144話を投稿させて頂きます。
感情が欠落した子には『剣術を通じて相手を理解しようとする』ことが出来ないのはイケナイコトなのだろうか?
その後は、あまり記憶の無い母の言っていた『優しさ』を知り、家族の一員となるべく可奈美が見ていた『地獄天使マーベラスちゃん』とかいうアニメでやっていた大切な物が死んで人が悲しむ展開を見た可奈美が「人のために涙を流すマーベラスちゃんは優しいね。」と言ったことから、そこから『優しさ』という物を知れるのかもしれないと考え、同級生が今まで頑張って世話した鶏を殺すことで、みんなが『優しさ』の涙を流し、その『優しさ』の姿を見て、可奈美と死んだ母が言っていた『優しさ』の意味を理解しようとしていた。
……それでも、優は理解できなかった。できなかったが故に、"姉"という関係が付いてないと他の肉細工との違いが分からない可奈美がいつも語りかけてくる母からの『優しさ』が有る子になって欲しいという願いを込めて衛藤 "優"になることで、家族の一員になるべく、その『優しさ』という物を優は求めた。
それ故に、優は『優しさ』の意味を知っていそうな可奈美の後に付いて行った。
「大丈夫?優ちゃん。」
「うん、ゴメンね。……ジャマしかしてない。」
そんな理由で優は可奈美の後に付いて行った。
しかし、母が死んだ葬儀の日、可奈美という肉細工は孤独に泣いていた。誰にも知らせず、可奈美に良く聞かされていた母と剣術の稽古をよくやっていたという庭が見える縁側で一人泣いていた……。
母の葬儀に出席し、周りの人が涙も流すことに不思議だった優は何故可奈美も泣いているのか気になり、可奈美に無表情で聞いてみた。
「ねーちゃ」
声が聴こえたのか、可奈美は返事をしてきた。……だが、無表情であることに良くなかったのかは分からなかったが、何故か怒っていたことに優は疑問であった。何故なら、優は精神科医から異常なまでに良心が理解できない存在なのだから、"自分はお姉ちゃんだから、泣いている所を見られたくない。"という可奈美の考えが、例え可奈美の口から説明されても、理解できなかったというのが大きかった。
「……うるさい、あっち行って。」
可奈美は向こうへ行ってと言うだけだったのだが、優しさが分からない優はそれが気になって、泣いている可奈美に何故泣いているのか訊こうと思い、近付こうとする。だが、ただ近付くだけでは警戒されるだけだろうということだけはそれとなく理解できた優は、己の立場を利用することを思い付いた。
「ねーちゃ、苦しそう……。」
姉が苦しそうだと言って……。
そう言って近付き、涙の理由と意味を訊こうとした。そうして優は、可奈美の涙の意味を知ることで欠けた心を埋めようとしていた。
「うるさい……とにかく、どっか向こうへ行って!!!」
しかし、踏み込み過ぎたのか可奈美を怒らせてしまったと判断した優は、何も言わずにそそくさとその場を後にするのであった。
とはいえ、優はどうしても可奈美の涙の意味と理由が知りたかった。その意味が知れば、母と可奈美が言っていた『優しさ』という意味が理解でき、自分もサイコパスでは無くなり、家族の一員になれるかもしれないという淡い期待があったからである。
そのため、優は可奈美の黒いリボンをくすねて何処かに隠し、可奈美の様子を見ながら黒いリボンを差し出す機会を伺っていた。……しかし、差し出す機会が無かったため、優は映像を映す箱というテレビが流すお涙頂戴物からヒントを得て、傷だらけの泥まみれになって遅く帰るのであった。
そうすれば、お涙頂戴物の展開のように離れ離れになった家族がやっと再会し、涙を流しながら互いに抱き締め合うというものになり、可奈美や母が言う『優しさ』の意味が解るかもしれないと思っていた。
「バカ!何してたのっ!!」
しかし、優の想定とは違い、開口一番に平手打ちをされたことに驚いた。……もしかして自分が黒いリボンをくすねたことがバレたのだろうかと思い少し慌てながら可奈美に黒いリボンを差し出すのであった。
「……バカ…………ばかぁ、そんなことなんかで…………。」
