やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
クリスマス編もそこそこのボリュームになりそうな気配が……。

前回のアンケートの結果やはりというか、一位は想定通りでした。
【お嫁さんにしたい人間ランキング!!GS編】
1位 氷室キヌ  71%という圧倒的な支持。
2位 魔鈴めぐみ 13%はなかなか、3位とも大差です。出番は少ないけど、GSの中の圧倒的な常識人、美人で料理も家事も仕事できる才色兼備。
3位 六道冥子  6%おっとり系お嬢様、しかし精神は小学生並み、超金持ちなのがポイントが高い。
4位になんと美神さん1? 2%だが……まじで?しかし、結婚してしまえば尽くしてくれるタイプなのかもしれない。美女でスタイル抜群、料理も得意だし、スペックは普通に高い。
5位に美神美智恵と女華姫!?……2% 美智恵さんは美人で仕事がバリバリできるキャリアウーマンでも、夫に尽くすタイプ。
女華姫は、顔面凶器でパワーはゴリラ以上だけど、心は女神、しかも姫様だから金持ちだろう。

という結果に……。

では本編続きどうぞ。


(186)クリスマス編②

小竜姫様が美神さんと美智恵さんに仕事の依頼に来たのだが、美神さんは話し合いの途中で依頼の詳しい経緯を聞かずに飛び出してしまった。

まあ、大まかな依頼内容は最初に小竜姫様が語られたから、大丈夫だと思うが……。

依頼とは神界の住人の捕縛だ。

その神界の住人とは日本人にとってなじみのある名前だった。

金太郎に桃太郎に、浦島太郎…3人の有名な太郎達、俗にいう三太郎だ。

実在の人物で、生前の鬼退治や善行の功績で天界に招かれ神や神のみ使いになられたそうだ。

因みに金太郎と桃太郎は下級神、浦島太郎はみ使いだ。

その三人は現在日ノ本の下級神やみ使いで流行している神ちゅーぶなる動画配信サイトの人気配信者だった。

依頼の話に直結する動画を見ることになった。

桃太郎たちが配信している人気動画番組は、神界のユーザーからアンケートを取りランキング形式に紹介するもので、問題となった動画もそのうちの一つ【嫁にしたい人間ランキング】だった。

その動画を見ていたのだが、途中で依頼とは関係の無い動画が流れてしまい、それが運悪く【好感度最悪ランキング人間編】だったのだ。

それを見た美神さんは、まだ話の途中にも関わらず怒り心頭で出て行ったのだ。

理由はまあ、語るまでもなく、その好感度最悪ランキング、ぶっちぎりで美神さんがトップだったからだ。

 

 

「令子の事はこの際、放っておきましょう。小竜姫様、この動画からその御三方は何故現世に影響が出るような行動を起こすのでしょうか?」

美智恵さんは美神さんが出て行った扉の方へ一瞥してから、改めて小竜姫様に尋ねる。

 

「は、はい、そうですね。先ほどの続きがあるのですが……、美神さんがすまーとふぉんを壊してしまって再生できませんね」

 

「すみません。本人に必ず弁償させます」

 

「先ほどの嫁にしたい人間ランキングの次回予告で語られた次の企画なのですが、ランキングに掲載された女性を嫁に迎えようという突撃企画だったのです」

 

「はぁ、そういうことですか。ということはランキング入りした女性が御三方に狙われるということですね。彼女らをガードし、御三方が現れたら説得または捕縛ということになりますね」

 

「説得は難しいでしょう、天界に強制送還させる神具をいくつか用意いたしましたので、使ってください。問題は御三方だけではないのです。御三方に賛同し事を起こそうとする下級神やみ使いも現れるだろうと……、それには神界の事情が関わっているのです。日ノ本の神界では特に上級神となると一夫多妻のケースが多いのです。その逆の一妻多夫というケースもありますがそれはごく少数。数百年前はそれこそ現世の女性を上級神や中級神が娶るということはかなりありましたが、今はほとんどありません。ここ100年程はほぼ神界の中だけで婚姻を結んでいる状況です。そうなると現在男性の下級神やみ使い達は神界では伴侶を得る機会が少なくなってしまっているのです。そんな時にこの動画です。男性の下級神やみ使いはこの機会に、ランキングにのる程の有能な女性を嫁にと、こぞって現世に現れるかもしれません。無茶はしないとは思いますが、神の常識と人の常識は違うため、現世に混乱をきたしてしまう可能性は十分にあるのです」

小竜姫様は申し訳なさそうに語った内容は、神界の結婚問題だった。

それが三太郎共の動画によって煽られ、三太郎を始め暴走した神々の一部が、【嫁にしたいランキング】に載った女性を嫁取りに現れるというものだった。

めちゃくちゃはた迷惑な話だ。

どうやら小竜姫様は天界と現世との繋ぎの役割を果たしている身として、こんな尻拭いをやらされているようだ。

 

「なるほど、御三方に便乗する神々やみ使いもおられると……首謀者を早期に捕まえれば、その熱も下がり、便乗する神々も頭が冷えるかもしれませんね」

 

