やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


今回は由比ヶ浜家に戻ってきました。
展開的にはGSより?



(88)ドクター・カオスは天災錬金術師

4月4日

俺は今、秋葉原のメインストリートを歩いている。

 

GSの仕事はどうしたって?

 

今日の仕事は夕方からで、朝からは昼過ぎまで一応フリーだ。

 

中二病が再発して、アニメグッズ巡りでもしてるのかって?

 

アニメとかマンガは嫌いじゃない。中学の頃は嵌ったアニメがあって、そのコスプレもどきまでしたことがある。今でもたまに深夜アニメを録画して鑑賞してるぐらいだ。

かと言って、別に今更中二病が再発したわけでもない。

 

今日は付き合いでここに来てるのだ。

 

「ヒッキー、付き会ってくれてありがとう!」

横に振り向くと、ピンク色っぽく脱色した髪をお団子頭で括った独特の髪型をした少女が上目遣いで楽しげに礼を言う。

 

「まあ、時間があったしな」

 

「ヒッキー君。ありがとね」

俺の横を歩くピンク色の髪の少女とよく似た顔立ちの、茶色がかった黒髪の同じぐらいの年齢の少女も俺に礼を言う。

 

「いえ、大丈夫です」

 

「ミスタ・比企谷・ありがとう・ございます」

少女達よりも年齢が少し上に見える女性から、後ろから同じく礼の言葉をかけられる。

彼女も、ピンク色っぽい髪の色をし、少女達とよく似た顔立ちをしてる。

 

「これも何かの縁ですんで、気にしないでください」

 

しかし、彼女たちは顔立ちも体型もよく似ているが、姉妹ではない。

最初の少女が17歳、次の少女に見える方が35歳、最後の年上の女性が約800歳

彼女らの関係を簡単に言うと親子とその居候のアンドロイドだ。

 

 

そう俺は、今日この秋葉原に、由比ヶ浜とその母親のガハママとマリアさん達と来ているのだ。

 

「わーーはっはっはーーーーー!!ガリレオ!!ここでわしの野望の一歩を踏み出せるのだな!!」

そしてもう一人。この高笑いで仰々しい物言いをし、俺の事をガリレオと呼ぶ欧州紳士風の服装がよく似合う白人中年のシブイイケメン。天才錬金術師ドクター・カオスも一緒だ。

昨日、横島師匠にこのドクター・カオスの事をそれとなく聞いたのだが……俺のイメージとは随分違っていた。天才錬金術師ではなく天災錬金術師だと言う事を……、

因みにマリアさんからは、横島師匠達にドクターやマリアさんが日本に居る事をまだ知らせないでほしいと言われていた。自分で会いに行って話すそうだ。

 

 

なぜこのメンツで秋葉原に来ているかというと……

話は昨日の4月3日に遡る。

 

昨日の午前中は一色に呼ばれ、学校に行き一悶着あったが、これは今は置いておこう。

午後から予定通り、美神令子除霊事務所に仕事に行った。この4日の仕事のスケジュールを確認し、地縛霊の除霊の下見を一件終わらせ、家に帰った後に由比ヶ浜から着信があった。

 

しかし電話先の人物は……由比ヶ浜じゃあなかった。

その人物の第一声はこんな感じだった。

「うわーーーはっはっーーー!ガリレオよ!!わしの偉大なる実証実験を体験したんじゃ!!金をよこせ!!手付に1000万じゃ」

 

「はあ!?」

 

そうドクター・カオス氏は俺に金の無心をしてきたのだ。

色々と話を聞いてみたが、要領の得ない話が続く。

話をまとめると要するにだ。生活資金や開発資金やマリアさんのメンテナンスの資金が欲しいのだそうだ。

最初は、ガハママに頼もうとしたのだそうだが、マリアさんに殴られて怒られたそうだ。

まあ、そうだよな。1000万なんて言ったら、いくら温厚なガハママでも追い出されるぞ。

 

それで俺にお鉢が回ってきたと言う事だ。

ドクター・カオス氏ほどの有名人が金が無いのは何故かわからなかったが、どうやら開発した物は直ぐに金に換え、さらにその金で開発し、その開発した物を直ぐに金に換えと……そんな生活を何百年も続けていたらしい。途中大きなパトロンとかスポンサーとかもあったらしかったが……そのうち誰も相手にしてくれなくなったそうな。

