やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

135 / 188
感想ありがとうございます。
誤字脱報告ありがとうございます。

続きです。


(135)後始末

「比企谷君……助かったわ」

 

「いえ、俺は……結局ドクター・カオス氏とマリアさんに助けられました」

俺は今、オカルトGメン東アジア統括本部の管理官室に出頭していた。

今日の総武高校での稲葉による大規模霊災テロの報告をするためだ。

目の前の東アジア統括管理官の美神美智恵さんは応接セットのソファーに深く腰を沈め、背もたれに体を預けていた。

美智恵さんは何時もの凛とした佇まいは薄れ、窶れてる様に見える。

普段から忙しい身なのに、今回の関東の同時多発霊災テロだ。心労疲労共にピークなのだろう。

日付もそろそろ変わる時間帯だが、この霊災テロの対応でオカルトGメン東アジア統括本部ビル内は今も慌ただしい。

 

 

総武高校の大規模霊災テロはドクターとマリアさんのお陰で、生徒、教職員誰一人として怪我人を出さずに終息に至る。

俺だけだったらどうなっていた事か……。

最悪俺も力尽き、体育館に避難していた生徒達や教職員も全員オークの餌食になっていたかもしれない。

ドクターとマリアさんの救援が確実だと気が付く前は、俺一人で小町を奪還し、稲葉を倒し、オーク・ジェネラルと直接対決をするつもりだった。

その間、体育館はオーク共に襲われるだろうが、結界は暫く持つだろうと……。

オーク・ジェネラルと稲葉さえ何とかすれば、勝機はあると踏んでいたからだ。

それもかなり分の悪い賭けだ。

オーク・ジェネラルが一番厄介だが、ダーク・アンド・ダーククラウドの今回使ってないもう一つの力を発揮できれば何とかなると踏んでいた。但し、現段階ではコントロールも上手く行かない可能性もあり、霊力をかなり消費するため最後に残しておく手だ。

更に、異界の門からはオーク共が無限に近い感じで現れるため、後は俺の体力何時までもつかの勝負ともなる。

幾つかの賭けに打ち勝って漸く勝利が得られるだろうという程度の物だった。

 

ドクターとマリアさんが救援に必ず来ると気が付いた後は、随分と心に余裕が出来たもんだ。

俺は時間稼ぎと小町の奪還に全力を注げばよかったんだからな。

 

それにしても、やはりドクターは本物の天才だ。

あの大規模結界に外から無理矢理大穴を開けたり、異界の門を消滅させたりとか……初見であんなことが出来るなんて普通はあり得ないだろう。

それとマリアさんだ。あれだけの数のオークとAランク相当のオーク・ジェネラルを一方的に屠るなんて……。俺の予想の遥か上を行く強さだった。

多分、マリアさん単体でもSランクの力は余裕であるだろう。

いや、下手な軍隊よりも強いんじゃないか?

 

ドクターとマリアさん、ついでにロボコップ犬サブレとお使い家事ロボットが、此処に救援に現れた理由は、やはり由比ヶ浜の存在だった。

ドクターは由比ヶ浜を何だかんだと、孫のように思っているようだし、マリアさんとは姉妹のような感じだ。そんな二人が由比ヶ浜のピンチに駆けつけないわけが無い。

 

由比ヶ浜の携帯と腕時計やその他持ち物には、本人に黙ってドクターがGPS等の発信機やセンサーを忍ばせていたらしい。

あの大規模結界のせいで電波が遮断され、発信機類のほとんどの反応が途切れたそうだ。

だが、よくわからないが、超次元微粒子電子信号とやらだけが結界の影響を受けずに反応していたそうだ。

そんな状況から、由比ヶ浜が何かのトラブルに巻き込まれた可能性が高いと踏んで、ドクターの長いトイレが終わり次第、飛んで来たそうだ。

 

