やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

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(182)三者面談③

 

目の前には担任の平塚先生が座っている。

俺の横にはかーちゃん。

ここは俺のクラスの教室、そんで学習机を4つ寄せただけの面談セット。

そう、ようやく個人三者面談が始まる。

ここまで色々あったが今は忘れるとしよう。

 

「先生、いつも八幡がお世話になっております」

教室に入った時点でお互い挨拶はかわしていたが、椅子に座り、かーちゃんの挨拶から改めて面談が始まる。

午前で仕事を切り上げ、ここに来ているため、かーちゃんはいつもの黒のビジネススーツのままだ。

 

「いえ、こちらこそ比企谷君には、色々と助けて貰ってます。当校も、比企谷君のお陰で、先の大規模霊災でも犠牲者を誰1人出ることなく、こうして受験シーズンを迎える事が出来ました。彼には感謝しかありません」

 

「この子がこの年で人様のお役に立てるなんて、高校に入る前までは思いもしませんでした。もっと手がかかるものと……、親としては寂しいものがありますが、いつの間にやら大人になり私達の手も離れてしまいました。私達が出来る事は見守ることぐらいです」

 

「比企谷君の立場は相当特殊です。そうは言っても、受験生としては他の生徒と同じ立場ではあります。まあ、彼の場合、勉学も優秀なため、普通に受験を行っても第一希望の東都大学の合格の可能性は非常に高いでしょう」

 

「仕事もそうですが、進学についても八幡に一任しているため、私達は何も言う事はありません」

なんか、改めてこう言われると、こっぱずかしいんだけど……。

うちの両親は放任主義っぽく見えるが、なんだかんだと、かーちゃんは色々と裏から手をまわしてくれていた。

親父は……しらん。

 

「そうですか、ただ……少々私どもも困惑する事態が起きまして……」

 

「八幡に何か?」

「先生、なにか問題が?」

まさかの退学とか?やっぱり、ゴーストスイーパーの生徒は受け入れられないとか?

いやいやいや、今更過ぎるだろう。

雪ノ下と由比ヶ浜に川崎と一色、小町以外の生徒にGSバレしたとか?

うーん、そうだったらもっと噂になっていてもおかしくないだろう。

それに、今じゃGS協会とオカルトGメンからプロのゴーストスイーパーが派遣されてる状態だし、流石にそれは無いか。

じゃ、なんだ?

思い当たる節が無い。

 

 

「先日、この時期に何故か複数の大学から君に是非入学してほしいとオファーがあってな」

 

「……どういうことですか?」

 

「来年から霊能学部を新設する東京の慶応大学と京都の堂志社大学から学費免除で是非にと、更に東京国立大学と防衛大学からも特別枠でどうかと話があった。君が希望している東都大学からも具体的ではないがそんな話が来ているようだ」

確かに慶応も堂志社も来年から新設予定とは聞いていたが、日本の国立トップの東京国立ってまだ霊能学部の新設予定にもなってないよな。しかも防衛大学ってどういうことだ?

ちょっと待てよ。

俺の情報がどこからか漏れた?

GS協会は未成年である俺のプロフィールは公開していない。

霊能科がある六道女学院の生徒であれば、就職や進学のために情報公開している可能性があるのかもしれないが、一般の高校に通う俺に、何故だ?

 

「どれも有名大学ね。八幡、選び放題じゃない?」

かーちゃんはオファーが来た大学に驚きながらも、軽い感じで俺に言う。

 

「いまさら志望大学を変えるつもりはないし。それにしても、この時期に……急ですね」

こんなに急な話と言う事は、ここ最近でバレたという事か。

 

「当校からは君がGSである事は公表していない。それはGS協会からも重々釘を刺されていたのでな。こちらとしても対応に困っている。しかし、大学側からの話ではGSやGS協会などの言葉は一切出さずに、君を指名してきた。GS協会が君のプロフィールを非公開としている事を知った上での対応だ。学校側もそう言う風に切り出されれば、それなりの対応をせざるをえない。まあ、君にオファーがあった事を伝えるだけに留めさせて貰ったが、後は君にゆだねるしかない。近いうちに各大学の担当者が直接君に会いに来るだろう」

平塚先生の話からすると、大学側は正式なルートで俺の情報を掴んだわけじゃないようだ。

だから、ゴーストスイーパー比企谷八幡ではなく、一介の高校生比企谷八幡として、オファーしたのだろう。

もちろん、目的はGS資格者を入学させたいというものだろう。

特に私立の学部新設大学にとってはGS資格者が在学しているというだけで格好の宣伝となりそうだ。

国公立の東京国立も大方同じだろうが、箔を付けたいというのもあるかもしれない。

防衛大学については、戦力とカウントしてる可能性もある。

美神さんがあれだけ、単独で派手に武装ゴブリン部隊を粉砕したからな。

東都大については既にBランクGSのキヌさんが在学しているから、そこまで積極的な物じゃないようだ。

 

