狼娘のヒーローアカデミア   作:三元新

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本日二話め〜。1話目は投稿してるのでまだな人は先にそっちを見てね!


それじゃ〜、ゆ っ く り し て い っ て ね?


9話

説教にて影狼がこってり絞られた次の日 

 

再びヒーロー基礎学の時間がやって来た。教壇に立った相澤先生が説明を始める。

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見る事になった。内容は災害水難なんでもござれの人命救助。いわゆるレスキュー訓練だ」

 

相澤先生は続けて言う

 

「今回のコスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を制限するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上準備開始」

 

 

確かに現在社会では、人災・天災・事故が起きた際に警察やレスキュー隊と協力してヒーローも救助を行う。公共の場で〝個性〟の使用を許されているのはプロヒーローだけであるため、〝個性〟を駆使して迅速に救助できる存在は重宝され、レスキューは社会に求められるヒーローの役割の一つなのだ。

 

 

「これこそヒーローの本分だぜ!」

 

 

と切島くんが嬉しそうに言う。確かに切島くんの個性は『硬化』だ。ただ硬くなるだけだととバカにすると思うが、硬いとはその分瓦礫撤去等の自然災害にて壊れた現場の早急な救助に置いてこれ程までに適切な個性はないのだ。瓦礫に埋もれた救助者を助け出すには何よりもスピードがいる。しかも速さだけでなく如何に瓦礫が崩れないよう救助者を助け出すか見極める目利きも必要なのだ。その為には沢山の道具と人手が必要だが、彼一人いれば少なくても道具は減らせる。硬化で肉体を硬くし瓦礫で傷つかない頑丈な肉体をもってすれば素早く瓦礫を排除できるのだ。救助する側が怪我するリスクが減るからね。

 

 

「水難なら私の独壇場、ケロケロ」

 

 

続いて梅雨ちゃんがそう言う。確かに梅雨ちゃんの個性は『カエル』水場においては独走場。寒さが弱点なので雪国での活躍は対策しない限り難しいが、それでも水場の災害もとても危険な場所故に早期発見と救助が必要。その為梅雨ちゃんの個性は本当におあつらえ向きだろう。

 

かく言う私達姉妹も森林においてはこのクラス――いや、学年の誰よりも上だと断言しよう。これでも実家で鍛えられている。個性の都合上、私達の一族は獣…それも狐や狼といった森に関わる獣の個性持ちが多い為、巨大な森での訓練を物心ついた時からしていたのだ。流石に上の学年となると姉様達がいるので学園一とは言えないが、かと言って同級生に負けるつもりは1歩もない。

 

そんなこんなでみんなは着替え終わりバスの前に集合した。みんなコスチュームを着たり体操服を着たりして思い思いに過ごしていた。

 

 

そんな私達だがもちろんコスチュームを着ている。…………ただコスチュームの付属武器は相澤先生に許可をもらいにとり特性のコスチュームについてるポケットポーチの中に入れている。なんでも本家にいる『賢者』の力を借りてポケットの境界を弄り、まるでゲームや小説に出てくるマジックボックスのような見た目以上に入るバックを作ってしまったのだ。そんな物を作ったにとりはいまは〇次元ポ〇ットを作っている。

 

 

「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう!」

 

 

飯田くんはいつものように腕をカクカクとさせながらテンション高めで行動している。

 

 

 

「こういうタイプだったか、くそう!」

 

「意味無かったねー」

 

 

 

結局、バスは二席ずつ並んでいるタイプのバスではなかったため、飯田くんは凹み、芦戸ちゃんが慰めていた。

 

そんな私達だが、訓練所に向かう途中、時間が余る為にバスの中で談笑していた。

 

 

「私、思ったことはなんでも聞いちゃうの。緑谷ちゃん」

 

「あ、はい!なんでしょう蛙吹さん!?」

 

 

 

緑谷くんの隣に座っていた、梅雨ちゃんが緑谷くんに話しかける。

 

 

 

「梅雨ちゃんと呼んで。アナタの個性、オールマイトに似ているわ」

 

「そそそそ、そうかな!?いや、でも、僕はその!」

 

「まてよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねぇぞ、似て非なるアレだぜ?」

 

 

