やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

前回のシリアスからの、これです。


(138)グランドファザー来襲

夏休みに入り1週間が過ぎる。

漸く関東同時多発霊災テロ事件の現場検証等のオカルトGメンからの出向依頼はひと段落を終えた。

 

キヌさんの体調も、横島師匠が長期海外出張から帰って来てくれて、文珠による回復で元通りに……

しかし、キヌさんは東北の実家に戻った。

神奈川の霊災は悲惨だったと聞いてるし、心優しいキヌさんの事だ、心を痛めてるに違いない。心の療養にも、実家の家族と過ごした方が良いに決まってる。

元々この夏休み前半に実家に帰省の予定だったし、丁度良かったのだろう。

美神さんはわざわざキヌさんの実家まで自ら車を運転し送りに行った。

その美神さんだが、キヌさんを実家に送り届けてから、事務所を通常営業に戻し、今日は俺以外全員依頼現場に向かった。

 

雪ノ下はキヌさんの穴埋めとして、しばらくは毎日出勤の予定だ。

今日は別件で予定があるとかで、昼からの出勤となっている。

この頃、俺の仕事ついでに事務所について来ていた小町も、今日は高校の友達の所に遊びに行ってる。

小町も気持ちを切り替える事が出来たのだろう。

元々切り替えが早い奴だし、もう大丈夫だと思いたい。

 

という事で、俺は今、事務所で一人での留守番だ。

あらかた報告書は済ませたし、午前中は雪ノ下が来るまでは書庫で術式関連の本を読みながらまったり過ごすつもりだった。

 

だったのだが……

 

「頼もう!!」

事務所の掃除を終えて、書庫に向かおうと階段をおりていたところ、外からこんな大声が聞こえてくる。

頼もうってなんだ?来客か?

 

「人工幽霊、来客か?」

『そのようです。霊気霊力測定の結果、霊能力者です』

「そうだな霊気もそこそこの内包量を感じる。美神さんの知り合いか?」

『来客登録に該当ありません』

人工幽霊に尋ねるが、どうやらこの事務所に来た事が無い人物のようだ。

霊気の質からそこそこの霊能力者だと言う事はわかる。

 

「ふう、特に怪しい気配は無さそうだし……」

俺はビルの一階に降り、ビルの玄関を開ける。

 

大声の主は、和装姿の年は70歳中頃から80歳ぐらいに見え、眼光がやけに鋭い小柄なじいさんだった。

 

「おはようございます。どのようなご用向きですか?残念ながら所長は現在不在です」

俺はこのじいさんにビジネス敬語で対応する。

 

「そのラクダのようなやる気がない目、おぬしが比企谷八幡だな」

じいさんは目を細め、眼光をさらに鋭くし、俺を見据えていた。

 

「はぁ、そうですが、どちら様ですか?」

何?俺に来客?

知らないじいさんだ。

またしてもこの目で俺って認識されたんだが……。ゾンビと間違われないだけましか。

しかし、ラクダって、ラクダは全体的にやる気が無さそうな雰囲気だが、目は結構円らだぞ。

 

「ふん、わしは津留見神社の神主、鶴見源蔵だ!」

何故かじいさんは怒り気味に名乗った。

津留見神社?って、留美の実家の神社だよな。

そこの神主ってことは留美のじいさん!?

留美はなんか今にも死にそうだという感じに言ってたけど、滅茶苦茶元気そうだぞ。

 

「えっと、る、留美さんのおじいさんですか」

 

「き、貴様!!孫娘を名前で呼ぶとは!!何事じゃ!!」

 

「い、いや、苗字が同じだから……」

 

「まだ幼い留美をたぶらかせ!その毒牙に掛けた鬼畜比企谷八幡!!許すまじ!!そこに直れ!!」

じいさんはいきなり持っていた布で巻かれた棒を抜き払い、俺に突きつける。

薙刀だ。

 

「ちょ、ちょっと待ってください。なんのことだか」

俺は降参のポーズを取りながら、一歩二歩下がる。

なんだか、とてつもない勘違いをしてるんじゃないか?