最近はずっと、道路工事などの工事現場で肉体労働で金を集めていたそうだ。

……世界の天才錬金術師が何をやってるんだ?もっといい方法があるだろうに。

 

歴史上の人物で天才と呼ばれる人達は、金に疎い人が多いとは聞いていたが、まさにその典型だ。

 

俺は金を渡すのではなく。安定して金を得る方法を考えるように話す。まさしく奉仕部の理念だ。

すると、「金を作る方法など知らん!そんな事に興味などないわ!!」と堂々と言ってのけたのだ。

 

いくらドクターと話をしても埒が明かないため、俺はマリアさんと由比ヶ浜に電話を替わってもらい、話を続ける。

俺はマリアさんに金を集める方法を提案する。

 

①デイトレーダー

要するに株だ。マリアさん程のスペックを持っていれば、工事現場で働くよりもよっぽど稼げるだろう。但し元手はかかるが……

 

②スマホアプリ開発

スマホアプリの開発は発想力で、知識さえあれば個人でも出来てしまうものだ。

ましては、天才の名をほしいままにしてるドクター・カオスが本気を出せば余裕だろう。

 

③アフェリエイト

要するにネット広告で稼ぐ方法だ。これもマリアさん程のスペックが有れば可能だが……センスが必要でもある。

 

④ユウチューバー

あれだ。動画を見て貰って、稼ぐ方法だ。

これもセンスが必要か。

 

⑤GSで稼ぐ。

SランクGSの資格を持ってるんだ。

日本GS協会やオカルトGメンに頼みに行けば、仕事ぐらいくれるだろう。

まあ、これが一番現実的だな。

 

⑥過去の開発品の特許申請だ。

膨大な時間を開発にささげてきた人だ。しかも若返りの霊薬まで作ってしまうぐらいだからな。

まだ世に出ていない開発品の設計図などもあるはずだ。それらを特許申請して、大企業にアピールし、商品化させ。特許料を頂くという感じだ。

 

まあ、そんな感じだ。

おすすめは⑤と⑥だ。

 

⑥については、ほとんど消失したそうだ。

その理由はケツを拭く紙として、消えて行ったと。

……この人何考えてんだ?金の卵をドブに捨てるどころかミソつけて便器に流してるんだが!

 

⑤をプッシュしたのだが、何故かドクターは②のアプリ開発の話に食いついてきて、どうもやりたいようなのだ。

なんか、ただ単に興味をもっただけで、金のことを忘れてる感じがするが……

 

その為にパソコンが必要なのだが……残念ながら由比ヶ浜家にはパソコンが無い。

だから、俺によこせと言ってきたが、俺は俺で必要なものだからな。渡すわけには行かない。

 

結局、俺はドクターに、資金提供として10万を融資する事になり、それを元手で、中古パソコンを買うか、パソコンを組み立てる事になったのだ。

 

それで、この元電気街の秋葉原だ。いまも一応電気街か、サブカルチャーにメインは食われた感じではあるが。

出資者の俺も同行する羽目になる。

そして、そこに由比ヶ浜とガハママも付いてきたのだ。

 

「結衣!あれは何かしら?可愛い服ね」

「ママ、あれはメイド喫茶のメイドさんだよ」

「私も着てみたいわ。どこで着られるのかしら?」

「去年ね。一日だけバイトした時に着たことあるよ。ね。ヒッキー!」

「ヒッキー君もあの服着たの?」

「なわけないでしょ、俺は客として様子を見に行っただけです」

「ママもメイド喫茶でバイトしようかな」

「……あの、今は控えた方がいいですよ。年齢とその見た目がかなり異なってるんで、履歴書とかで怪しまれますよ」

「えー?ダメ?」

「……あの、ちょっと離れて貰えますか?」

「ママ!ヒッキーにくっ付つき過ぎ!」

 

……傍から見たら、どう見えるのだろうかこの状況は。

ドクターが父親で、その美人三姉妹と俺は息子に見えるかもしれない。

いや、この感じだと美人三姉妹とリア充野郎に見える?……なんか周囲の視線が痛いような。

 

 

