彼の目の前には二体の龍がいる。
しかし彼の視線はその先、龍をはさんで向かい側に佇んでいる黒い人影を捉えている。
周りには数多の屍が転がり、二人と二体の龍を除くと立っている者は僅かしかいない。
だが二体の龍もまた周りの者と同じく被害者であり、立っているのがやっとの様子だ。
この光景を作り出した元凶である光と闇、二つの力。
二人は同時に駆け出すと、悪魔、天使、堕天使、龍。全てのものを巻き込みながら距離を詰めて行く。
そして二人は___
○ * ○
翌日の放課後、いつも通り部室で作ってきたお菓子を朱乃さんの淹れてくれたお茶とともに食べていると部長(今シャワーを浴びている)が、
「今日はこの部に部員、というか私の眷属が増えるわ。」
と言ってきた。
その言葉の直後、木場先輩の
「部長、連れてきました。」
の声と共に扉が開かれた。
○ * ○
な、なんて部活なんだオカルト研究部…!
イケメンの木場 祐斗、
ロリっ子可愛い系マスコット塔城 小猫ちゃん、
爽やかイケメンだけどどこか抜けてる、と一年のみならず二、三年の女子にも人気がある新庄 翔一、
二大お姉様の片割れ、黒髪ポニーテールの大和撫子、姫島 朱乃先輩、
そして今シャワー中のリアス・グレモリー先輩!
なんという美男美女。凄すぎだろ…。
「ってシャワー⁉︎」
驚きすぎて思わず声に出しちゃったよ!
すると新庄が、
「先輩、そんなシャワーぐらいでシャワがないでくださいよ!…プフフッ!」
なんて言ってきた。
な、なに言ってんだコイツ…?と思っていると
「新庄くんのコレは病気なので気にしないで下さい。」
と小猫ちゃんが言ってきた。
てか最近この二人が妙に仲良いから付き合ってるなんて噂を耳にしたけど、同じ部活なだけだったんだな。よかったよかった。
そんなやりとりをしていると、リアス先輩がシャワーから出てきて俺に説明を始めた。
この部活の部員(新庄以外)が悪魔ということに始まり、夕麻ちゃんのこと、裏の世界のこと。
そして、俺の神器を見せることになった。
一番強くみえる姿、ということだったから、俺はもちろん
「ドラゴン波!」
のポーズをした。
すると俺の左手が光り、赤い籠手が装着された。
ここまでは良かった。なんか先輩も
「なるほど…
とか納得したように言ってたし。
でも俺はもの凄く焦っていた。
なんせ籠手から感じる力が一向に収まらず逆に強くなっていくし、なんか
「Dragon booster!!」
とか言ってるし、心なしか形状も変化してる…。
リアス先輩も異変に気づいたようで、
「その紋章…まさか
と驚いている。
そして籠手から
「Explosion!」
という音声が流れた瞬間!
俺の左手は新庄に殴りかかった。
○ * ○
突然すぎて、悪魔である私達でさえ反応できなかったのに、翔一はベルトを出現させて構えをとると、
「変身!」
の掛け声と共に両腰のボタンを押し、金色の戦士に変身する。
そしてイッセーの___いや、
まぁ当のイッセーは
しかし、あの時確かに
まさかドラゴンもあの戦士の力を恐れているのかしら…?
○ * ○
結局あの後は、翌日からの三日連続のバイトにそなえて自己紹介だけして帰ってきた(他のみんなは悪魔の仕事だけど)。
兵藤先輩はきっとストレスが溜まってたんだろうな。今度ストレス対策の料理でも作ってみるか。
そして今は三日間のバイトを終え、部屋で休んでいた。
もちろんこの間部活には出ていない。
そういえば、ここのところ忙しくてでき和えで済ませてたからな〜。
久しぶりに料理でも___ッ!
これは…またあの!
