13話を投稿させて頂きます。
〈〉で外国語を喋っていると思って頂ければ有り難いです。(訳が間違っていたら大変な事が起きそうだからと、文字数が無駄に増えそうな気がするからというのと、めんどくさいのが理由です。)
でも、個人的に ※英語です。 と言って、ギャグにするクレヨンしんちゃんは偉大だと思うの。思わない?
真希が優に撃たれる数分前――――――。
「……侵入者か?」
無線機越しに聞こえてくるSTT隊員の報告を真希は聞いていた。
『はい、鎌府の制服を着ていますが画像を送って確認させたところ、そのような生徒は存在しないとのことです。』
「そうか、可能な限り交戦するな、こちらで処理する。」
『了解しました。』
真希はその正体不明の刀使をエレンの居る場所に誘い込むため、STT隊員には出来る限り手を出さないように命令していた。
「寿々花、夜見、客が来たようだ。報告の内容から昨夜会った子供だろう。」
「今度は3人がかりという訳ですか……。」
「ああ、単純だが、それが一番良い手だろう。」
「それでもダメだった場合はどうしますの?」
「……そのときは結芽があの子と戦うことになるな。」
そして、真希の発言により、親衛隊3人全員が重い気分になっていた。12歳と9歳の戦いを見ることに忌避感しか無いからだ。
「……それだけは、避けたいですわね。」
「ああ、だから此処で終わりにしよう。」
こういった事情から、STT隊員を遠ざけ、親衛隊だけで確保しようとしていたが―――――。
「ぐっ……うぅ……。」
結果は、真希は腹部に銃弾を3発受け、重傷を負ってしまった。
そして、優は続けて拳銃(P226)をスカートのポケットから出し、真希の頭部を狙って2発撃とうとするが、寿々花の体当たりを受け、外してしまう。
(チッ、殺せてない。)
優は真希を殺せていないことに、苛立ちを覚えながらも撤退するため、事前に貰っていた音響閃光手榴弾を2つ投擲。突如、テント内に耳がつんざくような轟音と目が眩むような光を受けた寿々花と夜見は一時的に感覚が麻痺し、優を見失ってしまう。そして優はその隙に“御刀を隠世から取り出し”、エレンを縛り付けている椅子ごとエレンを俵担ぎで担いでいき、テントの外に出て、八幡力で跳躍して可奈美達と合流しようとしていた。
同じく、真希が優に撃たれる数分前――――――。
可奈美達から300mほど離れた位置にいるロークとトーマスはAK103を構えながら、仮野営地を監視していた。このとき、トーマスは少し思い出していた。
事前に可奈美達に教えていた作戦は薫や姫和に、優が荒魂であることに気付かれないようにするため、嘘の作戦を言っていたこと。本来の“雇い主”からノロで強化された人間の情報を少しでも入手してくること。可奈美達と合流し、そのまま帰りの“バス”に乗るため、野戦装備しかしていなかったため、狙撃銃は一丁しか持ってきていなかったこと。……そのため、本当の作戦は、
フェーズ1、トーマスと可奈美達とは別に居るスナイパーチーム2名による、ドローンも使用しての監視をし、情報を集める。
フェーズ2、優とねねが仮野営地に偵察に向かい、エレンの居場所を突き止める。
フェーズ3、優は、真希か寿々花を不意打ちで負傷させ(作戦前に、写真を見せてどちらかに不意打ちしてほしいと伝え、音響閃光手榴弾を渡していた。)、エレンを救出した後、トーマス達は仮野営地に向けて制圧射撃、優は可奈美達の元へ向かう。
フェーズ4、可奈美達の近くにいるトーマスの部下2名は優にエレンを渡されたら、石廊崎まで先に撤収。その後、優は仮野営地に戻り、殿となってSTT隊員の多くを負傷させるとともに、可奈美、薫と共に刀使を引き付ける。そして、姫和は隙を突いて、長距離から一つの太刀で親衛隊の寿々花か真希を戦闘不能にする。
フェーズ5、STT隊員、刀使の多くが戦闘不能になったことをスナイパーチームが確認した後、スナイパーチームも撤退時に使用したあと置いて帰る予定の軽迫撃砲で発煙弾を使って撤退を支援し、全員、石廊崎まで走り、撤収を支援するチームの支援の元、迎えの“バス”に乗り撤収する。
そして、仮野営地の方から発砲音が聞こえてきた。
「〈…あいつ、撃ったのか!?〉」
ロークは驚いていた。刀使には写シがあるから銃は効かないと、Finemanから聞いていたため、親衛隊の一人も倒せていないという難しい状態から始まるのではないかと思ってしまったが、優がひょっこりとテントの中から現れたことに安堵する。
「〈効果が有るか分からんが、親衛隊の一人ぐらいは戦闘行動が出来ないくらいにしてくれれば良いんだがな。……各員、ロシア語で喋れ。〉」