ドクターは、パソコン中古ショップのジャンクに目をキラキラさせていた。

「ガリレオ!宝の山じゃ!なぜこれがジャンク故障品として破格の値段で出てるんじゃ?」

 

「古かったり動かなかったり、動作が不安定なものですよ。まともに動く奴は少ないんじゃないですか?」

 

「ふはははっ、面白い!!廃棄処分の洗濯機や冷蔵庫からマリア専用の飛行ユニットを作ったのが記憶に新しい!!この程度のもの、故障の内に入らんわ!!」

……どうやって洗濯機と冷蔵庫から飛行ユニット作れるんだ?マリアさん専用って……マリアさんが飛べるようになるのか?昔のアニメのジェットスクランダーみたいに?

 

結局ドクターは、ジャンク品を10万円近く買い込んだ。

本当に……大丈夫なのだろうか?

まあ、失敗しても大丈夫な金額にではあるがな。あの融資した10万円は無かったことにしておこう。

 

この後、由比ヶ浜達と美味しいパンケーキを出す喫茶店で昼食を済まし、別れることに。

ドクターが見繕って買った山のようなジャンクの数々を、マリアさんが背負って帰って行った。

 

 

 

その2日後の4月6日

……由比ヶ浜から早朝から電話があって、由比ヶ浜家がなんか大変な事になってるらしい。俺は午前中にドクターの様子を見に行く事を伝えた。

 

俺は由比ヶ浜宅のインターフォンを鳴らすと、間髪いれずに玄関の扉が開いた。

 

……開いたのだが、誰もいない。

いや、よく見ると、玄関の床に小さな何かがはぁはぁ言いながら、こちらをつぶらな目で見上げていた。

 

??

 

……なにこれ?

 

え?

 

ちょっ、え?

 

そして、その何かの背中に載ってる2門のビームランチャーの右側から、赤い光がこちらに向かって伸びて来た!

 

俺は咄嗟に首を振って、避けると……避けた先の壁が焦げて焼けただれていた。ビ、ビーム兵器?

 

え?なにこれ?

 

その何かは、俺に向かってキャンキャン吠えながら、尻尾をブンブン振って俺の周りを走り出した。

その何かは、体のいたるところがメタリックで、胴体にはチョバムアーマー。背中から肩口に掛けてビームランチャ―が2門、そのうちは右門は確実にビームだ!

腰あたりには小さな飛行機のような翼が取り付けられている!

そして頭にはどこかで見たことがある赤い人が被っていたヘルメットをしていた!

 

おいーーー!!なんだこりゃ!?なにロボット?猫型ではなく犬型ロボットか?

 

その何かは、しまいには俺に腹を見せ、服従のポーズをとる。

 

………ま、まさか!!

 

「おい、おまえ……サブレか?」

俺はその犬型ロボットに恐る恐る聞く。

 

「ワンッ!」

その犬型ロボットは服従のポーズを取ったまま、尻尾をブンブンまわしながら元気よく返事を返してきたのだ。

 

「おいーーーーーー!!由比ヶ浜!?どうなってるーーーーー!!お前んちの犬!!ロボコップ見たいになってるぞ!!」

俺は衝撃を受けながらも、玄関の奥に向かって叫ぶ!

 

すると……大きなピンク色のポリバケツをひっくり返したような物体が……ウイーンと音を立てながら奥から滑るように現れる。まるでスター〇ォー〇のR2‐D〇のような感じだ!

「ヒ・ッ・キ・ー・ヤ・ッ・ハ・ロ・-」

その物体は、俺の前まで来て片言のロボット語で俺に向かって挨拶をしたのだ!

片言のロボット語だが……こんなあいさつをする奴は俺は一人しか知らない!

 

………ま………まさか!?

おい、冗談だよな?おいおいおいおい!?冗談だと言ってくれ!!バーーニィーーー!!

 

「ヒ・ッ・キ・ー・ヤ・ッ・ハ・ロ・-」

 

「………」

 

俺は膝を床に突き、そのピンク色のR2もどきをガバっと両手で掴む!

「おい……お前、由比ヶ浜なのか?本当に由比ヶ浜なのか!?ドクターに改造されたのか!?あんのジジィ!!とんでもないことをやりやがってーーーーー!!」

俺は涙を目にためながら、怒りに打ち震えていた。

横島師匠が言っていた事は、本当だった!!

