【完結】刀使ノ巫女+α   作:tatararako

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今回は、余談的且つ鬱路線から外れた物を投稿させて頂きます。
今回は優の中に居る人達を中心とした話なので、頭ゆるくして見ていただければ助かります。……たまに、悪ふざけもしたいんや……。
いや、唐突にこんな話を書いてすいません。多分二話構成で終わると思いますので、どうかお付き合い下さい。

最近、思うこと。

どうしよう。タギツヒメが出るだけでギャグが書きやすい!!
…………わけがわからないよ。
いや、タギツヒメを最初見たとき、凜々蝶様っぽいと思ったのでこんなキャラになってしまったのが最大の理由なのですが…………。




荒魂達の狂騒 〜余談前編〜

箱根山における荒魂掃討作戦が完了した次の日にて、優の中に居るタギツヒメ達は談笑やら遊びやらしていた。

そんな中、結芽はまたまた(しかし計約30回以上)タギツヒメのノロケ話を聞かされていた。

 

「――――(中略)―――でな、優がな、それでな?――――(省略)―――。」

「へーすごーい(棒)」

 

しかし、あるとき思っていたことを結芽は思い切って聞いてみることにした。

 

「ねえ、ヒメってさぁ、優と付き合ってんの?」

 

結芽はタギツヒメをヒメと呼んで、優とタギツヒメは今現在進行形で付き合っているのかどうかを尋ねていた。

ぶっちゃけた話、同じ話ばかりで先が進まないので結芽は退屈だったから、その先の話が聞きたいので聞いてみた。

 

「」

 

それを聞かれたタギツヒメは ピシッ と音が鳴るぐらいの勢いで止まった。すると、

 

「……ふっ、フハハハハハ!!誰に聞いておる?」

 

急に尊大な態度を取るタギツヒメ。

流石は一応大荒魂というべきか、迫力は充分にあった。

 

「われは神ぞ。そんなことぐらい造作もない!お前に我の魅惑のトーク術をしかと見せてくれるわっ!!」

 

タギツヒメは語気を強めて言う。しかし、

 

「えっ!?ということは言うの!?」

 

結芽は目を輝かせて、タギツヒメにそう聞いてきた。

結芽が目を輝かせた理由は、病室で何時か見た月9の恋愛ドラマみたいな展開が目の前で起こるのが見たかったこともそうだが、タギツヒメを応援したいという気持ちが有ったのもある。

 

「そうなんだ。なら私も応援するよ!……場所は何処にしようか?」

 

ウキウキ笑顔でタギツヒメに迫りながら、そう言い続ける結芽。それに、タギツヒメは、

 

「……あっ、ウム。それは我に任せてくれ。お主のお陰で腹は決まった!その礼としてお主に恋愛のなんたるかを、神髄を見せてやろうぞぉぉぉぉっ!!」

「うん!ヒメも頑張ってね!!」

 

結芽もお年頃なのか、タギツヒメのそういった話は嬉しそうにしていた。

……対照的にタギツヒメの目は死んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして―――――、

 

「……………なあ、ミカよ。」

「そんで、どうすんの?」

 

タギツヒメはミカの横で震えて、蹲っていた。

 

「…………何であんなことを言ってしまったのだろうか?」

「いい加減、その癖は直した方が良いと思うけど。」

「魅惑のトーク術って、なんなのだぁっ!?……我、一度も恋愛とか優に告白なんぞしたことないぞぉぉぉぉ〜〜〜っ。」

(なら、言わなきゃ良いのに…………。)

 

「うっぐぅ、ひっく、ふぇぇん。」と蹲りながら泣き叫ぶタギツヒメを見て、ミカは何となくそうなるだろうと思っていた。

というか、ニキータ相手に一度やらかしている。

このタギツヒメは悪い癖があるのだ。

『我は神ぞ。』とか、『人間風情が。』とか言うがあれは自分は凄いんだぞ、ほらもっと相手しろよというタギツヒメなりの最大のアピールであり(そして、今現在も最高にカッコイイとも思っている。)、要するに構って欲しいということなのである。

だが、それを無視したり自分が望む答えが来なかったら恥ずかしがって、そのアピールした相手を攻撃して有耶無耶にしたり、無かったことにしようとするという実にめんどうくさい子でもあるのだ。なお、タギツヒメが今まで一度も告白できなかったのは告白するのが恥ずかしいだとか、フラれたらどうしようだとか、そんなしょうもない理由ではないとタギツヒメは述懐している。

そう、タギツヒメは沙耶香の言うとおり、

 

まるで子供なのである!!