 

「なにーーっ!この期に及んで白を切るつもりか!!」

 

「白を切るもなにも、ちょっ、何を?」

 

「この腐れ外道め!!孫娘を手籠めにしておきながら知らぬと申すか!!成敗してくれよう!!」

じいさんはそんな事を怒りの形相で叫びながら、いきなり薙刀を振るって襲い掛かって来た。

手籠めって、そんなわけあるか!あんたの孫娘はまだ12、3だろ?

 

「ちょ、ちょっと待って、話が見えないんですが?」

俺は薙刀を避け、敷地内を逃げながら、説得を試みるが……

 

「問答無用!!その首、刎ねてくれるわ!!きぇーーーーーっ!!」

俺の言葉など全く聞いてくれずに、薙刀を振るってくる。

 

「おわっ、ちょ、危ないっ、じいさん話を聞けって」

このじいさん本気だ。本気で俺を切ろうと?

 

「ぐぬぬぬっ、貴様にじいさん呼ばわれされる筋合いはなーーーーーいっ!!」

 

 

「おじーーーちゃん!!ダメ――――!!」

その声と共に薙刀を振るっていたじいさんはその場でぶっ倒れる。

 

ぶっ倒れたじいさんの背後から、コンクリートブロックを両手に持った私服姿の留美が息を切らして立っていた。

 

倒れたじいさんは鼻血を出し、後頭部から血がどくどくと流れていた。

コンクリートブロックで殴ったのか?

し、死んだんじゃないか?

 

「あーーっ、おじいちゃん!おじいちゃん、しっかりして!死んじゃダメーーーっ!」

留美は慌てて、倒れて気絶してるじいさんを揺さぶる。

 

おい、よけいに血が流れてるぞ。

 

 

 

 

事務所まで気絶したじいさんを運んで、じいさんに応急処置を施し応接セットのソファーに寝かしてる。

一応、留美がヒーリングを施し、血は止まってはいるが……

 

「留美、これは一体どういうことだ?」

俺はじいさんの傍に座る留美の前にオレンジジュースを出しながら、説明を求める。

 

「昨日おじいちゃんとケンカしたの」

留美はじいさんが寝てるソファーの空いてる隙間にちょこんと座り、オレンジジュースを一口すすってから話し出す。

 

「ケンカ?」

 

「うん。おじいちゃんに八幡の弟子になるって言ったら、聞いてくれなくて、ケンカになった」

そりゃそうだ。霊能家の跡継ぎで、しかも自分の孫娘が見ず知らずの俺みたいな男の弟子になるっていきなり言われても納得できないだろう。

いわば、余所の家の子になると言っているようなものだ。

もし、小町が川崎家の子になると言い出したら、全力で拒否するし、あのゴミムシ(川崎大志)を退治していたかもしれない。

 

「はぁ、そりゃそうだろう」

 

「なんで?お父さんとお母さんは良いよって言ってくれたのに」

留美は少々眉を顰めながら俺を上目使いで見てくる。

……いや、お前の親父と母親がおかしいのであってな。

普通、どこの馬の骨ともしれない若造に大事な娘を任すか?

しかも、霊能家の跡継ぎだろ?

 

「はぁ、弟子になるって事はだ。その人に人生を預けると言っているような物なんだぞ……。それを分かってるのか?」

 

「うん、分かってる」

 

「じいさんはだ。自分が手塩にかけた弟子であり孫娘であり、霊能家の跡継ぎが、急に他の、しかもどこの馬の骨とも知れない若造に弟子入りするって言いだしたらどう思う?」

 

「うん……だからおじいちゃんにちゃんと説明したのに、怒ってばっかり」

 

「本当にちゃんと説明したのか?」

 

「うん、八幡の弟子にしてもらって、将来、八幡は鶴見家に婿入りして、津留見神社の神主になってもらうって言ったの」

留美はとんでもない事を口にした。

 

