やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
誤字脱字報告ありがとうございます。
続きですね。
ちょっと壊れ気味の八幡。
どうも横島くんと絡むとこうなっちゃいます。
「……横島師匠、一つ聞いていいですか?」
俺はある一つの仮説を立てた。
横島師匠の様子が明らかにおかしい。小竜姫様に対していつもの横島節が全くと言って出ていない。迷惑行為というか変態行為が出ていないのだ。
それと真逆で、小竜姫様に対する言動や行動が至って紳士的であるといってもいい。おかしい、おかしすぎる。
まあ、美少女と言っても相手は神様だ。流石に失礼な言動や行動をさけているのだろう。
……いや、横島忠夫に限ってそれはあるだろうか?あのスケベがそのまま服を着たような人間だぞ。相手が神だろうが悪魔だろうが、女性であれば手を出すはずだ。それなのにそんな素振りは全くないのだ。
まさか……すでに手を出した後、もしかして深い仲に!?だからあんな紳士横島に!?
小竜姫様と横島師匠との会話にしろ、行動にしろ阿吽の呼吸とでもいうのだろうか?自然体でフィットしてると言うか………お互いが分かりあっているというか……
「なんだ八幡、改まって」
「もしかして、もしかしてなんですが、流石の横島忠夫でも、女神さまに手を出さないですよね」
俺はわざとこんな言い方をする。
横島忠夫という人間は相手が女性で美人であれば、妖怪だろうが幽霊だろうが手を出す。もちろん神にも出すだろうと……だが、一応、一応な。万が一間違ってたら流石に悪いしな。
「ななななな何を言ってるんだ八幡!」
……なんだ?横島師匠が動揺した?
やはり、手を出したんだな!まあ、わかっちゃいたが、この人ほんとに見境がない!
ということは本当に小竜姫様と横島師匠は深い仲なのか?
手を出して、そのまま小竜姫様を自分のものに………大人の情事に?
女神様といえ、こんな理想の美少女に……あんなことやこんなことを?
くっ!キヌさんだけでなく、小竜姫様にまで!!
俺は徐々に怒りがこみあがってくる。
「………修行とか言って、小竜姫様に邪な思いを抱き、ここに通い……そしてついには、純情で何も知らない初心な小竜姫様にその毒牙に!!何も知らない小竜姫様はそのまま横島師匠の言いなりに!!見損ないましたよ横島師匠!!」
「何いってんだ!!そんな事があるわけがないだろ!!」
「まあ」
「キヌさんというものがありながら!修行先で出来ていたなんて!!しかも相手は世事に疎い竜神のお姫様だ!!いいように言いくるめたんだろ!!」
「ちがーーーう!!」
「どう見ても仲のいい新婚夫婦だろうが!!」
「ちがーーーーう!!」
「まあ、新婚夫婦だなんて!」
横島師匠は慌てて否定するが小竜姫様はまんざらでもない表情を浮かべる。
「小竜姫様!!騙されてはいけません。この男は!!小竜姫様に手をだしておきながら!!現世では素晴らしい女性を待たせ、さらに街で節操なくナンパしまくってるんですよ!!」
「ちがーーーーう!!最後は違わないけど、ちがーーーーう!!」
「そうなんですか?横島さん?」
「なんすか?小竜姫様を正妻に、キヌさんはキープですか!?2号さんですか!?ハーレム王をめざしてるんすか!?」
「ちがーーーーう!!八幡落ち着けーーーーー!!」
「私が正妻なんですね」
横島師匠は俺の両肩を掴み、懸命に否定する。
その後ろで嬉しそうにする小竜姫様が見えた。
「何が違うんだ!!見損なったぞ!!師匠!!」
俺の肩を掴む横島師匠の腕を振り払い、思いっきり言ってやった。
「ちがーーーーう!!小竜姫様は俺の姉弟子なんだ!!だから敬意をもってだな!!」
「姉弟子!?そんな言い訳聞きたくない!!」
「それは本当ですよ。比企谷さん」
小竜姫様はニコっとした笑顔で俺に言う。
「!?……」
「横島さんは私の弟弟子です。横島さんは老師の末弟子なんですよ」
「……本当ですか?」
「はい」
優しく微笑む小竜姫様。
女神様がそう言うならばそうなんだろうが……
「だから違うと何度も言ったじゃねーか!」
「夫婦じゃないんですね。手をだしてないんですね。だったら……なんで、小竜姫様と一緒に生活してるんですか?」
「俺は内弟子なんだ。だから、ここで生活してるんだ!しかも師匠も居るし別に二人だけで暮らしてるわけじゃない。今は居ないがもう一人ちびっ子も居るんだよ」
まあ、確かにそうなんだろうが……ちびっ子って誰だ?
