今日も俺は半殺しにされる   作:荒北龍

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過去編となります


最っ高にハイってやつだ!!

「ハッ、ハッ、すぅ、はぁーーー!」

 

男は身体にこもった熱を息とともに外に出して、身体の体温を下げて、興奮している自分の身体を落ち着かせる。しかし、それでも興奮は治まらず、男は大声で雄叫びをあげた。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!俺が最強だあああああああああああぁぁぁ!!!」

 

ここは数多のモンスターの残骸が散らばりできた竜ノ墓場。その真ん中にはもう二度と動くことは無い骸に包まれたモンスター、骸龍オストガロア。

その上に立はハンター。

両腕の骨は折れ、手首の筋は切れ、右足の肉は裂け、腹部からは血がとめどなく溢れ、顔は頭から流れる血で染まり、顎からは血が滴っている。体の中は内蔵の位置がズレていたり、避けていたり、血液は体内にあるだけでは足りなくなっている。

そんな生死の狭間で彼が口にした言葉は

 

「···············どちゃクソ腹減った」

「なら早く城に帰って食事にしましょう」

 

ナシュミートはいつの間にか龍夜の傍にたち、龍夜の手を取りオストガロアの上から駆け下りる。

龍夜は重傷ということもあり、千鳥足ではあるが、何とかナシュミートについて行く。

 

「···············"わがまま小娘"、無事で何より·····で、す」

「···········そんなことより早く城に帰るぞ。近くにまだ竜車が残ってる、それで行けば何とか·········」

「··················なぁ、何を焦ってんだよ」

「····················」

 

龍夜の言葉にナシュミートの肩がぴくりと動くが、足を止めることは無い。それどころか足を早めるばかりで、龍夜は今にもコケてしまいそうになる。

 

「···············」

「なぁ、なんか言えよ」

「それ以上喋るな、医学は城で少し齧っているが、どう見てもそれは刻一刻を争う重傷だろ」

「それで焦ってんのかよ。こんな傷大丈夫「喋るな!!」··········」

 

龍夜の言葉を塞き止めるかのように、ナシュミートは龍夜の方を向いてそう叫んだ。

その時のナシュミートの顔は、不安と恐怖が入り交じった、絶望にも近い顔をしていた。それを見た龍夜は何がそんなに恐ろしいのか疑問に思った。

 

「お前はいつもなんで分からないんだ!お前の命はお前だけのものでは無いんだぞ!それが、大切な人が死ぬ辛さを知っているお前が、なんでその辛さを分からない!!!!」

 

次第に瞳から見える雫は、水を貯めて、大きくなり、零れだし、そして止まらなくなる。

透き通るような瞳から、"蒼い涙"が止めどなく溢れ出る。そんなナシュミートをしばらくの間見つめると、龍夜はナシュミートから零れる蒼い涙を血のように紅く、生暖かい舌で舐めとる

 

「なに、やってんのよ、このド変態」

「甘い」

「味覚おっかしいんじゃないの?あ、舐めるな!」

「喉が渇いたんだ、飲ませてくれ」

「··········へんたい」

「男の九割は変態だ、頭に入れておけ」

「ふっ、何それ」

 

龍夜は血が大量に流れ続けたせいか、思考が少しおかしくなっている。

しかし、それでも、今龍夜がこうして生きているという状況が嬉しくて、幸せでたまらない。

そうしてナシュミートに連れられ、ようやく竜車の目の前まで着くと、先にナシュミートが中に入れると、龍夜は竜車に乗る一歩手前で、まるでテレビにストップボタンをかけたかのようにピタリと止まった。

その反応に、ナシュミートは首を傾げ、「早く乗って」と言うが、龍夜から返事がない。

 

「じゃぁな」

「え?」

 

ナシュミートは龍夜の言っている言葉が理解出来ずに呆然としていると、その言葉の意味を理解する前に、龍夜がアプトノスを思いっきり平手打ちして無理矢理走らせる。ナシュミート「何を··········!?」と驚居ている中、龍夜はそれはそれはイタズラの成功した悪童のように笑っていた。

そんな龍夜の顔が憎たらしくて、ウザったらしくて、それがどうしても許せなくて、ナシュミートはやけくそ半分で竜ノ墓場全体に響き渡るような大声で文句を言う。

 

「龍夜!約束は、約束したじゃんか!?一緒に城に帰ろうって!」

「バーか!誰がお前みたいなワガママ"女王"の言うこと聞いてやるかよ!!俺はゆっくり帰らせてもらうよ!あーばよ!」

「ッ··········嘘つき!!龍夜の嘘つき!大嘘つき!!なんで!!約束したじゃんか!!龍夜なんで、龍夜なんで!!··········ッ、ばかやろう·····!」

 

そうしてナシュミートが竜車に乗って見えなくなった頃、龍夜はもう見えもき声も聞こえないであろえナシュミートに向けて叫ぶ。

 

「···············わがまま········いや、あんたはわがまま姫じゃねぇ、あんたは立派なこの国の第四女王、ミカエル姫、また会おう!今度はこんなうすぎたねぇ死骸の山ではなく!どこか広く神秘的な宮殿で!俺が"凄腕ハンター"として、あなたは"女王"として!美しき傲慢な女王よ!あなたの無理難題な依頼を!俺は楽しみに待つとしよう!!それでは!先に城で俺が帰ってくるのを楽しみに待ってな!!愛しの麗しきミカエル=ナシュミート女王!!」

 

そして言い終わった後、龍夜は肩で息をしなが、悪童のような笑みを浮かべる。

 

「だからよォ、邪魔すんじゃねぇ。脇役風情が!!」

「··········」

「··········」

 

後ろには、人を確実に殺すためだけに特化した短剣や、東洋特有の手裏剣と呼ばれる投げナイフを携え、黒い布を全身にまとい、こちらを睨みつける。

どう見てもハンターや、ギルドナイトなど、そう言った類の人間ではない。

この人間は自分と同じ、こちら側の人間(・・・・・・・)の目だ。

 

「知ってるぜ。なんせ俺の故郷の国の奴らだからな!まさか王族がこんなヤツらを呼ぶとはなぁ、"伊賀"の忍ども!!」

 

龍夜は笑ってはいるが、既に背中に五本の短剣が深く突き刺さっていた。

これは先程、ナシュミートと共に竜車に乗る一歩手前で受けたものだ。

故郷のものだからこそ分かる。今の状況でこの者達と戦い勝てる自信はなく、勝てる確率だって皆無に等しい。

しかし、もしもここで逃げ出せば、助かるかもしれない。

何せこいつらの狙いはナシュミートの身柄、もしくは暗殺だろう。

証拠に、先程からナシュミートに一秒でも早く追いつきたいのか、俺の隙を狙って、俺を放置してナシュミートを追いかけようとしている。

しかし、それが無理だとすぐにわかったこの忍びたちは、俺を殲滅することを選んだ。

 

「こい、てめぇらまとめてなで斬りにしてくれるわ」

 

そういった直後、数十という忍びが、同時に龍夜に襲いかかった。

 

「元G級ハンター、狂気の祟羅の実力、とくとご覧あれ!!!」

 

 




どーもあけおめ!!
大変遅れて申し訳ございません!
今回の過去編はナシュミートと龍夜でした。
多分次回もこれの続き、もしくは過去編ではなく、現在編の弟子編になると思いますが、楽しみにしていてください。
後最近オレカバトルにハマりまして、私今めっちゃハマってるんですよ、後最近腐って来てしまったのか、蘭マサにドハマリしてもうどっぷりですわ!
次回も書くので、「とくとご覧あれ!!!」
感想待ってマース
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