【完結】刀使ノ巫女+α   作:tatararako

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58話を投稿いたします。
またも私の趣味爆発。すまぬ、すまぬ。

 


曖昧な境界線

刀剣類管理局局長執務室――――。

朱音と真希、そして甲斐とその護衛といった数人が居た。

 

「この度は協力を受け入れて下さって、大臣も感謝しております。これで幾許かは失った信頼を取り戻せれば()いのですが……。」

「20年前以上の災厄が起こる前に失った信頼を取り戻せれば良いのですが……現状、まだその道は遠く、ゆ……“男の刀使”を入れても戦力が足りず、現場の刀使達は疲弊していく一方です。」

「……転校希望者がそれほど、多いということでしょうか?」

「S装備の性能向上とデザインを変え、それと連携できる無人機を使ったことによる安全面を宣伝しましたが、世論は未だに刀剣類管理局に批判的です。」

 

朱音と甲斐は刀剣類管理局を取り巻く今の現状を憂慮していた。

箱根山戦で新型S装備とドローンを装備した特別任務部隊が活躍したという宣伝をして、現職の刀使の負傷者数を減らしていること、箱根山で荒魂掃討作戦を行ったことで着実に荒魂討伐を遂行していることで、国民の安全を守っているとアピールしていた。つまり、“刀剣類管理局は無人機とS装備を有効活用し、刀使の安全面を考慮しており、そのうえで頻発する荒魂事件にも対応していく”という姿勢を見せ、国民の信頼を取り戻し、刀剣類管理局の風当たりの強さを緩和したかったが、空振りに終わり、それを危惧した親達によって転校する者が増える一方だった。

 

「……となれば、少ない戦力で有効活用する。という方針で行くしかありませんな。ですが、このような状況下に置いても残ってくれる刀使が居るのは防衛省としても非常にありがたいことです。」

 

甲斐の言っている通り、今の刀剣類管理局は正式には刀使ですらない優を“男の刀使”と偽ってまで戦力に組み込まねばならないほど、常に逼迫していた。そんな中でも、刀使としての活動を続けてくれる者が居てくれることは朱音にとっても、甲斐にとっても非常にありがたいことであった。

 

「今後の刀剣類管理局は古来のノロと寄り添うやり方を推していく予定です。ですが、残った刀使の何名かは荒魂に対する憎悪が強い傾向にあり、人がノロと寄り添うという考えは受け入れられるかどうか……。」

 

朱音としては、今後の刀剣類管理局の在り方を甲斐に伝えていた。だが、それには多くの障害があった。

それは、残った刀使の何割かが、親や友人といった人が荒魂の被害を受けたことが許せなかったという理由で志願して来た者がおり、戦力が低下した刀剣類管理局はそんな彼女等を無視する訳にはいかなかった。それ故に、人とノロが寄り添うという考えを何時公表すべきか、悩んでいた。

 

「……中々、険しい道となることでしょう。自衛官の隊員数が減りつつあるこちらとしても、一つ一つ荒魂討伐をするよりも融和政策を採るのが最善。出来る限りのお手伝いさせてください。」

 

甲斐としても朱音の人とノロが寄り添うという考えは賛同していた。但し、朱音はノロを清め鎮めることで荒魂の被害を減少させたいのに対し、甲斐は人も荒魂も政府の統制下に置くという形に取りたいのという違いがある。

 

「……そういえば、獅童 真希くん。自らの後任を柳瀬 舞衣か岩倉 早苗にすることを希望していたらしいが、何か理由はあるのかね?私としては、鎌倉で活躍し、剣術の実力も最も高いと言われている衛藤 可奈美だと思っていたのだが?」

 

