「‥‥ううん‥。」
目を開け、暫く周りを見てみると、朧げな意識がハッキリした。今広がる光景は、まさに異世界に来たんだと、再確認させられました。
「建物はやはりと言うか‥‥ヨーロッパ風なのですね。テレビとかで見たことは‥あったけっれど‥。」
キョロキョロと周りの風景を見ていてふと、視線を感じるような気がしたので、感じた方を見ると‥おう、不審がられていますね。
「ねぇ、ママ。あのお姉さんお空見たり、おウチみたり変だね?
「シッ!!見ちゃいけません!」
‥‥なかなかヘコみますね。‥もう少し落ち着きましょう。私は大人‥私は大人。泣いたりなんて、しません。
ふと、冷静に考えてみました。そういえば、今の格好はどうなっているのでしょう?今の姿を確認しようと、仕方なく周りを見ると、川があったので行って、川を覗くと‥‥過去の私ではありませんでした。
少しハネていますが、長い混じりけのない銀色の髪に、赤い瞳。目は少し私よりなのかタレ目ですね。スタイルは…得しました。満足です。
コホン。服は、全体的に白と青色を基調とした魔法使いのような服装と帽子。特典通りですね。良かった‥。
立ち上がってみて、少し落ち着くと手元に違和感が、すると綺麗な杖がありました。…何故私は気づかなかったのでしょう?
軽く振ってみると、あまり重みを感じませんね‥。不思議です。これも特典ですかね?一応魔法使いっぽいですし…。
「さて、魔王退治は最終目的として、今は‥役所で戸籍登録‥ではなく、RPGで言う所のギルドですかね?」
つまらないボケを呟き、ギルドで職を決める為に道を人に聞くことにしました。
近くを通ったご老人に軽く道すじを案内してもらい、やっと着きました。‥以外と遠かったですね。
「大きな扉ですね‥。」
結構重そうでしたが、そうでもありませんでした。開けて中に入ると、明るい髪色のウェイトレスが現れた。
「いらっしゃいませ~!お食事なら空いているお席へ。お仕事案内なら奥のカウンターへ!」
と幾つか飲み物が入ったジョッキを持ちテーブルの方に行った。
しかし賑やかですね。冒険者になるにはどうしたらいいのでしょう?少し悩んでいると、
「オイそこの銀髪のねえちゃん!何つっ立てんだ?」
「!!?」
急に大きな声が聞こえたので驚いて、その方向を見ると…世紀末が居ました。
「見ねえ顔だな?見たところウィザードみたいだが、何だクエスト受けに来たのか?」
どうやら見た目のわりには比較的まともな方のようでした。すいません。ヒャッハーな方々と思ってしまって、
「いいえ、まだ私はこの町に来たばかりで、冒険者になっていません。スミマセンが少し質問してよろしいでしょうか?そんなにお時間は取らせませんので‥。」
何だかあっちでもこっちでも人に聞いてばかりですね。私、でも必要なことです。
「ガハハハッ!!そんなに固くなる必要はねぇよ!なあに構いやしねぇさ。俺の出きる範疇で答えるさぁ!!」
…本当に良い人ですね。何だか風向きがいい気がします。それから私は最小限必要なことを聴いていきました。
冒険者の基本的仕事、登録の仕方(お金かかるんですね)職業の事。様々な事ことを知ることができました。有難い限りです。
「有り難うございました。何時かお礼をさせていただきますね?失礼します」
「いいって事よ!礼は、何時か酒でも奢ってくれよ。」
本当に助かったのでしっかり礼を述べてから、その場を後にしました。
さて、どうしましょう?先程、服を漁ってみてもお金らしき物はありませんでした。
無一文ですね。寝泊りは基本最初の内は馬小屋に泊めてもらうとして、衣食、冒険者登録料、大浴場の使用料。…はぁ、先程の甘い自分に叱ってやりたいですね。
何ですか風向きが良いって、稚拙極まれりじゃないですか。
「‥ハァー。」
外に出てみても変わりませんね。路頭に迷い、少しギルドから離れた木の木陰で静かにため息を吐いていると、
「どうしました?綺麗なお姉さん?」
今日はよく声を掛けられる日だなぁと、呆けた顔で振り向くと、ん?