「………」

おい、なにそれ?まったく聞いてないんだけど。

 

「だめ?」

首を傾げて、上目づかいの留美。

 

「……婿入りって何?」

 

「八幡が鶴見家に婿に入る事だよ」

 

「……神主ってなに?」

 

「八幡が津留見神社の神主になって、GSのお仕事も一緒にするの」

 

「ちょ……ちょっと待て、俺が誰の婿になるんだ?」

 

「ええっ……それを私の口から言わせるの?」

なんか留美の奴、顔を赤らめてるんだけど。

 

 

「…………」

俺の目がますます腐って行くのが自分でもわかる。

そりゃ、そんな話をすれば、じいさんもああなるよな。

いやいやいや、そもそも何で俺が、鶴見家に婿入りして、津留見神社を継ぐことになってるんだ?しかも相手が留美って、おい。

 

 

「比企谷君。何時からロリコンに鞍替えしたのかしら?」

突き刺すような冷たい声が俺の後ろから、聞こえてくる。

なぜか懐かしい感覚だ。

 

「ゆ、雪ノ下……いや、来るの早くないか?そうじゃなくてだな」

振り向かなくてもこの声の主は分かる。

雪ノ下、出社予定時間より1時間早いんだが……。

しかも、どんなタイミングだ?

最悪だ。

 

「八幡、この人、なんでここにいるの?」

留美は頬を膨らせ、俺に聞いてくる。

 

「久しぶりね鶴見さん、私はここの事務所でアルバイトをしているのだから当然ね」

その留美の言葉に雪ノ下が応える。

 

「八幡はロリコンじゃないし、私と八幡は5歳しか違わないし、私も後3年すれば結婚だってできるし」

留美は立ち上がり、頬を膨らませながら雪ノ下へとつかつかと歩みをよせ、見上げる。

 

「あらそう、だったらロリコンではない比企谷君は、今の貴方には興味はないわね」

雪ノ下は留美に不敵の笑みを漏らしていた。

なんか微妙に対抗心燃やしてないか?

 

「今の私と変わらないのに……うううん。私の方が大きいもん。それに将来性だってある」

雪ノ下の胸をじっと見てから、そう言って胸を張る留美。

 

「どこを見て言っているのかしら?」

雪ノ下の顔が一気に冷たい物へと変貌する。

やばっ、雪ノ下の奴、スイッチ入ったんじゃないか?

雪ノ下にそのネタはヤバいぞ。

この頃、妙に気にしてるしな。

 

「おい雪ノ下、相手は子供だぞ」

俺は雪ノ下をたしなめるようとするが……

 

「比企谷君は黙ってて」

「八幡、私は子供じゃないもん」

何故だか二人にバッシングを受ける俺。

 

留美は頬を膨らませながら雪ノ下を見上げ、雪ノ下は凍てついた視線で留美を見下げる。

お互いの視線がぶつかり合い、火花が見えるような光景だ。

 

雪ノ下と留美は並べば姉妹と見間違う程、顔立ちがよく似ている。

髪型も同じで、雰囲気も何となく似ているのだ。

その二人が正面切って睨み合っている。

知らない人が見れば、姉妹喧嘩に見えるだろう。

 

 

そこで、面倒なじいさんが目を覚まし立ち上がる。

「比企谷…八幡!!貴様―――っ!!他に女がいる分際で!!留美を!!この鬼畜外道め!!」

 

「また変な勘違いをっ、話を聞……」

 

俺の言葉なんて全く聞こえてないじいさんは鬼の形相で飛んで襲い掛かって来た。

「きぇーーーーーーっ!!」

 

 

「げっ、もうなんなんだ!?」

 

 

「おじいちゃん!ダメ!」

留美は飛び上がったじいさんの足を掴み思いっきり引っ張る。

 

空中で足を引っ張られたじいさんは当然頭から落ち、応接セットのテーブルにモロ顔面を殴打。

またしてもじいさんは失神し、痙攣していた。

 