梅雨ちゃんに指摘されて緑谷くんが妙に慌てていたが、切島くんの発言からオールマイトは反動で怪我をしないということから別物と納得されていた。……まぁ、梅雨ちゃんの感は当たっているのだけどねぇ。そんな話を聞きながらも私は膝上に頭を置いて(いわゆる膝枕ってやつ)、昨日の件でブルーになってションボリしている影狼の頭を優しく撫でながら愛でていた。頭を撫でられて気持ちいのかユラユラと尻尾が嬉しそうに揺れている……可愛いい

 

 

 

「しかし、増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い!俺の『硬化』は対人じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよなー」

 

「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ!」

 

 

確かに霧島くんの個性は地味で派手さは皆無だが、硬くて倒れないと言うのは敵側からすれば何よりも脅威だ。硬い奴と倒れない奴ほど敵側に出てきた時は本当に厄介なのだ。ましてやその両方を持っているとなると、本当に敵に回したくない相手となる。まだ学生の身ゆえにまだまだ甘いが、きっと霧島くんはこの3年間の間に進化する。……いや、雄英高校のカリギュラムならもしかしたらこの一年間の間に化けるかもしれない。それ程までに彼の個性のポテンシャルは高いのだ。……まぁ、コレに関しては本人で気が付かないといけないので私からは何も伝えれないけれど。……………………燻るようなら、最悪ヒントくらいは出してあげてもいいかな?

 

私はそんな事を考えながらもクラスメイトの話に耳を傾ける。

 

「派手で強ぇっつったら、轟、爆豪の2人だな。単純な戦闘力で言えば幻獣姉妹の二人だけど」

 

急に私達の名前が出る。ちょっとびっくりしてしまったのは内緒だ。

 

 

「でも、爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

 

「ンだとコラ出すわ!!」

 

「ホラ」

 

 

 梅雨ちゃん、爆豪くん相手によく言うわね……。

 

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるあたり、爆豪ってすげぇよ」

 

「てめぇのそのクソみてぇなボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」

 

 

そんな騒いでいた爆豪くん達の会話を聞いた八百万さんとお茶子ちゃんそれぞれが、「低俗な会話ですこと」、「でもこういうの好きだ、私!」と対照的なことを言っていた。低俗なのは会話というより上鳴くんのボキャブラリーな気がするけど、まぁ賑やかなのはいいことだと私も思うわね。

 

 

「かっちゃんがイジられてる……!信じられない光景だ、さすが雄英……!」

 

 

爆豪くんがクラスメイトに弄られる。そんな光景に緑谷くんは震えていた。…………そんな事で驚くのねあなたわ。

 

 

「もう着くぞお前ら、いい加減にしとけよ……」

 

「「「はい」」」

 

 

 

 相澤先生の言葉に、やはり車内はピタっと静粛になった。

 

 

……みんなどんどんと相澤先生に調教されていってる気がするわね。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

相澤先生の一言で落ち着いたクラスメイトは到着する事になったので敷地内に入っていく一同。

 

入った敷地内はなんと、

 

 

 

「すっげーーーーー!!! USJかよ!!」

 

 

 

そこにはあらゆる災害現場が再現されているエリアがあった。それは正しくテーマパークのUSJ。私と影狼は事前に聞いていたため感動は薄いがそれでも聞いてたのと実際に見た物とは違うので恥ずかしながらも少し興奮している。影狼も同じなのか目を椎茸のように輝かせて尻尾もパタパタと揺れている。……あぁ可愛いわ。

 

するとそんなスペースの一角に1人の人物がいた。一同が相澤先生につられついて行くとそこにはスペースヒーロー『13号』の姿があった。

 

 

「ようこそ! 1年A組の皆さん! ここは雄英高校でも最大の『災害救助訓練専用施設』」

 

一息入れて再度口を開く 

 

「水難、土砂災害、火事その他の場所を再現した演習場……名付けて『ウソの災害や事故ルーム』―――通称【USJ】です!!」

 

「「「USJだったー!!」」」

 

「「「それでいいのかよ雄英高校!!」」」

 

 

 

あまりにも安直なネーミングにほとんどの者が叫んでいた。私はその名前も姉達やここの担当である13号さんから実家でよく聞いていたので驚きはない。

 

だけどみんなの関心は13号さん……いえ13号先生に集まっていた。特に緑谷くんは当然としてお茶子ちゃんはファンのようでテンションが上がっているようだった。

 

 

「スペースヒーロー「13号」だ! 災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

 

「わー、うちの好きな13号!」

 

 

そんな各自でテンションが上がる中、相澤先生はあることを尋ねた。

 

