【完結】刀使ノ巫女+α   作:tatararako

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139話を投稿させて頂きます。
      
      


世界平和

    

    

「真庭本部長!」

 

姫和は可奈美の怒号が混じった叫びを聞いた瞬間、自身の怒りで可奈美が居ることすら忘れ、大きな声で優が殺されたことを叫んでしまうという己の浅慮さに後悔の念を抱いた。優が殺されるだけでなく、優を荒魂扱いし、優を殺した人間の罪は問われないと可奈美が聞けば、頭に血が上った可奈美が今みたいな行動を取るか可能性が高いからである。

 

結果、可奈美は本部長の紗南といった刀剣類管理局と防衛省の重役が居る処へと無断で入って行ってしまった。

そして姫和も、その場所へと可奈美に遅れて入って行く。

 

「どうして……どうして優ちゃんを殺した人が無罪放免になるんです!!その殺した人は冥加刀使なんですよね!?さっきの戦いで冥加刀使の人達は荒魂扱いされて……みんな殺したのに、何でその人だけは……!!」

「衛藤隊員、単純な理屈ですよ。……ソフィア某という維新派の幹部……いや、頭目は我々の内偵により中国とロシアの情報部と繋がりがあるという情報を得ましてね。そこから、防衛省としても刀剣類管理局としても……そして米国としても彼女から中国とロシア側の内情の情報を少しでも得たかったというのが理由の一つです。」

 

その場所では、可奈美が叫んでいた。何故、優を殺した人間は無罪放免の様な形なのかと。

悲痛な叫び声を上げる可奈美に甲斐が疑問に答える。優よりも、その優を殺したソフィアを生かした方が価値があると答えて。

 

「そして、彼女を捕らえることで中国とロシア双方が我が国に対してどのような工作活動をしたかという情報を得ることができ、その両国に対して外交上のイニシアチブ……まあ、外交上で我が国が優位に立てるといったところでしょうか。その証拠に、中国もロシアもアメリカでさえも、彼女の身柄を『重要参考人』として確保することに躍起ですよ。」

 

悲痛な声を上げた可奈美のことなど気にしていないかのように……いや、親類縁者が死んでしまった人の心情など、本当に理解していないのだろうと思えるぐらいに甲斐は、ソフィアを生かすことでどれだけの利益が自国に齎されるかを自慢気に弟を殺された可奈美に語っていた。

……いや、実際に彼、甲斐は可奈美の心情を全く何一つとして理解できていなかったが故に、親類縁者を殺された人の前で堂々と益だけの話しをするのであった。

 

「それに衛藤隊員。貴女は人々に害をなす荒魂から我が国の国民を守ることを使命とする国家公務員の刀使の一員であるならお分かりでしょう?……我が国が外交上で三つの大国に対して優位に立てるということがどれだけこの国の国民を外敵という害から守れるか、聡明な貴女なら分かっている筈だ?」

 

故に、甲斐は優が殺されたことよりも、ソフィアを捕らえることで繋がりのある中国やロシア、アメリカといった大国からの対外工作の脅威から国民を守る事の方が害意から国民を守ることを使命とした刀使にとっても自衛官にとっても大事なことであると説くのであった。

 

「そんな話しなんてしてない!優ちゃんは殺されたんだ!!」

「そうですね。彼の少年はソフィアという者に殺されました。」

「違う!みんなが優ちゃんを殺したんだ!!荒魂だからという理由だけで!!」

 

可奈美の怒号に驚くことも、たじろぐこともなく、平然とした態度で優はソフィアという者に殺されたと答える甲斐。

その平然と答える甲斐に苛立ちを募らせ、何かが弾けた可奈美はみんなが優を殺したのだと感情を露にして叫ぶ。

 

「衛藤隊員。我々自衛官は我が国の国民を様々な脅威から守ることを使命としております。……貴女も刀使であるならば、どちらを優先すべきかはお分かりのはず?」

 

しかし、怒り狂う可奈美などに気にかけることなく、甲斐は尚も刀使の使命を利用して、ソフィアを生かして捕らえることに同意するように説いていた。

 