甲斐は話題を変えて暗い気分を払拭しようと思ったのか、朱音の隣に直立不動で居た真希に後任のことについて尋ねていた。真希の後任は可奈美かと思っていた甲斐にとってはとても意外であったため、真希の自分の後任を舞衣か早苗にしたいとする理由を問い質していた。むしろ、甲斐としては政治感覚の無い可奈美であれば、こちらが操り易いために『鎌倉で活躍し、剣術の実力も最も高いと言われている――――。』と言って、さり気なく真希と朱音に可奈美を推し、可奈美に貸しを作ろうとしていた。それに、舞衣のことは柳瀬家のご令嬢であるにも関わらず、御前試合に出場できるほどの実力を有し、尚且つ鎌倉では可奈美達を指揮し活躍していたことしか知らないため、もし柳瀬グループのご令嬢である舞衣と同じく、京都の名家出身である此花 寿々花と同様に政治交渉の場にも同行することが可能であるほどの能力を有しているのであれば、利用しにくいかも知れないからである。故に、甲斐は舞衣と早苗を後任に推した理由を真希に尋ねていたが、そのうえで甲斐は舞衣を警戒していると真希に悟られないようにするため、真希の後任を舞衣だけでなく、早苗の理由も真希に訊いていた。

……もし、舞衣がこちらの想定通り、政治交渉の場にも同行できるほどの能力を有していれば、政治感覚に疎い娘を陰で操るといったことが難しくなるかも知れない。

……そう、憂慮する甲斐であった。

 

「はあ……まあ、何と言いますかご存じの通り、個人差はありますが若年の刀使ほど御刀との親和性が高いのです。そのため、僕はもう16です。そろそろ年齢的に何時刀使の力を失うことになるか、それとも僕以上に吼丸の力を引き出せる者が現れ、何時交代となるかも知れませんので僕自身の後任と彼女等が働き易いように考慮すべきであると朱音様に具申したまでのことです。」

「ふむ。」

 

真希は、甲斐が随分とこちらのことを調べているなと思いながら、自身の後任を求めていた一つの理由を述べていた。刀使としての力を発揮できるのが若年の傾向が強い故に、その年齢を超えると刀使としての力を失うか、吼丸に真希以上の適合者が現れたら、交代しなければならないシステムであるのを考慮し、自身の後任がそろそろ必要なのかもしれないと思ったことを伝えていた。

 

「あと、お恥ずかしい話しですが、どうも僕は新型S装備に追加された機能を上手く扱えなかったのです。そんな理由もありまして、新型S装備を使いこなしていたうえ、戦闘能力が高く、指揮能力もあるので彼女等が適任だと思えたのです。」

 

そして、舞衣と早苗を自身の後任にしたもう一つの理由を甲斐に説明していた真希。

しかし、真希自身、岩倉 早苗は委員長を務めていた経験もあって指揮能力が高いことは認めるが、目立った実績の無い早苗の言うことを他の部隊が聞くかどうか、といった懸念がある。これは、真希自身の御前試合の大会二連覇による栄光と親衛隊という立場によって指揮統制できたと思っている経験則によるところが大きい。

そして、柳瀬 舞衣も鎌倉での活躍という目覚ましい実績はあるものの、真希としては何か大きな作戦で舞衣が指揮官としての功績と経験を積ませたかったというのも本音であり、不足している戦闘力の面は沙耶香と可奈美といった実力のある刀使に補佐させる予定だったが、その沙耶香が箱根山戦以降から、不調であるという懸念材料があった。

だが、そのことを防衛省である甲斐に伝えることはないだろうと真希は判断して、敢えて話さなかった。

 

「ふぅむ。なら、鎌倉での活躍をこちらでも聞いている衛藤 可奈美では良くないのかね?」

 

だが、甲斐は真希の推薦に反して、政治的判断が無く利用しやすいであろう可奈美を推していた。個人的な理由としては鎌倉でのノロ漏出事件を解決し、有名であるためカリスマ性はあるだろうから、刀剣類管理局にとっても、それが最良であるようにも感じたからでもある。

 

「ええ、そう思うでしょう。……ですが、衛藤 可奈美はどうも誰かを指示するというのが得意ではないらしく、チーム戦をしていたときは専ら柳瀬 舞衣が陣頭指揮をしていたそうです。」

「……なるほど。」

 

これ以上、可奈美を真希の後任に推すといったことを述べれば、刀剣類管理局の人事に防衛省が口を挟むのかと言われかねないので、矛を収める甲斐。

 

「ふむ、それほど新型S装備は使いにくい代物でしたか……。」

(?……あっ!!)

