やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
都合で投稿が出来ませんでした。
再会いたします。
では続きを!
すみません。
前後関係がめちゃくちゃに……
最後の12行位を大幅に変更しました。
俺はシスコンの陽乃さんが寝込んでしまってる雪ノ下の所に現れると信じ、装備を整えて唐巣神父の教会へ、自転車で急いで向かう。
神父の教会の自転車置き場に自転車を止めたのだが、教会の中から強めの霊気を感じる。
唐巣神父のものでも、陽乃さんのものでもない。
神父も出かけているようで、神父の霊気を感じない。
陽乃さんも来ていないようだ。
ここに来ているはずのシロの霊気も感じない、どこに行ったんだ?
しかもこの強めの霊気、神聖な雰囲気がする。
おそらく神様か御使いの物だろう。
なんで、唐巣神父の教会へ?
まさか、暴走した神様が、雪ノ下を陽乃さんと間違えて嫁取りに来たとか?
確かに雪ノ下の霊気は姉妹だけあって陽乃さんと似ているが、霊気量も違うし、陽乃さんは式神を二体内包しているのだから、霊気の質もかなり違うだろうに。
霊気の乱れはないようだし、穏便に嫁取りという名のナンパをしているのだろうか?
とりあえず様子を見るか。
俺はこそっと協会の裏口からは入り中の様子を覗うと、髪を耳のあたりで束ねた弥生時代の服装をした男神がいた。
居たのだが、礼拝堂の壇上の前で何故か首を垂らして正座していた。
その正座をしている神様の目の前には、仁王立ちする川崎の姿があった。
「なに?嫁に来てほしいって?ナンパなの?私、まだ未成年なんだけど?」
「いえ、神界では婚姻に歳は関係ないので……」
「シンカイってなに?年が関係ないわけないでしょ?一般常識でしょ?」
「その、なんていうか」
神父の所でバイトをしている川崎沙希がその神様に説教をくらわしていた。
なに、この状況?
もしかして、この神様、川崎に嫁取りを?
確かに川崎はGSになれるぐらいの霊気内包量があるし、学校ではツンケンしてるが、家では家庭的で料理もできるし弟と妹達の面倒もしっかり見てるし、嫁度的にも高そうではあるよな。
「おじさん、ちゃんと仕事してるの?年収は?」
「そ、その土地神として、土地を守ってます。ね、年収はないです。その奉納品で賄ってます」
「はぁ?それって、引きこもりって奴じゃないの?今風で言う自宅警備員って奴でしょ?そんなことをやってたら世間から取り残されるよ?奉納品ってあれでしょ?貰いもんでしょ?ちゃんと働いて稼がないと、嫁なんか来るわけないでしょ?」
「は、はぁ、そのなんて言いますか、それが仕事でして」
「せめて自分の食い扶持ぐらい自分でまかないなよ。土地があるんだったら、畑でも耕してさ。元手があるんならなんとでもなるでしょ?いい大人なんだから、人に頼ってばかりしないでさ、自分から働きなよ」
「……そ、その……すみませんでした!!」
その土地神は土下座をして謝まりだした。
「私に謝ってもしかたないでしょ?こんなところで油売ってないで、とっとと帰った」
「は、はい、ご迷惑をおかけしました」
土地神はよろよろと立ち上がって、背中を小さくして、意気消沈って感じで静々と教会を出て行った。
おい、何この状況?
川崎の奴、微妙に会話はかみ合ってなかったが、神様に説教くらわして、嫁取り諦めさせて帰らせちまったぞ。
そんじょそこらのゴーストスイーパーよりも有能なんだけど。
それよりも、これってまずいんじゃないか?
川崎が神様に言い寄られているってことはだ。
嫁取りの対象って、あのランキングに載ってる人たちだけじゃないってことだ。
きっと暴走した神様やみ使いは適正のある女性だったら嫁取りという名のナンパしまくるんじゃないか?
美智恵さんに連絡した方がよさそうだな。
俺はそんなことを考えながら、ここでようやく出て行く。
「うす」
「比企谷」
「川崎、さっきの人となんかあったのか?」
「見てたのかい?弥生人みたいなコスプレをしたおじさんがさ、突然ここにやって来て、嫁になって一緒に来てくれって言われてね。あっ、も、もちろん、ちゃんと断ったよ。引きこもりのようだったから、ちょっと注意してね」
ちょっとか?あの土地神かなり心のど真ん中に突き刺さったみたいだったぞ?
川崎は相手が神様だって気が付いてないよな。
まあ、当然と言えば当然だが。
自分をナンパしてきたコスプレ引きこもりのおっさんが、まさか神様だってわかるわけがない。
「そ、そうなんだ」
どうする?
伝えるべきか?
