狼娘のヒーローアカデミア   作:三元新

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な、なんか気がついたらいつの間にか凄い高評価を受けてた……び、ビックリなのですよ(^ω^;)


皆様のご期待に添えるよう頑張りたい!……てなわけで最新作を〜ポイッ! なのですよ〜

※プレビューで確認しようとして間違えて投稿しちゃいました、ごめんなさい!m(。>__<。)m


3話

合格通知から時が経ち、今日から私達も雄英高校新一年生です。姉様方は先に学校へ行った。朝から忙しいそうだ。

 

「……影狼。準備は出来た?」

 

「ま、待っふぇ〜、もみひひゃ〜ん」

 

私の視線の先にいる姉の影狼。目に薄く涙をため、食べかけのパンを口に咥えながらこちらへ走ってくる。

 

ああ、そんなに走っちゃ――

 

 

「――へぶっ!?」ベチッ!

 

 

ほら、転けた。

 

 

「はぁ。何をしてるのよ影狼。あれ程廊下は走るなって言ってるのに……まあ、今回は自業自得ね。きっとその罰が下ったのよ」

 

 

そう、双子の姉たる影狼は今日の様な大事な日に限って寝坊したのだ。時間になっても降りてこなく部屋を見に行くと呑気に寝ていたので、仕方なく私は彼女を叩き起したのだ。学校までの時間的にはまだあるとはいえ、もうあと10分遅れると、電車の距離と時間を考えたら、次の電車では確実に入学式には間に合わないだろう。昨日は余裕を持って早く出ようと言っていたのに……

 

「まったく。いくら明日が入学式だからって緊張しすぎて眠れなかったとか………貴女は馬鹿ですか? いえ、馬鹿でしたね」

 

「あうっ?!…………椛ちゃんが冷たいよぉ」

 

胸を抑えシクシクと泣く影狼。

 

「ほら、手を出して。早く行かないと遅刻するから、早く立ちなさい」

 

私は嘆息を小さく吐きながら、まだ座っている影狼に手を出す。本当に早くしないと遅刻するから早く立ちなさいな

 

「うぅ、ありがとう、椛ちゃん」

 

「早くしなさい。もう時間がないんだから走るわよ」

 

「……別に、椛ちゃんは先に行っても良かったんだよ?」

 

不安そうな、申し訳なさそうな顔で言う影狼。

 

「ふん。別に先に行っても良かったんだけど、同じクラスの貴女が何らかの理由で仮に遅刻すると、家族として貴女の妹として私が恥ずかしいからよ。だから、仕方なく待ってあげてるの! 決して初登校は影狼と一緒に行きたかったなんて思ってないんだからっ! 勘違いしないでよねっ!」

ズビシッ!と指を向けて私は言った。

 

「椛ちゃん――(私、椛ちゃんの想いまで聞いてなかったんだけど…そっかぁ。椛ちゃんは私と一緒の登校を楽しみにしてたんだぁ――えへへぇ)」

 

影狼は、なにニヤニヤしているのかしら?

 

「ほら、早くしなさいっ!」

 

私は無理やり影狼の手を握り立ちあがせる

 

「――椛ちゃん、ありがとう」

 

影狼は私の手を取り立ち上がると、すっごく嬉しそうな笑顔で私に笑みを浮かべた。

 

「べ、別に貴女のためなんかじゃないから! これは、私の勝手なんだからっ! ほら行くわよ影狼」

 

私は影狼から顔を背けながら、手を取り家を出て走り出すのだった。

 

「椛ちゃん、顔、赤いよ?」

 

「う、うるさいっ!バカッ!」

 

「馬鹿っ?!……あぅ〜。やっぱり今日の椛ちゃんは冷たいよォ」

 

別に恥ずかしくて顔を赤くしてるわけじゃないんだからっ!

 

 

――――――――――――――――――――――

 

何とか時間までには間に合った私達。そこから常時発動型である異形型の個性の身体能力をフルで使って人に見つからないよう屋根の上を忍者の如く飛び跳ねながら雄英高校にたどり着いた。

 

そんなこんなで教室にたどり着いた私たちだが……

 

 

「扉、大きいね」

 

「うん。大きいね、椛ちゃん。バリアフリーかな?」

 

「そうじゃない?」

 

すると、何かを考え込む影狼。そして考え事が済んだのか、すごく真剣な顔をして口を開き

 

 

「すごく……大きいです…」

 

「!?」

 

 

とんでもないことを口走った

 

 

「な、何を言ってるのよ影狼っ!?」

 

「いや、昨日、藍姉さまが部屋に来て、『教室前に着いたらこう言え。そうしたらいい事起きるから!(主に私がっ!ハァハァ)』って、鼻息荒くして言ってきたからとりあえず言われた通りにしてみた」

 

あ、あの馬鹿姉! なんでよりにもよって影狼にあんな汚らわしいものを教えるのよ! 私の時もそうだったけれど、あの言葉のせいで中学校の時恥ずかしい思いしたんだからっ!

