乙女(A-RISE)は年下の女の子?に恋してる。   作:CLOVER

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こんばんは、第五話となります。
初感想を貰えて、とてもとても嬉しいです。

今回お話は若干長くなってます。


理事長先生の本音

 

 

 

 

「そうね、じゃあまた明日ね、七音さん♪」

 

 

 

「は、はい、優木先輩もありがとうございました。ゆっくりと休んでください」

 

 

 

 

 

 私は三人の先輩達にお礼の言葉を伝えて部屋の中に入り"鍵を閉め"靴を脱いで奥の部屋へ向かう。部屋を見まわして窓のカーテンを閉めて、制服の上とスカートを脱いでハンガーへ。ネクタイを緩めて外し、上着を掛けたハンガーの内側へ掛ける。そしてワイシャツの上から3つほどボタンを外して軽く息を吐いてから、ベッド脇にあるサイドテーブルの上に置かれている封筒を手に取り裏を見ると母の口から聞いたことのある名前が書かれていた。確か……理事長先生のことだよね、……確認の為、開いて中身の手紙を取り出す。

 

 

 

 

 

 【七音八千さんへ

 

 

 

――事情はアナタのお母さんである七重さんから詳しく聞いて胸を痛めています。……同じ教育の現場に居る身の者として、今回の事は重く受け止めるべき事と心に留めているところです。 と、私がどれだけの言葉を紡いでも……八千さんの気持ちを軽くする事も傷付いた心を癒やす事もできないでしょう事は理解しています。ですが、どうか……何か小さな事でもあれば私を頼ってください。七重さん自身のお願いを抜きにしても、私はアナタが小さな頃からずっと見てきました。照れた顔が可愛く、また、七重さんと私が意気投合し過ぎて帰りが遅くなると"迎えに来てくれ"ましたよね……。アナタのその優しい心を、私は大事にしたいのです。明日は編入後初の授業となります、今日はとても疲れていると思いましたので部屋に備え付けてある冷蔵庫に夕飯を入れて置きました。私の手作りです、味には問題ないと思います。それと、ベッドメイクの方も私がしておきましたので安心して休んでください。それでは――――――――理事長=藤澤透子】

 

 

 

 

 

「……理事長先生、気を使わせちゃったかな…………」

 

 

 

 私は手紙を封筒に戻しサイドテーブルに元あったように置くとベッドに横になる。もと居た家からここまで、それほどの距離では無いけど……疲れたのは確かなのだ。目まぐるしい日だったな……。 ……あ。

 

 

 

「電話しないと、ね」

 

 

 

 私からの電話に多分直ぐに出るであろう人物の携帯をコールして鳴らす。1コールで出ました(白目)

 

 

 

『もしもし八千?』

 

 

 

『もしもし、母……お母さん、何とか無事にUTX学園に着いて……事務所で手続きをして鍵を受け取ってから、理事長先生に挨拶をして……寮にある私の部屋に移動して……今は理事長先生が気を使ってくれて予めベッドメイクをしてくださってくれたの。今はそのベッドで横になっているところ……です』

 

 

 

『成程、先ず……八千、ワイシャツが皺になるから着替えなさい。皺付けのワイシャツで授業に出ては駄目よ。 でも、言葉遣いを守れている点は合格。電話での出だしは駄目だったけれど』

 

 

 

『……プライベートな時くらい、普通に話しては駄目なの? お母さん』

 

 

 

『何事にもボロが出ないようにする為よ。……最も、バレてもよければ構わないわよ私は。ここで高校中退だったとしても、"貴方"の生涯を終えるまでに掛かるお金は既に十分に手元にあるのだから――』

 

 

 

『……バレたくは無いんですけど…………』

 

 

 

『なら、しっかりと振る舞いに気をつけなさい。例え、"貴方"でなくとも女の子達は皆がみんな、立ち振る舞いと発言には気を付けているのだから』

 

 

 

『わ、わかっ……わかりました。 それより一つお母さんに聞きたい事があるのだけれど……いいですか?』

 

 

 

『油断はだめよ。……で、どうしたの?』

 

 

 

『実は今日、こちらを尋ねて来て事務所に行こうとした時に……目元を隠している前髪のせいで視界が悪くて、そのせいで女生徒……三年の先輩とぶつかってしまって……。勿論すぐに謝罪はしたのだけれど。ただ、"袖擦り合うも多少の縁"と言うか……これも出会いと取られて、案内役をかってくださって……。確かに助かったの、だけれど……その、紡がれた縁の先輩方は三人いらっしゃるの。それで……お一人にだけなのですが、その……首筋に触れられたり、腕を組んで密着して来たり、とかされてしまったのだけれど……もしかして、私の事バレているのでしょうか?』

 

 

 

『…………バレてはいないと思うわよ。八千、貴方……臭い物、食べてないわよね? 体臭が変わるから食べては駄目よ絶対に。……可能性があるとしたら、――だけれど』

 

 

 

『だけれど?』

 

 

 

『もしかしたら、あなたの身体から発せられる"男の子の、男性フェロモン"に惹かれているのかも』

 

 

 

『…………それって、私にはどうにも出来ない事じゃ無いですか?』

 

 

 

『ちなみになんて言う娘なの?』

 

 

 

『UTX学園の顔と言えるスクールアイドルグループA-RISE、そのメンバーの優木あんじゅ先輩だよ。 ちなみに案内をかって出て下さったのは綺羅ツバサ先輩。A-RISEのリーダーをされている方。 優木先輩に腕を組まれて、困惑している私から優木先輩を離してくれたのが統堂英玲奈先輩、A-RISEのメンバーなの……全員』

 

 

 

『私の子供ながら凄い縁を紡ぐわね……あった、UTX学園スクールアイドルA-RISE。スクールアイドルの世界でトップオブトップ、実力も人気も桁外れね。で、問題の優木あんじゅさんは――――……成程。私から見た感じのあくまでも第一印象ではバレてはいないでしょうね』

 

 

 

『よかった……』

 

 

 

『ただ、八千には今まで話していなかったけれど、女の子はね……"自分が求める相手を匂いで判別して見付けるの"だから……仮説って言うか、まあ十中八九だけれど――優木あんじゅさんには、"七音八千"が"求める相手ってこと"』

 

 

 

『――――――――え?』

 

 

 

『それと、元来、女の子は群れるもの。そうなるとボディタッチとかのコミュニケーションが多くなるだろうから……"貴方"のことがバレないように気を付けてね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 続く

 




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