ロークとトーマスがロシア語で喋れといった理由は、自身の出自を推測させないためと、可奈美達に聞こえても問題が無いようにするためであった。そして、無線越しに聞こえる部下の『〈了解。〉』という返答にトーマスは静かに少し頷いて、次の指示を出していた。
「〈スナイパーチーム意外、仮野営地に向けて制圧射撃。〉」
ロークとトーマスはAK103で、部下のマイケルとシェパードの二名はドラムマガジンを装着し軽機関銃代わりにしているAKMで制圧射撃をしていた。しかし、何故彼らはロシア製の銃を使っているかというと、薬莢などの痕跡から自身の出自を推測させないためと“雇い主”にそう言われたからである。スナイパーチームもドラグノフ狙撃銃と地対空ミサイルのストレラ3、RM-41軽迫撃砲を所持。入手先もシリアやアンゴラといった場所や元はテロリストが所持していた物といった物ばかりだった。
「薫達はそのまま待機してくれ。姫和は“一つの太刀”で親衛隊を狙ってもらうから其処から動かないでくれ。」
ロークは日本語で薫達に待機の指示を出していた。
「あわわわわわ!?」
一方、親衛隊の方は優の後を追うため、写シを張りテントの外に出ていたが、寿々花は突然の銃弾の雨に“真希が拳銃で重傷を負ったことを思い出し、”驚いてしまい、寿々花は写シを張っていることを忘れ、意味も無くテントの中に隠れてしまった。
夜見も一人で突出するのは危険と判断したのか、寿々花と同じように装甲車の陰に隠れていた。
そのため、優はエレンを担いだまま可奈美達と合流していた。
「可奈ねーちゃん、ただいま。」
「あっ、うんおかえり。」
優のただいまに、気の抜けた声で返事をする可奈美。
「エレンおねーちゃんをお願い。」
そう言われ、エレンを渡されたAKMSを所持しているトーマスの部下2名はエレンを椅子から開放すると、一人がエレンをおんぶをして、もう一人は発炎筒を幹線道路の方に投げたあと、二人共何も言わず石廊崎の方へと走って行った。
「てっ、おい!!一緒に戦うんじゃないのか!?」
姫和は抗議の声を上げると、トーマスの部下は「I can not speak Japanese.」と“英語”で答え、薫が答える。
「実はな、ロークとトーマスしか、日本語は喋れねぇんだ。」
「…………。」
姫和は何とも言えない気分となっていた。と、そこで、
「ねねちゃんお願い。じゃあ、行ってくるね。」
可奈美達にそう告げた優は薫の傍にねねを置くと、優は仮野営地に向かって行った。
「おっ、おい待て!!」
「まっ、待って!!」
姫和の声も聞かず、行ってしまったため、可奈美も写シを張り、あとに付いて行く。
そうして、優は御刀を隠世に戻し、代わりに折曲銃床式の89式を隠世から取り出すと、STT隊員に向けタン、タン、というリズムで発砲し、足や腕といった所を当てていた。
「えっ?」
可奈美は素っ頓狂な声を出すと、自分が見たものを疑った。人に向けて発砲したことが信じられなかった。“人を殺さないと”約束したハズである。
「なっ、…………何これ?」
――――何で言う事聞いてくれないんだろう?――――
可奈美は理解できなかった。今までは素直に言う事を聞いてくれたのに、何故?……可奈美は優が暴走している様に見え、このときはすごく恐ろしく見えてしまった。
(う、……嘘だ、嘘だよこんなの。……誰か、嘘だと言って。)
可奈美は呆然と“STT隊員が痛みで呻き、もがいている光景”を見てしまった。
気分が悪くなった――――。
どうして、こうなった?
何がいけなかった?
何が間違っていた?
だが、可奈美に思案している時間は無かった。立ち直った寿々花と対峙しなければならなかったからだ。
「「……。」」
両者は無言で対峙していたが、寿々花の方から口を開いた。
「…貴女方は何も思わないんですか?」
顔を隠しフードを被っている可奈美が誰なのか分からなかったので、寿々花はこのように訊ねていた。
「?」
可奈美は何を聞いているのだろうと思った。
「あんな子供をノロ漬けにすることに……!」
それを言われた可奈美は思った。それは貴女達が一番言ってはならないことだろうと……。
「……それを言うの?優ちゃんがああなったのは、貴女達のせいだよ…!」
可奈美は怒りに震え、寿々花にそう言い放った。
「えっ?」
確かに、この謎のフードの刀使は“優ちゃん”と言った。それを言うのは、可奈美ぐらいしか居ないので、対峙しているのは可奈美本人ということになる。ならば何故、彼女は舞草に協力するのか?脅されているのならば、このまま、親衛隊の元へ保護を求めてくるハズだ。なのに、何故荒魂と人体の融合を非合法に行う舞草に協力するのか?