 

今でも思いだす……とある合宿でその言葉の後、急にシーンとなる部屋。急に男子が何故か股を抑えて息を荒くしながら私を見てきた。 変な空気になり訳も分からず私が固まっていると近くにいた友達が教えてくれた。あの時、私は穴があったら入りたい気持ちだったわよ!

その言葉の意味が、その、だ、男性のアレ、の事だな、んて………………ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!////////////

 

 

―――――――――うん

 

 

「影狼、今すぐ忘れなさい。その言葉、絶対に忘れなさい。そして二度と口にしないで。私の前でも、それ以外でも……」

 

「あ、あの、椛ちゃん? その、顔が怖いよ」

 

「もし、約束を破ったら―――」

 

「や、破ったら…?」

 

「…………ふふふ」

 

「え?」

 

「――さぁ、教室に入りましょう。こんな扉の前にいても邪魔になるだけだしね」

 

「…………え? も、椛ちゃん? 気になる、気になるよ!? 約束破るとどうなっちゃうの私! ねぇ、椛ちゃん、椛ちゃんってばァ!!」

 

「うるさい。扉開けるわよ」

 

 

私は不安がる影狼を無視して扉を開けると

 

 

「机に足をかけるな! 雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」

 

「思わねぇよ! テメーどこ中だよ?  端役が!」

 

 

―――パタン

 

 

私はそっと扉を閉めた。

 

 

「ねぇ、影狼。私達、教室間違えていないわよね?」

 

「う、うん。……たぶん?」

 

「ここは―――1-A…うん。間違いないようね」

 

……はあ。せっかくワクワクして教室を開けたのに……あぁ、もう! 最悪じゃない!

 

「まぁ、いいわ。どうせここにいても仕方が無いし、意を決めて入りましょうか」

 

「そ、そうだね」

 

私はいつでも動けるよう、影狼の前に出て庇うようにしながら教室に入る。

 

 

「聡明中だぁ? クソエリート校じゃねーか、ぶっ殺しがいがあるな」

 

 

「ぶっ⁉︎ 君は本当にヒーロー志望なのか⁉︎」

 

 

………………

 

「帰ってもいいかしら」

 

「だ、駄目だよ椛ちゃんっ!?」

 

影狼が驚いた顔で私を掴みしがみつく。……いや、だって仕方がないじゃないですか。すっごく濃い人がいるんですよ? 言葉と表情がもはや敵(ヴィラン)ですよ。…………あっ、そう言えば似た人達いましたね。あの人は元気でしょうか? まぁ、元気でしょうね。むしろ元気じゃないのが想像できません。そう言えば、同じ高校に転校してきたアイズさんという女の人にゾッコンだそうですね。……はてさて、その恋は叶うのでしょうかね?

 

「も、椛ちゃん? 現実逃避してないで戻って来て欲しいかなぁ〜なんて」

 

「やめてください影狼。この状況をあまり考えたくなかったのに」

 

あぁ、やはりこれからの事が不安です。

 

そう思いながら私は影狼と共に自分の席に座ると、見覚えのある顔と目が合った。

 

「お久しぶりですね。椛さん、影狼さん」

 

「あっ! モモちゃんだ!」

 

「百ちゃん。本当に久しぶりね! 1年ぶりかな?」

 

「ええ、そうですわね」

 

そう、彼女の名前は八百万百。私達の幼馴染で家同士の付き合いが昔からある家の長女だ。

 

「百ちゃんが推薦入試で合格していたのは知っていたけど、百ちゃんが同じクラスだったのは驚きね」

 

「私もですわ。でも嬉しいです。また同じクラスになれて。これからが楽しみですわ」

 

ふふっと上品に笑う桃ちゃん。

 

「ふふふ。ええ、そうね。私も嬉しいわ。また百と一緒にお勉強ができるもの! これからも、よろしくね?百ちゃん」

 

「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ!椛ちゃん!影狼ちゃん!」

 

「「「ふふふっ」」」

 

私達はつい可笑しくなり、笑いあった。

 