すると、可奈美は涙を流しながらそう訴えていたことで、優は自分が黒いリボンをくすねたということに気付いていないことに安堵していた。姉と弟の関係すらも崩れてしまえば、家族の一員になれる可能性が著しく低くなる可能性があるからである。
「でも、……ボクは身体弱いから、こんなことしかできない。」
そう、優はこんなことでしか『優しさ』を手に入れることができなかった。理解できないものを理解しようと努めた。
しかし、思ったような心の動きは見られなかった。
それは、戸籍の関係上は姉となっている可奈美と共に外出したことがあった日のこと。理由は確か……「お外に出ないとダメだよ。」みたいなことを言われたからだったような気がするが、そこらへんは曖昧だった。だが、優はこのとき、可奈美はそれが目的で自分を伴って外出したのではないのだろうことは簡単に推測できた。それは何故かと言うと可奈美は、
《一見、優しいし弟や友達思いの様に見えるが、本質は冷たくて自分本位。》
という部分が見え隠れしているのが、幼い優にも分かっていた。
何故なら、可奈美という自分の姉を名乗ってくる肉細工はいつも自分が知らない母のことを語っていたからだ。
曰く、自分の母は優の名を名付けた理由は"優しい子"であって欲しいと願ったからだと……。
こちらは幼い頃に死んだ母のことなど憶えておらず、それが本当なのか事実確認もできないうえに、その"優しい子"に必要な要素である"優しさ"というものが解らず悩んでいるというのに、しきりにそればかり口うるさく言ってきたのである。
それだけでなく、今は身体が弱いが、何時の日か共に剣術に励もうと言ってきたこと。
こちらは幼い頃に母が死んだことで剣術のことなど一つも知らないのに、何をそんなに喜んでいるのか分からなかった。それに、それを聞かされる度に「ああ、僕は母親から何も受け継がれず、父親からも愛情を注がれない"サイコパス"の子なんだ。」と嫌でも自覚させられるのだ。
そして、自分の母は強い刀使であったらしく、その強い刀使になると言っていた。
こちらはそれを聞く度に惨めな気持ちになる。それどころか可奈美が自分は『刀使』であることを誇らしげに述べ、優は両親が望んだの優しさすらも受け継ぐことが出来なかった不良品という『サイコパス』なのだと言われている気さえした。
勘が良く、目が聡い可奈美がそんな自分の心の声に気付かない筈が無い。
彼女は恐らく見て見ぬフリをしているのだろう。……何故、見て見ぬフリをするか、それは可奈美が亡くなった母から受け継いだ剣術が無意味ではなかったと証明したかったがために、可奈美は『刀使』であり続けようとした。
……いや、より正確に言えば可奈美は"お母さんみたいに強い刀使"になることで、自分は『姉』として真っ当に責務を果たしたのだという証明を得るために、優のような可奈美にとって分かり易い"庇護下に置かれるべき存在"が必要だったのだろう。
可奈美が『正義のヒーロー』であるならば、刀使が討伐する荒魂は『悪』であり、僕は庇護下に置かれるべき『市民』か『大義名分』であろうことが、優には容易に推察することができた。
そうすることで、恐らくは若くして命を失った母を救いたかったのだろう。母が死んだことは不幸でなかったとしたかったのだろう。
そう感じた優は、確認するべく可奈美にあることを言うのであった。
「ねえ、可奈ねーちゃん。……僕も美濃関学院に入学して、可奈ねーちゃんの手助けができるかな?」
優にそう言われた可奈美は、確かめられていることにも気付かなかったのか、とても喜んでいた。
同じ道を歩むことを止めることもなく、ただただ喜んで同意していた。危ないから良くないとも、言わずに本当に喜んでいた。
そのために優の心の中は失望感が渦巻いていた。……ああ、この人はそういう人なのだという思いさえも抱いてしまった。
結局は可奈美も優のことを見ているのではなく、その後ろに居るであろう母の幻影を追っているだけなのだということが分かってしまった。自分は可奈美の庇護下に置かれるべき存在なのだと。姉が頑張れる要素でなくてはならないのだと、……だから、優は演じた。
