やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
誤字脱字報告ありがとうございます。
結構空いてしまいました。
二パターン考えていたんですが、どうも絞り切れなくて、休みに入り今日は待ったり過ごしていたんですが……布団に入った瞬間にこっちだ!!と……パソコン開いて書いて、今投稿ですw
横島師匠に乞われて、代わりに平塚先生とコテージに泊まる事に……
はぁ。仕方がないだろ?こうでもしないと後でとんでもないことになる。
横島師匠は平塚先生と一緒になる事を望んでいないが、2人っきりでコテージに泊まらせてみろ。
あの煩悩の塊のような師匠は、地雷女とわかっていても、平塚先生の誘惑にあっさり負けてしまい、一晩のうちに既成事実が出来上がってしまう。
横島師匠だけの話であれば、それも致し方が無い。
責任取って結婚しろと声を大にして言うだろう。
しかし、それはキヌさんや小竜姫様を悲しませる結果になる。
それだけではない。横島師匠と平塚先生が結婚して、もまともな夫婦生活など望めないだろうしな……横島師匠はGSである前に、妙神山の内弟子でもある。要するに神様の直弟子なのだ。
そんな事情に一般人である平塚先生を巻き込む事は出来ないだろう。
平塚先生にとっても、とてもじゃないが幸せに成れるとは思えない。
まあ、俺だったら、平塚先生と同じコテージで一晩過ごした所で別に問題ない。
平塚先生と同じ屋根の下で寝たとしても、そんな事にはならないだろうからな。
第一俺が先生をそんな対象として全く見ていないからだ。
確かに俺の目からみても美人でスタイルがいい。
だが、先生は仮にも俺の学校の担任であり、恩師だ。
しかも、あの性格を知ってるからな……。
女性としてもう見ることが出来ない。
先生側からもそうだ。
恋愛下手で、年齢的に切羽詰まって、相当拗らせているからといってだ。
あの人が自分の教え子であり、さらに現役の学生である俺に手を出すとはとても思えない。
教育者として、信念をもってるしな。
さらに言えば、先生からすれば、俺みたいな小僧を恋愛対象として見れないだろう。
もしだ。西条さんに代わって貰った場合はどうなるのだろうか?
平塚先生が暴走して、襲ってしまうのだろうか?いや、流石にそこまで節操が無い事は無いだろう。
うーん。問題は西条さんの方だろうか。あの人、かなり女性慣れしてそうだしな。
遊ぶだけ遊んで、平塚先生をポイ捨てしそうで怖い。
恋愛を拗らせすぎた平塚先生はショックで精神に異常をきたしてしまいそうだな。
西条さんが刺されるまである。
やっぱり俺が一番妥当だったな。
そんな事を考えながら、俺はソファーで横になっていた。
俺が平塚先生のコテージに到着した際には既に先生は寝室で寝てしまっていたようだから、先生を起こさないようにリビングのソファーに、タオルケットを掛けて横になっていた。
日本との時差のせいで、なかなか寝付けず、スマホのチェックやら、考え事をしながら過ごしていたのだが……
平塚先生が起きる気配がするな。
寝室から出て……トイレか?
ん?ここのソファーに近づいてくるな。
俺がここで寝てる事を知らないだろうから……何か探し物か?
面倒だから寝たふりで誤魔化すか。
俺はタオルケットを頭までかぶせ、眠っているふりをする。
ん?なんだ?急に止まったぞ。
……なんかカサカサと音がするが。
ん?さらに近づてきたぞ?
んん?んんーー?
ちょっとまてよ!?
平塚先生はいきなりタオルケットを剥がし寝てる俺に覆いかぶさって来た!!
ソファーの上で横に寝ていた俺を強引に仰向けに!!
ま!?マジか!?お、襲われてる!?
「ちょーーーーーー!!!まったーーーーーーー!!!」
平塚先生の顔が目の前に!!
