ハイスクールD×D〜目覚める龍〜   作:トイレの紙様

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もう一人の/another 前編

あの後、何かを決意した感じだった小猫ちゃんに

 

「…私を強くして下さい!」

 

と言われた。

そのあまりの熱意に気圧された(彼女がこんなにグイグイきたのが初めてだったのもあるかもしれない)俺は、つい

 

「…はい。」

 

と答えてしまった。

まぁでも、もちろん俺は変身しなければただの人間(最近はアギトの影響か、身体能力が上がってきてはいるけど)なわけで、当然悪魔でしかも戦車である小猫ちゃんには歯が立たない。

そこで俺たちは、次のように決めたんだ。

 

・時間は朝、場所は俺の家の近くの公園で

・小猫ちゃんは人間()の、アギト()は小猫ちゃんの稽古をつける

・朝食は俺の家で

 

やっぱり、普段の戦闘力を上げることでアギトの力も上がるはずだから、俺も小猫ちゃんと修行?をすることにしたんだ。

小猫ちゃんが提案した最後のがよく分からないけど、一緒に食べる人がいるのは嬉しいからいいかな。

 

まぁそれで、明日から早速始めよう!と息巻いてたんだけど、どうやらそうも言ってられないみたいなんだよなぁ…。

 

○ * ○

 

今は放課後で、部室にいるんだけど…。

さっき俺がそうも言ってられない、っていた理由。それは…

 

「私はあなたと結婚なんかしないわ!」

 

「そんなこと言っている場合じゃないと思うんだが?」

 

この部長とその婚約者さん?の口論だ。

口論は段々エスカレートしていき、ついには

 

「…炎と風を司る悪魔としては、耐え難いんだよ!」

 

婚約者さんが炎の翼を生やし、部長も負けじと全身に紅いオーラ?のようなものを纏って、一触即発の状況になってしまった。

それにしても炎と風を司る、か。たしかアギトの二つのフォームは炎と風、一つずつを操れたよな。だったらもしかしたら二つを…

その時、二人の力に耐えきれなくなったガラスや食器が割れ始めた。

 

○ * ○

 

すごい威圧感だ…。

僕や小猫ちゃんは耐えれてるけど、悪魔になりたてのイッセーくんやアーシアちゃんにはきついだろうな。新人と言えど悪魔の二人がこれじゃあ人間の翔一くんは…

 

…何か考え事をしているみたいでうんうん唸っていた。

わ、割と余裕そうで安心したよ。それぐらいの方がいいよね、うん。

すると部長達の力に耐えきれなくなったのか、ガラスや食器が次々と割れ始めた。

見兼ねたグレイフィアさんが仲介に入ろうとして___

 

「あぁ〜!このお皿気に入ってたのに!」

 

いつの間にか箒とちりとりを持って割れたものを回収していた翔一くんが叫んだ。

 

…いや、君いつ動いたんだい?

さっきまで僕の隣にいたし、箒もちりとりも持っていなかったよね?というか、騎士の僕が気づかないなんて…。

他のみんなも(その行動か、その発言にかは分からないが)驚いているようだ。

朱乃さん、イッセーくん、アーシアさんは僕と同じように驚きで固まり、

小猫ちゃんは驚きながらも彼を若干尊敬の眼差しで(どこに尊敬してるかは分からないけど)見ているし、

皿が割れるきっかけを作った二人はさっきの威圧感がほとんど薄れてしまっている。

あのグレイフィアさんでさえ少し目を見開いている。

しかし翔一くんはそんな周りの反応にはお構いなく、

 

「二人とも、暴れるなら外でやって下さいよ。これ以上さらに皿を割られたらたまらないんで!」

 

と途中からやけにニコニコしながら言い放った。

誰も何も言わない中、翔一くんは何かを待っているかのようにニコニコ顔のまま僕達を見てくる。

すると、小猫ちゃんが溜息をつきながら

 

「…まさかとは思いますが。さらに、と皿をかけたんですか?」

 

と言った。

いや小猫ちゃん流石にそれは…

 