「であるならば、国家公務員である我々が、国家に尽くすことを決めた我々が、家族が死んだこと、ましてや弟が死んだことぐらいで取り乱すべきでありますでしょうか?……我々が為すべきことは我が国の国民をあらゆる脅威から守ること、そして国家の保全を優先すべきだ?違いますか?」

 

それだけでなく、親族を殺された可奈美に理性的になれと話すのであった。

……今しがた家族を失った遺族に対し、機械のように、まるで遺族の気持ちなど関係無いかのようにそう述べていた。可奈美はそんな機械のように、他人事のように述べる甲斐に、自分の気持ちなど分からないくせに、家族を殺された者でもないくせにという思いとそれによって生じた怒りで心が歪み、そして荒んでいったがために叫んでしまう。

 

「私は感情の話をしているんだ!!」

「今は理性の話をしている。」

 

感情の話をしているのだと。

 

対して、可奈美の心情など理解していない甲斐は理性の話をしていると言って、平然と返すのであった。

 

「ふざけないでよ!!!!」

 

その平然と返す甲斐の姿に苛立ちを覚え、自らの立場も、相手の立場すらも忘れて、陸上自衛隊の陸将補である甲斐に暴言を放つ。

 

「あれだけ優ちゃんこき使って、要らなくなったら荒魂扱いして殺すなんて……貴方も御刀も刀使も目の前の人間を犠牲にして何が人を守るよ!何様の積もり!!?」

 

それだけでなく、刀使も御刀も役立たずであると罵るのであった。しかし、

 

「……ですが衛藤隊員。貴女は手にした剣を、御刀を捨てることができない。」

「……っ!!」

 

甲斐に御刀を捨てることができるのかと問われた可奈美は、頷こうとするが躊躇してしまう、

 

「そう、今の貴女のように頷こうとするが、躊躇してしまう。……衛藤隊員。君は心の中でどれだけ自分を、そしてノロを産み出した珠鋼を元に作られた御刀とそれを使う刀使をどれだけ嫌悪しようとも、今の社会は刀使という子供の戦闘員が必要なほど成熟していないことは理解しているのでしょう?」

「…………。」

 

そして甲斐に、未だこの世界は刀使が必要であることを説かれ、俯いたまま目を伏せる可奈美。

 

「……恐らく君は私が言った刀使が必要な理由は荒魂に対する対処だけであろうと考えているようだが、それは違う。この国の国防、ひいては世界の平和のためには刀使は未だに必要なのだよ。」

「……世界の平和?」

 

しかし、可奈美は荒魂を討伐するために刀使が必要であると甲斐は答えるだろうと思っていたが、世界平和という最も言葉にするのも相応しくないであろう甲斐の口から発せられたことに違和感から生じた訝しむような声を上げるのであった。

 

「そう、世界の秩序の維持……いや、御伽噺や昔話のように子供にも分かり易く言うと、世界平和のためにも未だ荒魂という鬼を駆除する桃太郎のような刀使といった子供の戦闘員が必要なのだよ。」

「…………。」

「全く理解できないという顔をしているな。……ふむ、まあ仕方あるまい。なら、衛藤隊員の御刀に使っている柄巻きを新調する際に、青砥館といった場所で円を使いますね?」

「……それと今の話しに何の関係が?」

 

可奈美は、甲斐が急に可奈美が使っている御刀千鳥の柄巻きを新調する際は金銭を使用しているかと問われ、困惑していた。

それが刀使が必要な理由に繋がるとは思わないからだ。

 

「……では、金銭のやりとりをしているとしましょう。例えば、青砥館が荒魂の被害によって潰れたら貴女は商取引ができなくなる。たったそれだけで経済活動というものが無くなってしまうのです。」

「…………。」

「そして、青砥館に続き、我が国の経済の中心である証券取引所や企業に多数融資している銀行が荒魂に襲われ、融資といった取引がある日突然成り立たなくなったら、我が国の経済は混乱を極めることでしょう。……そうなれば、どうなると思います?」

 

しかし、甲斐は可奈美の胸中など意に介さないのか、更に話しを続けていく。

 

「もし、そうなれば経済大国である我が国の経済は崩壊し、世界経済にも悪影響を及ぼすことでしょう。……その段階にまで来れば、世界中で株価の変動と物価の上昇、それを引き金にして各国で暴動が起こることになります。そうなると、自国民の保護のために来た国の軍隊が各国の軍隊と衝突し、戦闘が起き、その暴動が起きた国で戦争となるかもしれない。………それらを防ぐために、獣でしかない荒魂を討伐する刀使とそれを名目とする刀剣類管理局が必要なのです。」