「おじいちゃん!しっかりして!おじいちゃん、死なないで!」

留美はそんなじいさんを揺さぶる。

 

 

 

 

 

二時間後……

「弟子を取るとも言ってないんですよ。俺はこの通り未熟者ですし、うちの所長が留美さんを気に入って、そう言ってるだけで……、婿とか跡取りとかそんな話は全くないです」

漸く、皆落ち着きを取り戻し、まともな話し合いが始まった。

雪ノ下が紅茶と菓子を出してくれる。

雪ノ下はこの話し合いの場には入らず、自分の事務机から様子を伺っていた。

俺が雪ノ下にそう頼んだのだ。

雪ノ下と留美は仲がいいわけではなさそうだし、自分の事は自分で何とかするから任せろと言って……。

 

「そうじゃったのか、とんだ早とちりを、はっはっはーーっ、すまんかったのう」

鶴見のじいさんは包帯だらけの顔面と頭を撫でながら、豪快に笑う。

このじいさん流石はBランクGSだけあって、丈夫だな。

さっきとは打って変わって和やかな雰囲気だ。

どうやらじいさんの大きな勘違いだと言う事を理解してくれたようだ。

 

「美神さんが10月になったら、八幡の弟子にしてくれるって言ってたもん」

留美は頬を膨らませながら抗議する。

 

「はぁ、……美神さんが勝手に言ってるだけで、そもそも俺が人に物を教えるような、大した奴じゃないんだって言っただろ?」

俺は留美に言い聞かせる。

 

「でもっ!」

 

「師匠のおじいさんもまだまだ元気だろ?俺は霊能者となって日も浅いし、経験も少ない、歴戦の鶴見源蔵さんとは比べものにならない。それに俺は神道系の霊能者じゃない。神道系でしかもクラフト使いの留美に教えるには荷が重いんだ。留美は霊能者としてまだまだ伸びるだろう。畑違いで経験不足の霊能者の俺が指導した所で、留美の素質を不意にしてしまう」

続けて留美の説得に掛かる。

美神さんが居ない内に、留美を説得して諦めてもらえば、弟子の話は無くなるだろう。

それに、留美のじいさんも目の前にいる。

正直いって、俺は弟子を取るには知識や経験は勿論、力量不足もいい所なんだ。

このまま行けば留美は将来、有望な霊能者に育つだろう。

俺の弟子になる事で、その将来性が摘まれる可能性が高い。

 

「でも八幡がいい!」

それでも留美は俺に訴えかける。

 

「だがな……」

俺は次なる説得の言葉を口にしようとしたが……じいさんが待ってくれと言わんばかりに、手の平を俺の前に出す。

 

「お主の言い分はようわかった」

じいさんは腕を組み直し、大きく頷く。

どうやら、鶴見のじいさんには伝わったようだ。

 

「おじいちゃん!でもっ!」

留美はじいさんの袖を掴み、上目使いで抗議する。

 

「そこまで留美の事を考えて下さっていたとは……」

 

「いえ…ただ、俺じゃあ留美さんの師匠を名乗るには未熟者なんで」

 

「謙遜なさるな、その若さでBランクとは大したもんじゃ、わしの薙刀を悉く避けよった実力もなかなかのもんじゃ」

さっきまで俺を目の敵にしていたはずのじいさんが、何故だかこのタイミングで俺を持ち上げる。

 

「うん、八幡は凄い」

それに留美がうれしそうに相づちを打つ。

 

「お主は千葉在住とな」

 

「うん、八幡、総武高校通ってて頭もいい」

またしてもじいさんの俺への質問に留美が相づちを打つ。

 

「総武高校とな………もしや、あの関東同時多発霊災テロ、総武高校の大規模霊災を抑えおったのはお主か?」

BランクGSのじいさんが知っていて当たり前か、GS協会からもあらまし程度は通達してるだろうし。

 

「まあ、確かに俺も関わりましたが、結局抑えたのはドクター・カオス氏とマリアさんですよ」

 