さっきの引きこもりの弥生人コスプレのおっさんは、実は神様なんだって……。
なんだか言い出しにくいんだけど。
「比企谷はなんでここに?あっ、雪ノ下のことね」
「ああ、雪ノ下が倒れたってシロから聞いてな。迷惑かける」
「雪ノ下は奥のベッドで寝かせてるよ。別にいいよ。比企谷が悪いわけじゃないし」
「その肝心のシロは何処に行った?」
「シロなら雪ノ下のために飲み物買いにコンビニに行って来るって、もう戻って来るんじゃない?」
「そうか……」
「それよりも何があったのさ?神父はGS協会に緊急招集されて出かけたし、それに雪ノ下をここに寄越すなんてさ」
確かに怪しいよな、雪ノ下が神父の教会に来たのって顔つなぎのための挨拶に1回だけだし、そもそも雪ノ下が神父の所に行く理由がない。
それに、このタイミングで神父へのGS協会への招集だろ?
勘の鋭い川崎だったら、何かあったと思うのも無理もない。
どうしたものか?説明すべきか?
実際川崎も被害に遭っていたし、まあ、本人が気付かずに神様追い返したけど、次もさっきみたいにうまく行くとは限らない。
事情を話した方が対策を打ちやすい。
当たり障りのない程度にとどめれば大丈夫だろう。
俺は川崎に事情を話すことにした。
「実はだ。うちの事務所に神様が降臨されてな相談を受けていた。それで雪ノ下にはしばらく神父の所に行ってもらう事になった。その神様の相談とは、比較的位の低い神様たちの一部が現世で嫁取りを一斉に行う動きがあって、その対象に現世の人間も含まれてるって話だ。神が人を伴侶に迎えるという話は、数百年前には普通にあったそうだが、近代ではほとんどない。だから、混乱をきたす可能性があるため、対策が必要だということだったんだが……」
川崎は俺の説明の途中で驚きの声を上げるが……、
「神様が現世に降りてくるって本当なのかい?しかも嫁取りって?何それ?神様の世界って嫁不足なの?まるで田舎の農村のようだけど……って、さっきの私にナンパした弥生人みたいなおじさんって、もしかして神様だった?」
恐る恐るという感じで俺に聞く。
「そ、そうだな」
「ど、どどど、どうしよう比企谷!?私、かなり失礼な事言っちゃったよ!」
悪魔退治の現場に居合わせても動じない川崎が、珍しく慌てふためいていた。
「大丈夫じゃないか?あの土地神様、川崎の説教を素直に聞いて反省してたみたいだし」
「そ、そう?って、あ、あんた知っていたのなら助けなさいよ!」
「いや、なんか圧巻だったな。神様に説教する女子高生って、しかも正論で言いくるめるとか」
俺は川崎を落ちつかせるために少々ユーモアを交えてそう言った。
「比企谷!もう!言ってな!……はぁ、唐巣神父の真似事みたいなものだよ。私は神父みたいに優しく諭せないからさ、あんな感じになっちゃって、しかも相手が神様だったなんて、恥ずかしいってないよ……」
川崎は徐々に顔を赤らめ、しまいには顔を手で隠し、そっぽを向く。
「悪かった。まあ、川崎のお陰で神様も人の言葉を素直に聞いてくれるということが分かったのは大きい」
逆に、ランキング外の女性にも神様による嫁取りの火の粉が降りかかる可能性が高いということも判明した。
これはランキングの女性だけをガードするだけでは間に合わないということだ。
根本的に対策を練り直さないといけない事案だ。
「そ、そうなのかい?」
「ああ」
「それにしても、なんで私なんかを嫁にしようと?私、あの神様を知らないし」
「たぶん、適性があったからだろう。川崎の場合、霊気、霊力だけを見ても、ゴーストスイーパーになれるだけのものを持っている。それに神様は気立ての良さや嫁度なんて物も基準にしている。川崎は美人だし、家事や料理も得意だろ?だから、神様の基準に……」
「ひ、比企谷!?び、美人って、わ、私を褒めたってなにもでやしないよ!!」
川崎はさらに顔を赤らめ俺に怒鳴るように抗議する。
「す、すまん」
俺も何を言ってるんだ?恥ずかしくなってきた!
お互い視線をそらし、気まずい雰囲気に。
そうは言っても、あのランキングの神様が人間の嫁取りの判断基準としているものは美人度、気立て、嫁度という人間や神様共通の感性によるものだ。
神様特有のものだと霊力、戦闘力、善行度、転生適正という感じになる。
ランキングに選ばれた人を見ると、どうやら美人度というのは、共通で必要なもののようだ。
美的感覚は神様も人間も同じということか。
神様の嫁選びに転生適正と善行度もかなり重要な基準のようだ。
川崎は一般人でメディアに露出していないため、ランキングには入ることはないが、神様基準だと十分適正者だということだ。
微妙な空気の中、奥の扉が開き、フラフラと雪ノ下が出てきた。
「まだ頭がクラクラするわ……。比企谷君と川崎さん?何かあったのかしら?」
「いや、そのだ、えっと」
「比企谷が変な事をいうから!」
「………仲がいいわね」
訝し気に俺と川崎を見る雪ノ下。
「そ、そんなことないぞ。それよりも大丈夫か?」
「そ、そうよ。雪ノ下はもう起きて大丈夫なのかい?」
俺、かなり慌ててるんだが、手に汗がにじみ出るのを感じる。
恋人に浮気ではないかと疑いの目で見られた時のような緊張感ってこんな感じなのだろうか?