「えっと、ボクは男だから……、刀使になれないから、大好きでカッコイイお姉ちゃんの助けになりたい。」
可奈美という強い刀使を目指す剣術好きな少女が望んでいるであろう無垢で、悪意が無さそうで、力も無さそうで刀使とかに助けてもらわないと生きていけない様なか弱くて非力な、そして純粋というよりもバカみたいな弟を演じることにした。
そう演じることで可奈美との間に"刀使とそれを庇護する弟"という関係性を持つことで、母からも父からも見放された『サイコパス』の子が家族の一員になれるのであれば、優はその役を喜んで引き受けた。
そうして優は、幼い頃に精神科医から聞かされた『虐待された少女が、何故虐待した親ではなく自分を助けようとした学校の先生を殺したのか?という理由が、自らの存在意義を失いたくなかったから。』ということはこういうことだったのだろうかという疑問も抱きながら――――。
だが、ある日のこと、無害な弟を演じていた優は辛かった。
「優くんって、たまに冷たいよね。」
切欠は、優のクラスメートが言った言葉だった。
優がそう言われた理由は、園芸の花の世話をしていた子が枯れてしまった花に対して責任感に潰れ、泣いていたクラスメートが「私、お花を枯らせちゃって、向いてるのかな?園芸係辞めた方が良いのかな?」と周りの人間に言っていたので優は、
「そうだね。」
と泣いていたクラスメートに対して言ったことが切欠であった。
それを言われたクラスメートの子はいきなり怒り出し、「冷たい」と優のことを非難し始めるのであった。それを言われた優は、(またか。)と思いながら昔にも同じことを言われていたなと思い出していた。……そう、昔っからである。昔から訳も分からずクラスメートから「冷たい」、「酷い」と言われてきたのである。
向かないと思うことを辞めさせて何がいけないのだろうか?
イジメてきた人に姉が警察の一員でもある刀使だからと言って、権力をチラつかせたりするのが良くないのだろうか?
虫の触覚を取って、同じところをグルグルと回る虫の姿を見て楽しむことが悪いことなのだろうか?
とはいえ、このまま「冷たい」と言われる様なままでは、いつかボロが出て、『サイコパス』だということがバレるのではないかと恐れていた。そうなれば、もう可奈美が言っていた『優しさ』というものは手に入らないだろう。そうなれば"刀使とそれを庇護する弟"という関係性が崩れ、もう二度と家族の一員になれないような気がした。
故に、こんな簡単に破綻するなら無害な弟を演じるのは辞めて、幼い頃に会った精神科医や本やマンガに書いてある『サイコパス』になろうかとも考えた。……だが、その先にあるのは誰も自らのことを理解してくれない孤独な世界だということは理解できていたが故に、可奈美の言っていた『優しさ』を求めたが、それが得られない可能性が高いことに優は辛かった。
そんな思いを心の中で抱き続け、公園で虫の解剖やアリの巣の中に水を入れるといった生物の死を感じることで自身の慈しみの心を育むことを目的とした遊びに夢中になっていると、すっかり夕暮れとなり帰るのが遅くなってしまった。
……優しい子になれない自分が辛い。
幼い頃に会った精神科医や父親の反応から、サイコパスは子供が見る童話に出てくる赤ずきんや子ヤギ、子豚を食べようとする"悪役"にしかなれないのではないのか?という心の声が、内なる自分の声が木霊していた。
そうした心境と夜景になりつつある道を歩き続けていたら、優はタギツヒメと出逢い、
「刀使のお姉ちゃん……だあれ?」
タギツヒメに斬られてしまう。
その後、優は暗い空間にポツンと居た。
何故此処に居るのか考えていたら、外で遊んでいたときに刀使に斬られた後のことが思い出せなかったため断念する。
そして、可奈美がいないことと知っている人が誰一人いないことに寂しかったが、優は自分を呼ぶ声が聞こえ、誰かいるかも知れないと思い、そちらを向く。
「……えっ、えっとな、我は、我は……。」
「……?」
もじもじとしきりに何か言いたげなタギツヒメがそこにいた。
