今日も俺は半殺しにされる   作:荒北龍

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続きです、どうぞ見てください




もうすぐベルナ村しかし現実は甘くない

 

 

 

 

 

 

「おい、まだかよ」

「もうすぐだよ?」

「まったく、もう二日目だぞ?」

「仕方ないよ、結構な距離なんだし」

「…………チッ」

 

 

龍夜達はベルナ村に向かって二日目、やっとベルナ村の近くまでやって来た、今は雨がパラパラと降り始めている。

これなら雨がひどくなる前にベルナ村につけるだろう。

 

 

「……………」

「…………?」

 

 

すると思ったより早く雨が降り始め、土砂降りになる。

そしてさっきまで煩かった龍夜が黙り混んだ。

ちとせは急に黙り込んだ龍夜を見てはてなマークを浮かべる。

すると龍夜はちとせにこんなことを聞いてきた。

 

 

「今変な音しなかったか?」

「?いえ、アプトノスも特に変な動きもしてないし………」

「……ならここら辺は竜車………いや、ここには大きな竜車が“何個”も通るのか?」

「?いえ、通るといっても我らの団がここに来るときに…………」

「?確か我らの団は鯨みたいな気球を使っていたはずだが?」

「いえ、前に一度モンスターに襲われてしまい、今修理に出しているんですよ」

「……………この音………本当に我らの団の竜車だけなのか?」

「はい、我らの団しかこの時期は通りません、それが一体………?」

「……………」

 

 

龍夜は耳を研ぎ澄ませました

 

 

土砂降りに打ち付ける雨の音。

ジャージャーと流れる水音。

ゴロゴロと遠雷が鳴り響く雷音

林が揺れる木々の音。

雨と闇の世界。

 

 

柔らかい土には次々と雨が打ち付け、水溜まりができ、水溜まりや川には雨が突き刺さっては波紋を広げる。

 

 

 

そして雨や雷はよりいっそうひどくなる。

 

 

ビシャビシャビシャーーー

 

───雨の音

 

バチャバチャバチャーーー

 

───雨が水溜まりに当たる音。

 

ビシャビシャ、パチャン、ゴロゴローーー

 

───やはり竜車………でもこれじゃぁまるで………

 

 

 

バチャン。

 

 

───…………

 

 

バチャン!。

 

 

 

 

「ッ!!」

「?どうしました?ってえ!?」

 

 

龍夜は急に竜車を飛び降りて走り出した。

その行動にちとせは驚く。

すると龍夜は大声で

 

 

「おい!お前は先にベルナ村に向かえ!!」

「ぇ?でも………」

「いいから!!俺も後から向かう!」

「は、はい、分かりました」

 

 

そうしてちとせはベルナ村に向かった。

そして龍夜は音がした方に走った、雨が視界を潰さんとするが、龍夜はそんなことは無視して音がする方に走った。

そして兎も角思考を働かせた。

 

 

「冗談はよし姫様にしてくれ!!クソッ!モンスターが竜車襲ってるとか洒落になんねーンだよ!!確か我らの団には手練れのハンターが居るんじゃ無かったのか!?その上この時期はここら辺のモンスターは全部ハンターが殺したはずだろ!!」

 

 

ビチャビャと泥が飛び散る。

折れた腕とあばら骨を無理矢理直してまだ激痛が走る、しかし龍夜はそんなことは関係なしに全力で走った。

 

 

「クソッ!本当にあのクソシジイ!とうとうボケが回ったか!?手練れのハンターでも勝てねぇようなモンスターにでも手ぇだしたか!?」

 

 

今我らの団が逃げているとすれば、大型モンスターに出会し、ハンターが殺られ、必死に逃げているのだろう。

すると我らの団の竜車の音が聞こえて来る。

 

 

ガラガラガラーー

 

 

「おーし、まずモンスターぶっ殺した後あのクソシジイぶっ殺してやる、つかモンスターに何で出会すかなぁ、マジでざけんな、あー早くネコ嬢ちゃんに会いたいなぁ………つかなんか光って………」

