「・・・到着。犯罪者の存在を確認。行きます」
海辺の影で犯罪者の様子を伺い、そいつへ向かう男。エージェント篠原。フルネームを篠原真斗。
男の手にサンメリーの兵器カラーリングブレードを確認すると、立ち止まって神格接続器を装着した。
「君は・・・ゴッズメカニカルの・・・いいだろう。宗教というものの愚かさを知れ」
『了解…装着を開始します。コードブラウン。起動。ウェーブ…』
犯罪者の男アップル。カラーリングブレードのグリップを引き、色覚装甲ブラウンウェーブをその身にまとう。
「装着」
『1!2!3!4!Ready go!armor god!her name is…NEMESIS!』
起動。炎が彼を包み込み、粒子が重なって鎧が形成される。復讐者の鎧たる『ベンジェンス』がその姿を現わす。
ネメシスの依存物たる模造刀を抜くとそれは黒炎に包まれ、黒い剣『ブラックブレイド』へと姿を変える。
「はっ!」
カラーリングブレードとブラックブレイドがぶつかる。神格の入った刀ゆえに、ブラックブレイドが若干押す。
「食らえ!」
さらに全身からガトリング。その弾幕の雨を浴びせる。
「くっ・・・結構な威力だな・・・」
「痛い・・・反動が!」
ブラウンウェーブへダメージが入る。だがそのダメージはこちらにも大きい。反動。新たな問題点だ。
「ならば・・・!」
ブラウンウェーブは刀、夜を抜いての二刀流へとスタイルを変え、攻撃を始める。
「そんならこれだ」
今度は肩からバズーカ。しかし砲撃の反動で壊れる。
「なるほど・・・ならこうだ」
右手からチェーンソーを出し、斬りつける。
「ほう・・・ならばこうだ!」
ワイヤー、アラナワをチェーンソーに絡み付け、動きを止める。
「なんだと・・・」
さらにチェーンソーを踏みつけ、地面に押さえつける。
「なら!」
右手をチェーンソーから外し、ブラックブレイドを振る。だが、それさえもアラナワに押さえられる。
「君の叫び声は聞いていて楽しそうだ・・・ハハハハハ!」
その本性はサド趣味の同性愛者。その命乞いをひねり出さんと、剣を構えた。
「ならば食らえ・・・フレイム!」
とはいえ、ただやられるベンジェンスでもない。スイッチを全てオフに。必殺を発動する。
「復sy・・・・・・あれ?」
威勢良く技名を叫ぼうとするが、何かが起きる前にスーツの装着が解ける。
「おっと・・・警戒する意味はなかっッブッボォ!ゴハッ!」
何かを言いかけたところに、バイクが突撃。アラナワがちぎれ、跳ね飛ばされる。
「これに乗って逃げてください!」
降りた女性、姫華はバイクを真斗に任せると、神格接続器を腕に装着する。
「ありがとう」
急いで基地に戻る真斗を尻目に、四つのスイッチを起動した。
『1!2!3!4!Ready go!armor god!his name is…REPUNKAMUY!』
海水が巻き起こり、粒子と共に彼女の鎧を形成する。
そして荒波の鎧、ワダツミをまとう。水の矛アトゥイラスパニを生み出し、ブラウンへと向かっていく。
「連戦か・・・ならば!」
『コードブラウン。変更。フォトン!!』
レバーを倒し、フォトンへ変化。体から粒子を放った。
「なんだ!?」
跳び退く・・・が、効果はなくそれを食らう。
「・・・?何かあったのか?」
「言っていろ!」
「ぐぅあああああ!!」
夜とカラーリングブレードでの斬りつけ。思わず大声をあげるワダツミ。ブラウンフォトンの固有能力は感覚強化。傷にもならない衝撃が激痛となるほどにはその力は強い。
「ふん。遊び甲斐もない。死ね」
剣を振り下ろす・・・が、水に阻まれる。
「あまり妾を侮るでないぞ」
剣を抑えた水がさらに伸び、手の形となってブラウンフォトンを掴む。
「痛みが強くなるようだな・・・だが、食らわなければ関係なかろう?」
投げつけるように壁に叩きつけ、怯んだところにさらに矛を投げて追撃。ギリギリでそれを掴んで止める。
『Crash!aqua element!』
「アクア!
