INFINITE・STARK   作:花蕾

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一週間に最低1話は出せるように頑張ります


第三話 国家代表候補生

「ーーーーであるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱した場合は、刑法によって罰せられーーーー」

 

山田先生はすらすらと教科書を読んでいく。

 

一夏は教科書をめくるが、

 

(何を書いているかさっぱり分からねえ)

 

顔こそすずしいが、心中は穏やかではなかった。

 

(惣一は大丈夫なのか?)

 

惣一の方に視線を向ける。

 

惣一は教科書を何度も読み返しながら、ノートに黒板の板書を写していた。

 

どうやら完璧とまではいかないが、ある程度はわかっているらしい。

 

(俺だけか?俺だけなのか?)

 

唯一の希望であった惣一に裏切られ、一夏は孤独を感じた。

 

顔が青くなってきた一夏に気づいたのか、山田先生は

 

「織斑くん、何か分からないところがありますか?」

 

と、一夏に尋ねる。

 

一夏は幸いと思い、

 

「ほとんど全部わかりません」

 

と、正直に話す。

 

すると、教室の空気がフリーズした。

 

「ぜ、全部、ですか…?」

 

山田先生は顔を引きつらせ、

 

「石動くんはどうですか?」

 

もう一人の男子である惣一に質問する。

 

「いえいえ、ないですよ。一通りは予習してきたんで。」

 

予習してきたという発言に一夏は首を傾げていると、

 

「…織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

教室の端で控えてきた千冬が尋ねてくる。

 

一夏は心当たりがあったのか、堂々と

 

「古い電話帳と間違えて捨てました。」

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者。」

 

千冬の手はクロックアップしたかのように一夏の頭を叩いていた。

 

惣一は

 

(一夏は考えることが出来ないのか…)

 

顔を引きつらせていた。

 

その後、一夏は一週間で参考書を覚えることを義務付けられた。

 

そして、授業が終了し休み時間に入る。

 

惣一は一夏に

 

「お前、マゾヒストなのか?」

 

正直に尋ねる。

 

「んなわけあるか!」

 

否定しているが、自ら怒られにいく一夏はそうとしか見えない。

 

二人が話しているところに

 

「ちょっと、よろしくって?」

 

金髪が鮮やかな女子が現れる。

 

「よろしくないから帰って。」

 

惣一はめんどくさそうに断る。

 

それがいけなかったのか、金髪の女子は

 

「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」

 

わざとらしく声をあげる。

 

「あー、わかった。んじゃ、そのドリルみたいなのどうやって作んの?」

「確かに気になるが、今聞くところじゃないっ!」

 

惣一の的外れの発言に、一夏は突っ込んだ。

 

「てか、そもそも誰なんだ?」

「わたくしを知らない?イギリスの代表候補生にして、入学主席のセシリア・オルコットを⁉︎」

 

一夏の疑問にかなり不服そうな表情になり、早口で捲したてる。

 

「代表候補生って、何?」

 

惣一と数名の女子はずっこけた。

 

「あなた、本気でおっしゃってますの⁉︎」

「おう。知らん。」

 

一夏の発言に見かねたのか

 

「単語から想像しろ。そんままの意味でしょうが。」

 

惣一は口を挟む。

 

「あーなるほど。国家の代表の候補生ってことか!ん、ってことはエリートじゃねぇか!」

 

一夏はようやく気づく。

 

「そう!エリートなのですわ!」

 

エリートと言われたのが嬉しかったのか、セシリアはコンテニューした。

 

ビシッと人差し指を惣一と一夏に向け、

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも幸運なのよ。」

 

と自信満々に言う。

 

「そうか。それはラッキーだ」

「最近、SSRレアがでないのはお前のせいか」

 

二人からはふざけた解答が帰ってくる。

 

ちなみに惣一がやっているゲームは、アイドルをプロデュースするゲームで、推しは美空・ベルナージュというキャラである。

 

「馬鹿にしてますの?」

「ちょっと何言っているか分からない」

 

さらに煽る惣一。

 

セシリアは口を引きつらせながら

 

「男でISを操縦できると聞いていましたから期待していましたが、とんだ期待はずれですわね」

「いや、俺に期待されても困るんだが」

「以下、同文」

「ふん。まあ、わたくしは優秀ですから、あなたがたのような人間にも優しくしてあげますわよ」

 

惣一は目を点にした。

 

「…何ですの、その目は?」

「いや、優しさってこんなもんだったけ?俺、十数年生きてきて初めて知ったわ〜」

 

周りからこいつ言いやがったという目を向けられるが、惣一は気にしない。

 

「ふん。ISのことでわからないところがあれば、まあ…泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ」

「いや、いい。先生に聞くから」

 

惣一はそろそろこの会話に飽きてきた。

 

「なっ!わたくしは入試でその教師を倒したエリート中のエリートですわよ」

「そうか」

 

惣一はiPadを取り出し最近のニュースを確認しながらぞんざいに答える。

 

そこで不思議そうな顔をした一夏は

 

「あれ?俺も倒したぞ、教官」

「は…?」

「ぶはっ!」

 

惣一はセシリアが口をアホみたいにあけたのを見てしまい笑ってしまう。

 

そんなことには気にせず会話は続いていく。

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

「女子だけではってオチじゃないのか?」

 

セシリアからピシッという音が聞こえてくる。

 

やっぱり一夏は馬鹿だと思う。

 

「えーと、落ち着けよ。な?」

「こ、これが落ち着いていられーーー」

 

キーンコーンカーンコーン

 

ここでチャイムが鳴った。

 

セシリアは捨てゼリフを言い、席に戻っていく。

 

どう見ても三下にしか見えないセシリアを見て、本当に国家代表候補生?と思ってしまう。

 

疑問は深まるばかりである。

 

 




アイドルの名前はビルドからそのまま持ってきました。
日本語って難しい…
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