やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
俺ガイルの設定や主要人物についての説明を、各話に入れ込み直しました。
小町⇒妹の小町
奉仕部とは………云々の説明やら……
等々
⑤GS一次試験開始
俺はGS資格試験のための訓練や勉強のために、暫く金・土・日と美神令子除霊事務所に泊まりこんだ。
キヌさんとの試験勉強は、キヌさんの部屋で行うわけではない。もちろん事務所の応接間だ。
……女の子の部屋に入れるなんてこれっぽっちも期待していなかったぞ、ほ、ほんとだぞ。
すみません。ちょっと期待してました。
試験勉強は法律や規定、そして、霊障や妖怪の特性などと、暗記物が多い。
キヌさんは教えるのがものすごくうまい。俺も元々暗記物が得意なのもあって、俺は試験合格レベルまでの学力をつけることが出来た。
これもキヌさんのお陰である。
高給取りの仕事に、優しさに、可愛さを兼ね備え、勉強も料理も出来て、何これ、なんなのこの完璧超人?将来は養って欲しい………。
しかし、それは難しいだろう。キヌさん、横島師匠に気があるのがみえみえなんだよな。
あの変態の何処がいいのだか……謎だ。
確かに、たまに優しいし、強いしな……それでもあの性格だぞ。
後は横島師匠と実戦方式の訓練を実施。いままで一本も取れないんだけど……余計に心配になってくる。正攻法は無理だから、騙し打ちとか色々試したんだけど、全く通用しない。
たまに、美神さんが暇つぶしに、相手してくれるけど、レベルが違うんだけど………
そりゃそうだよな。美神さんは日本でも数人しか居ない最上級Sランクのゴーストスイーパーだもんな。あのオカルトGメンで有名な西条さんでもAランクだし。Aランクだって日本に三十人も居ないんだ。どんだけ強いんだよ。
そう言えば、横島師匠はどうなんだろうか。知らないな。
まあ、実力的にBかAぐらいありそうだが。
10月22日遂にGS資格試験実施日だ。
この日は平日のため、俺は学校に休みを届け出て来ている。
専門学校やら、霊能科がある学校と違って俺が通う総武高校は普通の進学校だからな。
会場は六道女学院の武道場だ。
因みにキヌさんが通っている学校はここだ。
この学校は霊能者の大家、六道家が経営する霊能科がある超エリート学校なのだ。
会場には付添として横島師匠がついてきてくれた。
美神さんは特別審査員で、キヌさんは試験会場スタッフのヒーリング係員なので2人は既に会場入りしているのだ。
会場では、美神さんとキヌさんとも顔を合わす機会があり。
「比企谷くん、ちゃんと通りなさいよ!」
「がんばって、比企谷くん。きっと大丈夫だから」
2人の励ましの言葉を貰う。
会場には500名位の受験生が集まっていた。
日本GS協会の会長であり、六道女学院理事長でもある六道女史の挨拶から始まる。
次は世界機構であるICPO超常犯罪科、通称オカルトGメンの役員兼東アジア統合管理官、美神美智恵さんの挨拶だ。因みに美神さんのかーちゃんだ。この業界でかなりの権力を持っているらしく、今のGS関係の法整備に一役かったのはこのかーちゃんだ。普段は仲がいい親子なんだが、GSに関する思想が全くちがうのか、よく言い争ってる。
この試験で美智恵さんの目に止まった受験者はオカルトGメンにスカウトされるらしい。
受験者は自然と力が入る。GS業界ではオカルトGメンは憧れの職業だからだ。
オカルトGメンと言えば、美神令子除霊事務所の俺の同僚にシロとタマモという俺の一つ下ぐらいの年の女の子達が居るのだが、今はオカルトGメンに出向して、長期出張中だ。まあ、彼女達のことは後々にと……
そして特別審査委員の紹介から始まる。
美神さんを始め、GS業界有名どころが名が幾つか上がってくる。
その中には美神さんの師匠唐巣神父の名もあった。
有名どころで言うと土御門なんて名もある。陰陽師の大家だ。
日本でもトップクラスのGSが集まっていた。
少なくともBランク以上の現役の上位ゴーストスイーパー達だ。
一次試験の筆記試験は、会場から出て、六道女学院の校舎で行われる。
お嬢様学校だけあって、校内は清潔そのものだ。なんかいい香りがするし………
キヌさんに教えてもらったかいがあって、筆記試験は余裕で合格した。
合格した者はそのまま会場に戻り、能力判定試験を受ける。
ここでの脱落者は80人ほどだ。意外と少ない。
次は能力判定試験だ。
20人づつ一列に並ばされ、何かの測定器を持たされる。霊気を放出する試験だ。
あの測定器は霊気を測定する霊具だ。
さらに、試験官が霊視ゴーグルで各々を測定。
測定器で内包する霊気を測り、霊視ゴーグルで霊力の放出量を測るのだろう。
一分間という時間があるから、持続時間も測るのだろう。
試験官の開始の合図と共に、受験生は霊力を放出していく。
霊力が規定に満たなかったり、途中で霊気が尽きたりした受験生は番号を呼ばれ、次々と脱落する。
俺の前の連中の様子見たのだが………
前の班は大した奴はいなかったが、それでも数人残ったぞ。どのぐらいが合格ラインなんだ?