あの由比ヶ浜の時計の警報音とカウントは、GPS反応が途切れた際に15分後に由比ヶ浜を守るための防御スーツが展開するための物らしい。

ただ、カウントなんて関係なしに由比ヶ浜の体に異常を感知すれば、即座に反応し、由比ヶ浜を守るための高性能防御スーツが展開するとのことだ。

あのピンクレンジャーみたいな恰好がその防御スーツなんだそうだ。

そんな理由なら、あんな警報音もカウントダウンも意味が無いだろう。

テロリストに掴まったとかのシチュエーションでは、あんなうるさい警報音とカウントダウンは、思いっきり怪しまれて、由比ヶ浜が逆に窮地に陥るんじゃないかと思う。

マリアさん曰く、カウントダウンと警報音はドクターの趣味なんだそうだ。

いや……、あんたの趣味で由比ヶ浜を逆にピンチに陥る可能性があるんだが、いや、ピンチになったら防御スーツが展開するから問題無いのか……。

どちらにしろ、迷惑極まりない機能だ。

 

因みにあのピンクレンジャーっぽい高性能防御スーツ。高性能と名をうってるだけあって、凄まじい性能だ。

12.7ミリの弾丸程度だったら全く受け付けないらしく。ロケットランチャーの直撃も2、3発までだったら耐えられるらしい。何それ?重機関銃の弾も全く効果が無くて、戦車やヘリを吹き飛ばすロケットランチャーを耐えられるって、おかしくないか?

しかも各種対魔術、耐熱、対音波まで備えており、耐圧は水深100mまで耐えられるそうだ。さらにパワーアシスト機能が付いており通常の2倍から3倍の力が出るとか……。まあ、由比ヶ浜の腕力の2、3倍程度だったら大したもんじゃないが、それを差し引いても、滅茶苦茶凄いんだがそのスーツ。

それ、自衛隊とか各国軍隊が泣いて飛びついてくるレベルだろ?とは思ったものの、どうやら由比ヶ浜専用らしい。

由比ヶ浜の毛や体毛、皮膚を勝手に培養して作った代物で、本人しか装備出来ないワンオフ品らしい。

因みにガハママの分もあるそうだ……。

まあ、由比ヶ浜は何にしても安全を確保されたようなものだな。

 

 

 

ドクターが異界の門を消滅させ、俺が稲葉を捕縛し、マリアさんがオーク共を殲滅し……俺の黒歴史に加筆される出来事(パンツ一丁事件)が起きはしたが、気を取り直して体操服に着替え、美神さんとオカルトGメンに連絡をする。

美神さんの方は、2件目の霊災の対処中だったため、簡単に報告するにとどめた。

西条さんも霊災の対応中らしく電話に出なかったため、オカルトGメン本部に連絡し、

東京の同時多発霊災の対応に追われてる美智恵さんにつないでもらった。

 

俺が報告を始めると、美智恵さんは驚き、色々と俺に質問を返してきた。

オカルトGメンでは総武高校で霊災が起きた事自体把握してなかったのだ。

やはり、あの六芒星の大規模結界は完全に総武高校を遮断し、外部からは中の様子が普段と変わり映えがしない様に細工をしていたのだろう。

かなり高度な術式だ。一介のGSや術者が出来るような物じゃない。

それこそ土御門風夏さんレベルの術者じゃないとな。

まあ、ドクターにはバレはしたが、あの人を同じ人類のカテゴリーに当てはめること自体おかしいから、参考にならない。1000年以上生きてるし、きっと人間やめてるんだろうな。

それをいうなら横島師匠や美神さんも同じカテゴリーか。

 

美智恵さんに連絡後、1時間程経って、総武高校に自衛隊のヘリや軍用トラックが次々と現れる。

自衛隊の特殊作業部隊だ。隊員は200人位居たようだ。

自衛官は生徒達にグラウンドを見せないように、体育館から敷地外に救出し、グラウンドはビニールシートで覆い、その中ではオーク共の残骸処理を行っていた。

 

