今日も俺は半殺しにされる   作:荒北龍

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おうじさま

 

 

 

 

 

 

───ガラガラガラ

 

 

今我らの団は龍夜がラージャンの足止めしているお陰で逃げられている。

しかしレンジはラージャンの攻撃をもろに食らってしまい、気絶している。

加工屋の娘イモウトからはオッショさんと言われている竜人族の男と我らの団団長とイモウトは一番前の所にいた。

そしてイモウトは団長に自分を助けてくれたハンターの事は大丈夫なのかと聞いた。

 

 

「団長さん!あのハンターさんは!?」

「龍夜か!?龍夜なら大じょ………」

 

 

───バキ!バキ!バキ!

 

 

我らの団団長が龍夜なら大丈夫と言おうとした瞬間、後ろから木を貫いて何かが飛んでくる。

それは………

 

 

「がはッ!!」

「龍夜!?」

「ハンターさん!」

「龍夜!」

 

 

龍夜だった。

オッショさんと団長とイモウトは、その姿を見て驚きを隠せない。

龍夜は団長達が走る竜車を追い越して、地面に落ちる。

龍夜と団長達の目が合う。

 

 

「大丈夫か!?」

「とっとと逃げろ!!」

「そんなことよりお前さんが………」

「あのラージャンは狂竜化したラージャンだ!急げ!!」

「なに!?」

「チッ」

 

 

 

───グオオオオオオオオオ!!!!!!

 

 

今度はラージャンが回りの木々を押し倒し龍夜の目の前まで跳んでくる。

そして龍夜は太刀を横にしてラージャンを受け止める。

しかしラージャンに力で勝てるわけもなく、吹き飛ばされる。

龍夜は今だ逃げていない団長達を見て大声で逃げるようにいった。

 

 

「とっとと逃げろって言ってるだろ!!!!」

「それじゃぁハンターさんも死んじゃうよ!!!」

「そうだ!お前さんも………」

「逃げねぇと皆殺しになるぞ!!それにてめぇらが居ると邪魔なんだよ!!」

「…………分かった」

「え?」

 

 

すると団長がそう言って加工担当、オッショさんはポポを走らせた。

その行動にイモウトは呆気に取られた。

そして大声で龍夜を指さし

 

 

「団長さん!?ハンターさんは!?」

「…………」

「このままじゃぁハンターさんが死んじゃうよ!」

「…………」

「何で助けないの!?」

「……………」

「オッショさんも!ハンターさんがどうなってもいいの!?」

「…………」

 

 

イモウトの言葉にオッショと団長は何も答えず前だけ見た。

そんな団長達を見て、イモウトは何故あのハンターを助けないのか、幾度も聞いた。

しかし団長達は何も答えなかった。

 

 

「団長さんもオッショさんも何で何も言ってくれないの?これじゃぁまるで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見殺しにしてるようなもんだよ!!!!」

「…………」

「…………」

 

 

イモウトは何も言わない団長達に痺れを切らし、団長達の前に出た。

 

 

「!」

 

 

すると団長達の顔を見て固まった。

団長とオッショは両目から大量には涙を流しながら黙って前を見ていたのだ。

すると団長は口を開き

 

 

「俺も龍夜を助けたい、だがなぁ、俺らがあいつの何をできる?我らの団ハンターも手も足も出ずにヤられた。そんなモンスターに俺らが勝てるわけがない」

「ッ!」

「邪魔なんだよ、あいつにとって今の俺達は」

「…………」

「あいつは死にそうな時も必ず他人を先に助ける。そんな奴にとって俺達は邪魔にしかならないんだよ。我らの団ハンターも未だ意識が戻らん…………だがあいつはこんな所で死ぬようなやつじゃない」

「………はい」

 

 

我らの団団長、昔まだ龍夜がハンターになってすぐの頃、我らの団に入り、色んなところを一緒に旅をした仲間だ。

だからこそ分かる。

龍夜は何度も何度も他人のために傷付いてきた。

だからこそ団長は悔しい。

 

 

───龍夜の為に何かできたか?

 

 

───否

 

 

───龍夜を一度でも助けてやったか?

 

 

───否!

 

 

───龍夜を一度でも守ってやったか?

 

 

───否だ!!

 

 

 

自分の弱さと情けなさを団長は今も悔やんでいる。

何時も団長が龍夜の為に出来る事と言えば、生きて帰ってくることを願うしかない。

そしてイモウトも自分を助けてくれたハンターさんが生きて帰ってくることを祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「やっといったか……………なぁラージャン、苦しいだろ」

 

 

───グルルル

 

 

「なぁ、俺の話をきいてくんね?」

 

 

ラージャンに向かって話しかける龍夜は太刀をどういうわけか、地面に突き刺した。

しかし隙があるようで一瞬の隙もない。

 

 

「死ぬってなんだ?」

 

 

 

「心臓を貫けば死ぬのか?」

 

「頭を貫けば死ぬのか?」

 

「首を切れば死ぬのか?」

 

「血が全て無くなれば死ぬのか?」

 

「腹を切れば死ぬのか?」

 