いやいやいや、そもそも浮気じゃないし、川崎とはそんなんじゃない上に、雪ノ下とは……ああ、なんだこれ?
なんで俺はこんなに慌てて困っているのだろうか?
「まあいいわ。それと川崎さんありがとう、大丈夫とは言いたいところだけど、記憶がところどころ飛んでいるわね。ただ、シロさんとの自転車での散歩は二度と行かない方がいいということだけは十分理解できたわ」
雪ノ下はフッと一息吐いてから、川崎に礼をいい、俺の方に向き直って疲れ切ったような表情でこう言った。
「俺も事前言っておけばよかったか、シロも自重してくれると思ったんだが」
「シロさん、普段は私達とそう変わらないような振る舞いなのだけど、時折実年齢よりも低く感じる時もあるわね」
シロは子供っぽいというか、アレだ。
犬の習性みたいなもんじゃないか?
犬って、喜びを全身で表すだろ?やたらはしゃぐし。
そういえばシロは犬じゃなくて人狼だったか、まあ、狼も犬も根本は一緒だろ。
「そうだな」
大方、自転車に乗った雪ノ下と出かけられると、テンション上がってつい、俺や師匠との散歩のときのように走り出したんだろうな。
「ところで、比企谷君がここに来たということは、私を迎えにきてくれたのかしら?」
「いや、雪ノ下さんに緊急の用事があったんだが、連絡が取れなくて、雪ノ下だったらどこに行ってるか知ってるかもしれないと思ってな」
「あなたが姉さんに?……何かあったのかしら?」
雪ノ下は俺に訝し気に聞き返してきた。
そうだろうな。
普段、俺から陽乃さんに積極的に電話をかける事なんてないしな。
……そういえば、GS関係以外で俺が誰かに電話をかけるなんて、ないな。
友達なんていやしない。
雪ノ下や由比ヶ浜に俺から電話をかけることもめったにないし、必要なことがあればメールかLineとかだしな。
「ああ、さっき事務所で受けた依頼なんだが、雪ノ下さんが巻き込まれそうでな」
俺は雪ノ下に軽く三太郎共の嫁取りランキングに陽乃さんが載っていた事と神様達の嫁取り事情を説明する。
雪ノ下はその内容を聞いてる途中から頭痛するかのように額を押させ、ため息を吐いてから、陽乃さんの居所を話してくれる。
「神様が姉さんを……、私としてはライバルが減るのは歓迎なのだけど、そうね。姉さんは休日の半日は修行のために雪ノ下本家の訓練所籠っていることが多いわ。修行に集中するために修行中は、誰も訓練所に立ち入らせないしスマホの電源も切っているから、まだ連絡がつかないということは修行中ではないかしら」
なるほど、ということは陽乃さんは雪ノ下の実家にまだいそうだ。
そういえば、陽乃さんが京都で修行中も一切連絡がつかなかったって言ってたな。
「雪ノ下の実家は確か千葉市より南だったか、ここからだとタクシーで1時間以上かかるか」
「そうね。今から行くつもりなら、私もついて行くわ。案内役が必要でしょ?」
「……そうだな。助かる」
まだ、陽乃さんが神様連中にちょっかい出されたわけでもないし、さっきの川崎と神様のやりとりから、神様と話し合いで済みそうだし、危険はないか。
それに、雪ノ下の実家に俺一人が行っても、門前払いを食らうかもしれないし、雪ノ下について行ってもらった方が良いだろう。
俺は雪ノ下に礼を言いつつ、スマホでタクシーの手配を行う。
そこに、俺達の話を聞いていた川崎は、少々慌て気味に雪ノ下にこんなことを聞いてきた。
「ちょっと、どういうこと?雪ノ下の姉が神様の嫁取りランキングに入ってるって?あんたの姉って有名人か何か?……そういえば修行がどうとかって、まさかGSの関係者?」
川崎は雪ノ下の姉がGSだということを知らなかったっけか?
いや、今陽乃さん学校に来てるし、学校側からも卒業生と伝えられていたが、雪ノ下と姉妹だとは思っていないってことか?
そういえば、そんな話題をしたこともなかったか。
「学校の護衛のために派遣されたGSの土御門陽乃が私の姉よ」
「かなりの使い手だ。俺もGS資格試験決勝戦で一度負けてる」
「え?土御門って、雪ノ下と苗字が違うじゃない」
「それは、ペンネームみたいなものよ、本名は雪ノ下陽乃、私の三つ上の実の姉よ」
「それって、雪ノ下の家は霊能の……」
そんな時、雪ノ下のスマホが鳴る。
「川崎さん少々待って、実家から連絡だわ」
雪ノ下がそう言って、俺に目配せしてから通話をする。
「もしもし、母さんなにかしら?え?……姉さんがさらわれた?」
陽乃さんが誘拐?
やはり三太郎のだれか?
下級神とはいえ武闘派の神様には太刀打ちできなかった?
いろいろありますが、結果は次回にw