「いいか、武器や防具を造りたいならばできる限りモンスターの部位の全てを破壊することが先決だが、それだと自分が負傷するリスクも増える。そのためモンスターの部位を全て破壊するのはそのモンスターとの戦いになれるか、単純に強くなるか、他にも弱点である頭部を狙えばできる限り早く討伐できるし、あまり負傷することも無く討伐できる可能性も上がる。しかし、それだと報酬が少なくなったり、中には頭部が異常なほど硬いモンスターが居る。その場合はまずは兎も角モンスターの腹部や、後ろ足など、兎も角柔らかい部位を攻撃して地道に体力を削り、捕獲という手もある。また、グラビモスやバサルモスなど、全ての部位が硬いモンスターもおり、その場合は背中や腹に乗ってハンターナイフで甲殻の隙間にナイフをさして甲殻を剥がすという手もあり、結構武器の刃がもろくても倒すてはある。また、ヘビュウボウガンやライトボウガン、弓での場合は貫通弾を主に使う方が良いと言える。貫通弾は名前の通り貫通に特化した弾であり、部位の破壊も簡単と言えるだろう。しかし、ボウガンや弓の遠距離武器での防具は、動くことに特化しているため、どうしても防具は軽くて動きやすさを重視している分、モンスターの攻撃を喰らえば一撃で詰みだ。そのためリスクもでかい。なので遠距離武器を使う場合は兎も角体力をつけるか、強走薬グレートを大量に持っていく必要がある。また「あの、質問です」なんだちとせ」
「今なんの勉強ですか?」
「勿論狩りに向けての勉強だ。ちなみに黄金魚は生で食うと結構うまい。ちなみにこれテストで出すからなら。これ覚えてれば九十五点は確実」
「あ、はい」
ここはオンボロマイハウス。そこでは龍夜が何やら分厚い本を読みながら次々と狩の仕方、調合、防具の作る手順などを教えているが、その速さに二人は全く追いつけておらず、初めて五分で2人の理解できる範疇をとうに越していた。
「最後にもう1つ、狩りにおいて最も大事なことがある」
「「··········」」
「目の前で"仲間が殺されても"、逃げれる時は逃げろ」
その言葉に、2人は唖然とした。
その言動は何を意味するか、それが分からないほど自分たちも馬鹿ではない。
仲間が目の前で殺され、逃げろ?それはあまりにも
「ざっけんな!!!」
ジザクは声を荒らげ、立ち上がった。
「仲間が目の前で殺されて、逃げろ?そんなこと出来るわけ「できるかできないかを聞いてるんじゃない、そうしろと言ってるんだ」お前は、お前は仲間が殺されても黙って逃げられんのかよ!!」
「逃げるさ」
龍夜は恥じることなく、戸惑うことも無く、迷うことすらなく即答した。逃げて何が悪いと、まるで当たり前のように、はっきりとジザクに言い放った。
「····················ッ、やってられっか!!!!」
ジザクはあまりの怒りに耐えきれず、テーブルを蹴飛ばして龍夜のマイハウスを出ていった。
ちとせはジザクを追いかけるわけでもなく、龍夜になにか聞くわけでもなく、ただただ黙って座っているばかりであった。
「········なんで、そんなことを言うんですか?」
「····················」
静けさに耐えられなくなったのか、それとも好奇心に負けたのか、聞いては行けないと、ちとせの中で分かってはいても、自分の意思とは別に、その問いを投げかけてしまった。
けれど、帰ってくるのは沈黙ばかり、もしかすると怒らせてしまったのではないかと、不安になり、急いで「すみせん、忘れてください」と謝ろうとした時だった。
「難しいな、生きる術を教えんのわ」
「····················ぇ」
どこか悲しそうに、龍夜は呟いた
「なぁちとせ、お前はなんでハンターになりたい?」
「え?」
§
「はぁ、はぁ、」
『目の前で仲間が殺されても、逃げれる時は逃げろ』
『お前は、お前は仲間が殺されても黙って逃げられんのかよ!!』
『逃げるさ』
「··········はぁ、はぁ···············クソっ!!!」
強くて、
憧れで、
目標で、
夢で、
希望で、
自分の全てだった男は、
名前も知らない『誰か』に殺されて、
悲しくて、辛くて、悔しくて、憎くて、恐ろしくて、怖くて、殺したくて
そいつがのうのうと生きてるのが許せなくて、悔しくて、なのにそいつが一番苦しそうで、泣きそうなほど生きるのが辛くて、1番苦しんでて、それが許せなくて
俺は、俺は、俺は、俺は、
「─────ッ!クソっクソっクソっクソっ!!!!クソガァ!!!!」
俺は叫びまくった。
それでも帰ってくる言葉は
「おい、てめぇか。龍夜の弟子ってのは」
「あ?なんだてめぇ────が!·····ぁ···············」
するとそこには、数十名のハンターがいた。
ジザクがそのハンターたちを見ると、突然後ろから、なにか鈍器で殴られたような激痛が走り、視界がブラックアウトした。
「お前には恨みはねぇが、てめぇの師匠ににゃぁ恨みがあんだ」
「家族や友の憎しみの····················な」
そうしてジザクはどこかに連れていかれた。
§
「····················ジザク」
ジザクが拐われたのを知ったのは、その数時間後、龍夜宛の一通の手紙がオンボロマイハウスに届いてからだった。
『オマエノデシヲアズカッタ ハカニコイ デナケレバ デシガハカニハイルコトニナルゾ』
(·························怒ってる)
横で龍夜を見ていたちとせは、あからさまに負のオーラを垂れ流し、完全に殺気を押えられていない姿に、少しだけ焦る。
「殺す」
そう言って龍夜は家を飛び出した。
「あ、待ってください!」
ちとせはすかさず龍夜を止めようとするも、既に龍夜はどこかに消えてしまった。
「あぁ、どうしよう。兎も角ギルドハンターに連絡をしなきゃ」
そう言ってちとせはモミジの所に向かった。