修学旅行とかでゴタゴタしてたもんで。
待ってくれていた人がいたなら申し訳ない。
「…」
青年が独り、佇んでいる。
ここは立ち入り禁止の看板がおいてあり、本来誰もいないはずの廃工場。
この青年も、ほんの数週間前まではこんな場所とは無縁の明るい高校生活を送っていた。
しかし、ある日を境に彼の生活は180度変わってしまった。
今までの全てを失って手に入れたのは、
「Kukikuwaakuki…」
目の前に現れたこの
その力が生まれたのは偶然か必然か。
その答えは誰にも分からない___。
○ * ○
「お前らは、何者なんだ…どうして俺を襲ってくる…?この力について、何か知っているのか?」
だがタコのようなアンノウン(オクトパスロード_モリペス・オクティペス)は青年の問いかけなどお構いなく襲い掛かってくる。
「クソッ…ウオォォォァァァ!!」
オクティペスの攻撃を素早く躱した青年は雄たけびをあげる。
すると、彼と入れ替わるように異形の戦士が現れた。
緑色の体、赤い複眼、そして野生的なフォルム。
アギトとは違う、しかし同質の力を持つ存在___ギルス。
「ウォア!ハァッ!ラァッ!」
「kuwa…kuo…」
ギルスは、次々と攻撃を決め、オクティペスに反撃の隙を与えない。
足払いをし、倒れたところに肘鉄をかます。
掴んで持ち上げ、蹴りで吹き飛ばす。
立ち上がったところに怒涛のラッシュを叩き込む。
堪らず地面から水を発生させ逃げようとするオクティペスだが、ギルスの触手状ムチ<ギルスフィーラー>で捉えられて引き寄せられ、更に攻撃を加えられる。
その荒々しい攻撃は、確実にオクティペスにダメージを与えていった。
「ウォォォォ!ハァッ!」
そして、オクティペスが充分に弱っところで、ギルスは雄叫びと共に踵の伸縮自在の爪<ヒールクロウ>を伸ばし、跳躍。
「タァッ!」
「Kuwakoo…kuoo…」
かかと落としを決め、オクティペスにクロウを突き立てた。
「ウォァァァ…タァッ!」
技が決まると、ギルスはオクティペスを蹴り飛ばし距離
をとる。
「Kuka…ku,kuooo…!」
直後、ギルスの必殺技『ギルスヒールクロウ』を受けたオクティペスは、天使の輪を発生させ爆散した。
○ * ○
「ぐっ…くっ!はぁ…はぁ…」
ギルスから元の姿に戻った青年。
しかしかなりの体力を消耗した様子で、しばらく動けないようだ。
「はぁ…はぁ…。くそっ…いつまたあいつらが現れるか分からないっていうのに…」
「キミが噂のアギトかい?」
「ッ!?」
青年は突然かけられた声に驚き、何も喋れないでいた。
まぁ青年は人の言葉をきくこと自体久しぶりであり、そもそも疲労困憊なので某然とするのは仕方のないことなのだが。
「仕留め損なったアンノウンを追って人間界に来てみれば…。アレをああも簡単に倒すとはなかなか強いね」
状況を理解できていない青年だったが、しかし疑問に思ったことをなんとか言葉にすることができた。
「…アギト?アンノウン?何を言ってるんだ?何か知っているのか?
そもそもお前は何者だ。…俺をどうするつもりだ」
「ほう。キミは自分が何者か知らないのか。じゃああの姿はアギトじゃないのか…?まぁいい」
そこで白き鎧に身を包んだ彼は言葉をいったん切った。
「…」
そして青年の反応を見て告げる。
「俺の名はヴァーリ。この際キミが何者なのかなんてどうたっていい。キミ、俺の仲間にならないか?」
○ * ○
遠く離れた地からこのやりとりを見ている三つの異形。
「一つの時代に二人のアギト。何かしらの影響があることは予想できたが、まさかこうも早く現れるとは…。」
「これから更に増えるのか、それともなにも起こらないのか。どちらにせよ、まだ様子見だな…」
「しかし三人目…。今すぐ殺す必要はないのか?」
「もしかするとこの変化は我らにとっていいように働くかもしれない」
「だから様子見か」
「ああ。異論はないな?」
「うむ」
「そういうことならばな」
その言葉を最後に、三つの影はまるで最初からいなかったかのように姿を消した。
はい。短いっすね。今回(も)。
この小説、まだ翔一くんがあまり原作と関わらないから序盤は進むの早いんですよねぇ。早く4巻行きたい。
アドバイス、感想その他質問等ございましたら遠慮なくください。
あ、それと今月末に中間テストがあるので更新は来月になるかもしれません。
それでは次回もお楽しみに!