このとき、寿々花は新たな疑問を抱いてしまった。
そのとき、まだ新人のSTT隊員の一人は見ているものが信じられなかった。幹線道路の上に居て被弾を物ともせずに、無表情で近付いてくる鎌府女学院の制服を着た“幼い少女”が折曲銃床式の89式を使って、淡々と仲間の手足を撃ち貫いている光景が現実であることに、
「うっ、うあああああああ!!!」
「あっ、おい!!」
新人のSTT隊員は半狂乱となって、優に向かって銃を発砲しながら突撃していったが、右足を二箇所を撃たれ、倒れてしまう。
「ぐっ!!」
それでも、優がこちらに背を向けたことにチャンスと思い、どうにか匍匐で背後から近付き、背後から取り押さえようと、飛び掛る。
「!」
優は突然飛び掛って来たSTT隊員に後ろから容易く押さえつけられ、バックマウントを取られ、左手で首を絞められていた。
「おまえ、人を痛めつけてそんなに楽しいか!?おい!!」
「……?」
STT隊員は無表情で手足を撃つ優の姿に、戦慄し、人を痛めつけて楽しむ人間と勝手に思ってしまった。そのことに、優はこの男の言っていることが、何を怒っているのか理解できなかった。
(……まぁ、どうでも良いか。)
それだけ思うと、優はP226という拳銃をSTT隊員の左手の指に狙いを付けて、発砲した。
続けて、もう一方の腕にも一発放ち、指と腕を撃たれた痛みでSTT隊員は獣の様な叫び声を上げていた。
その隙にバックマウントから脱出する。当然、左手で首を絞められていたため、優は首から血を流していた。
「……うるっさいな、騒ぐな。」
優は首を撃ったので、しわがれた声で言うと、バックマウントを取っていたSTT隊員の顎を89式の銃把で殴り気絶させる。そして、気絶させたSTT隊員を盾にしながら、89式で応戦していた。
(……でも、人を痛めつけて楽しいって、どういうことだろう。)
しかし、優は何故かそれが気になった。理由は分からないが、何となく気になったのだ。
(……人を痛めつけて楽しい、……痛める、……傷つける。……楽しい、……嬉しい。……何が嬉しいんだろう?)
暫し、考えていたが、戦っている理由を思い出してみた。ふいに可奈美の顔が浮かんできた。
――――良く頑張ったね。――――
――――偉いね。――――
こいつらを倒せば可奈ねーちゃんは喜んでくれる、笑ってそう言ってくれると思ってしまった。
可奈美のやりたいこと、お母さんみたいに強い刀使になること、それを言ったとき、嬉しそうだったことを思い出していた。そのとき、優の顔は無垢な子供のように微笑んでいた。
(あぁ、そっか。)
そして、優はテントの裏に隠れている他のSTT隊員を牽制射撃しながら確信した。
(……これが、楽しいってことなんだ。……そうだよね、そりゃ嬉しいよね、大切な人が喜んでくれたら。)
可奈美の障害となるものを全て排除すれば可奈美は喜んでくれるハズ、そうすれば可奈美は夢を実現させることができると思ってしまった。そして、
「~~♪」
優は心なしか鼻歌を歌いながら、89式をSTT隊員に向けて撃ち続けていた。
そして、この日優は、“人を痛めつける楽しさ”を理解してしまった。
ソフィアは驚いていた。鎌府女学院の制服を着た“幼い少女”が折曲銃床式の89式を使って、無表情に撃ち続けていたと思っていたら、STT隊員と少し話しをしたあと、鼻歌を歌いながらSTT隊員に向けて撃ち続けているのだ。そのことにソフィアは歓喜した。
「……静。」
「何です?」
「……あの子が欲しい。」
また始まった。と静は思った。この人は周りがドン引きするような戦いをする人間が大好きなのだ。その人を勧誘するぐらい。
「……むっちゃ暴れてますけどいけます?」
「2対1なら勝てるだろう。…けど、ああ、なんて素晴らしい。さっき気絶させた男を何事も無く盾にしていることも良いが、鼻歌を歌いながら防弾チョッキを避けて手足を撃って嬲り殺しにしている姿も素敵だ。だが、しかし、やはり私的にポイントが最も高いのは自身も首に重傷を負っているのにも関わらず戦い続けていることだろうか。まだ、あんなに小さい子なのに、あのようなことをしているのが本当に素敵だ。将来有望だと思わんか?」