 

「…………素直に結芽に話したら解決するんじゃない?」

「ばかものぉっ!!我は神ぞ!一応大荒魂の一部なのだぞ!」

 

タギツヒメはよく分からない理屈をミカに唱えていた。

 

「つまり、我には威厳が必要なのに、最近の結芽ときたら我のことを残念な奴に見ておるのじゃぞっ!可奈美お義姉様を納得させるにはI☆GE☆Nがとても重要なのじゃ!!これ以上失ってたまるものかっ!」

「ああ、うん。……ソウダネ。」

 

いや、今みたいなことを言うから威厳とか失うのではないのかとミカはタギツヒメに言いたかったが、特に言わないことにした。

 

「……ていうか優を奪ったら良いんじゃない?あの可奈美って人から。」

 

さらっと爆弾発言をするミカ。

 

「ばっ、ばかものぉっ!!先ず我は龍眼を通して勝てるかどうか視たけど、どう殴り掛かっても軽く受け流されて十倍にして返されるとか全く勝てる気がしないぞっ!!というか、龍眼持ってる我が全く相手にならん時点で可奈美お義姉様どんだけ化け物なのだ!!?あれはチートだチート!!不正行為!!!龍眼なんてゴミみたいではないかっ!!?」

 

要は勝てる気がしない。……とのことらしい。

だが、チートだの不正行為だのタギツヒメも爆弾発言しているが、タギツヒメが言っていた通り前に可奈美から優を奪おうと龍眼を使って勝とうとしていたのだ。

 

『うんぬぅおおおおおおおおお!!唸れ!力を引き出せ我が龍眼!!可奈美お義姉様の弱点を探るのじゃああああ!!!』

 

そのため、タギツヒメは可奈美から勝利をもぎ取るため、龍眼を使って可奈美を凝視していた。

……今のところ、それぐらいにしか使われていないタギツヒメの龍眼が不憫でしかならないが、全ては優を手に入れるためである。

 

『……うんぬぬぬぬぬぬぅ!いくら予測精度を上げても勝ち方が全く見えん。それに何故か知らんが目と脳が痛いぃぃぃぃ。けれど我慢我慢っ!龍眼の精度を気合いで上げろぉっ!!タギツヒメ、お主はこう見えて大荒魂の一部でやればできる子なのだぞおぉぉぉ!!』

 

目玉を飛び出るのではないのかと思うほどの変顔をしつつ、タギツヒメは可奈美を龍眼もといほぼ眼力で凝視していた。

そんなことをやっているから威厳がなくなるのだが……。

 

『げぇっ!なんじゃこいつ!?全力出されたらどう打ち込んでも、全く一本を取れないんじゃがっ!!?何じゃあのチート!?』

 

そして、龍眼の力(タギツヒメの場合は主にそんなことしか使われない残念仕様。)をフル稼働しても勝てないという事実に、そしてどうあがいても敗けるという結果に可奈美のことを『なんじゃこいつ!?』と素で言うくらい驚き、とてつもない敗北感を感じてしまったのである。

以来、タギツヒメは可奈美から好感を得ようと必死になるのであった。

 

そんな会話をしていたら、タギツヒメは元気と自信を失ってしまったため、マズイことを言ったかも知れないと思い、ミカは元気になることを言うことにした。

 

「じゃあ、あの姫和さんだったら?」

「あっ、それは勝てる気がするぞ。あいつは胸が大和平野でアホだからな。」

 

ミカはタギツヒメもアホだし、大和平野並みに胸が無かったような気がするが今回は特に気にしなかったし、言うこともしなかった。

だが、タギツヒメは何故かは分からないが勝てるような気がして自信を取り戻したらしい。

 

「……じゃあ、無理矢理襲ったら?」

 

さらに、色々とマズイ爆弾を投下するミカ。

 

「ばっ、ばか。そんなこと簡単にできるはずなかろっ!!!」

 

顔を真っ赤にして手をブンブンと回して抗議するタギツヒメ。

その反応を見たミカは(今まで、散々生涯の伴侶とか言っているのに、優を目の前するとそれが言えないんだよね。)とタギツヒメの本性を思い出していた。

 

『我は神ぞ。』とか『人間風情が。』とかがカッコイイと思っている中二病患者であり、その結果無駄に虚勢を張ったことで相手に悪く言い過ぎたかも知れないと苦悩したり、本人相手にストレートに生涯の伴侶とか今も言えなかったりする。そんなタギツヒメのことを……。

 

早い話が、嘗てタギツヒメが朱音に言った“生涯の伴侶”発言は、お前ら手出すなよ?という意思表示でしかなく、子供染みた行動を取るのである。しかも、タギツヒメは自分は偉大な存在であることをアピールするため、口調も古風な言い方をしていたのだ。

 

そう、高度な知能を有すると累に言われることとなるタギツヒメの本性は沙耶香の言うとおり、

 

まるで子供なのである!!