そして、お互いの目が合う。
「え?ええ?比企谷!?ええ!?……え?……え?……」
平塚先生は俺だと認識したようだが、目を大きく見開いたまま固まって放心状態のようだ。
たぶん。横島師匠だと思って襲ってきたのだろう。
しかし、師匠だと思っていたのが俺だったもんだから、顔を見て俺だと認識してはいるが、頭がついて行けていないのだろう。
「その……比企谷です」
俺もあまりの出来事に、何とか言葉にすることができたのは、この一言だけだった。
「……き……き、きききいゃあーーーーーーーーーーっ!!」
先生は悲鳴を上げ俺から飛びのきソファーの端で身じろぎをする。
きゃーーーーって、俺が叫びたい!
俺は慌てて、ソファーから飛び起き、近くの柱にあるスイッチを押し、リビングの灯りをつける。
「ひ、比企谷がなんで!?……なんで比企谷が!?」
半分放心状態の平塚先生がソファーの端で俺に指さしていたが……
……一糸まとわぬ姿だった。
「せ、せせせ先生、き着てください」
目のやり場に困る!……目をそらさないといけないが目が自然にそっちに行ってしまう。
俺は慌てて、自分のTシャツを脱いで、目をそらしながら放り投げ気味に渡し、距離をとる。
「いっ!いや…いいっ!ううううっ!!見た……見たの!?」
俺のTシャツで胸を隠し蹲る先生。
「そ、その……すみません」
モロ見てしまいました。その、女の人の裸を生でまともに見たのは初めてで……その……あれであれでその……その……その………
顔が真っ赤になるのを感じながら、俺はそこにあったタオルケットを平塚先生に掛ける。
「ううっううううっ」
平塚先生は掛けたタオルケットで身を包み、顔まで隠しそのままソファーの端で再び蹲る。
どうやら泣いてるようだ。
俺はこの場で何をしたらいいのか、先生にどうやって声を掛けていいのかも分からず、ただその様子を伺う事しかできない。
「グスッ…ううううっうう」
そりゃそうだよな。
男女が二人っきりの部屋で、しかもハワイでこんな雰囲気の良い場所で、男が何もしてこない。
もしかすると、この時点で女の先生は女のプライドやらが傷つけられたと感じたかもしれない……それでも先生は、恥を忍んで自らアプローチを掛けた。
でも、そこにいたのは、好いた男ではなくて、別の男だった。
しかも、教え子ときたもんだ。
ショックはデカいだろう。
完全に袖にされたと思っても仕方がない。
俺の思慮が足りなかった。
俺がコテージに入った時点で、先生が寝室で横になっていようが、声を掛けるべきだった。
そのせいで、先生を深く傷つけてしまった。
すすり泣く先生にようやく言葉が出た。
「……先生すみません」
「うううっ、わかってる。君が悪いわけじゃないんだ……でも、でも……」
「……そのすみません」
「ううぅぅっ」
「あの、その横島師匠はちょっと、仕事で……一人で先生を置いておくわけにいかなかったんで俺が……すみません。俺出ます」
俺はすすり泣き蹲る先生にそう言って、コテージの外に……
「……いい、ここに居てくれ」
タオルケットに蹲り、すすり泣きをする平塚先生はポツリと俺にそう返事をする。
「わかりました」
先生が端で蹲るソファーの対面に座る。
暫くして、先生はタオルケットで覆いかぶさったまま、話し出した。
「………私はなけなしの勇気を振り絞ったのだ。自ら行くなんてふしだらな女だと思われるかもしれないし……何より恥ずかしい………でも結果はこれだ」
「……」
「グスッ…いつもそうだ……うまくいかない」
「………」
「……なんだ。何も言わないのか?笑いたければ笑え、哀れな三十路女を」
平塚先生はタオルケットから顔上半分を出し、俺に鼻声でこんな事を言う。
俺の事をタオルケットから覗き見るその目には涙が溢れ真っ赤だった。
こんな先生の姿を見て笑えるわけがない。
「………その」