そこで優は出逢った。
母親とも言える珠鋼から離され、親の愛というものを知らずに生きたタギツヒメ。
幼い頃に両親を殺され、その仇を討つべく戦い続け、親の愛を忘れたジョニー。
貧困から脱するための金銭を得るために親に花を売ることを強要され、汚い親しか知らないミカ。
赤子の時から誘拐され、同情される物乞いにするべく手足を切断され、目を抉られ失明し、暗い世界しか見れない様にされ、親という者自体が知らないニキータ。
自身と同じように、親から"愛情"を贈られず、何も受け継がれなかったために"優しさ"というものが解らない何かが欠けた存在と出逢ったのである。優はそれらを見て、自分は一人ではないということを理解した。自分のように何かが欠けた子がこの地球上に何人も居るのだということが分かったのだ。
「う~ん、……まあ、羨ましかったからかな?タギツヒメがさ、荒魂だから人間とは違うとか言ってたから、だったら荒魂って凄いことなのかなって思っちゃってさ、私達も荒魂になれば周りの人達にいいように扱われることも無くなるかもとか、タギツヒメと同じ荒魂になればタギツヒメも喜ぶかなと思ったから、私も荒魂になろうと思ってさ、タギツヒメに私達と荒魂はどう違うのか尋ねてみたら、……そんなに違ったとこはなかった。」
そしてミカが、自分達が何故荒魂になりたいかを語ったとき、優も彼等の仲間に入りたい、みんなと同じように荒魂になりたいと強く思ってしまうのであった。
何故なら、自分は『サイコパス』という怪物として今まで見られていたのだから、最早そんな躊躇など微塵も無かった。……それに、
相模湾岸大災厄で何千人をも殺した結果を招いた大荒魂タギツヒメ。
少年兵として数々の戦いで多くの人を殺したジョニー。
娼婦としてだけでなく、同じ娼婦仲間と強盗殺人もしていたミカ。
荒魂になることを望む子供達にそんな一面があることを知った優は、そんな仲間達と肩を並べられるような荒魂になりたいと強く思った。
そのため、自分も人を殺さなければならないという強い強迫観念みたいなものに囚われ始めていた。
多分……恐らく初めてだった。心の欠けた彼等に置いてかれることが、たまらなく嫌で嫌で仕方なかった。そう思うだけで優の心は初めて激しく揺れ動いた。彼等の『荒魂になる』という繋がりを欲した。輪の中に入りたかった。一緒に居たかった。……だが、
「あれっ、可奈ねーちゃん?」
可奈美の声に導かれ、意識を取り戻すことになった。……しかし、
(……どうしよう、僕。)
自分の中に友達のタギツヒメ達が居るという事実を知り、そして友達のタギツヒメ達を見捨てて、自分だけが生き残ってしまったということに強い後悔の念を抱いた。
(……どうしたら、助けられるんだろう?)
どうすることもできないことに、暗い表情をする優。そんな表情をする優を見た可奈美はある誓いを立てるのであった。
「ねえ知ってる優ちゃん。お母さんが刀使は人を守って、感謝されて、剣術も学べる、最高だって言ってた。けど、私はこうも思うの、刀使は人を守って、感謝される、"正義の味方"なんだって。……だから、約束。…私はお母さんみたいに人を守って、感謝される、"正義の味方"のような強い刀使になりたい。だから、私は優ちゃんのことも怖い物から守るし、今度は何があっても“救って”みせるよ。」
その誓いを聞いた優は、昔のことを思い出していた。
『大丈夫だよ!優ちゃんのことは何でも知っているから!!』
可奈美は既に忘れているが、身体の弱い優を気遣い“姉”として振舞おうとして、嘗て言った言葉を優は(おねえちゃんは何でも知っている。)と思い、誓いの言葉をこう解釈するのであった。
(……そっか、可奈ねーちゃんは分かっているんだ、僕の中に助けなきゃいけない友達が居て、僕もヒメちゃんもミカさんもニキータちゃんもジョニーくんも救ってくれるんだ。)
という言葉であると……。
「……そうなんだ。だったら僕もそんな大好きでカッコイイお姉ちゃんの助けになりたい。」