 

しかし、タギツヒメは何故優にここまで好意を抱いているのかミカは不思議でならなかった。

実際、躊躇いもなく拳がボロボロになろうとも気絶するまで人を殴ったりするわ、自分ごと銃で撃つことも躊躇わないわ、紫に取り憑いていた大荒魂を倒すためにタギツヒメに全力を出すよう脅すわ、今思い返えば優という9歳の男の子はとんでもない子だと思うのだが……。

 

「……ねえ、ヒメはさあ、優のどこが良かったの?」

「フッ、それが分からぬとは、お主もまだまだよ「あっ、そう。じゃあ一人でがんばって〜。」

 

そのため、ミカはタギツヒメに優のどこが良かったのか尋ねようとしたが、タギツヒメの言葉についイラッとしてしまい一人で頑張れ、と言って立ち上がりその場を離れようとした。

 

「うあぁぁぁぁーーーーんっ!今の嘘だからっ!嘘だからぁっ!!」

 

だが、それを見たタギツヒメは普段の口調からはかけ離れた言葉使いで且つ、素早い動きでミカの足を掴んで止めようとしていた。

恥も威厳もかなぐり捨てるタギツヒメの姿を見て、先ほどの威厳とやらの話はどこへ行ったのだろうかと思うミカであった。

 

だが、そのタギツヒメの必死な姿を見たミカは手の掛かる妹みたいだなと思い、クスリと笑いながらなんやかんやで手伝うことを決めた。

 

「…………しょうがない。手伝いますか。」

「おお、ありがたい。ミカ様ぁ。」

 

ミカは軽くそう言うと、タギツヒメは涙を流しながら土下座しながら感謝していた。

こうして、タギツヒメは順調に自らの行いによって威厳を失って行き、駄女神への道へと突き進むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……という訳で、ジョニー呼んできました。」

「オーっす!」

「いやいや、意味が分からんぞ?」

 

タギツヒメは何故、この場にジョニーが居るのか疑問であった。

 

「まあ、ジョニーを優役にして告白の練習しよう。」

「なっ、なるほどっ!!」

 

タギツヒメはミカのジョニーを優と見なして、告白の練習をするという提案に(何て、天才的な発想だ!!)と、感動していた。

……いや、別にそんな凄いことじゃねーだろという声が上がるだろうが、今までタギツヒメは人間相手に恋愛なんぞしたことないのだから許して欲しい。

 

つまり、タギツヒメは生まれてから今まで恋愛など考えたこともないのであり、色恋沙汰のことについては小学生以下の知識なのである。

故に、コウノトリが子供を運んでくる、キャベツから産まれてくるといった話を信じるくらい、

 

まるで子供なのである!!

 

「じゃ、それじゃあ早速やってみようか。」

「ふぇっ!?ぶっつけ本番は流石に……!!」

「えっ、マジでぇ?」

 

ミカの一声に反応したタギツヒメは産まれたての子鹿の如く震え、白い顔を真っ赤にしていたが、ジョニーはすこぶる嫌そうであった。

 

「我だって、嫌じゃぞ。だが、目を閉じて目の前に居るのが優だと思えば良い。」

「……どんだけ嫌なんだよ。」

 

タギツヒメはそう言って目をつむると「目の前にいるのは優、優、優。」と何度も連呼していた。

その姿はジョニーとミカに何かしらの畏怖の感情を抱かせる物であった。

……一応、再度伝えておくがタギツヒメは誕生してこのかた、恋愛は知らないし告白もどうすれば良いのか知らずに過ごしていたのである。

そんなタギツヒメが愛の告白やその雰囲気に持っていく方法など簡単にできるものではないのだ。

現に、タギツヒメは心拍数が上昇したことで落ち着けなくなり、高度な知能を有する彼女の頭の中はどう言えば良いのかと考えるばかりである。

 

だが、そんな目を閉じているタギツヒメも勇気を出すのであった。

 

「……わっ、」

 

タギツヒメは紡ぐ、愛の告白を、

 

「……わっ、我と。」

 

タギツヒメは必死にしどろもどろになりながらも、

 

「……わっ、我とつきあt「いや、それ無理。」…………。」

 

タギツヒメは何とか必死に『告白』という言葉を出すが、ジョニーに「いや、それ無理。」と言われ固まってしまった。

一見、タギツヒメへの嫌がらせでジョニーはそうしているように見えるだろう。しかし、このジョニーという男、心に決めた女がいるため正直に答えただけである。

 

そう、この男ジョニーもまた空気を読まないうえ、タギツヒメのために行う告白の練習であることと優の役するということも忘れ、己自身の正直な気持ちをストレートに言ったジョニーもまた、

 

まるで子供なのである!!