「‥‥アクア様?」
声を掛けてきた少年の後ろに身に覚えが…。
「ん?…あっ!!」
「え…。」
上から順に私。アクア様?緑色のジャージを着た少年。が声を出す。それより、
「その反応、本当にアクア様何ですか?…しかしどうして?」
私が少し混乱していると、少年が話しかけてきた。
「待ってくれ!アクアを知ってるってことは、貴方は、転生者何ですか?」
この子も混乱しているのか、疑問の答えを収集しようとしていますね。
「はい、私は真城 静音と言います。貴方の言う通り、転生者です。」
「俺は佐藤和真って言います!…あの~いきなりスイマセンが冒険者になりたいんですが、ギルドって何処ですか?できれば案内して貰いたいんですけど…。」
「ちょっとカズマさん?私に対しての反応が全然違うんですけど?ねぇそれ私にもしてよ!?もっと私を敬ってよ!!」
どうやらこの子は、アクア様にはだいぶラフに接しているようですね。まぁ、何となく分からなくはありませんが…。
「アクア様、取り合えず落ち着いてください。カズマ君も?見たところ高校生くらいに見えますが、だとしたらもう少し年上の方には、正しい接し方をしてください?」
カズマ君はいきなり注意を受けて面を食らっているようですが、仕方ありません。
「す、すいません。ですけど、その‥一応これには理由が有りまして、聞いてくれます?」
何か理由があるみたいですね。聴いてみましょう。
ー数分後ー
「アクア様。今後の対応はもう少しものを考えてからにしてください。」
「何でよぉぉぉおおおおおッ!!?」
「はぁ、いくら彼の理由がその、特殊でも笑いものにしてはいけません。一つの命が消えてしまったのには変わらないのです。仮にも女神という立場なのですから、平等に惜しむべきです。」
私の時はそれなりにちゃんとしていたのにと思いながら、私が思ったこと言っているとボソッとカズマ君が、
「‥‥何だろう。マキさんの方が、女神より女神らしい‥。」
「‥‥‥‥。」
「マキさん?どうしました?黙りこくってますけど?
「…いえ、少し喉が渇いただけです。」
カズマ君。意外とタラシなのでしょうか?それとも私がチョロイだけでしょうか?くっ、ここで男性経験が年齢=無しの弊害が!
「あら?あらあら~?何ちょっとシズネさーん?もしかしてテレt「アクアサマ?」‥‥ハイ、ダマリマス。」
ふうー、取り合えず冷静になりましょう。
「アクア様の今後については見直すとして、ギルドの位置は分かりますが、お金は持っているのですか?」
「えっ?」
あ、これでは言葉足らずですね。
「冒険者登録にはお金が必要なんです。たしか一人あたり500エリスくらいあっちで言う500円ですね。」
すると、カズマ君がホッとしていました。あぁ、やはり誤解がありましたね。危ない危ない。
「おいアクア?金持ってる?」
聞かれてアクア様はきょとんとして、
「あんな状況で持っていける訳ないじゃない?」
カズマ君?顔に出てるよ?言葉が、まぁ、用意も何も予測もしない状況だったんだからしょうがないですね。
「‥どうしましょう?」
私とカズマ君が悩んでいると、アクア様がフンスと胸を張りながら言い出しました。
「私に任せなさい!女神の本気を見せてあげるわ!!ギルドに行きましょう!」
「「??」」
ーギルドにてー
アクア様は日本でいう僧侶にあたる『プリースト』のお爺さんに、上から言ってるのか下手に言っているのか分からない言い回しのお金の借り方をしましたが、失敗。
しかし、優しいプリーストさんが私たちの分も含めて、貸してくれました。本当にここは優しい人が多いなぁ。もしかして偶々ですかね?
アクア様は…何だかアクアさんで良い気がしました。
アクアさんは少し気を落としながら静々と、こちらに向かってきました。
「私、信じてもらえなかったんですけど、後輩の女神の信者の人に、同情されてお金貰っちゃった。」
何だか、居た堪れない…目を合わせずらいですね。
「お、おう。」
カズマ君も言葉が出ないようですね。まぁ、私もですが、
「まぁ、とりあえず。受付に行きましょう?ね?」
二人は静かに首を縦に振った。
受付の対応は、カズマ君。私はしばらくアクアさんを慰めました。ちなみに呼び方が変わっていたので、指摘されましたが‥。
「気にしない方が楽ですよ?」
と一言述べるだけで逃げました。
大人の女性のテレ顔って、グッときますよね?