 

今や自国は2018年GDPランキングにおいて現在第3位となっている経済大国であると同時に、各国に経済や技術援助をしている自国の経済の中心が一日にして壊れれば、世界経済だけでなく、自国と繋がりのある各国の経済も連鎖的に悪影響を受けることになる。

……そうなれば、悪化した世界経済その影響を受けた国の悪化した経済から生ずる就職率の低下、それに伴う犯罪の増加と暴動によって『自国民の保護』を名目にした他国の軍との衝突から戦争が始まることを未然に防ぐためには刀使とそれら少女達を統率し、荒魂討伐を名目とする刀剣類管理局は未だに必要なのだと答えていた。

 

「……じゃあ、お金のために優ちゃんを殺したってことなの?」

「我が国は国会前の暴動に対処すべく、治安出動命令を出したため、外国人等の渡航は取り止めとなり、滞在中の外国人も国外に退避することになりました。それによって、観光立国として経済復活を望んだ我が国の経済的損失はかなりのものとなり、その損失を補填すべく、近々開催されることになった東京での五輪を成功させる必要がありました。」

 

それだけでなく甲斐は、国会前の暴動に対処すべく治安出動を行ったことで、各国の外務主管庁が日本に対して「渡航の安全に関する情報」(渡航自粛・退避・出国勧告)のリストに入れたことを公表され、他国からの貿易や通信を大きく制限され、観光立国として経済発展を望んだ日本国内の経済は甚大なダメージを受けることとなったと話していた。

その経済的損失の補填のために、東京五輪の成功をする必要があったと答えていた。

 

「……そして、その東京五輪を成功させるには穢れの元であるノロの塊でしかない荒魂の存在は邪魔でしかなかった。もしも、ノロが漏れ出て東京の土地を穢すことになるようなことになるだけでなく、東京五輪のイメージダウンに繋がるような事態も避けたかった。……そのためには、タキリヒメだけでなく、イチキシマヒメとタギツヒメ、そういったものを排除し続ける刀剣類管理局と刀使という存在が必要でした。」

 

そして、東京五輪を成功させるには、土地を穢すことになるノロの塊である荒魂が東京に居るだけで東京五輪のイメージダウンとなり、五輪の成功が難しくなるような事態は避けるために荒魂を討伐し続ける刀使と刀剣類管理局という組織が居ることで東京は安全であるとアピールする必要もあったと甲斐は説明する。

 

「……そのため、五輪の成功を望む首相並びに財務省と五輪を支持する者達の協力もあって、冥加刀使の討伐を自衛隊にも協力させる旨がスムーズに行えました。それ故に、冥加刀使とタギツヒメといった穢れた荒魂共を刀使が東京の地から駆逐したという宣伝を以って、東京五輪を成功させれば、国会前で失った我が国の国際的信用と経済力は回復することでしょう。」

 

そして、尚も甲斐は説明する。

冥加刀使も荒魂も……そして優といった穢れた存在を全て葬り去った後、東京五輪を成功させることで国会前の暴動で失った日本の国際的信用を復活させるのが目的であると可奈美に説くのであった。

 

「その後、国際的信用と経済力を復活させた我が国を狙う国は現れることとなります。……そのためには、中国やロシアという敵性国家の中でも強大な二ヵ国を牽制しさえすれば、それら二ヵ国と協力している国も我が国への工作活動を思い止まる。それ故に、中国とロシアの工作活動に関与したソフィアを生かして捕らえる必要があったのです。……国民の命を守ることを使命としている刀使である貴女ならば、理解できると思いますが?」

 

そうして、甲斐はソフィアを生かすことで国際的信用と経済力を回復させた我が国を守ることこそが、国民の生命を守ることに繋がると可奈美に説いていた。

 

そして、甲斐の話しを聞いていた可奈美は理解した。

 

甲斐は、いや、刀剣類管理局は……この国は、社会は経済のみを最優先し、経済や国際的信用という見てくれのためにソフィアを人間扱いしたり、優や冥加刀使達を化け物扱いするのだと。……優はこの社会に殺されたようなものでもあると。