 

 

龍夜は雨雲で暗くなった視界から光が見えた、それはまるで雷───

 

 

「うおおおぉぉ!!??」

 

 

龍夜は緊急回避した。

 

 

「………待て、待て待て待て待て待て待て待て待て………待ってくれ、雷?つか回りの木が根こそぎ無くなってね?まるで投げたみたいに、それにこれは足跡じゃなくてどちらかと言うと拳…………やべ、急ぐか」

 

 

龍夜は森の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラガラーー

 

 

「おい!大丈夫か!?」

「だ、大丈夫………他の奴等は………?」

「お陰さまで無事だ、そんな事よりお前は大丈夫なのか!?」

「オッショさんも団長さん達も皆無事だよ!」

 

 

今我らの団の皆はモンスターにやられたハンター、レンジ=アインチャードの手当てをしているが、そのモンスターはすぐ目の前まで来ていた。

車輪が泥を弾く、オッショは後ろを見ずに兎に角手綱を握りしめてポポを走らせた。

すると

 

 

ドガアァァァァァン

 

 

木が丸ごと飛んできて竜車が一回転する。

そして中に居たレンジと加工屋の娘、イモウトが外に放り出される、そしてレンジがよろよろと立ち上がるとレンジはイモウトがどこにいるか回りを見渡すと

 

 

「ッ!?」

 

 

イモウトは木によって足が下敷きになっていた。

そして目が覚めると、自分が今危機的状況にいると気づき、急いでイモウトは足を引き抜こうとする、しかし引っ掛かってしまったのか、足が抜けなくなってしまった。

レンジは走ってイモウトを助けようとした、すると

 

 

ズシイイィィィン

 

 

「ぇ?…………ぁ………」

 

 

丁度その真後ろにモンスターが現れた、それを見たレンジは急いでイモウトを助けようとする。

イモウトはゆっくりと音がした方を見ると、余りの恐怖で固まってしまった。

イモウトは我に変えると、震えながらも木で下敷きになっている足を無理矢理引き抜こうとする。

しかしモンスターはわざわざイモウトが足が抜けるまで待っては暮れない、そしてモンスターはイモウトに近づく。

 

 

「やめろおおぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

レンジは急いで武器を引き抜きモンスターに斬りかかるが、モンスターは攻撃を避けてレンジを“ぶん殴った”。

 

 

「がフッ」

 

 

そしてレンジ吹き飛ばされて木に叩き付けられ気絶する。

 

 

「レンジさん!?」

 

 

我らの団団長達も急いでレンジとイモウトを助けようとする、しかしモンスターはイモウトに近づき、その拳でイモウトを殴った。

はずだった

 

 

「うおおおぉぉ!!」

 

 

グシャ!

 

 

「カハッ!ッのクソゴリラ!!!!」

 

 

龍夜はゴリラ………いや

そもそもこのモンスターはハンターに“発見されていた”モンスターだ、しかしこのモンスターは【超攻撃的生物】な上に、このモンスターは非常に縄張り意識が高く、視界に入った者は全力で殺しにかかる、そしてそれがたとえ戦意を失っても攻撃の手を緩めずに殺害してしまうケースが多く、【そのモンスターと遭遇した者が生還する事自体が奇跡であり】、ギルドがこのモンスターの報告することができない。

その為にギルドもそのモンスターがその地域に居ることを知らずに新人ハンターが何人も殺される事がる。

このモンスターは

 

 

 

 

金獅子

 

 

 

ラージャン

 

 

龍夜はそのラージャンの拳を体で受け止める、しかしその威力に口から血を吐いて、拳で殴られた部分の防具の右半分は粉々になり、上半身半分が丸裸になる。

そこには体を包帯でぐるぐる巻きにして、その包帯を巻いた体からはイビルジョーにやられた傷口から血が出て、粉々になった防具が龍夜に刺さり、包帯が所々千切れる。

そしてレウスSヘルムの顔半分が粉々になっている、一番大事な上半身の防具が半分も粉々にされている、しかも相手は【古龍に匹敵するモンスター】。

状況は絶望的だ。

しかし龍夜はラージャンの拳を押さえながら、後ろにいるイモウトを見て、笑顔で

 