迷惑極まりない開発をしまくり、周りに厄災を振りまき不幸に突き落とす存在だと!!

 

「ヒ・ッ・キ・ー・ヒ・ッ・キ・ー」

 

よりによって、助けてもらって恩がある由比ヶ浜をこんな姿にしやがって!!許さーーーん!!

 

俺が怒りで、震えていたところに……

「ヒッキー?玄関で何やってるの?」

聞きなれた声が頭上からする。

 

「あれ?由比ヶ浜?………じゃあこれは由比ヶ浜じゃない?」

俺はその声の主の方へ見上げると、いつもの姿の由比ヶ浜があった。

 

「ヒッキー!!そのお使いロボットとあたしを間違えたとか!?マジ在りえない!!あたしはこんなに寸胴じゃないし!!」

由比ヶ浜はプリプリと怒り出す。

 

「……ほっ、だよな。マジ焦った」

俺はそんな由比ヶ浜を見あげて、ホッとする。

 

「もう!ヒッキーってたまに天然ボケするよね!」

 

「じゃあ、あのロボコップ見たいになってるのは?」

俺はサブレと思われる、ロボコップ犬を指さす。

 

「ヒッキー忘れちゃったの?サブレだよ。おいでサブレ!」

由比ヶ浜は俺に呆れた表情を向けてから、ロボコップ犬を呼ぶ。

ロボコップ犬は尻尾を振りながら由比ヶ浜に飛びついて行く。

いやいやいや、俺が知ってるサブレは、体中が毛むくじゃらで、こんな鋼鉄の装甲や、ヘルメットやビームランチャーやらウイングなんてついてなかったぞ!!

こんなロボコップ犬は知らん!!

 

 

「がーーはっはっはーーーーー!!ガリレオ!!来たか!!待ちわびたぞい!!」

そこでドクター・カオス登場。いい加減にガリレオ呼びはやめろよな。何度説明したらわかるんだこのおっさん。いや1000年も生きてるからジジィか!!

 

「……ドクター、サブレになんてことするんですか!」

 

「ん?この生物(なまもの)、飯を食って糞尿垂らすだけの存在の癖に、我がもの顔でこの家に居座っておるからのう。役に立たすために、このわし自らが施したのじゃ!!」

何言ってんだこの爺さん!!

我が物顔で由比ヶ浜の家に居座ってるのはあんただろ!!

 

「いやいや、なに言ってるんすか?」

 

「見るがいい!!機能美溢れたこの美しいフォルム!!この装甲は対戦車ライフルの弾丸を防ぐことを可能とし!!背中から肩口のビームランチャーは!!右門がこの家に侵入するカやハエなどを抹殺するレーザービーム。左門は不審者などを捕えるための、ワイヤーネットランチャー!!

その足にはピンポイントバリアパンチまで備えておる!ヘルメットには、胴体と同様の装甲にGPS機能とスマホ機能が搭載!!そして、尻尾を振る事で、発電しこれらの機能の電力を賄っておる!!そして、最大の機能は!!自分で垂らした糞尿の自動回収機能じゃ!!しかも臭いも瞬時に消せる優れものだ!!これで番犬としての役割を果たし!自らの所業を自己で完結させる!!すばらしい!!素晴らしすぎる!!やはりわしは天才じゃーーー!!わーーーはっはーーー!!」

ドクターはサブレの成れの果てに指さし、何やら装備の説明した後、自画自賛をし出す始末。

俺はそんな事を聞いてるんじゃないぞ!なんでサブレがこんな感じになってるんだと聞いてるんだ!

しかし、何その装備内容。滅茶苦茶凄いんだが!

いや、ハエやカを落とすのに、あんなに威力の高いレーザービームは要らないでしょ?人に当たると大けがじゃすまないぞ!!しかもピンポイントバリアってなに?サブレって足短いから、意味ないんじゃないか?

対戦車ライフルを防げる装甲って!下手な装甲車よりも頑丈なんだけど!!どこの戦場に送り込むつもりだ!!

いや、糞尿の自動回収機能はありがたいが、それ以外に室内犬のサブレに何の意味があるんだ!!