「毒を飲めば死ぬのか?」

 

「息が出来ないと死ぬのか?」

 

「…………俺は違うと思うんだよ」

 

「死ぬってのは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きることを諦めた時だ」

 

 

「さてと」

 

 

龍夜は地面に突き刺した太刀を引き抜き、ラージャンに向けて、ラージャンを見る。

ラージャンも龍夜を見る。

そして

 

 

「その苦しみを今終わらせてやるよ」

 

 

その一言で両者は動き出した。

先ずは龍夜がラージャンの拳を避けてラージャンの腹を貫く。

するとラージャンは龍夜の横腹を殴ろうとするが、直ぐ様龍夜は太刀をラージャンの腹から抜いて避けると、ラージャンの手首を切る。

しかしラージャンは龍夜の真正面に立ち、雷ブレスを0距離で撃つ、しかし龍夜は飛び上がり、ラージャンの眼に飛竜刀【葵】が突き刺さる。

 

 

───グオオオオオオオ!?

 

 

ラージャンは片眼に激痛が走り、あまりの痛みにもがきながら失った片眼を両手で押さえる。

そして生まれた一瞬の隙。

 

 

「あばよ」

 

 

龍夜はがら空きになったラージャンの首を一気に貫いた。

するとラージャンは急に声が出なくなり、そしてゆっくりと地面に倒れ、それはまるで眠るように眼を閉じた。

 

 

「…………大事なものは失って初めて気づく………か………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オエエェェェ………血へドかよ……」

 

 

龍夜は血へドを大量にはいた。

雨は止んだが、体の震えが止まらない。

左腕もまったく動かなくなってしまっている。

しかし龍夜はベルナ村に向かった、龍夜はいつ倒れても可笑しくない状況にある。

しかし龍夜はそれでもベルナ村に向かう。

そして龍夜は後悔していた、あの時後から俺も追いかけるなんて言わなければ俺はこんな苦労しなずにすんだのに、と心のなかで愚痴を吐くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっとベルナ村についた………誰か水…………」

 

 

龍夜はやっとベルナ村に付いた。

しかし龍夜はその光景を見てそこで立ち止まってしまった。

それは

 

 

「レンジさん、もう大丈夫何ですか?やはり安静に………」

「大丈夫です、お陰で助かりました」

「ガハハハハハ!それでこそ我らの団ハンター!」

「………助けてやれなくてすまない」

「オッショさん、そんな頭を下げないでください」

「レンジさん目覚めてよかったニャル」

「ワッハッハ、本当に無事で何よりじゃわい!」

「レンジ殿、無事で何よりです」

 

 

 

 

 

「…………これじゃぁ出るに出れねぇな………」

 

 

皆がレンジ=アインチャードの心配や手当てで手一杯だった。

龍夜はその光景を見て羨ましそうに笑うが、そのまま回れ右をしてどこかへ向かった。

 

 

 

 

 

龍夜が向かったのはボロボロのマイハウスだった。

布団の布はボロボロになり、壁は崩れ、蜘蛛の巣がたくさんあり、ホコリりだらけの部屋だ。

そんなマイハウスの固いベットに横になった。

 

 

「やっぱり汚い上にベットも固いねぇ………岩で寝てるみたい」

「ハンターさん?」

 

 

気づくと、マイハウスの扉から顔を少し出してイモウトが龍夜が居るかどうか確認すると、龍夜の元に駆け寄る。

 

 

「………加工屋の娘か………確かイモウトとか言われてる………」

「その怪我……大丈夫なの………?」

「ハッハッハ、片腕の骨がメチャクチャ粉々、あばらが5本折れて、足の骨が少しヒビが入ってる、そこら中内出血、背中が大火傷、あと気持ち悪い」

「………あの、…………さっきは助けてあげられなくてごめんなさい!!」

 

 

加工屋の娘、イモウトが龍夜の状態を聞くと、顔を真っ青にしながら謝った。

龍夜は少し溜め息を吐きながら、泣きながら謝っているイモウトを見ると

 

「そんなことかよ」

「うわーん!」

「何泣いてんだ?」

「泣いてない!」

「…………ハァー」

 

 

龍夜は固いベットから降りて、泣いているイモウトに近づくと、イモウトの頭を撫でた。

イモウトは何で龍夜が自分を撫でているのか疑問に思った。

 

 

「なぁ、泣きたきゃ泣けよ」

「泣いてない!」

「じゃぁてめぇの目から漏れてる水はなんだ?」

「こ、これは」

「…………」

「そのぉ~………」

「バカもん!」

「いた!?」

 

 

龍夜はイモウトにチョップした。

イモウトは涙を浮かべながらチョップされた頭を両手で押さえた。

 

 

「ガキが我慢すんじゃねぇ!!」

「だから泣いてない!!」

「泣いてんじゃねぇか!!」

「泣いてないってば!!」

「んだと~!?」

「ふん!」

「…………はぁ、そう言えば結局何しに来たんだよ」

「あ、…………その、さっきは……ごめんなさい……」

 

 