優は昔から助けてくれた可奈美の言う事を無条件で信じていた。……何故なら、大人に付き従わねば生きていけないということを知っていたからこそ、物分かりの良い子供を演じたこともそうだが、大切な友達のタギツヒメとミカとニキータとジョニー達全員を救ってくれる、"大好きでカッコイイお姉ちゃん"の助けになると思ったからだ。
そして、可奈美は"大好きでカッコイイお姉ちゃん"という優の言葉の意味を知らない。
大切な友達であるタギツヒメとミカとニキータとジョニー達全員を救ってくれる人間であるという意味を。……そして、
(……だったら、身体が弱くて男だから刀使になれない僕にできることは、可奈ねーちゃんの邪魔をする奴は全員倒しちゃえば良いんだ。)
そう思い、胸に刻んでいた。自分にできることはこんなことしか出来ないから、……そして人を殺せば殺すほど皆が目指す"荒魂"に近付けると思った。タギツヒメやミカやニキータやジョニーを孤独に追いやらずに済むし、仲間外れにならないと考えながら。
(……だから、大好きな可奈ねーちゃんを護ることができれば、可奈ねーちゃんが強い刀使になれれば、みんなを救ってくれて、可奈ねーちゃんが喜んでくれる。それなら、何人も倒しても何人潰しても悪いことじゃない。)
可奈美が強い刀使になれば、みんなを救ってくれる。その目的を果たせるのなら、例え、夥しい流血と元々人という名の肉細工だった肉塊を作ったとしても、それは悪いことじゃないと、罪ではないと結論付けていた。だからこそ、
(……みんな、力を貸してくれるよね?)
優は語りかけた。そうして、優は契約する。可奈ねーちゃんが強い刀使になれれば、みんなを救ってくれると皆に言ったのである。
それ故に、タギツヒメから龍眼を引き継いだために刀使相手でも戦えた。ニキータから楽しむことを教えてもらったために笑うことができた。ミカからいつも慰めの言葉を言い続けてくれたために辛いことにも耐えられた。ジョニーから銃とナイフの使い方を教えてもらったために邪魔をする者を排除できるようになった。
そうして、ただひたすら進んで行けば、可奈美が辛い事も悲しいこともきっと笑って話す日へと導いてくれる。全ては大好きでカッコイイお姉ちゃんの助けになる、優はそう固く信じ続けていく。それだけでなく、龍眼の能力によって優が人を殺せば殺すほど、優が傷付いたり、その傷を治すために荒魂化すればするほど可奈美と約束していた"可奈美が強い刀使になる"ことに近付くのだということが分かった。
そうして、ただひたすら進んで行けば、可奈美の邪魔をするという大義名分で殺し続ければ、いつかは人々に災いを齎すと言われてきた"荒魂"となり、タギツヒメ達と肩を並べられる。タギツヒメ達をひとりぼっちにさせることもない。自分も仲間外れにされることもない。
……ひとりぼっちは何よりも辛いことを優は知っているのだから。
だからこそ、優は荒魂であっても、刀使であっても、親衛隊であっても、STT隊員であっても、どこの誰であれ、邪魔をする者は排除する。例え、それで自分が死んだとしても、可奈美が強い刀使になって自分達を救ってくれるだけで充分だったから、可奈美が履行できる約束であるかも考えず、全く疑わず、優はただひたすら進んで行くのみであった…………。
……そう思うだけで、やっと『サイコパス』から脱し、家族の一員になれたような気がした。
そして、誰も築けないし、可奈美ですら築けない絆。タギツヒメ達と共に『荒魂になる』という絆を優が持てたことが何よりも嬉しかったし、可奈美には無く、自分だけが持つことができる部分だと思った。
優は幼い頃から、『サイコパス』という烙印に悩まされ、家族関係も学校での人間関係も上手く行きませんでした。それ故に、性格が歪み切ったのだろうというキャラです。
一応、幼い頃から親が愛情を掛けて育てたり、良い事をすれば欲しい物をあげて悪い事をすれば罰を与えるということをしていればサイコパスの症状は緩和されるらしいです。
とはいえ、各国がマウスの楽園であったUniverse25みたいなものになりつつあるから、それはもう難しい事なのかなぁ……。
一週間後にまた投稿しまーす。