しかし、掴まれて終わるほどワダツミは弱くはない。必殺を発動ののち、飛びかかってアトゥイラスパニに飛び蹴りを放つ。矛が回転しながら水の濁流へと変わり、ブラウンを拘束。ワダツミがそこに飛び蹴りを放ち、ダメージを与える。
吹き飛ばされるままにアップルは海に飛び込み、姿を消した。
「終わりましたね・・・」
「ここで・・・いいんですよね?」
帰ってきた姫華は会議に参加することとなった。並べられた机の真ん中に真斗がいるのを見て、彼女はさっきの戦闘についてだと理解した。
「おいーっす」
そこにエージェント東雲瀧も着席。妙な視線を受ける彼を、姫華は不思議そうに見ていた。
「これからスーツコードF8-7・・・ベンジェンスマーク7についての会議を始める」
玲の一言を聞き、全員資料を開いた。
「それぞれ意見を聞きたい・・・と、行きたいのだが東雲。なぜお前がここに居る?」
「いや、上森さんに行けって。新しい子が入るからって」
「そうか・・・」
納得行かないような顔で資料を開く。
「使った感じどうだった?」
「ガトリングの反動が痛かったです」
だそうだ。と玲が言うと、研究員達は顔を合わせて話し始めた。その真面目臭い空気に耐えかね、瀧が口を開いた。
「太ろうぜ。ラーメン奢るぜ」
「そうだな。で、どうする?オミットする?改良する?」
しかし渾身のギャグも玲のいなしで流れ、普通の議題へ戻る。
「うん。オミットで良さそうだ」
「そうそう、ガトリングと言えば俺がこのm「次はチェーンソーだ。詰まらないような鋭いのが必要だな」
研究員達の数分の話し合いののち、見送る流れに。
「そういえばジェイソンっt「で、次はバズーカ。こいつも見送っていいな?」
全員頷き、さらに話を進める。
「というか俺のスーツイメージ暗すぎやしませんかね。ベンジェンスって復讐ですよね?なんでですか」
「かっこいいから」「燃えるだろ」「テンション上がるじゃん」「かっこいいじゃんか」
研究員どもからの押しかけるような言葉。ここは厨二病棟か。彼は薄いため息の後なるほどと呟いた。
「ネメシスって・・・」
「皆まで言うな。他の研究員は楽しんでるんだ」
彼女は復讐の女神ではない。そう言うとするも玲に遮られる。知らなくていい事というのもあるものなのだ。
「ちょっと辛気臭いよぉ〜?もっと喋りましょうよぅ〜?」
気持ち悪い裏声で突如割り込む瀧。その方を玲が掴む。
「個人的にお前という人物は気に入っているのだが・・・話は別だ。やはり話にならん。会議室には出禁だ☆」
バチコンっとウィンク。楽しいことでも伝えるような軽いテンションで瀧を追い出した。
「見苦しいとこを見せたな宮ヶ瀬。ああ言うやつだ。いいやつだけど真面目に喋れないんだ」
「楽しそうでいい人だと思いますよ」
優しい姫華のフォローに頷き、椅子に戻った。
「では本題・・・マーク8についてだ」
全員が資料のページをめくる。ベンジェンスの新型スーツについてだ。
「例の・・・計画17。アブソーションでいいんだな?」
全員が頷き、玲はそれを確認して続けた。
「シンプルイズベストってか・・・よし、では早速制作に取り掛かる。解散」
流れるようなテンポと速さで会議を終えた。
「結構短いんですね」
「ああ。手早く済ませた方が君たちにとってもいいだろう?」
そこに近づくのは追い出された瀧。不満げに玲に近寄る。
「ちょっと玲さん!俺出禁って!」
「当然だろ。ちょっとは真面目に話を聞いた方がいいって」
代わって答えたのは真斗。対し瀧はなぜか物凄い形相で覗き込む。
しかし真斗のメンタルの揺るがなさはとんでもない。なんだその顔と半笑いで言ったのち、その顔のまま覗き続ける。
唐突ににらめっこが始まった・・・が、それは数秒で終わる。エージェント達に通達が入ったのだ。
「くそっ・・・近隣の二地域にテロリスト!こっちは俺が行くとして・・・玲さん!」
急に態度が変わる瀧。彼の持ち味はやるときはやる事。やるときしかやらないのだが。
「修理中だ!宮ヶ瀬も・・・先程装着が解けたばかりだ!再装着には六時間を要する・・・!」
「・・・なら俺が行きます」
出口へと顔を向ける真斗。仕方あるまいと玲もゴーサインを出す。
「待て、逆だ。真斗はこっちだ。こいつはさっきのブラウンウェーブだろう。二回目の活動だから・・・おそらくサンメリーズエージェントが来る。そいつの助けも必要だろう?」
「「分かりました!」」
二人同時出口から飛び出すと、別方向へと向かっていった。