稲葉はというと霊能犯罪者専用の護送車でオカルトGメン管轄の施設へと運ばれる。

六芒星の大規模結界を形作っていた霊具や術式が埋め込まれていたトラックも自衛隊が運び出していた。

トラックを運転していた人間は事情聴取が今も行われてるだろうが、どうやらただの雇われ人のようだ。

因みに、ドクターがトラックを調べに行ったのだが、術式は既に跡形もなく消し飛んでいたそうだ。

稲葉の身に何か起これば、自壊するように設定していたのだろう。

あの規模の結界を形成するエネルギーにはさぞ高級な精霊石やらの霊具が使われてるのだろうと思ったのだが……違っていた。

ドクターがトラックの荷台中で見たものは複数の魔獣の成れの果てだったそうだ。

魔獣の魔力だか霊力を吸い上げ利用していたという事だ。

普通の人間を利用するよりも、力が強い魔獣の方がエネルギーを得られるからだろうとも言っていた。

それでも結界の稼働時間はドクターの見立てだと3時間が限界だろうと……、あの大規模結界にはタイムリミットがあったと言う事だ。

3時間か……。

ただのオークだけだったら、俺一人でも対処できただろう。

だから稲葉は、俺が異界の門から現れるオーク共を一方的に次々と倒す様子を見て、焦りを感じ、俺の目の前に現れ、小町という人質のカードを切ったのだろう。

 

稲葉はこの霊災テロを計画し実行するにあたって、俺の存在を組み込んでいたはずだ。

だから、念のためにと小町を人質に取ったのだろう。

いや、あいつのねじ曲がった性格だと、俺の目の前で小町を如何にかするために人質としたのかもしれん。

何にしろ、稲葉は俺の実力を完全に見間違っていたという事だ。

今考えると、若手テストバトルロイヤルの時に、実力を抑えていたのが幸いしたのかもしれないな。

いや、俺が実力をさらしていたら、奴は躊躇して、この霊災テロを起こしていなかったかもしれない……だが、俺の実力を把握した上で、さらなる霊災テロを計画していた可能性もある。奴は総武高校に相当こだわっていたからな。

奴の目的はオークに多量の人間を食らわせ、進化実験を行うためだった。

しかも奴は総武高校に執着を持って狙いを定めていたのも確かだ。奴の妄想か何かの逆恨みの感情を総武高校に向けていたからな。いい迷惑だ。

奴は自分が正義だとか、この世界は欺瞞に満ちてるとか、3年半前の世界同時多発霊災を、戦争だと称していた。しかも全世界の人口の8%が亡くなったとか、日本の人口の4%がなくなったと正確な数字まで言っていたな。

妄想癖も大概だぞ。精神的に相当病んでるようだ。

 

だが、奴のバックには相当な組織があった可能性が高い。

異界の門や大規模結界を形成できるだけの術式や霊具が用意できるぐらいのな。

それに悪魔契約まで持ち出していたから、もしかすると悪魔も関わっているのかもしれない。

悪魔は人間を唆し堕落させたり、悪の道に陥れるからな。

なんにしろ、奴の事情聴取で色々と分かって来るだろう。

これで一気に一連の霊災愉快犯の全容が判明して、一網打尽に出来れば大万歳だ。

 

 

 

 

「比企谷君、本当に助かったのよ。千葉で…総武高校でこんな霊災テロが起きているとはオカGやGS協会、警察も全く把握できていなかったのよ。

君の奮戦のお陰で、総武高校の生徒教職員全員が無傷で助かったのは事実よ。カオス氏やマリアさんが応援に駆け付けるまでの30分間、よく耐え抜いてくれました……。君が生徒達を救ったのよ。誇っていいわ」

 

「ドクターとマリアさんが救援に来てくれなかったら、相当危なかったです。俺の実力では、かなり不味い状況でした」

 

「君は相変わらず謙遜が過ぎるわね。六芒星大規模結界に異界の門と無尽蔵に現れるオーク……君の報告と自衛隊から上がって来た報告を見るに、間違いなく大規模霊災に属するわ。それを君1人で耐え凌いだのだから……しかも犯人の一人と目される人物まで捕えてるわ」

 

「まあ、身内や知り合いもいるんで、何とかなってほっとしてます」

 

「……まだ、世間には公表していないのだけど、東京で起きた霊災テロは7か所、前よりも厄介ではあったのだけど規模的にいってフェイクだったようね。本命は君の所の総武高校と神奈川の公立高校の2か所。神奈川の方は……犠牲者が出たわ。かなりね。………気が付くのが遅すぎた。西条君が到着した頃にはもう…………。君の所はオークで、あっちは………」