 

「13号、オールマイトは? 今日は俺とお前、それにあの人の三人で見る予定だったはず。だからここで待ち合わせるはずだが……」

 

「それがですね、先輩。通勤時間に制限ギリギリまで活動したみたいで……本人は大丈夫だと言っているみたいなんですが、『訓練中にマッスルフォームを維持できるかわからないから』と校長先生が…なので仮眠室で休んでいます」

 

「新米だからこそ補佐として二人もついたというのに肝心の本人が欠勤って……不条理にも程があるぞ」

 

「仕方がありませんよ。新米教師とはいえ彼はトップヒーロー。彼の性格上人助けは切っても切れないものですしね」

 

「それはわかっているんだが……はぁ、仕方がない始めるぞ」

 

 

それを最後に13号先生がみんなの前に立って話をし出す。…………オールマイト…あなたって人は、もう!

 

 

 

「えー、始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」

 

 

「(相も変わらず増えますね……)」

 

 

いくつ話すつもりだろうと思う一同だった。

 

 

 

「皆さんご存知だとは思いますが、僕の個性は“ブラックホール”。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

13号先生は手を見せながら言う。

 

「この”個性”でどんな災害からでも人を救いあげているんですよね!」

 

緑谷くんが

 

「ええ。ですが、しかし簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそういう”個性”がいるでしょう?」

 

 

 

それで何人かが頷く。かく言う私も、個性の影響か野生動物が持っている狂犬病のウイルスを爪に持っている。このウイルスはON/OFFをできるが普通に人に使えば簡単に殺せる力だ。狂犬病のワクチンはあるとはいえすぐには用意できまい。なのでとても危険な力なのだ。影狼だって自分だけでなく相手を影に沈ませる事も出来る。影狼だからこそ無事だが、影狼以外がその影の中に入るとありとあらゆる音と感覚が無くなる。文字通りの無だ。完全で完璧な外界との遮断のため人と言うのは音も感覚もないと簡単に発狂し廃人となる。つまり彼女の力も人を殺す力なのだ。しかも影に沈んでる途中で閉じる事も出来る為そうした結果起きることは、もちろん切断だ。……だから私たちが個性を発症した時に教えられ常日頃、訓練の度に教え込まれる事は今まさに13号先生が言ってる事なのだ。

 

 

 

「超人社会は”個性”の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます」

 

 

私は13号先生の言葉に耳を傾ける。

 

 

「しかし一歩間違えば容易に人を【殺せます】。俗に言う《いきすぎた個性》を個々が持っていることを忘れないでください」

 

 

私は13号の言葉に頷く。隣の影狼も頷いていた。

 

 

「相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。」

 

 

そこで13号はみんなを見る。

 

 

「この授業では心機一転! 人命のために”個性”をどう活用するのかを学んでいきましょう!」

 

 

そして13号先生はもう一度全員の顔を見渡し

 

 

「――君たちの力は、人を傷つけるために有るのではない。助ける為に在るのだと心得て帰って下さいな。……以上、ご静聴有り難うございました!」

 

 

それで起こる拍手喝采。みんなが13号先生の言葉に感動し、さぁいざ始めようとした

 

 

……とその時。

 

 

 

―――――ぞわりっ。

 

 

 

 私は背すじが粟立つ感覚を覚えた。直後、施設内の照明が次々と光を失っていく。

 

私はその気配を感じた方へと顔を向ける。影狼と感じたのか毛を逆立てて威嚇した顔で同じ方を睨んでいた。

 

 

この館の中央付近、そこにはなにやら黒い霧のようなものが出現してそこからたくさんの人が出てきた。あの時の黒霧と呼ばれた者の個性によるものだろう。こんなにも沢山の人をワープできているのを見るに、本来の危険度を二段階上げる必要が出てきたようだ。

 

 

「相澤先生!」

 

 

私は咄嗟に叫ぶ。そんな相澤先生はコクリと頷きクラスメイトへと視線を向ける。

 

私は次いでクラスメイト達を見るとこれも余興の一つか? とあまり状況を理解していないものもいる中、相澤先生はみんなに警告した。

 

 

 

「一塊になって動くな! あれは……敵(ヴィラン)だ!!」

 

 

 

相澤先生が叫ぶのと同時に私はポーチから盾と剣を取り出し瞬時に装備してクラスメイトの1歩前に出て構えるのだった

 

 

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