「………何を言ってるんだろうなわたしは……自分の教え子に……しかも、こんな醜態をさらして教師失格もいい所だ。グスッ」
「先生……先生は先生である前に女性です」
「……しかも、ひと回りも年下に慰められるとは……グスッ」
「その、先生は焦る必要はないです。焦るから空回りをしてる。余計な事を考えて、とんでもない事になる。悪循環ですよ」
「……グスッ…私にいまさら説教か………」
「そう言うわけじゃないですが」
「比企谷…そのだ。……私の下着と寝間着を持って来てくれ……私は動けない」
「え?し…下着ですか?」
「ソファーの後ろの床に落ちてる……それともこんな状態の私にとりに行けと?」
先生は鼻声だが拗ねた感じだった。
「……わかりました」
俺はソファーの後ろに落ちていた。純白のレースのブラジャーとパンツ、ちょっと透け気味のネグリジェを拾い……先生の前に持って来ると、先生はタオルケットから手を出し受け取る。
「……比企谷、後ろを向いてくれないか……そ、それとも私の裸をまた見たいのか?」
どうやら、先生は冗談が言えるぐらい少し余裕が出てきたようだ。
俺は素直に後ろを向く。
先生のカサカサと下着を履く音が、部屋に響く。
「……う、流石にこれは恥ずかしいな。……比企谷、まだ後ろを向いてくれ」
先生はそう言うと、寝室の方へ足早にかけて行く気配と音がした。
俺もそう思う。あの透け気味のネグリジェは少々刺激が強すぎる。
そ、そのだ。以外というか……あれだ。先生はスタイル良いからな。
俺は先生の裸をつい思い出してしまい、顔が熱って来るのを感じる。
お、落ち着け俺。あれは先生だ。平塚先生なんだ。……よし落ち着いた。
とりあえずは、先生も落ち着きを取り戻してきたようだ。
一時はどうなる事かと思ったが……
普段は男勝りなのに、恋愛下手で、とんでもない行動に出る癖に、その実は乙女な感じだった。
先生もやっぱり女性……いや、女子だったんだな。
寝室の方では鼻をかむ音が聞こえてくる。
暫くして、先生はジャージ姿になり、戻って来た。
「比企谷。さっきは悪かった。この通りだ」
先生は俺に頭を下げる。目元は真っ赤だったが、いつもの先生の感じだ。
「俺の方こそすみません。思慮が足りてませんでした」
「そ…それでだ。比企谷……先ほどまでの事は、忘れてくれたら……その…助かる」
先生は恥ずかしそうに、もじもじとこんな事を言って来た。
……乙女チックな感じになってるぞ?
「……わ、わかりました。忘れます」
なんか気恥しいんだが、先生にそんな対応されると異様に気恥しいぞ。なぜだ?
「そうだ!飲もう!忘れるのには飲むに限る!!」
「いや、俺未成年なんですが……まあ、ジュースで付き合いくらいはできますが……」
「それでいいぞ!私の愚痴をたんまり聞いてもらうからな!!」
この後、先生とリビングのソファーで隣同士で座り、プチ飲み会が始まってしまった。
なにこの光景……。
「比ー企谷!明らかに由比ヶ浜の様子がおかしいぞ!というかだな!お前に明らかに積極的にアピールしてるではないか!!何があった!!」
先生は冷蔵庫にあったワインのボトルを開け、俺の背中をバンバン叩きながらこんな事を言って来た。
絡み酒かよ!……その飲み方もやめた方がいいんじゃないか?男が寄り付かない一因じゃないのか?
「……何もないです」
「……うそつけ!!あれは絶対何かあった!!由比ヶ浜からは女の臭いがする!!それだけじゃない!!雪ノ下もだ!!あの目は恋する乙女の目だ!!私と一緒でな!!」
「そ、そうですか」
言えない……先生には言えない。
二人に同時に告白されたなんて言ったら、先生はどうなってしまうのだろうか?
絶望に打ちひしがれてしまうのではないだろうか?それよりも俺の命が狙われるかも……
「由比ヶ浜も!雪ノ下も!お前を見る目が『♡』だぞ!!乙女だな!!間違いなく私と一緒で乙女だな!!」
なんで、そこで自分を乙女アピール?