 

真希は、甲斐が新型S装備の開発に色々な援助を行っているのは知っていた。それ故に、甲斐が残念そうな表情をしたことに真希は甲斐を批判しているかのような答え方をし失敗したのではないかと不安になる。

それは、真希は舞衣を指揮官にし、沙耶香と可奈美といった親交があり実力の有る刀使等を補佐に付けるという体制にしたかったのである。そのためには、休養中の紫や朱音、紗南といった権力も権威もある大人達の後ろ盾も必要である。朱音局長代理と紗南本部長からは了承を貰っているが、甲斐陸将補はまだである。だが、防衛省の幹部を頷かせるには、それ相応の理由が必要である。だからこそ真希は新型S装備を扱いこなせない自分よりも、使いこなしていた舞衣達を推す意味もあって、自身は追加された機能を上手く扱えなかったと言ったのだが、自衛官としてキャリアコースに進み、長年勤めていた甲斐にとってみれば侮辱とも取れる発言だったかも知れないと真希は憂慮していた。

 

(……こ、こんな時はどうすれば良い!?やはり、寿々花も連れてくるべきだった!!)

 

真希は、自分から刀剣類管理局と防衛省の連携にヒビが入るかのような発言をしたことは迂闊であったと後悔していた。そして、こういった場に馴れている寿々花を連れてこなかった愚かな自分を引っ叩きたかった。

そんなとき甲斐は、

 

(……ふむ、私と朱音を目の前にして私も危惧していた新型S装備の欠点を堂々と言うか、……かなり潔く、“好漢”ではないか。)

 

真希のことを上役であろうと関係なく発言すべきことはする堂々とした人物であると好評価しつつ、“好漢”と内心呟いて女性として見ていなかった。だが、そんなふうに評価されていることに真希は全く気づいていなかった。

何故、真希はそのことに気付かなかったかというと、真希にはある欠点があった。それは、相手の好意に鈍感過ぎるというものであり、寿々花もこの欠点には頭を悩ますほどであった。現にこうして甲斐に好評価されているにも関わらず、真希は明後日の方向へ向かっているのである。

 

「……そうか、ならそんな君に尋ねたいのだが、…………この戦いをどう予測する?」

(……そこまで、嫌っている訳ではないようだ。)

 

そして、甲斐に叱責されることなく今後はどうなるかと尋ねられたことに、真希は安堵していた。もし、先の発言を嫌味だと捉えているならば、尋ねることはないからだ。

故に、次もしくじることがなければ問題無いだろうと真希は勝手に判断していた。

真希が、そんな状態であることにも気付かずに甲斐は、何故か、真希に現在の刀剣類管理局はどのように進むべきかを尋ねていた。

 

「甲斐陸将補。」

「失礼、勝手なことを致しました。ですが、諮問しているのではなく、私自身が荒魂討伐に置いて浅学であり、刀剣類管理局と協力関係にある自衛隊の幹部の一人としましては現場を知る者からの意見をどうしても聞いておきたいのです。」

 

だが、朱音に叱責されたことで、自身が真希の所属する機関の長の目の前で何の断りもなく勝手に刀剣類管理局の方針に関わるような質問したのはとても非礼な行為であったと思い、素直に謝罪の言葉を述べ、非礼を許してもらおうとしていた。

 

(……協力関係にある防衛省の甲斐陸将補にこうまでお膳立てをされたら、答えないのは失礼にあたるか……。それに、一度しくじっている以上、ここで挽回しなくては朱音様に要らぬ心労を掛けてしまうかも知れない!!)