しかも、サイボーグ化してるし!!

 

「いや、だからって、改造することはないでしょう!!」

 

「何を言っておるガリレオ!!小娘!その生物(なまもの)に合言葉を唱えよ!!」

 

「お爺ちゃん。小娘じゃなくて結衣だって!この子はナマモノじゃなくて、サブレだよ!!」

どうやら、由比ヶ浜もずっとこの調子で呼ばれてるらしい。

この爺さん。わざとやってるのか?それとも極度に名前を覚えるのが苦手なのか?

 

「そんな些末な事はどうでも良い!合言葉じゃ!」

 

「はぁ、お爺ちゃん若返ってもあんまり変わんないし……サブレ!パージ!」

由比ヶ浜は呆れながら、合言葉を口にする。

 

すると、サブレに付いていた数々のパーツが外れ、元のサブレに戻り、由比ヶ浜の胸に飛び込む。

そして、外れたパーツはデフォルメされた犬の置物のような形にまとまった。

なんだ。生体改造されてたわけじゃなかったのか……、しかし何この感じ、聖〇士星矢のクロスみたいなんですが!

 

「わしが新たに開発した。生物(なまもの)専用多目的装甲装備!アーマードバルキリアじゃ!!どうじゃ!!恐れ入ったか!!」

何そのパクリ臭い名前は!!なんでサブレにそんなものが必要なんだよ!!

 

「じゃあ、あのピンク色のバケツみたいな奴はなんなんですか?」

俺はR2パクリのようなロボットを指さす。

 

「あれは、マドマーゼル(ガハママ)のお使い家事補助のためのロボットじゃ!!小娘がてんで、家事が出来んのでのう、見かねて作ったのじゃ!!学習機能も搭載してのう。ようやくオウムやカラス並みの知能まで育ったところじゃ!元は捨てられていた洗濯機と生ごみ処理機にこの前のジャンクパーツじゃがな!!なかなかよいじゃろう!!今後は、さらに機能を追加していくつもりじゃ!!」

……しれって言ってたが、洗濯機と生ごみ処理機でこれ作れるのかよ。何だかんだと凄いんだが……正確に言えば無駄に凄いと言う表現の方がぴったりだな。

 

「お爺ちゃん!あたしだって家事ぐらいちょっとできるし!!」

由比ヶ浜……ちょっとだけなんだ。

 

ん?もしかして、この前融資した金で狩ったジャンクパーツはこの無意味に凄い発明品に使われたと言う事か?おい、パソコン作ってスマホアプリの開発するんじゃなかったのかよ!

 

「ドクター。ところで、この前かったジャンクでまともに動くパソコンはできたんですか?それとスマホ用のアプリ」

 

「そうじゃそうじゃ!その事で、小娘からお主を呼んでもらったんじゃ!……早速我がラボに来い!」

ラボって、あんた人んちに居候しながら、借りてる部屋に大層なネーミングを……

 

俺は由比ヶ浜と一緒に、ドクターの部屋に行く。

……なにこれ?この前は普通の6畳の部屋だったのに……近代化されてる!

ディスプレイが6面どでかいディスクトップパソコンが二つ。画面を見るとカオスOSと表示されてる。

独自OSかよ!しかもナニコレ!?スペックがアホ程高いんだが!!64コアのパソコンとか!!ジャンクパーツでどうやってこんなもんを作ったんだ!?

 

しかしドクターは、そのパソコンの前には座らずに、17インチのノートパソコンを開く。

「ドクター、そっちのドデカイパソコンは使わないんですか?」

 

「ありゃ、マリア専用じゃ。マリアが直接連動できるようになっておる。わしにはようわからんが株式投資というものをやってるそうじゃ……デイトレーディングとか言っておったか。まあ、わしには関係ないがのう」

マリアさん専用って、完全にデイトレーダーの設備じゃないですか!?

しかも、ドクターは一切興味無し!

 

「ヒッキー、マリアね。工事現場で働いたお金で、投資を始めたんだって」

由比ヶ浜がその話の補足をしてくれる。

……なんか、半年もたたずに1億円とか稼いだりするんじゃないだろうか?