 

「もう大丈夫」

 

 

そう答えた。

そして龍夜はラージャンの拳をどかして背中に背負っている太刀を引き抜いてラージャンに向ける、しかしその時にはもうラージャンは丸裸になった龍夜の上半身半分を殴った、そして龍夜は吹き飛ばされる。

ラージャンはまたイモウトに近づく、イモウトはカタカタと震えが止まらない、しかし

 

 

「おい、てめェの相手は俺だろ」

 

 

ズシャァァ

 

 

ラージャンは拳以外の肉質は柔らかく、簡単に武器が入る、そのため切れ味の悪い武器でも十分に戦える、龍夜はラージャンの背中を太刀、飛竜刀【葵】で切りつけた、そして雌火竜リオレイアの素材を元にして作った太刀、飛竜刀【葵】はリオレイアの毒が塗られ、この太刀で何度も斬られればモンスターは毒常態になる。

そしてラージャンは振り返り、斬りつけてきた龍夜を睨み付けるとガパァと口を大きく開けた。

 

 

「ッ!」

 

 

ラージャンの口が開いたと思えば口から雷ブレスを龍夜に向かって撃つ。

龍夜は逸早くそれに気づき回避した、しかしそれにより龍夜に本の少しの隙ができた。

ラージャンはそれを見逃さず、その巨体ではあり得ないようなスピードであっという間に間合いを詰めた。

ラージャンはまた装備が粉々になった部分を殴り付けた。

龍夜は右手で何とかラージャンの拳を防ぐが、ラージャンの攻撃を二発も食らってしまった。

ラージャンは肉質こそは柔らかいが、その攻撃力は自分よりも大きな岩をも砕く。

龍夜の左腕はイビルジョーの攻撃で完全には直っていない、なのにラージャンの攻撃を二度も食らってしまえば。

 

 

「ハンターさん!」

「……………」

 

 

龍夜の頭からは血が地面に垂れ落ち、右腕は肉が裂け、血が溢れ出て見るも無惨な事になっている。

しかしそれでも龍夜はラージャンに向かっていく。

 

 

「おい!クソシジイ!」

「龍夜!?大丈夫なのか!?」

「後で殺す!!」

「元気そうだな!」

 

 

龍夜は近くまで来た我らの団団長を呼ぶ、そして団長も雨の音で聞こえなくならないように大きな声で答えた。

 

 

「こいつをそっちに渡すから、そしたらすぐにこの場から逃げろ!!」

「だがお前さんは」

「分かったな!?それじゃぁいくぞ!!」

 

 

そう言って龍夜はラージャンと一旦距離をおいて、木で下敷きになっていたイモウトを助けようとする、しかし丸腰で逃げる龍夜をラージャンが黙って見逃す訳もなく、ラージャンは前に居るイモウトごと雷ブレスを撃った。

 

 

「ッ!!」

 

 

龍夜は咄嗟にイモウトを抱き締めて、自分を盾にした。

ラージャンの雷ブレスはほぼ普通の雷と変わらない、つまり普通の人間なら丸焦げになって死んでいる。

 

 

普通の人間なら。

 

 

シュウウウゥゥゥゥ

 

 

「ぁ……ハンターさん?ハンターさん!!」

「………大丈夫……か……?」

「そんなことより何で!!」

「大丈夫、そうだな………よかった………」

 

 

龍夜の背中はラージャンの雷ブレスをもろに食らってしまい、背中の防具が焼け落ち、雷ブレスの熱で背中は赤くなり、大火傷している、とても考えられないような痛みが龍夜を襲うが、龍夜は嬉しそうに笑っていた。