 

真希は、荒魂討伐の作戦指揮官でしかない自身が刀剣類管理局、並びに協力してくれる防衛省含む各省庁の方針に関わることを述べて良いものかと考えるが、協力関係にある防衛省の幹部である甲斐がどうしても聞きたいと言って発言を促していた以上、こちらとしては何も答えない訳にはいかなくなったのである。

だが、真希は一応、話していいかどうか顔を朱音に向けるが、朱音は頷いて了承の意を込めた返事を真希に送る。

 

「……では先ず、近況からお伝え致します。現在、東京を中心に頻発している荒魂事件に対応すべく、伍箇伝から刀使をかき集め特別任務部隊を臨時編成を致しました。これは、各方面の刀使を特に頻発する関東方面に一極集中させ、運用しているという状態です。しかし、我が国がそのような状況下にあるのにも関わらず、敵性のある周辺各国は未だ領空と領海侵犯を続けており、昨今の情勢は油断ならぬ状況に在りますが、自衛隊員の人員不足といった問題と戦車と火砲の削減の決定もあり、戦車と火砲は本州から各方面隊に集約、その代わりに機動戦闘車が本州に配備される予定です。これは、敵性国家の上陸部隊を本州で相手をする際、先ず機動戦闘車が足止めし、その間に戦車部隊を交戦地域へ到着するという編成であります。そんな状況下において、機動戦闘車及び戦闘部隊の輸送に必要な道路、鉄道網に被害をもたらす荒魂被害は防衛省においても憂慮する事態であると判断し、我々刀剣類管理局と協力しております。」

 

先ず、真希は手始めに、可能な限り自衛官にも分かり易いように、刀剣類管理局と防衛省の近況を伝えていた。

 

「ですが、急遽編成したため、各刀使達の質にムラがあり、組織立った行動は難しいこと、そのうえ強力な荒魂相手に経験の少ない中等部の一年が前線に駆り出されるほど、人材が不足し、人員と装備などに慢性的な負荷がかかり、各部隊の練度や活動量を維持できなくなるおそれが生じている状況であります。従って、各部隊、部署との連携を主眼に強化した新型S装備の特性を考慮しますと、今後は状況に即応できる精強な部隊が必要となります。」

「……具体策は?」

「先ほど申しました機動戦闘車と戦車部隊の例と同様に、実力のあるS装備刀使の部隊を航空戦力で迅速に送る。……これにより、荒魂事件が頻発する関東区域に実力が高く、S装備で強化された刀使を迅速に送ることが可能であると愚考致します。」

「つまり、関東地方限定ではあるものの、現地の刀使が足止めをしている間にそのS装備刀使部隊を航空機による集中的な機動運用により、頻発する荒魂事件に対処するというところか……。しかし、刀使は空挺訓練を受けさせねばならないように思えるのだが?」

「はい。ですが燕 結芽が五箇伝のヘリから降りる際、リペリング降下をせず刀使の力で降下したことがありますので。」

「……なるほど、それと同様のことをS装備で強化した刀使にやらせる、ということか?」

「その通りです。」

「なるほど、視えてきた。」

 

要するに、現地の刀使が機動戦闘車であるとするならば、S装備刀使は戦車部隊のようなものかと甲斐は理解していた。

そのためか、甲斐は真希が提言するS装備刀使による即応性の高い部隊の創設に魅力を感じていた。

理由は、このS装備刀使による即応部隊が活躍し、その有用性を実証すれば、甲斐が予てから推し進めたかった自衛隊のサイバー・電磁波領域の強化が可能となる。そのうえ、真希の言うS装備刀使による集中的な機動運用の実効性が確立されれば、防衛省が構想する多次元統合防衛力の実証性が証明され、それらを推し進める防衛省も評価され、防衛予算が増額されるというものである。

 

(……それに、周辺各国も動き始めている。スタックスネットという事件が有った以上、サイバー戦の能力の向上とハイブリッド戦争に対応した安全保障政策と戦略の研究は急務だ。)

 

スタックスネット

Microsoft Windowsで動作するコンピュータワームであり、2010年6月に発見された。

インターネットから隔離されたスタンドアローンのコンピュータ・システムにも、USBストレージを経由するという手段により感染する。そのため、以前はネット経由の攻撃に対し比較的安全であろうと信じられていた産業用制御システムにおいて感染・実害を生じさせるという点が衝撃的であり、2010年6月に発見されイランの核施設を標的とした攻撃で有名。また、2010年9月には、イランのエスファハーン州ナタンズに所在する核燃料施設のウラン濃縮用遠心分離機を標的として、スタックスネットを使ったサイバー攻撃が実施された。この際には、遠心分離機を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)がスタックスネットによって乗っ取られ、周波数変換装置が攻撃されたことにより、約8400台の遠心分離機の全てが稼働不能に陥ったこともあった。

