今日も俺は半殺しにされる   作:荒北龍

14 / 22
さぁ!オストガロア狩りに行こーよ!

 

 

 

 

 

キシャアアァァァァアアアアア!!!!

 

 

 

「………………」

 

龍夜、おうち帰る。

 

龍夜の前に居るのは、その金色に輝き、また悪寒が走るように恐ろしく、目玉をギョロギョロと動かし、その尖った禍々しい嘴、その嘴の奥には無数の牙がある。

 

それは無数の竜の骸が堆く積みあがった「竜ノ墓場」に潜む異形の超巨大古龍。

死骸の山の中で蠢く姿から「骸龍」と称され、『怨嗟の慟哭』、『奈落の妖星』等の異名を持つ。

ココット山の麓や古代林周辺に伝わる伝承では「双頭の骸骨龍」と呼ばれ、

山の如き胴体から骸のような頭蓋を備える一対の長大な頚を生やした怪物とされる。

この外観がとある地方の伝承に登場する特異な龍を彷彿させるものであったことから

一時期はハンターズギルドから『双頭の骸』とも呼ばれていた。

しかし、伝えられていたその姿と特徴があまりに現実的には考えにくいものであったために

以前はその出現が噂として流れても、与太話としてまるで取り合わないハンターや研究者も少なくなかった。

貪欲なまでの捕食欲求を持ち、出現地域一帯のモンスターの悉くを貪り尽くすことで

現れた地の生態系に壊滅的なダメージを与える。

正体こそ判明していなかったものの、目撃情報自体はかねてよりあらゆる地域で存在しており、

粘液らしきものを用いてモンスターを絡め取る生態が確認されていた。

捕食領域は極めて広く、探査船や飛行船、果ては沿岸部の村々にさえも被害報告が存在しており、

『一夜にして幼子を含めたほぼ全ての村人が貪り尽くされた』という凄惨な記録も残されている。

いや、現実に今俺の目の前には、つい先程まで(・・・・・・)あった、大きな村の瓦礫が散乱している。

………………次いでに大勢の人間の、体の一部(・・・・)も散乱している。

他にもまた、捕らえた獲物やその一部を自らの巣に持ち帰る性質が確認されており、

骸龍の棲家となる洞窟には捕食された数多の生物の骨や死骸が散乱している。

潜伏が確認された地下洞窟に『竜ノ墓場』の名が与えられたのは、この光景が由来である。

その正体は、古龍種の中でも群を抜いて異様と言うほかない。

その散乱している死骸の中にはハンターや、人間の死体もふくまれている。

外見的な特徴としては、海生軟体動物を思わせる超巨大な頭部、そして一対の「触腕」が挙げられる。

天に立ち昇る柱の如きスケールの触腕はそれそのものが恐るべき凶器であり、

振り下ろせば大地を揺るがす衝撃と共に獲物を叩き潰し、地中から突き上げれば地面ごと獲物を吹き飛ばす。

時には直接獲物を絡め取るようにして捕獲してしまうこともある

厄介なのは、その捕食した生物(モンスター)の能力を使うことができる。

例えば【爆鎚竜】ウラガンキンの顎固い骨塊から繰り出される凄まじい破壊力。

そして【斬竜】ディノバルドから繰り出される大規模な爆炎を巻き起こす骨塊。

【爆砕】 ブラキディオスから造られる爆発性の粘液纏った骨塊。

【海竜】ラギアクルスから発生させる激しい電撃の骨塊まで。

しかも、今の龍夜の前に居るのは、捕食形態と呼ばれ、本格的に獲物を殲滅しにかかる極めて危険な状態である。

捕食形態に移行したオストガロアは本体に宿した超膨大な龍属性エネルギーを解放し始め、

全身から赤黒い稲光が迸り、周囲一帯に粒子を発生させるほどの龍属性エネルギーが発露するようになる。

しかも触腕が多大なダメージを負わせないで最初から捕食形態と言うことは、おそらくG級のオストガロア。

何より触腕先端から放出する物体は粘液から龍属性エネルギーに転じ、

溢れ出るエネルギーを光線の如く連続で照射し、前方一帯を巻き込む大規模攻撃を繰り出す。

そしてこの捕食形態における最大最強の攻撃が、『瘴龍ブレス』と呼ばれる離れ業である。

口内に集約したエネルギーを超極太の龍属性ビームとして開放するこのブレスは

広大な洞窟の天井全体を超巨大骨の残骸ごと跡形もなく吹き飛ばすほどの驚異的な破壊力を誇り、

そのまま周囲を薙ぎ払うことで並み居る障害物や外敵を悉く滅却してしまう。

あまりの威力からオストガロアの巨体をもってしても後退を余儀なくされるため、

発射直前に触腕を地面に食い込ませて本体を固定させることで反動を軽減する。

上記の通りかねてより神出鬼没に出現し、粘性を持つ体液で獲物を捕獲する姿が目撃されていたが、

此度は古代林深奥に出没したことが確認され、多様な生物を内包する古代林の生態系が崩壊する恐れがあった。

更に古代林近辺の飛空艇消失の原因は飛行艇を餌と認識したオストガロアの捕食行動と判明、

緊急事態と見た龍歴院とハンターズギルドは、この種の撃退・討伐を最優先事項と決定した。

 

 

 

………………だがよ

 