しばらくこの話題で俺は攻められるが、のらりくらりと回答を避ける。
そのうち……
「ううううっ、なんで私には男が寄り付かないんだーーー!!横島さんはいつもいつも私から逃げるし!!あーーーー!!私の何が悪いんだーーーー!!」
先生は泣き上戸と絡み酒が一体化した何かになっていた。
男が寄り付かない原因はそう言う面倒くさい所ですよ!
この人の酒はいい酒じゃないな。その飲み方をやめた方がいいんじゃないか?
次は……
「私は、自分でも結構美人な方だと思うのに……体もちゃんと手入れして維持してるんだ。自分でもなかなかの体型だと自負があるのに……なんで男が寄り付かない?男から見たらダメなのか?なぁ、比企谷お前から見て私の体と容姿はどう思う?わ、私の裸を見ただろ?」
急に乙女チックになってるし。
そう言う話は女友達とかにするもんじゃないのか?なんで男の俺に?しかも体型とか……確かに生まれたまんまの姿を見た。見たけども!確かにキレイだなと思ったが、そんな事を潤んだ目で俺に聞かないでくれ!
俺の精神が持たない!
そんで……
「比企谷お前、結構いい身体つきしているな。筋肉も結構ついてる。細マッチョという奴か……これが男の体か……」
や、やめてくれませんかね。べたべたと人の体を触るのは!
しまった事に、今の俺は上半身裸なんですが!!平塚先生にTシャツは返してもらったが、その先生の胸元を隠すために抱きしめられてたTシャツをそのまま着るのは、流石に恥かしいから着てなかったんだが!
しかも、ほんのり顔を赤らめて言わないで!俺の方が変な気分になって来るから!!
落ち着け俺……これは先生だ。平塚先生なんだ。……よし落ち着いた。
平塚先生はこんな調子で、酒を飲みながら、夜中ずーっと俺に絡んできた。
……あんな事があった後だ。流石に邪険にできないが、かなり面倒だった。
はぁ、色々と言いたいことはあるが……まあ、今回だけは水に流しますよ。
俺はソファーで横になって寝息を立ててる平塚先生にタオルケットを掛ける。
……日が入って来た。
もう朝だな。
平塚先生が寝てる内にシャワーを浴びるか。
酒臭いと、平塚先生の香水の匂いがうつってるしな。こんな状態で元のコテージに戻ったら、横島師匠に何を言われるか分かったもんじゃない。
俺はシャワーを浴びた後、ソファーで寝てる平塚先生に声を掛ける。
「先生起きてください」
「ひ、比企谷?……私は……その、あのだな。なんて言うかすまん」
先生は俺の声に飛び起きて、ソファーの上で正座して頭を下げる。
「別にいいですよ。俺は一度向こうのコテージに戻るんで、その間にシャワーでも浴びてください。
流石に少々酒臭いですよ」
「さ、酒臭いと言うな。これでも私は乙女だぞ。……でも、ありがとな比企谷」
先生はタオルケットで半分顔を隠して、恥かしそうにしていた。
こういう反応は乙女なんだよな。
どうすりゃいいんだ?この人。
男勝りだったり、乙女チックだったり、恋愛暴走して積極的になったりと……
俺は元のコテージへと向かう。
先生はなんというか、普段はしっかりしてるが、私生活がだらしない姉みたいな感じだな。
何このギャルゲーみたいなキャラ設定。
元のコテージの扉を開けると……
「酒くさ!?……横島師匠はああ見えて酒は嗜まないから、西条さんか?」
コテージの中は酒の匂いが充満していた。
俺は窓を開けながら、部屋の中を見渡す。
酒瓶があちらこちらに散らばってる。
……ん?ソファーには西条さんか……あれは酔いつぶれて寝てるな。
よく見る光景だ。美神さんに酒を付き合わされて、ダウンしてる姿を……
俺は着替えを取りに行くために寝室に向かう。
んん!?
おいーーー!!なんだこれ!?
平塚先生が随所に乙女な感じが出てれば幸いなんですが……なかなかうまいこと書けない。