「はぁ、結構面倒な事になってますね」

 

「学部新設に当たって、プロでさらにBランクGSの君が入れば、箔が付くとでも思っているのだろう」

平塚先生は少々ウンザリ気味に俺にそう言った。

先生も俺と同じ意見なのだろう。

確か、美智恵さんの話だと学部新設に当たって、GS協会やオカルトGメンは全面的にバックアップしているはずだ。

わざわざ俺を入れる必要もない気もするが……。

 

「母さんはその辺のことはよくわからないわ。八幡の好きにしたらいいわ」

かーちゃんもやはりその辺についてはあまり興味がない様だ。

俺はかーちゃんには将来GSで食って行く事を話してあるし、俺が何処の大学に行こうがあまり興味がない様だ。

かーちゃんは子供らの大学の学歴とか気にするような感じじゃないしな。

それよりも、将来ちゃんと仕事が出来るかのほうを重視している。

 

「先生、俺の志望はこのまま東都大でと、そう言う感じで対応してもらうと、助かります」

 

「ふむ、わかった。もしかすると東都大の方から特別枠と言ってくるかもしれないが、それは受けるか?」

 

「まあ、条件次第では。俺は物理や数学、自然科学関連の学科も受けたいんで」

確かに霊能学部も興味はあるが、俺は魔法式や術式のクオリティを上げるためにも物理や数学、自然科学等も学ぶつもりだ。

 

「了承した」

 

「進学の事はこんな感じかしら、それよりも先生、八幡は学校生活にちゃんと馴染んでましたか?この子は人付き合いが苦手というか、要領が悪い所があるので」

かーちゃんは先生にいきなりこんな事を聞きだした。

……確かに中学まで俺はボッチだったしな。いや、高1までボッチだったし。

その辺を心配するのは仕方がないだろう。

だが、ボッチだったらまだいい。

かーちゃん悪い、今じゃ学校一の嫌われ者なんだ。

まあ、俺としてはどうってことはないが、流石に親に知られるのは気まずい。

小町はたぶん、その事は親共には話してないはずだ。

 

「大丈夫です。確かに彼は少々誤解されやすいタイプですが、彼を慕う生徒も多い事はお母さんもご存知なのではないですか?」

平塚先生は少々苦笑い気味にナイスな答えを持ってきてくれる。

 

「それはそうですね」

こうして、三者面談は滞りなく終わった。

 

教室を出て、廊下を歩く俺とかーちゃん。

「八幡、小町とタマモちゃん誘って、夕飯食べに行こっか」

「まあ、いいけどよ。親父はどうするんだ?」

「いいのいいの、どうせ残業でしょ?コンビニ飯でも食べさせておけばいいわ。何時も八幡と妙に張り合って意地悪するし、ほんと何時まで経っても大人げないったら、腕力も勉強も収入も、もう八幡に勝てる所なんてないのにね。まあ、母さんに対しての愛情ぐらいかしら?」

「はぁ、まあ、なんでもいいんじゃねーの」

 

 

授業を終えた小町とタマモを誘って、ちょっと高級な焼き肉店へ……。

「小町、小町、今日ね。雪ノ下さん姉妹と、由比ヶ浜さん姉妹に会ったのよ!」

「雪乃さんと陽乃さんと結衣さんと……あー、うーん。まあいっか。それでどうだった!」

「雪ノ下さん姉妹は凄く美人ね。由比ヶ浜さんは可愛らしいわ」

「でしょでしょ!」

「いろはちゃんにも、沙希ちゃんにも会ったわ」

「そうなんだ!」

かーちゃんと小町は肉を焼きながらきゃっきゃとその事で盛り上がる。

 

だが、急に2人して俺の方に振り向き真顔で、

「「で……八幡(お兄ちゃん)はどうするの?」」

なんか迫って来る。

 

「……そのうちな」

 

「「はぁ、まったくこの子(お兄ちゃん)は」」

流石親子、ため息もピッタリだ。

 

 

……マジでどうしよう。

雪ノ下と由比ヶ浜、陽乃さんに、それと一色にも、答えを出す日が徐々に迫って来ていた。

 

 

 

 

 




クリスマス編かな……
おキヌちゃん出したい。

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