次は俺の番か。
まあ、霊気コントロールは横島師匠のお陰でかなり物になってるし、元々の霊気量もそこそこあるらしいから大丈夫だろう。
どの程度が合格ラインかわからないから、強めに霊力を放出するか……
試験官から開始の合図がかかる。
ん?……なんか試験官がざわめいているぞ………周りの奴は何で俺を見るんだ?
なんか、試験官が驚いているな……すごい奴でも居るのか?
「し、終了!」
俺は番号を呼ばれなかったから、これで合格だな。一応これで一次試験終わりか……
問題は午後からの二次試験だな。
正直これが一番不安だ。結局訓練試合で横島師匠にも美神さんにも一本も取れなかったし……
?なんで試験官も受験生も俺を見るんだ?知らず知らずになにかやらかしたか?
俺は妙な視線を感じながらも、1回関係者観戦席に居るはずの横島師匠の元に駆けつけるが…………やっぱいない。
しまった!ここは女子校だ!あのドスケベがじっとしているはずがない!!檻の中の羊の群れに猛獣を放り込むのと同じだ!!
しかし、あの美神さんがそれがわかってて、付添とは言え、何の策も無しに横島師匠をここに野放しにするわけがないような……
俺は取り敢えず会場の外へ女子学院の敷地にでて横島師匠を探しに行こうとしたのだが……
「ぎゃーー!!ぐぼべーーー!!お助けーーー!!ぼほーーー!!」
聞き覚えがある叫び声が聞こえるのだが………
叫び声の方向に、見るからに強力な式神達に揉みくちゃにされている横島師匠が居た。
「え?あれ、死ぬんじゃない?え?何あの式神一体一体超強力なんだけど?え?なんであんなことに?」
よく見ると、その式神達超見覚えがあるんですが………間違いない。六道冥子さんの式神だ。
美神さんの親友で、次期六道家当主六道冥子さん。十二神将という強力な式神を操る式神使いだ。因みにここの理事長の娘さんだ。
なるほど、美神さんは横島師匠の監視を六道冥子さんに頼んだのか。
あっ…死んだ……横島師匠は式神達の間でピクリとも動かなくなっていた。
しばらくして、美神さんとキヌさん、ボロボロの横島師匠と女学院内の喫茶店で昼食をする。
横島師匠は白目向いて、テーブルに倒れ込んでいる。
何時もなら直ぐ復活するのだが、ボロボロのままだ。流石は六道家の式神だ。師匠をここまで痛めつけるとは………いや、あれで死なない師匠がすごいのかもしれない。
「一次試験通過おめでとうございます。比企谷くん」
「キヌさんに試験勉強手伝ってもらったお陰です」
「比企谷くん、次からが本番よ。でも今回はラッキーかな、大した奴はいないわね。まあ、気をつけた方が良いのは、土御門家のあの子ね。彼女分家の子らしいけど……たしか、土御門陽乃だったかしら」
「土御門陽乃?え?彼女って……女性とも戦わないといけないんですか?」
「当たり前よ。霊能者に男女は関係ないわ。それでも今は昔にくらべて大分ルールは緩くなったほうよ」
なんか何処かで聞いたような名前だが……土御門っていや、陰陽術の大家だよな………彼女って女かよ。!?そう言えば、二次試験の試合は男女関係ないって事は女とも当たるのかよ
「八幡!女の子と試合するのか変わってくれ!」
横島師匠は女と聞いてビヨーンと起き上がり、怪我も回復し復活した。
「あんたは黙ってなさい!」
美神さんの肘打ちが横島師匠の脳天に炸裂し、そのままノックダウン。
「昔はルール無用の全力で試合してたから、この試験で死人なんてことはザラにあったけど、今は致死性の呪いや、即死攻撃は禁止されているわ」
「私達の代で規定がかわったんです」
キヌさんが美神さんの説明をフォローする。
「なにそれこわ!」
なにその野蛮な設定、何処かの世紀末?つくづくこの時代に生まれてよかった。
「ただ、それでも不慮の事故は起こるものよ。十分気を付けなさい。後、相手が女だからって躊躇しない。君は変なところで融通が効かないから。もし女で相手の方が力量が上だったらどうするの?」
美神さんはなんだかんだと言って、俺に的確なアドバイスをくれる。
「はぁ、肝に銘じます」
女性に手を上げるのはちょっとな、女性と当たらない事を祈るしかないか。
午後から二次試験開始だ。
というわけで、意味深な名前が出てきました。
次回は二次試験です。