「蛇の道は蛇……わしも長い期間この業界に携わってきた人間じゃ、あの大規模霊災の情報もある程度わしの耳にも入っておる。………あの状況で被害者無しとは、あっぱれじゃ!」

どうやらじいさんはあの現場で起こった事をそこそこ詳しく知ってそうだ。

千葉で根を降ろし、その年まで霊能者として第一線で活躍していたのだから、独自の情報網があるのかもしれない。

 

「うん、八幡は凄い」

何故か留美が得意げだ。

 

「………よかろう、お主になら留美を預けても問題なかろう」

じいさんはこんな事を言い出す。

 

「はい?」

 

「八幡殿、留美を弟子にしてやってくれ」

次にじいさんはそう言って俺に頭を下げだした。

八幡殿って…あれ?なんかおかしくないか?

 

「おじいちゃん、ありがとう!」

「留美よ。精々師匠の八幡殿の言う事を聞き励むのだぞ」

留美はじいさんの腕に飛びつき、じいさんは留美に優しく言い聞かせていた。

はぁぁあ!?なにこれ?なんか、留美が俺の弟子になる話になってるんだが?

何二人で勝手に盛り上がって、何勝手に決めてるんだ?

 

「ちょ、ちょっと待ってください」

なんでそんな流れに?

これって、さっきまで俺のような奴に孫娘を任せられないって流れじゃなかったのか?

 

「はっはっはーーーっ、わしは八幡殿が気に入ったぞい。若いのによう出来ておる。実力も申し分なしじゃ!それに留美もこれ程好いておる」

 

「な、何を?」

 

「そうじゃな、留美が結婚するまで長生きをせんといかんな、いや、意外と早いかもしれんのう、のう婿殿。いや、ちと早すぎたか八幡殿」

鶴見のじいさんは頭をかきながらそんな事を言ってきた。

 

「はい?」

何言ってんだじいさん。婿殿っておい?

 

「うん、八幡一緒にがんばろう」

留美も何を言ってるんだ?

 

「ちょ、ちょちょっと!?」

人の話を聞いてくれ!

 

「これ留美、いくら将来の婿殿とは言え呼び捨てはいかんぞ。今からは比企谷師匠じゃ」

「うん、おじいちゃん」

 

「ちょっと待った!!」

 

「では八幡殿、留美の弟子の件、10月には正式に挨拶に伺うと、美神殿に伝えてくだされ、はっはっはーーーっ」

「八幡…じゃなかった。師匠バイバイ、また来るね」

俺の制止の言葉なんて一向に聞かず、じいさんと留美は言いたい事だけ言って、嵐のように去って行った。

なんだこれ?あのじいさん、最初は孫娘を貴様のような奴にはやらん的な感じで襲って来たのに、最後は勝手に孫娘を弟子にと押し付けて、さらに婿認定して帰って行ったんだが……。

 

 

 

二人が出て行った事務所の入口を茫然と眺める俺に雪ノ下は声を掛ける。

「比企谷君、どうするつもりなのかしら?」

 

「いや、どうもこうもない。どうしてこうなった?」

俺はちゃんと誠実に断ったはずだよな。

 

「私にも分からないわ。でもあなたの説得は鶴見家の方々には逆効果だったようね」

雪ノ下は首を傾げながら応える。

 

「弟子の件は美神さんが関わってるから最悪仕方ないとしてもだ。婿とか跡継ぎとか勘弁してくれ」

 

「ふぅ、あなたという人は…どうしていつもそうなのかしら、前途多難だわ」

雪ノ下はため息を吐きながら呟いていた。

どうしてそうなのかしらと言われても、俺は何もしてないんだが。

 

 

俺に紅茶を入れなおしてくれた雪ノ下は、呆れながらも、なんだか微笑んでいるようにも見えた。

 




雪乃は留美をそれほどライバル視していないようですね。(恋のライバルという意味で、ある場所の成長具合は別)
多少の嫉妬心はあるかもしれませんが、それよりも八幡が人に好かれ認められていく姿が嬉しかったようです。
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