「はい、そうです」

小竜姫様は申し訳なさそうに返事をする。

 

「早速キヌさんやランキングに名前が載ってしまった人をガードしないといけないですね」

ここに載っている人たちは有名人ばかりだ。

三太郎達によって、嫁として拉致され神界につれていかれたら、本当に神隠し状態だ。

それだけでも社会的に混乱をきたすだろう。

 

「比企谷君、おキヌちゃんは大丈夫よ。この街に居る限り彼女に手を出すことは下級神の神々では難しいわ。桜塚守良子さんは平泉の神々が守護しているから問題ないし、沖縄の我那覇さんには連絡をしておけば、彼女と彼女の一族なら何なりと対処できるでしょう。問題は芸能関係の一般人と土御門陽乃さんね。彼女、実力は十分にあるけど、さすがに経験不足は否めないわ。一時、京都の土御門本家に戻ってもらった方がいいわね。念のために君に彼女のガードを頼むわね。芸能関係のガードはオカGとGS協会にも協力要請をだすわ」

 

「わかりました。……それにしても横島師匠が居ないときに……」

俺はそう嘆かずにはいられない。

横島師匠が居れば、三太郎共の暴走もあっさり解決できただろうに。

ん?横島師匠が居ない時に?……いや、待てよ。

これって一連の霊災連続テロと関係があるのか?

いや、今回は日ノ本の神様の嫁取り問題っていうモロ神界内情から端を発してるし、昨日今日に起きた問題じゃない。

やっぱり関係ないんじゃないか?

たまたまタイミング重なっただけと思いたいが……。

 

「……そうですね。横島さんがこの場に居てくれたのならどれだけ心強いか、ですが横島さんに戻ってもらうわけにもいかないのです。横島さんが海外での活動は、神々の間でも問題視されている案件が多いため、こちらを優先させるわけにもいかないのです」

 

「小竜姫様、この程日本で起きている霊災連続テロ事件をご存じですか?」

 

「はい、存じております。横島さんからも美神さんや比企谷さんが遭遇した首謀者らしき者に心当たりがないか老師に尋ねられておりました。老師も伝手を当たっている状況です」

 

美智恵さんがこの質問を小竜姫様にわざわざするということは、美知恵さんも霊災連続テロと関りがあるかもしれないと疑っているということか。

 

「そうですか……、小竜姫様は妙神山に戻られるのですか?現世にしばらく留まられるということであれば、こちらで逗留場所などすべてご用意させていただきます。安全かつ小竜姫様の神聖な霊気も隠すことも可能ですので是非とも」

美智恵さんが言う逗留場所とはオカG東アジア統括本部だろうな。

あそこは大霊災などに備えて、各種霊的防備や指令室などもあるらしい。

核やミサイルなどからも防御できると西城さんからも聞いたことがある。

きっと地下にでもそういう施設があるのだろう。

 

「……いえ、本当は直ぐにでも神界に戻らなければならないのです」

「わかりました」

「皆さんに投げてしまっているようで申し訳ないですが、その…当代の毘沙門天様がこの件で強権を発動して介入されようとしておりまして、何でも元部下たちの軟弱ぶりを叩き直すと息巻いておられまして、老師様が今なんとか妙神山でとどめられておられる状態です。もし、毘沙門天様が降臨されたのなら御三方の捕縛は直ぐになされるでしょうが、現世の被害も甚大になります。それだけは何としても食い止めなくてはならないのです。毘沙門天様は文明が発達した今の日ノ本をご存じではなくて、戦国の世と同じような考えを持っておられるのです」

……はぁ、マジか毘沙門天が現世に降りたらやばいだろ。

だって、武神と言うことは斉天大聖老師と同格なんだろ?

三太郎達を捕まえるために大暴れとかされた日には東京壊滅とかになりそうで怖い。

三太郎よりも毘沙門天が降臨する方が被害甚大になりそうだよな。

 

「それは早く戻って頂かなければならないですね」

 

「申し訳ないです。何かあれば私に連絡ください。連絡手段として通信宝珠を置いていきます」

 

「助かります。せめてゲート(横島マンション)までお送りしますよ」

「大丈夫ですよ。私の事よりも早速動いていただいた方がありがたいです」

「わかりました」

「では、私はここでお暇させていただきます。後の事はよろしくお願いします」

小竜姫様はそう言い残して、事務所を出て行かれた。

 

 

事務所に残った美智恵さんと俺は……

「比企谷君、早速で悪いけど、土御門陽乃さんのガードの件で動いてくれる?」

「了解です。それと、ここの事務員で土御門さんの妹には、事情を説明しても大丈夫ですか?」

「雪乃さんね。大丈夫よ。守秘義務は守ってもらいますが」

「わかりました。じゃあ準備次第出ますね」

「私もオカG本部に戻るわ」

美智恵さんはそう言って事務所を出て行く。

 

俺は美知恵さんが事務所を出て行くのと同時に、装備を整えるために倉庫へと向かいながら陽乃さんの携帯に電話をかけるが、電話に出ない。

今、陽乃さんが一緒に住んでる雪ノ下の自宅マンションの固定電話に電話をするが、こっちも出ない。

家にはいないようだ。

LINEを送っても既読にならないな。

 

何かあったか?

