やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
誤字脱字ありがとうございます。
うん、時代がそうさせたのです。
留美が俺の高校に迎えに来たことが切っ掛けで、一夜にして俺は学校中にロリコンの誹りを受ける事になる。
まあ、それだけならまだいい。
俺のミスでもあるしな、ある程度想定していた。
だが、なんだかんだあって、ロリ巨乳好き疑惑まで……。
何でこうなった?
昼休みに奉仕部で昼飯を食った後、平塚先生と話をし、教室に戻ったのだが……。
ちょっと、午前中と教室の雰囲気が違う気がする。
午前中は俺に対して、少々軽蔑の眼差しがあったりと負の感情が向けられていた。
確かに負の感情ってところは変わらない気がするが、男子から露骨に避けられている?なんか恐れられているというか怖がられてる?いや戸惑いか?
まあ、ロリ巨乳好きの最低野郎になってるしな、避けられて当然か。
だが、授業の間の休憩時間に他クラスからも何故か女子が集まり、廊下から俺は視線を向けられている。
なんだこれ?どういうことだ?しかもなんか騒いでるし、珍獣扱いなのだろうか?
そんな疑問を余所に、放課後、由比ヶ浜と共に奉仕部の部室に向かう。
「なんか、午後から変じゃなかったか?」
「うーん。なんだろう?他のクラスの女子もヒッキーの事見に来てたみたいだし」
由比ヶ浜も俺と同じように違和感を感じているようだが、その理由を知らないようだ。
「ハロハロー、結衣にヒキタニく~ん!!」
なんかやたらテンションの高い海老名姫菜が正面から現れる。
顔を赤くしてはぁはぁ言ってるし、なんか怖い。
「やっはろー!姫菜、どうしたの?」
「うす」
「はぁ、はぁはぁ、ひ、ヒキタニくん!いえ!比企谷さん!!」
海老名ははぁはぁ言いながら、いきなり俺の両手を握って迫ってきた!?
なにこれ?どういう状況!!
「はぁ!?ちょっ!?」
「あああ!!姫菜!!ヒッキーから離れて!!」
「遂に!!遂に真実の愛に目覚めたんだね!!私は…私は…今、猛烈に感動している!!」
海老名は俺に顔を上気させ、はぁはぁ言い、涎と鼻血を垂らしながら物凄い緩んだ顔で迫って来る。
「ちょっ!え、海老名…さん!?」
これどういうこと!?目が逝っちゃってる!?こ、怖い怖すぎる!!
「離れて!!姫菜!!もう!!離れて!!」
由比ヶ浜が必死に海老名を引きはがしてくれようとするが、海老名は物凄い力で俺の両手を掴んでいる。
「海老名!擬態しろし!」
何時の間にか三浦が現れて、海老名の後頭部にチョップをかます。
その反動なのか、海老名は俺の手を離して三浦の方に振り返る。
た、助かった。流石はおかん三浦。
「優美子!!だって、ヒキタニ君が比企谷君に覚醒して真実の愛に目覚め、隼人君と愛の園をこの学園に築くんだよ!!」
何言ってるかわからんし!わかりたくもないが!とりあえず腐ってる!!……海老名の中では八×隼とかになっているのだろうか?勘弁してください!!
俺の目は自身で分かるぐらい腐っていく。いや、もちろん海老名とは別方向でな。
「何言ってるし!隼人は関係ないしょっ!!」
「ム腐腐腐腐腐っ!!この学園に神が降りた!!」
海老名は暴走しっぱなしだ。
「優美子!どうなってるの!!」
由比ヶ浜は海老名から俺を守るかのように立ち塞がりながら三浦に質問する。
「どうもこうもない、……ヒキオが男好きだって噂が昼休みぐらいから一年から回ってさ、はっ、ばからしい」
三浦は吐いて捨てるようにそう言う。
なんじゃそら!おいーー!!何でそんな事になってるんだ!!
俺が男好きって、そりゃ、クラスの男子も俺を避けるだろうな!!
そりゃ、海老名があんなに暴走するだろう!!
どうなってんだ!?
なぜ、そんな根も葉もない噂が?
「すべてヒキオが悪い。優柔不断だからそうなる。結衣も何でこんな男がいいのか……」
三浦は俺を睨んでから暴走中の海老名の襟首を引っ張り、連れて行ってくれた。
三浦の言葉は流石に耳が痛い。
ロリコンからロリ巨乳好き、さらには男色って……何その変態!?
軽く横島師匠越えたんじゃないか?
重い足取りでようやく奉仕部に到着。
「比企谷君、あなた、今度は何をやらかしたのかしら?」
「……いやわからん」
どうやら雪ノ下のクラスにも俺の男好きの噂が流れているようだ。
「気にしてもしょうがないわ。学生が面白がってるだけよ。あんまりひどいようだとお姉さんが出っ張ろうかしら?」
陽乃さん言う通りだと思う。
気にしても仕方がないが、男色はないだろ?男色は!?