「あのアパートは?」
そう、横島師匠が事務所からちょっと離れた場所にあるボロアパートの一室だ。横島師匠はあそこに住んでたはずだ。
「あそこと、こことでゲートで直でつながってるんだ!」
「……このことは、美神さんとキヌさんは知ってるんですか?」
「もちろん知ってる」
「……本当に小竜姫様と夫婦でも恋人同士でもないんですね?」
「違うって言ってるだろ!なんだ。今日はやけに絡んでくるな」
「いや……すみません。あまりにも仲良く見えたんでつい」
……どうやら、俺の勘違いだったようだ。
でも、女神様と言えども、女性にあんな優し気な対応をする横島師匠を見たことがないんですが……確かにキヌさんにも優しいけど、キヌさんはどちらかと言えば妹のような扱いだよな。
「そう見えるんですね。私は横島さんと恋人同士でも夫婦でも構いませんよ」
嬉しそうに微笑む小竜姫様。
「小竜姫様!冗談でもよしてください。八幡はクソ真面目なんですから!真に受けたらどうするんですか!」
「私は全然構いませんよ」
「小竜姫様!」
「横島さんの意地悪」
小竜姫様は拗ねたように言う。
何これ、なんか甘酸っぱい空間が二人を支配してるんだが……
「………師匠…本当に違うんですよね」
俺は恐る恐るもう一度訪ねる。
「違うって言ってるだろ!」
「………」
俺は横島師匠にジトっと疑いの目を向ける。
「なんだその目は!まだ疑ってるのか!?」
「俺は元々こんな目なんで」
もしかして小竜姫様が横島師匠を好きなんじゃ?
なにこれ、横島師匠ってもしかして、モテるのか?
リアル女神様に現世聖母様から好かれるってどういう事よ!!
超属性持ちのヒロインな小竜姫様と現世の聖母、優しさ100パーセントで出来てるキヌさんにだぞ!!
うらやましすぎるんだが!!
……くそ、嫉妬で人を陥れる事が出来たなら!!
!?まてよ。横島師匠と小竜姫様がここでイチャイチャ暮らしてる事を美神さんもキヌさんも知ってるって言ってたよな。
もしかして、この現状を知ってるからキヌさんは横島師匠に告白できないのでは……
「はぁ、なんなんだ?八幡!お前も夕飯の支度手伝え!」
俺は横島師匠に言われ、小竜姫様と師匠の後について行く。
「………」
古風な台所では、野菜を切る小竜姫様の横に並んで芋の皮を向く横島師匠という風景を見せつけられる。
……なにこれ?仲がいい夫婦や恋人同士にしか見えないんだが!
もしかして、この風景をキヌさんに見せたのでは?
うううう、キヌさんが不憫すぎる。
俺はやきもきしながら、夕飯の支度を手伝い。
食卓につき夕飯を共にするのだが……やっぱりこれ、新婚夫婦にしか見えないんだが!
……冷静になれ八幡!きっとこれが天界の女神様。神様なんだ。
誰に対しても優しく接し、夫婦や恋人気分の甘い感じを味わわせてくれる。
だから、横島師匠ともこんな感じになるんだ!
きっとそうに違いない。
俺は仲良さげな二人を前にそう思う事にした。
でなければやってられないからだ。
夕飯の後、片づけを終わらせた後。
もやもやが消えないまま俺は、横島師匠に中華風の道着に着替えさせられ、修行場の建物に連れらていかれる。
道場の中心に近いと思われる場所のとある扉の中に入ると、そこには建物の中ではなく、外にでた。いや、外というよりもこれは異空間だ。周囲180度地平線だけが見える。何もないだだっ広い空間。空一面真っ黒だが、周囲が見えないわけではない。どこからか明かりが照らされているのかはわからないが、視界は良好だ。
自分が踏みしめている地面は硬い土に覆われている。息も普通にできる。
「横島師匠……ここは?」
「修行場だな。但し、どこかの神さんが作った異空間の修行場だ。道場にも普通に板の間とか畳敷きの修行場もあるが、そこだと思いっきりできないだろ?」
「……なるほど」
確かにそうだ。何かを壊す懸念がなくなる。
普通の剣道場とかでは俺たち霊能力者の能力をフルに発揮すると道場そのものを破壊しかねない。GS試験会場のような強力な結界を何重にもかけたような場所でなければ本格的な霊能力者どうしの試合など土台無理な話だ。
「八幡、久々に手合わせするか」
横島師匠はそう言って、俺と10mぐらい距離を置く。
「よろしくお願いします」
この頃、なんだかんだと言って、横島師匠と手合わせが出来てない。自主訓練は行ってはいるが……
「いつでもいいぞ~全力でな!」
「………」
言われなくても全力で行きますよ。
今日のもやもやを思いっきりぶつけさせてもらいますよ!