これにより、サイバー攻撃によって核施設や重要施設を一発の銃弾を撃つこともなく機能不全ないし、攻撃することが可能であると立証されたのである。

そのうえ、周辺各国は既に正規戦、非正規戦、サイバー戦、情報戦等を組み合わせたハイブリッド戦争を行っていることが確認されている(というよりも、CIAが舞草を支援するため登録されていない潜水艦と公的身分はフリードマンが経営する警備員の正規兵扱いされないトーマスとロークを送っていたりする。)ため、国防を預かる甲斐としては焦っていたのである。そんな理由もあり、甲斐はサイバー攻撃の対策と発展、そして最終的にはハイブリッド戦争に対応する安全保障政策と戦略の研究は必須であり、重要なことであった。

 

(間に合えば良いが……。)

 

甲斐は我が国がサイバー戦とハイブリッド戦争の対抗策に遅れ、その脅威に晒されることにより、自国の国益が損なわれることが無いことを願っていた。

そんな理由もあり、甲斐は真希の提案に乗るのだが、それを真希はまだ知ることはなかったのであった。

 

「……その部隊には、何が必要となるかね?出来れば、その部隊に関する詳細な内容を書類に記載し、朱音様に見せてみてはどうかね?…宜しいでしょうか?」

 

甲斐は朱音に目を配らせ、それで良いか尋ねていた。

 

「……それは是非、私も見てみたいですね。」

 

朱音もその気になったのか、真希が構想する部隊がどのようなものか詳細な書類にして送って欲しいと、真希に指示を下していた。

朱音としても、現場で活躍する刀使の意見を聞き、それを汲み取って、少しでも荒魂事件の増加で疲弊している刀使達の辛労が減るのであれば、というのが本音である。

 

「はっ、承りました。」

 

朱音と甲斐が自分の話に乗り気であることに真希は内心ほくそ笑んでいた。

理由としては、部隊編成上必要のため新型S装備の導入数を多くして貰うように要請し、刀使の個人の戦力を向上させ、人員不足による刀使全体の負担を軽減することが可能となるかも知れないからである。

そのためには、先ず朱音様に閲覧してもらうが、甲斐に送る書類には新型S装備以外にも多くのヘリとUGVやUAVといった必要以上の物資が必要と書き、甲斐に一回断らせたあと、真に必要な物のみを記載した書類を書いて送り、新型S装備の導入数を増やして貰おうとしていた。

 

(……ハイブリッド戦争は平時と有事の境界線を、あらゆる物を曖昧にするとも言われていたな。そう思うと、奇妙な物だな。荒魂を刀使と偽って戦場に送る。……誰もそのことに疑問も抱かずに。)

 

甲斐はハイブリッド戦争のことを考えていたせいか、衛藤 優という“荒魂”が“刀使”と偽って活躍していたなと思い出してしまった。

スペクトラムファインダーを改竄すれば、誰も“荒魂と化した人間”だと思わない。だとすれば、スペクトラム計が指し示すだけで荒魂扱いし、斬って祓うのは本当に正しいことなのか?荒魂と人の境界線も曖昧なのではないのか?

 

……本当に奇妙なことを考えていると甲斐は改めて実感していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お父様?」

 

そして、真希は知らないが、舞衣の一本の父親からの電話が引き金となって、始まる苦難。

それから、後に彼女達と真希はエライ目に遭うこととなる。




 
中国の超限戦を読み、ロシアのクリミアを併合を見ると、これら周辺各国はかなりのサイバー戦能力とハイブリッド戦略が進んでいるんじゃあと勘ぐっていますが、真実はいかに。
あと、個人的にはアニメ本編で出ていたヘリは多分、アグスタウエストランド AW139(警察航空隊に使われている。)だと思うんですが、真実はいかに。

あと、ロークとトーマス爺ちゃんの立場は正規兵ではなく、一般企業に居る元傭兵の警備員という一連の設定のパクリ元はプーチン皇帝のクリミア危機・ウクライナ東部紛争当時のやり口。
 
 

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