 

「小僧これじゃ!小娘の意見を聞いて、スマホ用のアプリを一昨日の内に開発したんじゃ、一応、マドマーゼルの意見で300円設定で売る事にしたんじゃが……」

 

「どんなアプリですか?」

 

「画像や写真で、検索できるアプリじゃ。例えばじゃ、写真や画像に映る人物や物、場所を特定して、その項目に関する検索ができるアプリじゃ」

はっ?何その便利ツール?それを1日もかけずに作ったのか?いや……下手すると個人情報を簡単に集めたりできるんじゃないか?

 

「このアプリ超便利!スイーツとかインスタの写真で、どこのお店か特定できちゃうの!!」

由比ヶ浜は楽しそうにドクターの説明に補足する。

 

「二日で10万ダウンロード何じゃが、どこぞの会社がこのアプリの権利を売ってくれと打診してきよったのじゃ、……たしか、グー〇ルとツ〇ッターとか書いておったな」

二日で10万ダウンロードって?どうしたらそんな事になるんだ?300円×10万で販売サイトにマージン引いても180円×10万ダウンロード=1800万だぞ!?

しかも、アプリの権利を売ってくれっていう会社、世界最大手じゃないか!!

 

「わしは金もうけがどうも苦手でのう。スマホアプリも飽きたし、そろそろマリアのバージョンアップにでもかかろうかと思っておるのじゃ。権利を売った方がいいかいのう?」

まじ、この人、金もうけ下手そうだな。しかももう興味が無いとか、どんだけ飽きっぽいんだよ!

 

「いや、ドクター、このまま行くと1か月で100万ダウンロードは固いかもしれません。大爆発的に流る可能性もあります。その後で権利を売った方が、ドクターのやりたい開発が自由にできるぐらいの開発費が得られるかもしれませんよ」

下手をすると100億単位の金が入ってくるかもしれないんだが!?だれかマネージメントできる人を雇った方がいいんじゃ?ガハマパパとかどうだろうか?

いや、この人に金を持たせたら、とんでもない開発をして、世界を破滅するような迷惑な開発をするかもしれない。ある程度セーブした方がいいのか?

 

「めんどうじゃ!マリアにやってもらうとするか!あ奴が帰ったら、頼んでみるか!しかし、あ奴この頃わしのいう事をあまり聞かんのじゃ!!マドマーゼルや小娘のいう事は素直に聞きおるくせに!!さては反抗期か!?」

まあ、こんなとんでもない人に800年も従えてきたんだ。反抗したくもなる。

 

うーん。しかしこのアプリ、個人情報保護法に引っかかりそうだな。その辺で訴えられたら厄介だから、早めに権利を売った方が良いかも知れないな。下手をすると由比ヶ浜達にも迷惑がかかるかもしれない。今でも1800万という大金が入るんだ。早めに権利を売っても、1億以上は確実だろうからその辺で我慢してもらうか。

 

俺は権利を早めに売る方向性を……ドクターに示した。

後でこの事をマリアさんに伝えるつもりだ。

 

俺ではこれ以上のことは何も言えないし、知識も無い。

将来的にはドクターのマネージメントパートナーを探した方が良いのかもしれないな。

いや、ドクターを制御できる人が必要だ。俺ではもう無理だ。

この人が、横島師匠から天才ではなく、天災錬金術師だと言っていたことが、今日の事で十分理解できた。まさしく迷惑極まりない人物だ。

大らかな由比ヶ浜親子じゃないと、付き合いきれないだろう。

 

 

マリアさんとガハママは暫くしてから、買い物から帰って来て、昼飯をご馳走になった。

本当にこの3人は仲が良い姉妹にしか見えないな。

 

 

「ヒッキー、来てくれてありがとね」

帰り際、由比ヶ浜は礼を言って見送ってくれた。

 

「まあ、俺も余計な事を言ってしまった手前、ほったらかしにするわけにも行かないだろ?」

 

「ヒッキーは相変わらずヒッキーだね。でも、そんなヒッキーが……その好きだから」

 

「まあ、あれだ。またなんかあったら連絡をくれ」

俺は気恥しさがいっぱいになり、そう言って仕事に向かうため、足早に駅へと向かった。

 





次はどっちの話を前後させようか迷ってましてます。
だから、GS側の話か、ガイル側なのか、まだ決まってません。

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