俺は霊力による身体能力をアップさせつつ、左手にサイキックソーサー展開し、横島師匠の顔面目掛けて放つ。
それと同時に、横島師匠の右側に大きく回り込みながら、霊視空間把握能力を発動させる。
横島師匠は俺のサイキックソーサーを首を横に振るだけで避ける。
俺は横島師匠の右側面から突っ込み、飛び蹴りを放つ。
横島師匠が避け、後方に飛んで行ったサイキックソーサーをコントロールし、再び師匠の後頭部に向けさせる。
右側面からの飛び蹴りと、サイキックソーサーの後方からの奇襲、同時攻撃だ。
横島師匠は僅かに左後方に下がり、俺の飛び蹴りをかわし、頭を低くし、俺が放ったサイキックソーサーを避ける。
それだけだったらいい、横島師匠は俺が放ったサイキックソーサーに避けながら触れ、軌道を変えたのだ。
軌道が変わったサイキックソーサーは地面に着地した俺に直撃、辛うじて防御態勢を取ったため、大きなダメージは受けなかったが……
「くっ!」
やはり……全然歯が立たない。
俺はそのまま横島師匠に接近し体術で突きと蹴りを放つ。
当然の如く横島師匠は悉く避ける。
「八幡なに怒ってるんだ?今日のお前、荒々しいぞ?」
「怒ってませんよ!」
俺は姿勢を落とし下段に蹴りを放つ。
「うーん。小竜姫様の事か?」
「だから、違うって言ってるでしょ!」
師匠の顔面目掛けて、アッパー気味に掌底を放つ。
「小竜姫様は姉弟子でだな。まあ、最初の頃は、いろいろとやらかしたが、もう3年も一緒に住んでるしな、まあ、家族みたいなもんで、姉同然なかんじで、お前が思ってるような関係じゃないぞ」
俺の体術による攻撃を悉く避けていた横島師匠は後方に大きくジャンプし距離を取った。
「くっ!だから、違うって……」
俺は横島師匠が3年小竜姫様と過ごしていたという話にもイラっとする。
……いや、俺は確かに小竜姫様と横島師匠を目の前にして、いらいら、もやもやとしていた。
だが……その根本は……違う。
俺は、俺の知らない横島忠夫の顔があったことにもやもやしていたんだ。
横島師匠が茨木童子を圧倒し、SSSGSと知った時はそうは思わなかった。
あの時の驚きは激しかったが、俺の師匠はやはり凄い人なんだと、嬉しさが先行した。
しかし、今回は……
この後も、俺の攻撃は横島師匠に届くことはなかった。
最後は横島師匠に後ろから軽く、チョップを食らい。それで、手合わせは終わった。
寝る前の霊気量アップと霊力変換効率の訓練だと言われ、底なし沼に放り込まれる。
霊力を放出し続けないと、どんどん沈んでいく沼だ。2時間はここに放り込まれたままになる。
もう限界だと思っていた時に横島師匠が沼から放りだしてくれる。
体内の霊気はスッカラカンだ。もう、体がピクリとも動かない……
横島師匠に無理やり露天風呂に入れられ……その後は、布団に放り込まれた。
俺は布団の中で……
小竜姫様と横島師匠の話や様子にもやもやしていた。
確かに、小竜姫様やキヌさんとの関係で嫉妬心があったのだが……そこじゃあない。
俺の知らない横島忠夫がそこにあったからだ。
もやもやの正体は俺はわかっていた。
悲しみ、悔しさ、情けなさ……それのどれにも該当しない感情だ。
師匠は未だ俺に重要な事や真実を語ってくれない。
俺はまだ横島師匠に認められていなかったのではないかと………言いようもない感情が今もあふれてる。
そう、俺は横島忠夫に認められたいのだ。
しばらく、ドラゴンへの道は続きます。
横島君についての過去(原作終了後?)の情報を少し開示する予定です。