「そんな重大中の重大問題を全部俺に押し付ける、しかも相手はG級のオストガロア。しかもあの【崩竜】ウカムルバスと【覇竜】アカムトルムも捕食対象にするとんでもない化物中の化物。………………もうやだ、龍夜、おうち、帰りたい…………てかオストガロア討伐すんのこれで二回目なんだけど、しかもこいつは今討伐しねぇと生態系ぶっ壊れるし、しかもこの先の村には恩がある…………仇で返すわけにはいかねぇし…………てかあいつの近くに転がってる死骸ってヤマズカミじゃね?うわー天然記念物喰ってるよあいつ」

 

龍夜はそんな弱音?を吐きながら、バルク装備(下半身だけ)に、上半身は包帯グルグル巻きのミイラ。

武器の太刀はG級個体バルファルクの素材をもとに造った太刀。

全てあのホモ(半裸の英雄)がレンタルしてくれた。

 

(伝説の古龍の装備のレンタルとか聞いたことねぇよ!しかも装備は下半身だけ!!つかレンタル料が体とか、………………はぁ、帰っても俺死ぬのか…………いっそオストガロアに喰われようかなぁ、かといって死にたくねぇし、レンタルしてもらえなきゃ俺が持ってるのは上位の素材で造られた装備と武器しかねぇし、こいつの前じゃ無意味なんだよなぁ、上位の武器も装備も…………はぁ…………………)

 

「銀終ちゃんの寝顔かわいかったなぁ」

 

キシャアアァァァァアアアアア!!!!

 

「うっせぇ!タコかイカかかも分からない中途半端なタコイカが!!!その内ヤマズカミ擬きっつうぞゴラ!!こっちは銀終ちゃんの可愛い寝顔想像してんだよ!!」

 

あぁー、クッソ、銀終ちゃんと良く良くは友達になって狩りにいきてぇ。そもそもどうやってモンスター殺してんだ?あんな細い体に細い腕。

とてもモンスターを殺すのに…………なんかオストガロアの口の中、

 

 

 

 

紅く光ってね?

 

「やっば、あのビーム当たると俺でもヤバイんだよなぁ。そう言えばここら辺は国王の一人娘…………あのワガママお嬢様無事に帰れたかなぁ」

 

確か聞いた話だとここら辺のルートはあのワガママお嬢様が帰るときのルートだと聞いたが…………。

ワガママお嬢様と言うのは書いて字のごとくワガママ。

例えばセルレギオスをペットにしたいだの、G級ハンターをペットにしたいだの、どこでペットプレイなんてヤバイの覚えやがったあのガキ。

とまぁ他にも国王の顔面にパイぶん投げたり護衛をモンスターと戦わせたりと、迷惑極まりない。

俺も国王に呼ばれて一度見に行ったことがあるが、うざいと言われて俺の立派なエクスカリバー蹴られた。

あークッソ、思い出したらイライラしてきた。

まぁあのワガママお嬢様は嫌いじゃねぇ。

だってあのガキは誰よりも…………

 

「っとヤバイ、そろそろあいつの後ろ側に行っといた方が良さそうだな」

 

あのビームは、もといい瘴龍ブレスは威力、破壊力、当たれば本当に俺でもヤバイ。

しかし、そう永く撃てるわけではない。

後ろに回り込めばまず瘴龍ブレスが当たることはない。

っと解説してねぇでとっとと後ろに………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

「───────ッ!!」

 

ありゃぁ…………まさか!!

 

龍夜より少し斜め後ろで瓦礫が少し崩れる音がした、龍夜は眼を見張る。

誰か居る。

それは上品な紅いドレスに身に纏ったまだ小さな少女。

忘れるはずはない。彼女は時期女王候補の国王の一人娘、ワガママお嬢様、ミカエル=ナシュミート。

だがよ

 

 

「何で護衛が居ねぇ!?!?」

 

クソッ!!

何であの姫様の近くに必ず居るはずの護衛が居ねぇんだよ!?

いや、今はそんなことどうでも良いんだよ、あのワガママお嬢様をどうにかして、だが間に合わねぇ。あのガキ助けてたら巻き添えを…………

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方の夢はなに?』

『俺か?…………俺の夢かぁ、強いて言うなら、正義のヒーローになることだ、どうだ?俺の夢を聞いてお前も笑うか?、ナシュミート』

『…………私は────────』

 

「──────あぁー、クソッタレが」

 

 

 

 

§

 

 

 

 

…………私、死ぬのかなぁ。

 

『おい!ナシュミート様はどうする!?』

『ほっとけ!!あんなワガママなガキ、死んで清々する!』

『それもそうだな、やべ、オストガロアが獲物喰ってるうちにとっとと逃げるぞ!!』

『ああ!!』

 

ほんと、護衛なんて使えない。

何で私って一人だとこんなに無力なの?

このままあのタコの餌になるのかなぁ? 

お父様は私の為にパーティーを開くと言っていたけど…………きっと中止ね。

眠い、眠いわ。

でも、眠る前に、またあの正義のヒーロー(・・・・・・・)に合いたかった。

とても…………面白い人、だった…………

 

「死ぬには早いぜ、ワガママお嬢様よぉ」

「…………!」

 

ナシュミートが今にも生きる希望を無くし、眼を閉じようとした時、誰かが自分の体を挟んでいる瓦礫を一瞬で振り払った。

そこには、なぜか上半身だけ裸の龍夜がいた。

そしてそれは、ナシュミートにとって唯一の『生きる希望』だった。

それを思った直後

 

 

 

全てが赤色に染まった。

 

 





次回も見てください。
それとハーメルンで新しく『Angel Beats! returnlife』だしたんで見てください。
感想待ってます

次回も見てね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。