の支援という名目で特科といった他兵科の練度を高めたり、10式戦車等を首都圏に配備できるよう暴動が起きたりするようにしただけでなく、官僚や閣僚達を五輪が始まる前に事を解決すべきであると進言した甲斐陸将補には負けますわ。』

 

甲斐の寿々花に対する『怖いことを考えなさる。』という言葉に対して、寿々花はAH-64Dが飛行停止措置にならない様に事故の理由を改竄したり、荒魂討伐の名目として他国に知られないよう特科の砲撃の練度とデータリンクシステムによる戦闘のノウハウをを高めたり、国会前の暴動を見過ごすことで首都圏に10式戦車や16式機動戦闘車といった物を配備する名目を得たりするといった裏工作をするだけでなく、政府の中に居る官僚と閣僚達を何億も掛けた五輪を成功させるために早期にこの維新派によるクーデターを潰すべきであるという趣旨を述べて説得するという政治工作をした甲斐ほどではないと返答するのであった。

 

『……なるほど、何処でそのような話をお聞きになったのか一度帰って調べませんとな。いやはや、寿々花殿の耳の速さには敬服の言葉しか思い浮かびませんな。』

 

しかし、甲斐は寿々花の警告とも取れる返答に動じることなく、寿々花の諜報能力を称賛すると同時に、防衛省内部の情報が何処から漏れたのか調べ直さなければと涼しい顔をして返すのであった。

 

『そういう訳ですので、編制は第一班は真希さん、柳瀬、糸見、古波蔵隊員他数名。第二班は紫様、衛藤、十条、益子隊員他数名に分けますわ。第一班は決起に逸った若い刀使達を相手に、第二班は冥加刀使達を主に相手にすることにします。……それでよろしいでしょうか?真希さん。』

『ああ、それで構わない。』

 

寿々花は、甲斐の返しに意に介することなく真希に事前に決めた班分けで良いかを尋ねていた。

 

何故、そのような班分けにしたかと言うと、この作戦会議が始まる前に真希は寿々花に、

 

『……寿々花、決起に賛同した年若い刀使を扇動した主犯格達を始末しようとしているだろう?』

 

維新派の決起に参加した年若い刀使達のリーダー格の者に対して、維新派の決起に参加するように扇動したことについてそれなりのペナルティを負わせたいのと、今後のことを考え反旗を翻した刀使が再度何かしらの問題行動を起こす可能性が高いことも考慮し、刀剣類管理局の名誉を守るために早々に処分すべきと考え、年若い刀使達のリーダー格の者を始末しようとしているのではないか?と真希は勘繰っていたため、そのことについて寿々花に問い質していたのである。

 

『……いいえ、大事なお役目を司る刀使がそのような事を考えるとお思いで?』

『そうか、……なら大事なことだから伝えておくが、くれぐれも刀使が刀使を殺す事態にはするなよ?良いか?"刀使が刀使を殺すことが明るみ"になる様なことは避けろ。……これ以上、朱音様の宸襟を悩ますのは得策ではないと分かるだろう?』

 

しかし、寿々花は定型文を答えるように答えたため、真希は年若い刀使達のリーダー格の者を寿々花が殺すようなことにならない様に語気を強めて説いていた。それを聞いた寿々花は、

 

『……ええ、分かっていますとも。そのような事態は避けますとも。これ以上、刀剣類管理局の名誉を穢す所業は致しませんわ。』

『……それで良い。』

 

そういったことは断じてしないと真希に誓うのであった……。

     

    




     
    
冥加刀使は荒魂扱いされる……仕方ないね。(刀使さんにボウガンを向けるアニメ第9話を観ながら。)
     
     
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