 

「……どうして?どうして、私にそんな話しをしたんですか?」

 

その甲斐の話を聞いた可奈美は、顔を伏せ、俯きながらも返答する。

何故そのような話しをしたのかと。

 

「先ず衛藤隊員。貴女は母を幼少の頃から失っており、たった一人の弟が半ば荒魂化しているにも関わらず、それも母を殺したも同然の荒魂が宿っているにも関わらず、それを殺せずに居たのは母に弟を任されたこと、母が幸福であった証のために刀使になったこと。その過去の要因が影響し、今の剣術好きな性格を構築されていった。それ故に、貴女はどれほど私達を嫌悪しようとも、母から受け継いだ剣術と御刀を捨てることなどできない。それ故に、貴女の母である美奈都と同じく過去の大災厄で犠牲となったことで脈々と築いていった今の"平和"を自身が壊すことも見捨てることもできない。」

 

甲斐は可奈美の過去を調べ、若くして死んだ母の美奈都は不幸でなかったという証のために刀使になったと看破し、可奈美が刀使と御刀を捨てることができないと評され、

 

「そして、鎌倉での大荒魂との戦闘にも、赤子の荒魂と冥加刀使との戦いにおいても初めて遭遇したにも関わらず冷静に対処した点から、衛藤隊員は極限と化した状況に置かれても常に冷静であり、自らが行うべきことを見失わない性質を持つという点から鑑みても、貴女が我々を裏切る可能性は低いと判断したからです。」

 

何事においても冷静に対処するその精神性から、何が必要か不要かを即座に判断できると見られたからこそ、可奈美に冥加刀使と優といった荒魂を殲滅するもう一つの理由を教えたと述べた。

 

「そのうえ、剣の実力と剣術の見識も高い故に、反乱分子となった刀使の打倒及び荒魂を討伐する刀使という面を見れば貴女は刀使として最高峰であると我々は判断しています。」

 

それだけでなく、可奈美は刀使と荒魂を倒すことにおいて、最も優れた刀使であると評価されている。……と甲斐は、可奈美に平然と誉め言葉だと思って述べるのであった。

 

可奈美は甲斐の言う評価を聞き、優のことを思い浮かべてしまった。

優もまた、大荒魂であるタギツヒメをその身に宿していることからこそ、その強大過ぎる力を利用しようと群がる者が寄って来るのだと。

 

「衛藤隊員。故に、私が貴女にタギツヒメと冥加刀使、それに東京五輪の話しをした最大の理由は協力関係を構築することです。」

「……協力?」

 

甲斐に協力関係を持ち込まれた可奈美は、甲斐が何を言っているのか理解できなかった。

遺族にその殺した犯人を捕まえさせることに協力させると言ってくる甲斐は、その遺族の気持ちを少しでも考えたことはないのだろうかと思えるほどに……。

 

「衛藤隊員。貴女は剣術しか取り柄の無いように振る舞っていますが、貴女は非常に聡明な方である筈だ。……現に、今の貴女は激情を抑え、冷静に私の話しをよく聞いて下さっている。真に賢い人間は感情に支配されないものです。」

 

そして、甲斐にそう言われた可奈美は、甲斐の言う通りに急に弟を殺した連中と話していたにも関わらず、頭が冷え、冷静になっていく自分が居るということを認識してしまう。

たったひとりの弟で母が遺してくれたものが死んだにも関わらず、不条理で冷たい社会に殺されたにも関わらず、目の前に優を殺した首謀者が居るにも関わらず……頭が冷え、冷静になっていく自分が居たことに気付いてしまう。

 

怒りというものは長く続かないようになっているのだろうか?それとも、自分の弟が家族が殺されたことに何も感じない怪物になったのだろうか?