そう言って、ソフィアはうっとりとした顔をしながら、興奮気味に早口で語り、鎌府女学院の制服を着た“幼い少女”を見つめていた。
「そうと決まったら、善は急げだ!!写シを張るのはあの銃弾が邪魔だから仕方ない、あの子を手に入れるぞ、静っ!……静、聞いているのか!!」
「あ~~、はいはい。分かりました。」
気が乗らない静はしぶしぶソフィアの命令を聞くことにした。
そして、ソフィアと静の両者は写シを張り、優の方へ向かって行き、背中から切り掛かっていき、優はまともに受けてしまう。
「!」
御刀で斬られると焼けるような痛みが来るが、それを何とか耐え、89式を鈍器のように使ってソフィアに反撃しようとしたが、御刀で受け、鍔迫り合いをしていた。
「初めまして、私の名前はソフィアと言います!以後、お見知り置きを!!何故、あんな嬲り殺しのような事をしたんですっ!!!」
優はこのソフィアと名乗る笑顔で興奮気味に近付いて来た不気味な刀使についてこう思った。強い刀使と戦うことが好きな可奈ねーちゃんに近付けてはいけないと。
「……なんとなく。」
優はそっけなく答えると、ソフィアは強く思った。
(スバラシイッ!!)
ソフィア的に同じ人間だと思わせてしまうような返答をしてしまったため、優は知らない内にソフィアの好感度を多いに上げてしまっていた。
しかし、優は何とか反撃しようとするが、静の援護の斬撃をまたまともに受けてしまう。
(……急に見辛くなったな。それと、人だから殺り辛い。)
実はこの“先を読む能力”には、致命的な弱点がある。一対多の状況になれば、先を読む相手が多く処理落ちの危険性がある。そのため、見た相手の可能性が多過ぎると脳が処理落ちし却って隙が出来てしまう。そのことを知らない、知ることが無かった優は全てを見通そうとし、却って弱体化していることに気付かず、STT隊員の銃撃をまともに受け、容易く後ろを取られ、ソフィア達の攻撃もかわせずに居た。
「やはり、2対1なら勝てるな。」
尚、ソフィアは知らないことだが、親衛隊の2人を相手取ったことを知らなかった。多数のSTT隊員の援護があったからこそ、まともに戦えていることと、可奈美との約束『人を殺さないこと。』を守っていたからである。では親衛隊は何故、殺そうとしたのかと言うと、姫和の『荒魂化した人はもはや人ではない。』ということを知ったため、優は親衛隊から荒魂の気配を感じたので、『人では無いから、殺そうとした。』だけであった。
「待ってろ!今行く!!」
薫は優を援護すべく向かうが。夜見に妨害されてしまう。
「ここは通しません。」
「……ッチ!」
薫は夜見の荒魂を操る能力を警戒し、止まってしまう。
一方、姫和は無線越しのロークのスナイパーチームの指示の元、“一つの太刀”を使って寿々花を倒すという指示を聞いていた。そのため、小高い丘の上にある森の中に潜み、隙を伺っていた。
(……まだか?)
姫和はスナイパーチームの指示を待っていた。可奈美が迅移で離れたと同時に“一つの太刀”を使用するので、その合図を待っていた。
ただ、待つということに姫和は焦りと緊張を感じていた。
(早くしないと。)
優と可奈美達が傷付くことを恐れ、今まで以上に焦り、緊張していた。そして――――、
『GO!!』
ロークから聞いていたスナイパーチームの指示を聞き、“一つの太刀”を使う――――。
そして、結果は失敗に終わってしまった。
可奈美の迅移のタイミングが完璧過ぎたのだ。寿々花は得意の“相手の迅移に合わせて、迅移を発動した”ため、姫和の渾身の“一つの太刀”を運良く避けられてしまった。
(……しまった。)
当然、姫和は極度に消耗して、能力を低下させてしまい。一気に形勢が親衛隊側に傾いてしまった。
更に、悪いことに。
「今、どんな状況だ?」
真希は軽く止血をしてもらったあと、戦線を復帰し、状況をSTT隊員から聞いていた。
「殺すな。」と言われているのに地獄絵図にするオリ主。※主人公の一人です。
個人的には多少のリスクはあったとしても、親衛隊三人を同時狙撃して、可奈美達を突っ込ませてエレンを救出するのが一番良いと思います。
優の倒し方は、9歳児を相手に恥も外聞も投げ捨てて、囲んでボコるというものです。
次回、 やったね、優くんキレイなお姉さんに囲まれるよ。