そうして俺は走り出した。
○ * ○
私はイッセーにアドバイスを与えた後、朱乃と共に三人の堕天使、カラワーナ、ドーナシーク、ミッテルトを仕留めるために教会の近くの雑木林に来ていた。
三人を見つけ、いよいよ戦闘が始まるというときに、奴らは現れた。
今回現れたのは二体。
流石に今は戦ってる場合じゃないわね…。
私(相手もだろうが)は不本意ながらも堕天使と共同戦線を張ることにした。
しかし、いややはりだが、五人で攻撃してもあまり効いている様子はない。
しかも、足元がいつの間にか沼になっていて動けなくなっていた。
これは不味いわね…。
その時、彼が現れた。
○ * ○
アギトは、再びウミガメのような怪人(オケアヌス)と、リクガメのような怪人(テレストリス)と対峙していた。
アギトは最初は前回と同じようにうまく捌いていたが、次第にダメージを負っていく。
と、その時。
後ろからリアス達の攻撃がテレストリス目掛けて飛んで来た。
この集中砲火は効いたのか、テレストリスは思いっきり吹き飛んだ。
そこでアギトはオケアヌスを蹴りで吹き飛ばし、すかさずクロスホーンを展開。
「ハァァァ…ハァッ!タァーッ!」
ライダーキックを放つ。
それをオケアヌスは嘲笑を浮かべつつ、前回同様甲羅で受け止める。
しかしアギトは残心の構えをとり、じっと待つ。
不審に思ったオケアヌスだったが、直後頭上に天使の輪を発生させ
「Gugyaaaa!!」
爆散した。
流石に寸分違わず同じところにライダーキックを叩き込まれれば自慢の甲羅も貫通してしまうのは当然の結果だった。
オケアヌスが倒されたのを見て逆上したテレストリスの突進を避け、アギトはベルトの右腰のボタンを押し、フレームセイバーを取り出してフレームフォームに変身した。
そしてテレストリスの攻撃に合わせて居合に似た動きでカウンターを食らわせていく。
やがてパンチを入れて一旦距離をとり、鍔の角を展開。
「ハァッ!」
テレストリスの体の脆い所を狙って「セイバースラッシュ」を放つ。
「Uooaaa!」
テレストリスは天使の輪を発生させ、炎上した。
○ * ○
私はアーシアから神器を抜き出すことがどうしても出来なかった。
少し前の私なら、恐らく何の迷いもなく出来たのに。
アンノウンに襲われたから?本当だったらあの時死んでいたという思いがあるから?
アギトに助けられた時私は、助かった、死ななくて良かったと思ってしまった。
私はあの時生きていることの喜びを知ってしまった。
神器を抜けば、この子は死ぬ。
そう思うと例え計画が失敗することが確定しても、私がこの事件を起こしたことによってどんな罪を受けるか分からなくても、それができなかった。
だから、その後駆け付けた兵藤くんに殴られた時も、
「これでよかった。」
と思っていた。
○ * ○
今回の事件を起こした堕天使四名は、グレゴリに送られることになったんだ。
理由は兵藤先輩がレイナーレさんを許したことと、俺が部長を説得したこと。
特に、俺が延々と生きることの素晴らしさについて語ったことで部長が折れたらしい。
それで、堕天使の人達が四人を連れて帰ることになっていたんだけど、なんとその時にトップである総督のアザゼルさんが来ちゃったんだ。
アザゼルさんは俺に、
「お前がアギトか…ま、頑張れよ!」
と言って周りの人達(いや堕天使達?)と一緒に四人を連れて帰って行った。
へー、俺アギトっていうんだ。
なんかかっこいいなぁ!
○ * ○
今回のアギトはなかなか面白そうな奴だな。
しかもこの短い期間で既に悪魔と堕天使、それに赤龍帝に接点を持った。
こりゃホントにどうなるんだろうな…。
はい。一巻終了です。なんてこったい。
分かりにくい、読みにくい、こうした方がいいなどのアドバイス。また感想その他、お待ちしております。
では、次回もよろしくお願いします!