美智恵さんの表情は影を落とし、言葉を途中で止める。

 

俺もなんて返答すればいいのかわからない。

あんな事が他の高校でも起きたのかもしれないと思うとな……

美智恵さんの窶れ様もわかる。

 

「美神さんは……」

俺が漸く出た言葉はこれだった。

美神さんにもここに来る前に連絡はしたが、まだ事務所に戻ってない。

もしかしたら、まだ霊災が続いてる場所があって、そこの対処中なのかもしれない。

 

「令子は2か所も鎮めてくれて、その後は西条君の応援に……あの子にもお礼を言わないといけないわね」

 

「そう…ですか」

 

「比企谷君には悪いのだけど、明日までに報告書を仕上げてくれないかしら……マスコミ対応も考えないといけないし、近い内には総武高校にも説明しなくてはならないから」

同時多発霊災が何とかなったからといって、事後処理に相当な労力がかかるだろう。

事後処理もそうだが、今後の対策を考えなくてはならない。

今回は特に、神奈川の高校では被害が大きかった事に、マスコミやらに叩かれるのは目に見えている。

美智恵さん、倒れなきゃいいが。

 

「わかりました」

俺はそう返事して、管理官室から出る。

 

俺は管理官室を出て、1階の待合室に戻る。

 

「お兄ちゃん、終わったの?」

私服姿の小町はソファーから立ち上がる。

 

「一応な、そんじゃ行くか」

 

「……うん」

小町は何時もの元気が無い。

あんな事があった後だ。当然だろう。

しかも、人質となってあんな怖い思いをしたんだ。

 

 

 

 

あの後、生徒、教職員は自衛隊によって、総武高校から近くの公民館を兼ねた公園まで退避が行われ、集合していた。

漸く到着したオカルトGメン事務方スタッフとオカルト関連の担当自衛官と報告と打ち合わせをそこそこにし、俺もこそっと生徒達に合流する。

因みにドクターは勝手にグラウンドやトラックやオークの死骸を調べまくっていて、自衛官の人が迷惑そうだったのが印象的だった。

ドクターはフランスのSランクGSの免許を持ってるから、自衛官も野放しにするしかないのだろう。

 

生徒、教職員全員、自衛官からの簡単な質問と簡易なメディカルチェックを受ける。

校長と教頭と一部の先生はどうやら、自衛隊の担当官とオカルトGメンのスタッフと打ち合わせをしていた。

本来、俺もそれに参加しないといけないだろうが、生徒の目もあるため、俺はその場では参加していない。

 

その後、校長が今回の霊災に誰一人として怪我人も出ずに乗り越えられたことに、喜びの意を述べ、当面の話をする。

学校は最低でも10日間の閉鎖となり、学校に入る事が出来ないという事だ。

当然の処置だろう。これ程の霊災だ。現場検証も後日念入りに行うだろう。

俺も何日か参加しないといけないだろうしな。

学校側にとって幸いだったのは、明日から夏休みだということだ。

夏休み中に活動する部活については、各顧問から追って連絡をするとの事。

学校に置いてきた荷物などは後日、生徒達に渡されるが、最低でも4、5日かかる事が告げられる。

その後、オカルトGメンのスタッフが今回の霊災について簡単な説明を行い。

最後に、校長の挨拶で解散となった。

 

俺は九州と北海道に出張中の両親に電話を掛けると、親父は小町を心配して、速攻帰ると言い出したが、現在東京も霊災テロの影響で交通機関が麻痺してるため、今日中には帰れないようだった。

俺はこの後、残って現場検証をしないといけないし、多分事務所にも行かないといけないだろうから、小町を一旦家に送ろうと思ったのだが、小町は俺から離れない。……あんな怖い目にあったんだ。流石に独りにさせておくわけにもいかないか。