まさかもう三太郎共か神々にかどわかされた?

陽乃さんもかなりの手練れし、そう簡単にかどわかされるとは思えないが……。

埒が明かないな。

今日は学校が休みだから、もちろん学校には行っていないだろう。

 

俺は雪ノ下に今日の陽乃さんの予定を聞くために雪ノ下の携帯に電話をするが、雪ノ下も電話に出ない。

雪ノ下はシロと一緒に唐巣神父の教会に向かったはずだが、こっちも何かあったか?

 

一緒に居るはずのシロに電話をしてみると。

『もしもし、シロでござる』

「八幡だ」

『おお八幡殿!ちょうどよかったでござる!聞いて下され』

「後で聞くから、雪ノ下はどうした?連絡がつかないが?」

『それでござる!!雪乃殿が倒れたでござる!』

「はぁ?なんでそんなことに?大丈夫なのか?」

まさか、三太郎共か暴走した神々か?

陽乃さんと間違えて雪ノ下にせまったとか?

 

『大丈夫でござるよ。目を回しただけでござる。今神父の教会で寝かせてるでござる』

「何があった?」

『神父の教会まで、雪乃殿が自転車に乗って拙者が引っ張って向かったのでござる』

「………おい、まさか、全速力で走ったんじゃないだろうな?」

『いや~、雪乃殿と散歩は初めてでござるから、なんだかテンション上がってしまって、つい』

まじか、嬉しそうに猛スピードで走るシロに引っ張られる自転車って、もはやジェットコースターさながらの荒れっぷりだろう。

俺もシロの散歩を自転車で付き合うことがあるが一般道を走る車より早いもんな。

シロに自転車ごと引っ張りまわされて、雪ノ下が恐怖で叫び声をあげてる姿がありありと思い浮かべることが出来る。

 

「ついじゃないだろ!?雪ノ下は一般人だぞ!はぁ、それにしてもよく事故らなかったな」

「いや~、雪乃殿の叫び声に気が付いて、急ブレーキをかけたら、空中に飛んでしまったでござる。でも大丈夫、ちゃんと拙者が受け止めたでござるよ」

「………雪ノ下、泣いてなかったか?」

「そ、それは乙女の秘密でござる!!」

はぁ、間違いなく恐怖で涙を流してたな。

後で慰めの声でもかけておこう。

 

「ふう、まあいいか、雪ノ下が起きたら直ぐに俺に電話をするように言ってくれ」

「わかったでござる」

「それとシロ、雪ノ下に謝るんだぞ」

「もう、謝ったでござるよ~」

この分だと当分雪ノ下はダウンしたまんまだろう。

 

どうする?

やみくもに探すのは厳しいが、とりあえず千葉に向かうか?

せめて、陽乃さんの行動パターンを知っていれば……。

そう言えば俺、陽乃さんの事あまり知らない。

この数か月、平日は毎日学校で顔を合わせ、会話を交わしていたのにだ。

……いや、俺が知ろうとしなかっただけじゃないのか?

そういえば、今思えば俺は陽乃さんの言葉に深く言及したことが無い。

普段から、茶化すような事ばかり言ってくるというのもあるが……。

苦手だから?

面倒だからか?

いや、一年前だったらそう思っていたが、今は違う。

 

年上だから?

同じGS仲間だから?

それもある。

それに陽乃さんは、頭は相当切れるし計算高い、しかもコミュ力も高く、周りも良く見え、自己分析能力も相当高い、GSとしての実力は言うまでもない。

それに見合うだけの努力もしてきたことも伺える。

俺はあの面倒な性格以外は陽乃さんを高く評価していた。

安心感か。

陽乃さんだったら俺が気を留めなくても大丈夫だろうと何となくそう思ってしまっていた。

俺は陽乃さんに甘えていたのかもしれない、頼れる大人の女性として……。

 

しかし、よく考えてみれば完璧に見えた陽乃さんにも、いろいろと弱点があった。

カエルがめちゃくちゃ苦手だし、超シスコンで妹に甘えたいのに素直になれなくて、過度なツンデレになってしまうところも。

あの完璧超人を演じる外面仮面をかぶっていたのは、自分の弱みを見せないための防衛のための役割も果たしていたのだろう。

 

……ちょっとまてよ。

あの超シスコンの陽乃さんが、雪ノ下が泣き叫ぶ程の恐怖を感じて倒れるような状況で、現れないはずがない。

思い出せ、過去に陽乃さんが俺の目の前に現れるのはいつも雪ノ下が一緒の時だ。

 

やみくもに陽乃さんを探すよりも、雪ノ下が目を回して寝込んでる唐巣神父の教会に行った方が早いかもしれない。

もし陽乃さんが現れなくとも、雪ノ下が目を覚ました時に陽乃さんが行きそうな場所を聞けばいい。

 

 

俺は装備を整え、唐巣神父の教会へ向かった。

 




ゆきのん、シロに振り回されている間、顔がGS風になって、涙ちょちょぎらしていたんだろうな……。

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