イモウトは泣きながら自分をかばってくれたハンターの心配をする。

そして龍夜は下敷きになっているイモウトを引きずり出して、我らの団の団長にぶん投げた。

 

 

「わっ!?」

「おい!クソシジイ!ハンターは無事か!?」

「ああ!」

「なら早く行け!!」

「お前さんはどうするんだ!?」

「俺より先にそのハンターをベルナ村で手当てしてもらえ!!後で追い付く!!」

「分かった!」

 

 

すると我らの団の竜車が走り出す。

そして龍夜は後ろを降り無いて、ラージャンを見る。

少し二人は睨み合うと、ラージャンは仁王立ちして拳を上にあげながら咆哮する。

するとラージャンの全身には電気が帯びて逆立った黒い毛は金色になり、腕は紅くなる。

 

 

 

 

それは今まで殺したハンターの血のように

 

龍夜は一気に武器を抜いて飛竜刀【葵】をラージャンに向ける。

 

 

「………てめぇやっぱ」

 

 

───グオオオオオオオ!!!!

 

 

ラージャンはその大きな右の拳を振り上げて龍夜に突っ込み、龍夜の顔に拳を叩き付けようとしたが、龍夜はそれを見事に回避する。

そして龍夜はラージャンの腹を太刀を切り上げる。

するとラージャンは龍夜を掴もうとするが避けられ、龍夜はその後に腹、腕、後ろ足を太刀でラージャンの肉を引き裂く。

ラージャンはやがて毒になり、徐々に体力を奪われていった。

しかしラージャンもやられているばかりではない、ラージャンは物凄い脚力でジャンプすると、空中で物凄い速さで回転して龍夜に突っ込む。

龍夜は避ける事こそは出来たものの、ラージャンが落ちた衝撃で吹き飛ばされる。

龍夜が立ち上がる頃にはラージャンは地面に拳をめり込ませ、地面から岩を引き抜くと、龍夜に向かって思いっきり投げ飛ばした。

龍夜は岩をうまく避けるが、ラージャンが雷ブレスを撃つ。

龍夜は紙一重で避けるが、今度はラージャンが間合いを積めて龍夜を殴り飛ばした。

しかし龍夜は何とか持ちこたえる、そしてラージャンはまた龍夜に突っ込むが

 

 

 

 

 

 

ズボオォォォン!!!

 

 

───!?

 

 

ラージャンは一瞬何が起こったか理解できなかった。

龍夜との間合いを詰めたら一気に下に落ちた。

 

 

落とし穴だ

 

 

「さっきのハンターが仕掛けたんだろうが、助かった、怒り状態じゃねぇとこいつに罠の類いは効果ないからな。それじゃぁ苦しまずに、死ね」

 

 

龍夜はこのチャンスを逃すこと無く、ラージャンに斬りかかった。

顔の肉を引き裂き、角をへし折り、一撃一撃を殺すきでラージャンを斬り続けた。

ラージャンは怒りに狂ってか、または生きるためか、一刻も早く落とし穴から抜け出そうとする。

龍夜は攻撃の手を緩めない、するとさっきまで落とし穴から抜け出そうと足掻いていたラージャンがピタリと止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

否、眠った。

 

 

「ッ!!」

 

 

龍夜は嫌な予感がした。

大型モンスターが、ただでさえ攻撃性の高いラージャンが敵の目の前で、さっきまで殺し合っていた奴の目の前で寝るか?

そんなことあるわけがない、あるとしたらこれは眠ったのではなく………………

 

 

 

 

 

───ブアッ

 

 

 

何やらさっきまで土砂降りと雷鳴の音でうるさかったが、その音が一瞬聞こえなくなり、暗かった景色は一瞬黒紫になったように見えた。

 

 

 

するとラージャンの回りには黒紫の菌が充満し始めた。

この個体は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狂竜化」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続きます

 

 

 

 

 




今回も疲れたぁ
次回もまたみてください!!


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