第二話 少女覚醒中/ 別名:召喚儀礼
とある家の地下。暗くジメジメとしたその空間、人々はそれを牢屋と言い、彼女はそこに収容されていた。そこは、淡い光を放つ神代の片鱗が所々に散りばめられ、無限の空間と錯覚してしまうその領域はまさしく怪物を収用するのに相応しい場所であった。だがしかし彼女は罪を侵したわけではない、濡れ衣を着せられたわけでもない。ただ、その姿の異形のみを以って投獄されていたのだ。
「あぅ〜」
例え、彼女が道理も分からぬだろう幼児だとしても。
彼女の一日は傍目から見れば退屈を通り越して、狂気だった。
基本、彼女の空間に変化はない。淡い光はその色調や明暗を変えることなく、ただ、重苦しく、粘つくような重圧感が辺りを漂うのみだった。文字通り、檻の力による重圧はかかっていたのだが。
しかし、その中で唯一存在する彼女の"娯楽"とも言うべき出来事は、食事である。
まず、彼女の食事は一般的な食事時から2、3時間程経過してから運ばれる。無論、貴族のようにその家に多数存在するメイドやコックの怠惰などではない。彼女は異形とはいえ、幼児らしい可愛さを持ち、そんな彼女に食事を持っていかないのは、むしろ、罪悪感を覚えるほどだ。
しかし、
それは彼女の力、投獄だけではなく封印の目的を以って縛る理由。
触れられば自身が爆散し、見られれば恐怖で固まり破壊される。そのような怪物を相手に食事を持って行くその行為は正しく死を意味するものであった、彼らの間では。無論、牢屋に食事を投げ入れ、すぐに逃げだせば死ぬことはほぼない。しかしそのリスクを受け入れて率先して行う者は誰一人としていなかった。
やがて、食事がダストシュートのような通路を経由して輸送されるようになり、その通路が掃除され無いがゆえに汚臭を帯び、食事が食事と呼べなくなった頃、
「話してくれないかしら、お母様」
「...」
───────────
「そろそろお前一人でも行けるだろう。配下を連れて人里を襲ってこい」
「はい、お父様」
───────────
「貴様たちは、な、ぜ、?」
運命は流転した。
一人の少女が階段を降りる。
彼女には地から、天からの力を纏い、誰も寄せ付けぬ威圧感、違和感を放っていた。故にか天国ではなく地獄の入り口とも言えるその階段を彼女はなんもためらいもなく降りていった。
降りる先には一人の赤子。
少女は己の力で神代の檻を容易く砕く。
そして手を差し出し、こう言い放つ。
「私の名前はレミリア・スカーレットよ。そして貴方はフランドール・スカーレット、私の妹よ」
少女、レミリア・スカーレットは微笑みながら自己紹介をした。
赤子、フランドール・スカーレットはその言葉の意味を知ることなく、牢屋から解放された幸福を噛み締めることもなく、新しい何かに出会えた喜びを感じることもないまま、悪環境下においてすら変わることなかったスベスベな手をレミリアのそれの上に乗せた。
握手ともダンスにおけるリードとも認識しなかったフランドールだが、
確実に感じる生命の鼓動に安心したのだった。
レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット、後にスカーレット姉妹と呼ばれる二人は仲間を従え、幻想郷に
フランドールの
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