 

その瞬間、タギツヒメは地面に膝を付けて、

 

「うあぁぁぁぁ-------んっ!!!!!!」

 

子供のように泣きじゃくるのであった。

 

 

「うおぉぉぉぉーーーーーーーん!!!!無理って言われたっ!!!!無理って言われたっ!!!!むりってゆわれたぁっ!!!!!!」

 

 

思わず、いつともの口調からかけ離れた言葉が出るほどにタギツヒメは泣きじゃくっていた。

タギツヒメは頑張ってジョニーのことを優だと思って必死に愛の告白の言葉を紡いだが、結芽のことが好きなジョニーが空気を読まずに「いや、それ無理。」と言ってしまった。そのため、タギツヒメは

 

ガチ泣きである!!

 

それを見たミカは、

 

「ねえ、ジョニーちょっと来て。」

 

と言って、手招きでジョニーを呼ぶと、すかさずジョニーの胸ぐらを掴むと、

 

「お前、何やってんだよ?」

 

低く、冷たい声でジョニーを叱責していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんながあり、タギツヒメを泣かしたことを結芽にバラされたくなければ、タギツヒメの告白が上手くいくよう結芽に告白しろと言われたため、ジョニーは泣く泣くその告白をどう言うか必死で考え、必死で練習していた。

 

「……いや、コレ上手くいくのか?」

 

ジョニーが不憫に思えてならないタギツヒメはどうにか止めようとする。

 

「いや、あいつが失敗したところで笑い話にはなるでしょう。」

 

だが、気にすることなくミカはジョニーが結芽に告白するところをタギツヒメに見せて、少しでもそれを参考にし、タギツヒメの告白を成功させようとしていた。

 

早い話がジョニーのする結芽に伝える告白は、成功すればそれを参考に、失敗したとしてもこちらの損害は無いうえ、笑い話になるということである。

早い話が当て馬であった。それを何食わぬ顔で行うミカは、

 

 

まさにド畜生である。

 

 

そんなこんなでミカは呼んでいた結芽がジョニーを見かけて、声をかけるところを見て、タギツヒメを肘で小突く。

タギツヒメはジョニーに(済まん……。)と思いながら、ジョニーの恋が成功するように祈っていた。

 

「どしたのー?何か用?」

「……うぇっ?あっ、えっと、そうだな、ちょっと伝えたいことがあってさあ。」

 

ズカズカと近付いてくる結芽とは対照的にジョニーは顔を赤くしながら、結芽に返事をする。

 

「んぅ---?」

 

小首を傾げながら、ジョニーを見る結芽。

 

「おっ、……オレ……。」

 

それに、ジョニーは動揺しながらも、

 

「……おっ、オレは……。」

 

ジョニーは紡ぐ、愛の告白を、

 

「……おっ、オレはス……。」

「……ス?」

 

伝えようとする。ジョニーは必死にしどろもどろになりながらも結芽を前にして、決断する。

 

「……オレは……オレはスキヤキが食いたい!」

「…………?」

 

告白することを、しかし、結芽は困惑した。

 

「…………?」

「…………?」

 

タギツヒメも困惑した。

ミカも困惑した。

ジョニーは何を言っているのか?誰もワケガワカラナカッタ。

 

「……いや、ほら。俺、日本ってところ知らねぇしさ。……スキヤキとか聞いたことがあるから、いつか食べてみてぇなぁ〜〜。とか、思った訳よ。」

 

ジョニーは日本にある“スキヤキ”なる物を知り、それを食してみたいと言っていた。

……単に、「好きです。」と告白できなかっただけであるが。

 

「あ〜。でも、今は無理だと思うけど。」

 

流石の結芽も困惑しながら、答えるしかなかった。

 

「いやっ!良いよ、約束してくれたら良いんだよ。いつか人間になったら上手いスキヤキを皆で食べようぜ。」

「!……うん、そうしよう。皆で何時か行こう。」

 