ロリ巨乳好きバイセクシャルってどんな属性だ!?
「そうね。あまりいい気分では無いわ」
「うー、なんでこうなったし」
雪ノ下は目を細め、由比ヶ浜は頭を抱える。
はぁ、マジでなんでこうなった?
そこにタマモが澄ました顔で部室に入り、それぞれが挨拶をする。
「やっはろー、タマモちゃん」
「タマモさん、こんにちは」
「うす」
「こんにちは」
「ええ、こんにちは」
タマモもそれに普通に挨拶を返す。
始めの頃はぎこちなかったが、今じゃこんな感じで溶け込んでる。
タマモは俺の方へつかつかと歩き、何やら文句を言い始める。
「八幡のせいで、朝からクラスの生徒達から質問攻めよ。留美が八幡の弟子と言う話は学校では言わないようにとキヌには言われていたから面倒だわ。それにしても何故、留美が八幡と一緒に居るとまずいのか分からないわ。別にいいじゃない。ロリコン、ロリータコンプレックスの何が悪いの?私にはわからないわ。小町にもロリコンは否定してあげてと言われたから、代りに八幡は女子供に興味がない男色家だって言ってやったわ。そしたら余計に騒ぎが大きくなって、まったくなんなのよ」
タマモはツンとした感じで、不満そうに悪びれも無く言った!
「おいーーー!!お前何言ってくれてんだ!!」
お前か!!犯人は!!まったくなんなのよはお前だ!!
タマモが言っちゃったらダメだろ。
今、お前は留学生扱いで俺んちで寝泊まりしてるんだから、そんなお前が生徒達にそれ言っちゃったら信憑性というか、ほぼ確定じゃねーか!
「タ、タマモちゃん!?」
「タマモさんが原因みたいね」
タマモの発言に由比ヶ浜は驚き、雪ノ下はため息をついていた。
「何?八幡?わたし何か悪い事言った?」
タマモは俺や由比ヶ浜達の反応を見て、自分に失言があったのか聞いた。
「貴方ね。八幡を男色家扱したのよ?意味わかってる?」
陽乃さんは呆れたようにタマモに言う。
「それのどこがおかしいのかしら?平安の時代の貴族や武家では12、3歳ぐらいの婚姻なんてざらにあったわ。それに身分の高い人や権力者程、衆道(男色)は多かったし、普通に認められていたわ。それに最近のニュースでも性の多様性、ジェンダーだったかしら、それらが認められているのなら別に構わないじゃない」
流石は平安時代を生き抜いた玉藻御前、令和の時代の常識が通じない。
それなのに、最新の知識も取り入れてるから、反論がしずらい。
「タマモちゃん、でもヒッキーはロリコンじゃないし、男の人が好きでも無いから」
「さすがに嘘はいけないわ。タマモさん」
由比ヶ浜と雪ノ下はタマモを窘める。
「難しいわね」
タマモは何が失言だったのかは理解出来てないようだが、とりあえず失敗だった事は悟ったようだ。
本当に悪気が無い感じだ。
「どうしようか……」
「このままと言うわけにはいかないわね」
由比ヶ浜と雪ノ下はそう言ってくれるが、どうしようもないだろ、これ?
「ふふっ、ここはお姉さんの出番ね」
陽乃さんは悪戯っぽく微笑んでいた。
「姉さん、何かいい案でもあるのかしら?」
「もちろんよ」
陽乃さんは自信満々だ。
皆は陽乃さんの次の言葉を待ち、出た言葉が……
「そ・れ・は。私と八幡が恋人宣言をするの」
……何言ってるんだこの人
「姉さん真面目に考えなさい!」
「酷い雪乃ちゃん。真面目に考えての答えよ。年上の私と八幡が恋人だと知れ渡れば、間違いなくロリコン疑惑と男色疑惑は払拭できると思わない?」
確かにそうかも知れないが、それはそれで恥ずかしいというかなんというか……。
「うーーっ、そうかも知れないけど!だったら私がヒッキーと恋人宣言するし!!」
由比ヶ浜も何を言ってるんだ。
「そうね。それなら私がこの中で一番適役よ。そ……その、きょ巨…乳疑惑がふ、払拭でき……ううう」
雪ノ下も涙目になる位なら言わなくていいから。
「そう言う事なら仕方が無いわね。私にも非があったようだから、八幡の恋人役をやってあげるわ」
タマモも陽乃さんの冗談だから乗らなくていい。
いや、仮にこれをやったら、更に大変な事になるんじゃないか?
ロリ巨乳好き男色の上に、年上、金髪、微乳、ハーレム野郎とか言われない?
何その全能感、東西南北中央スーパー八幡を名乗れるんじゃないか!?
4人の言い合いが勃発。
なんか収拾が付かなくなってきたぞ。
そこにマイ・エンジェル小町が元気よく登場。
「皆さん、こんにちはです!」
た、助かったのか?
なんでこうなった?
ルミルミが出ないのに弟子編。
次は留美が出ますよ。