……そう、怪物に。荒魂化した人間のように、人の形をした化け物に。

 

「この世はたった一匹の大荒魂で……いや、ミサイルといった大きな物でなくても、ただ一発の銃弾で世界大戦が起こるほどに世界の平和というものは儚く、脆いものなのです。」

 

更に甲斐は、可奈美に告げる。

この世は、いや、この世界の平和は一匹の大荒魂やミサイルといった大きなものでなくても、サラエボ事件のようにたった一発の銃弾で世界大戦が引き起こされるほどに、脆くて弱いものであると語っていた。

 

「そう考えてしまえば、我々が行ってきたことも理解できる筈。人々の平和を守るために戦うという点においては貴女と我々と同じです。……であるならば、中国とロシアの工作活動の情報を持つソフィアを生かして捕らえることがどれほど重要なことかお分かりでしょう?人々の安寧のため、無辜の民に被害が及ばぬように全力を尽くす時であるとは思いませんか?」

 

そして、サラエボ事件のようなものを引き起こさないためには、ソフィアを捕らえる必要があると甲斐は可奈美に語るのであった。

しかし、可奈美は甲斐の述べる人々の安寧や無辜の民を犠牲にしないという言葉が、本音で語っているようには思えなかった。

 

「……では、改めて問いましょう。衛藤隊員、貴女は人々の安寧の為に"刀使"であり続けますか?……それとも、命令違反をして帯刀権を奪われ、刀使としての輝かしい経歴に泥を塗りますか?私としては、聡明で極限の状況でも冷静であった貴女を何れは局長の席へ座って頂きたいと思っております。」

 

そして甲斐は、可奈美に問うのであった。

……人々の安寧を守るために"刀使"という名の組織の犬となるか。復讐という一刻の感情に流されて、刀使としての権利を棄てるかどうかを甲斐に問われた可奈美は、

 

「……従いません。」

 

甲斐の言う"世界平和"を否定するのであった。

 

「納得できません!!」

 

強い眼差しと共に甲斐にそう告げて……。

 

「……そうか。」

 

可奈美に否定された甲斐は、物憂げな顔をすると、

 

「君はもう少し利口な娘だと思っていたがな。残念だよ。……衛藤隊員、現時刻を以って帯刀権の剥奪、並びに刀使としての権限も剥奪させて頂く。」

 

甲斐は可奈美に対して、冷酷にそう告げるのであった。

 

「甲斐陸将補。貴方は防衛省の人間であるはずですが?防衛省は何時から刀剣類管理局を指揮下に置いたのですか?」

 

それを聞いた紗南は、甲斐にそう述べることで牽制していた。

 

「……紗南本部長。そう仰いますが、このままで宜しいのですか?」

 

しかし、三木一等陸佐が紗南に甲斐の進言を受け入れるべきであると意見した。

 

「……何だと?」

「私としましても、荒魂討伐において優秀な成績を残している衛藤隊員を殺人罪で立件されることになるのは防ぎたいと考えております。」

 

三木だけでなく、刀剣類管理局の重役も甲斐の進言を受け入れるべきであると答えるのであった。

 

「……何が言いたい?」

「写シを二回ほど御刀で斬ったあとも斬り付けたとなれば、裁判において殺意があったとしか見られないでしょう。……東京23区にて討伐したのは、荒魂化した刀使だけであり、現段階においては人を殺してはおりません。命令も無く、ただ個人的な感情による殺傷で尚且つ何度も斬りつける行為を行ったとなれば、処罰の対象になる可能性が高い。それを紗南本部長も望んでいる訳ではありますまい?」

 

紗南に、可奈美がソフィアを殺せば、可奈美を殺人の意思があってソフィアを殺したとして刑事告訴される恐れがあると言って刀剣類管理局の重役は紗南に警告するのであった。

 

「私としても、同じ流派を学んだ衛藤隊員をつまらないことで殺人を犯してもらいたくないというのが本音です。紗南本部長もそこは同じ気持ちでしょう?」

 

甲斐にそう言われた紗南は、可奈美にそう命じるしかなかった……。

 

「……衛藤、お前から帯刀権を剥奪し、謹慎を命じる。」

「…………。」

「……以上だ。良いな?」

 

紗南にそう命ぜられた可奈美は、無言で俯きながら、紗南を睨みつけていた。

 

「可奈美!……行こう。」

 

だが、可奈美は姫和の声を振り切ると、紗南といった防衛省と刀剣類管理局の重役等が居るテントから出るのであった。

     

      

      




    
     
チャイナウイルスで自粛してヤバイ。
カザフスタンのデモで物価とかがヤバイ。
ウクライナでドンパチやって穀物相場がヤバイ。

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。
    
    
        
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