由比ヶ浜が由比ヶ浜んちに来ないかと小町を誘ってくれたのだが、小町は俺と一緒がいいと言う。普段こんな事は言わないんだが。

由比ヶ浜の家なら俺も小町を安心して預けられる。

由比ヶ浜の家は日本で一番安全かもしれないし。

なにせドクターとマリアさんに、ロボコップ犬サブレやらと、下手すると軍隊の大部隊に匹敵するような戦力が居座ってるからな。

日本ではごく一般的なマンションの一室なのだが……。

由比ヶ浜は元々雪ノ下のマンションに泊まる予定だったようだが、変更して、雪ノ下が由比ヶ浜の家に泊まる事にしたらしい。

こんな事があった後でも雪ノ下は実家に帰ると言う選択肢はない様だ。

由比ヶ浜の家の方が安全であることは確かだが、それよりも陽乃さんが雪ノ下を心配して、車ですっ飛ばして京都から帰ってきそうだけどな。

一色は一色で俺に家まで送って欲しいと、怖かったとか泣きまねしながらあざとく迫って来るが、俺は即答で断る。

一色はもっと迫ってくるものだと思ったが、俺にずっとくっ付いたままの小町を見て、今日は小町ちゃんに譲って上げます、とか言って引き下がってくれた。

いや、譲るも譲らないもないんだが……。

 

マリアさんには礼を改めて言うが、ドクターはいつの間にか居なかった。

由比ヶ浜と雪ノ下は合流したマリアさんとロボコップ犬サブレと家路にと……。

 

俺は学校へ戻り、現場検証をオカルトGメン事務方スタッフへの説明を兼ねて行う。その間小町には、自衛隊が設営したテントで待ってもらう。

 

夕方には一応の今日の現場検証を終えたが、後日にも再度実施予定だ。

 

俺は小町と一旦家に帰り、その後は事務所に行くつもりだった。

美神さんに報告はもちろん、GS協会やオカルトGメンにも顔を出さないといけないかもしれないからだ。

 

だが、東京と神奈川の主要電車はストップしたままだ。

どうしたものかと思案してると、美智恵さんから電話がかかって来て、迎えの車を向かわすから、オカルトGメン東アジア統括本部に報告に来てほしいと頼まれる。

迎えに来たのはパトカーだったが、小町を一人にさせておくわけにもいかず、一緒に行くことに……、ご近所にあらぬ誤解を招かないといいんだが……。

首都圏の主要道路が麻痺してる中、なんとか時間をかけて到着し、今に至る。

 

 

 

俺と小町はオカルトGメン東アジア統括本部を出て、歩いて美神令子除霊事務所へと向かうことにした。

此処から歩いたって、20分もかからない。

パトカーで送ってくれるとは言ってくれたが、また4時間もかかるようなら、こっちの方が良いだろう。

 

 

「お兄ちゃん……、助けてくれてありがとう。……本当に怖かった」

 

「いや、怖い思いをさせてすまなかった。もっと強かったら……」

 

「うううん……あの時のお兄ちゃん、ちょっとかっこ良かった」

 

「そうか?パンツ一丁だっただろ?」

 

「ちょっとしまらなかったけど、でも……お兄ちゃんはカッコいいんだってわかったの……だから雪乃さんや結衣さんは……」

 

「……ふう、そう言えばあの後、あいつ等、何も言ってなかったけど、小町が説明してくれたからか?」

パンツ一丁姿であいつらの前でしばらく堂々としていたからな。

非常時じゃなかったら、唯の変態だ。警察に通報もんだよな。

……というか、横島師匠って、裸でも平然としてるよな。

多分、あんなシチュエーションでも堂々としてるか、きっとギャグで乗り切るんだろう。

 

「うん。ちゃんと説明しておいた。パンツ一丁のままで、小町を助けてくれたって……」

 

「んん?それって、説明になってないんじゃないかな、小町ちゃん」

いや、もっとあるだろ?稲葉に脅され、仕方なく霊具と共に服を全部脱ぐことになったと、説明しないと伝わってないんじゃないか?

 

「大丈夫だよお兄ちゃん。みんな、喜んでたんじゃないかな」

いや、小町ちゃん、それはそれでおかしくない?喜ぶって、あいつ等男の裸を見て喜ぶ趣味でもあるのか?

 

なんにしても、小町とあいつらが無事でよかった。

 

俺は小町と手をつなぎながら夜の街中を歩き、事務所へと向かった。

 

 

 




なんとかケリ(書けて)がついてよかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。