イモウトは何かを思い出したのか、また両目から大量に溢れる涙を両手で拭いながらヒクッヒクッ泣きながら謝りだした。

どうやらさっき龍夜をラージャンから助けられなかった事を気にしているのだろう。

しかしそんなイモウトを見て龍夜は溜め息を一つ吐きながら、また頭を撫で始めた。

 

 

「俺はさぁ、出来れば謝るより聞きたいことがあんだよねぇ」

「?」

「何かしてもらったときは、何だっけ?」

「!……その、助けてくれてあ……ありがとう」

「そう、俺はそれが聞きたかったんだよ」

 

 

イモウトは両目に浮かぶ涙を拭い、頭を下げて礼を言った。

そしてそんなイモウトの頭を龍夜はクシャクシャになるくらい乱暴に撫でてやった。

しかしイモウトは嫌がらず、逆に嬉しそうにしていた。

 

 

「えへへへえ、あ!そう言えば」

「あ?」

「ちとせちゃんがハンターさんのこと呼んでたよ!!」

「あ、忘れてた………後俺の名前は龍夜な」

「うん!」

「それじゃぁちとせのところオエエェェェェェ」

「ええええ!?」

 

 

龍夜はマイハウスから出ようとしたら思いっきり血が混ざったゲロを吐いて倒れてしまった。

いきなりの事でイモウトは驚き、泣き出してしまった。

 

 

「うわーん!!龍夜さんが死んじゃうよー!!」

「死なねぇよ、いにしえの秘薬飲まねぇと死ぬかも」

「うわーん!」

「………泣くなよ」

「泣いてない!!なに笑ってるの!」

 

 

龍夜は倒れながらイモウトを見て笑っている。

イモウトはからかわれた気がして怒った、しかしまだ龍夜は笑う。

 

 

「わりぃわりぃ、俺が死にそうになって悲しんでるお前が可笑しくってな」

「?」

「俺が傷付いたり、死にそうになると面白がる奴はたくさんいるからな、お前みたいな奴は久しぶりに見たわ」

「ぇ……」

「いやぁ、俺が苦しんでると皆笑うからよぉ、俺が苦しんでる時泣く奴なんてほとんど居ないからな」

「…………」

 

 

龍夜は笑いながらアイテムBOXからいにしえの秘薬を出して飲んで何とか傷を治す。

そしてまだ泣いているイモウトを慰めるように撫でた。

 

 

「もう泣くなって」

「…………龍夜さんは悲しくないの?」

「もうなれたしな」

「私は悲しいよ」

「お前は俺が苦しいとき悲しいんだな」

「うん、龍夜さんだけじゃないよ、おとうちゃんだって、オッショさんだって、我らの団の皆だって、ナグリ村の皆だって、皆大事な仲間だよ!」

「…………優しいなぁ、お前………」

 

 

龍夜はそう言いながらに頭を撫でで続けた。

自分を心配してくれる人がまだいるなんて、龍夜は嬉しかった。

するとイモウトは

 

 

「私、龍夜さんの王子様になる!!」

「ん?なに?王子様???」

 

 

なにいってるのこの子?25歳の大男の王子様になる?正気かこの子?やめて、そんな無邪気で可愛い笑顔を俺を向けないで!断れなくなるから!

 

 

そんな事を心の中で叫んでいる龍夜の事も知らず、イモウトはさらにこう続ける。

 

 

「前に絵本で読んだけど、王子様はお姫様を必ず守ってくれる、それにお姫様を必ず助けるんだよ!だから私も龍夜さんを必ず守って、必ず助ける!」

 

 

なにこの子!メッチャ可愛い!てか天使!!って違う違う

 

 

「そこはお姫様じゃないの?」

「龍夜さんは私の事を命がけで助けてくれた、だから今度は私が龍夜さんを守るんだ!」

 

 

あ、やっべ、嬉しくて涙出てきた

 

 

「おりがとなぁ、お兄さん嬉しい」

「うん!よかった!」

 

 

龍夜はあまりの嬉しさにイモウトをギューッと抱き締めた。

そんな嬉しそうな龍夜を見てイモウトも嬉しそうに笑いながら一緒に抱き締めた。

すると

 

 

「龍夜さん!やっと見つけました!心配しましたよ!!龍夜さんの武器だけが村の入り口にあって。近くに血が残っていて心配で……………何やってるんですかぁ~???龍夜さん」

「ん?あ、ネコ嬢ちゃん…………」

 

 

マイハウスの扉を思いっきり開けて入ってきたのはカティだった。

どうやら龍夜の武器だけがベルナ村の前にあり、近くには血が垂れていたので心配で探し回ったのだろう、そして何とか龍夜の血をたどってここまで来たのだろう。

そしてマイハウスの扉を開けると、そこでカティが見たのはイモウトと龍夜が二人で抱き締めあってる光景だ。

カティの目から光が消えて首を傾げながら笑顔を浮かべる。

何時もなら物凄く可愛いのだが今はガチで怖い。

さぁどうなる龍夜!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回につづく

 

 

 




書けました!!次回も見てください!
それとカティが何故龍夜の名前を知っているかは次回見れば分かります。

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