「あ〜、やっぱり分かっちゃう?そっか〜…ってあれ?もしかして俺、すべっちゃってる?」

 

…。

回復したフェニックスが、翔一くんに話しかけた。

 

「…お前、さっきまで気づかなかったが人間か?」

 

「はい、そうですけど…。」

 

「そうか。なら「まぁそんなことはどうでもいいじゃないですか。それより、ちょっとお皿とか片付けるの手伝ってくれません?」⁉︎」

 

「おい!なんで俺がそんなことを…」

 

「いやホントは謝って欲しいぐらいなんですよ?でも部長の婚約者さんだからそれは悪いかなーと思って。だからせめて片付けるぐらいしてもらおうかと。」

 

「なっ…」

 

翔一くんの悪いか悪くないかの基準ってどうなってるんだろう…。

しかし僕らはこれが翔一くんのペースって知ってるからいいけど、慣れてない人からしたら完全にからかわれてると感じるだろうなぁ。

あ、よく見るとフェニックスがプルプル震えてる。

それを見て部長がプルプル笑いを堪えてる。

 

「あ、謝ってもらえるなら俺はそれで…」

 

「たかが人間が、フェニックスの俺を、バカにしてんのかぁぁぁ!」

 

突然フェニックスから炎が放たれ、翔一くんを呑み込んだ。

 

 

○ * ○

 

あー、あの程度でキレちまうなんて俺もまだまだだな。

いくら無礼な人間でも流石に殺しちまうのはまずかったか…。

 

___しかし煙が晴れた先には、赤い鎧を身に纏い、剣を持った戦士がいた。

 

「なっ⁉︎」

 

予想外のことに俺の動きが一瞬止まる。

その隙に奴が間合いを詰め、俺の炎の翼を両方叩き斬った。

 

「俺の炎に耐える防御力、炎の翼を斬るとかいうデタラメな力…お前、何者だ⁉︎」

 

思わずそう問いかけた俺に、いつの間にかただの人間(元の姿)に戻っていた奴はこう答えた。

 

「俺の名前は新庄 翔一!趣味は野菜を作ることと家事で、えーとそれからぁ…」

 

…なるほど、こういう奴か。

 

 

○ * ○

 

あの後、グレイフィアさんの提案によりレイティングゲームで決着をつけることになった。

そして婚約者さんは

 

「10日間。リアス、10日間で下僕を鍛えろ。そして翔一とか言ったな!お前もゲームに出ろ!お前の力とフェニックス、どっちが強いかハッキリさせるぞ!」

 

と言って帰っていった。

その言葉をきいた俺は思わずガッツポーズをしてしまった。

よし、これでやっと___

 

「翔一、ライザーはゲームに出ろと言っていたけど、あなたは無理して出ることは…」

 

「あ、俺バイクの免許を取りたいんで、その10日間部活休んでもいいですか?」

 

そう、俺の今の移動手段は部室から転送してもらうか、家から走っていくしかないんだ。

だからバイクの免許を取りたかったんだけど、そのためには勉強のためにある程度の期間部活を休まなきゃいけない。そんな時に今回の10日間の合宿。俺はなんとしてもこの期間でバイクの免許をとるぞ!

部長はしばらく呆気にとられた顔をしていたけど、我に帰って、

 

「そういえばあなたはそういう人よね…。

まぁ翔一が出てくれたら心強かったけど、人間である翔一がゲームに出るのは難しいだろうし。わかったわ、頑張ってきなさい!」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

こうして、オカルト研究部と翔一、それぞれの戦いがはじまった。




はい。翔一くんはレーティングゲームに参加しません!
…いやだって翔一くん人間だし。
それに僕気づいちゃったんだよ!あれ?まだ翔一くんバイク乗れねぇから仮面ライダーじゃなくね、と。
でも戦闘は入れたかったなー今回。

アドバイス、質問感想その他、お待ちしております。
そしてアンケートご協力ありがとうございました!

あ、小猫にとって翔一はヒーロー的な存在です。
ま、まだヒロイン未定ですから!
果たして翔一は無事ライダーになれるのか?
次回もお楽しみに!
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