「行かせるかよ。俺はあいつから依頼を受けたんでね」
真斗の行く手を阻むグレー。すでに岩礫へと姿を変えていた。
「力づくでも俺は行く!」
模造刀を抜き、斬りかかる。しかしその差は大きく、右手で押さえ込まれる。
「おらあ!」
刀ごと投げ、壁に叩きつけられてしまう。
「ハッハ!睡眠を使うまでもないな!」
さらに駆け寄る岩礫。とっさに真斗は神格接続器を装着した。
赤くランプ点灯。しかし該当スーツは完成していない。一応起動はしてみるが、やはり無駄。耳にかかった通信機からマイクを口元に伸ばし、連絡を始めた。
「玲さん。まだですか?」
『悪いな。・・・・・・・・・よし!』
炎の演出ののち腕の黒いアーマーが出現。岩礫からの射撃を腕でガードした。
「ん?」
「でああああああああああ!」
燃える足での蹴り。アンダースーツと足の装甲ができる。
『試作を作っておいてよかったよ・・・次はチェスト!』
岩礫のパンチを避け、回し蹴りで追撃。
『Ready go!armor god!her name is…NEMESIS!』
模造刀がブラックブレイドへ変化。マスク出現と同時に音声。西洋甲冑と和風柄の黒きベストマッチ。ベンジェンスマーク8が完成した。
「遅いと思えば・・・何を遊んでいるんだ」
しかし、ブラウンウェーブがそこに現れてしまう。そして攻撃せんと、夜とカラーリングブレードの二刀流で駆け寄る。
「おらああああああああ!」
そこに、それを超えるスピードで駆け寄る女性。ブラウンウェーブの横まで来ると、剣を構え、押しのけるようにブラウンウェーブを追い詰める。
「遅れて悪いな。あんたはそいつと戦ってろ」
立ち止まったのは金髪ショートとメガネの女性。サンメリー研究所のエージェント金剛だ。
「邪魔をしないでくれ・・・私はただ私達を虐げる宗教というものを排除したいだけだ!」
「過激派が暴力に訴えた時点でオマエはただの犯罪者だ。思想なんざどうでもいいね!アタシは警察のようにオマエの企みを折る。ただそれだけだ。装着!」
きっぱり言い放つと、カラーリングブレードのレバーを引く。
『了解…装着を開始します。コードスカーレット。起動。ウェーブ…』
緋色の鎧、スカーレットウェーブは籠手のスカーレットバンカーより拳銃を起動。射撃を開始した。
「はっ!」
ブラウンウェーブはスカーレットウェーブに任せ、岩礫へと炎のパンチを叩き込む。怯む岩礫は立ち上がりながら水色に粉塵をアーマーから放出する。
「舐めてられないな・・・」
『説明は読んだろう?例の技だ!』
「ええ。ファントム・・・アブソーション!」
体の至るところから黒紫の炎が出現。岩礫へと近づいた。
「フン!燃えたからって強いわけじゃないぞ!」
エネルギーを溜めて砲撃。さらに渾身の蹴りを放つ。
だが、ベンジェンスは怯まない。
「死ねっ!」
殴りかかる岩礫の攻撃を胸で受け止めると、その腕を掴んだ。
「リミットだ。食らえ!フレイム・・・・・・」
『Crash!frame element!』
スイッチを全てオフに。その力を溜め・・・
「報復権限ッ!」
ブラックブレイドでの一閃。岩礫は避けようとする・・・が、とてつもない眠気が彼を襲う。
ファントムアブソーション。もらった攻撃を溜め、お返しする技だ。岩礫の睡眠粉塵も例外ではない。
なす術なく切りつけられ、お互いの装着が解ける。しかし同じ状態であるが、燃えるように装甲を失い、気を失って坂を転がるそいつと坂の上で剣をしまうそいつ。見比べれば勝ちは明確であった。
「キバって行くぜケッちゃん!」
舞う!コウモリ?何言ってるんですか。有翼の蛇ですよ。
次回、「飛翔と俺」
みなさんこんにちは。最近調子に乗っているけど多分こっからの更新は遅れるから年単位で待つ気でいてほしいサードニクスです。
はい。さらっと色々出しました。疲れた。4800字ちょいです。最近コンビニにこもっての執筆が日常となっている。
何気に初のher name is…なのよね。
瀧のシリアスブレイクって難しいね。わたしがんばる。
でも玲との掛け合いは面白くできたかなーと。
どうでもいいですが瀧と入れると予測に「が三葉」が続きます。君の前(略)
ちなみに玲はバサッとしたまつ毛がチャームポイント。ウィンクが映える美人です。
私の産むキャラはどうも頼れて気が強い女性が多いな。好きなのだろうか。うん。好きだわ。
反省点は玲の出ずっぱり。もうそろそろ出ない回を書かねば(使命感)