こうして、ジョニーは結芽にいつかスキヤキを一緒に食べようと約束?することができました。

 

「じゃっ、またなっ!!」

「えっ?ちょっと……。」

 

ジョニーはそれだけ言うと、結芽から離れるように足早と去って行った。

 

 

 

 

 

 

満面の笑みでタギツヒメとミカの居る所へと戻って行ったジョニーは一言、親指をグッと見せて、

 

「やったぜっ!!」

 

と言っていた。

 

「「何がっ!!?」」

 

それに、タギツヒメとミカは何を成し遂げたのか、とジョニーに尋ねる。

 

「いやいやいやいや、オレ結構頑張ったと思うぜ?スキヤキ食うことはどうにか誘えたぞっ!?」

 

ジョニーは自慢気に言うが、誰がどう見ても言えなかっただけにしか見えなかった。

 

「……いや、あのさ。当初の目的忘れてない?スキヤキってどうゆう物か分かってる?」

「……ハッ、しまった!!」

 

どうやら、ジョニーはスキヤキなる物がどのような物か知らないようである。

たまたまどこかで聞いたことがある言葉を使っただけのようである。

 

「スッ、スキヤキって何だ?誰か分かる奴いるか?」

「そんなの知る訳ないでしょっ!てゆうか、何?初心な童貞丸出しの告白!?つっかえないわね。」

「はあ?はあっ!?はあぁっ!!?童貞ちげーーしっ!!単にどう言えば良いか分からないだけだしっ!!お前だったらどうすんだよ!?お前だったら男落とす術知ってるんだろ!!?」

 

ミカは“スキヤキ食べたい”という告白をしたジョニーにもう少しマシな言い方はなかったのかと詰問していた。それに、立腹したジョニーは路地裏で花を売っていた経験があるミカだったら、どう言うのかと挑発していた。

 

「……ちっ、仕方がないわね。良い?ヒメ、とっておきの技を教えてあげる。」

 

ジョニーに触れられたくない過去を言われたためか、不機嫌そうにミカは答える。それに、ジョニーは悪いことを言ったと思い、バツが悪そうな顔をして、ミカを見ていた。

だが、それに気にすることなくミカはタギツヒメにとっておきの技を教えると言って近寄る。

 

「先ず、近付いて。」

 

ミカはタギツヒメに目と鼻の先まで近づくと、

 

「押し倒して。」

「ん?」

 

タギツヒメを突き飛ばして、馬乗りになるミカ。

それに、ジョニーは嫌な予感を感じてしまう。

 

「……んで、ズボンを脱がせ「ハイ、ストップ。」」

 

ジョニーに「ハイ、ストップ。」と言われ、中断させられたミカは不機嫌そうであった。

 

ミカが路地裏で花を売っていた頃の技をタギツヒメに教えようとしていたことに気づいたジョニーはミカを止めていた。

 

「何すんのよ。折角タギツヒメに男を100%落とす良いことを教えようとしたのに。」

「いやいやいやいや、それ絶対アウトだろっ!!優は一応9歳児なんだぞっ!!?トラウマ物になるようなことすんじゃねえよっ!!」

 

ジョニーがミカを止めた理由は二つ。

その一つ目はタギツヒメがミカから教わった技を使い、9歳児の優にトラウマを残さないようにするため。

 

「何よ、どうせ男なんて下半身見せたら金くれるくらい喜ぶもんでしょ?」

「いやいや、相手のことも少し考えてやれよっ!!!!!」

 

ジョニーがミカを止めた理由の2つ目は優がミカの路地裏で花を売っていた記憶を引き継いでいて、その記憶が元で“そういった行為全般”に嫌悪していたら先ず間違い無くそれを行った者を始末するだろう。それを防ぐためである。

 

「……とりあえず、分かったことがある。お前ら、まともな恋愛経験とやらが無いのだな。」

 

タギツヒメは御刀以上の切れ味の一言でミカとジョニーのことをズバッと言う。それに、固まる二人。

早い話がこの場に居るタギツヒメ、ジョニー、ミカはまともな恋愛をしたことがないのであった。

 




 
 
優の中に居るミカは路地裏で花を売っていた子なので、そのときの記憶は優にガッツリ引き継がれているので“そういった行為全般”はトラウマとなっています(分かりやすく言うと、物心着く前から、エログロを体験させられてトラウマになったと思って戴ければと。)。そのため、ハグか添い寝ぐらいは問題はありませんが、それ以上の行為に及んだ場合は殺されるのでご注意下さい。
 
 

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