「……あら?もう開始の時間ね。」

 

私は時間をみてそう呟くと同時に開始のチャイムがなる。

 

「今日って式とかガイダンスだけかな?先生ってどんな人だろうね。緊張するよね」

 

「そうね。私は初日早々貴女がドジをやらかさないかが心配だわ」

 

「それはひどいよ椛ちゃん! 私、そんなドジじゃないもんっ!」

 

「それはどうだか」

 

私が影狼をいじっていると

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」

 

 

突如、そんな声がした。

 

席からチラッと見れば、廊下に寝袋にくるまった人がそこにいた。

 

―――え? 何してるのあの人

 

 

「ここは………ヒーロー科だぞ」

 

そう言ってエネルギーゼリーを飲み干す彼。相澤消太。私達は知っているから慣れているけど……

 

彼を知らないみんなの第一印象は………なんだ、これ。だろうね。

 

 

 

あまりにもあんまりな登場に、クラス一同が静まり返った。

 

それを見計らったように、寝袋の彼はそれを脱ぎながら立ち上がる。

 

 

「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね」

 

 

寝袋を脱いだ彼はだらしのない印象で、くたびれた様子だ。相変わらず、ヒーロー時と日常時で凄い落差のある人だ。

 

 

 

「担任の相澤 消太だ。よろしくね」

 

 

 

それは驚きね。ここに来たからこのクラスに関わると思ってたが、まさかの担任だとわ。でも、去年の1年A組も彼が担任だったから、固定なのかな?

 

 

「早速だが、体操服コレ着てグラウンドに出ろ」

 

 

 

寝袋から取り出したのは学校指定の体操服。

 

私達はそれぞれ着替える為に体操服を持って指定の部屋へ行く。……体操服が生暖かいのは気にしないでおこう。

 

そんなわけがわからず体操服をきて集合する私達。そんな、集合したグラウンドで待ち受けていたのは予想外のことであった。

 

 

 

「「「個性把握テストォ!?」」」

 

 

 

「そ。雄英は“自由”な校風が売り文句。そしてそれは“先生側”もまた然り。 ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50メートル走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学生の頃からやってるだろ? 要はそれを“個性”ありでやってもらう」

 

 

……確かに学校で必ずやる体力想定。それを個性でやるということは…………去年の噂は本当なんだろうか?

 

 

「まずは……幻獣椛。 中学の時、ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

 

「確か82メートルです」

 

 

 個性なしでも元が元なため持力は一般人より上だ。それに、家の都合上、敵(ヴィラン)に狙われやすいというのもあり私達姉妹はみな家の訓練を受け常日頃鍛えているのだ。だからこそ、このクラスの誰よりも強い自身はある。……でも、慢心は出来ないかな。オールマイトの"後継"もいるそうだし

 

 

「じゃあ、個性を使って投げてみろ。円からでなきゃ何してもいいよ」

 

 

投げ渡されたのはソフトボール大の機械だった。

 

個性ありで、何してもいい……か。なら

 

 

「では――いきます!」

 

 

私は円の中に入ると、幻獣一族のとある技を使う為身体強化をし槍投げの如くグググっと力を限界まで溜めるそして溜まりきったその力を――解き放つ!

 

 

「紅砲ー破軍ーっ!!」

 

 

――轟っ!! 

 

 

そんな音がなり、辺りに衝撃による突風が吹く。そんなに強い突風ではないが、後ろのみんなは思わず目を隠した。

 

 

「まずは自分の“最大限”を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 

相澤先生の手元の機械に、先ほどの距離が表示される。

 

距離は7500メートル。……ふむ。思っていたよりもいきましたね。

 

ちなみにこの技、本来は槍もしくは砲弾の弾など、戦国時代に編み出されたと言われている技だ。私達のご先祖さまの中に、【ゲンコツ流星群】なる技を編み出し、素手で砲弾を雨の如く投げていたとかいないとか。

 

そんな技を改良して女性でも使えるようにしたのがこの技なのだ。

 

 

「なんだこれ‼︎ すげー面白そう!」

 

 

「7500メートルってマジかよ!」

 

 

「個性思いっきり使えるんだ!! さすがヒーロー科!!」

 

 

 

「…………面白そう、か」

 

 

 

盛り上がっていたクラスメイトを尻目に、相澤先生の纏う空気が変わる。これは、凄い気迫だ。

 

 

 

「ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気かい?よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

 

 

「じょっ!?」

 

 

 

入学1日目だというのに、まさか除籍勧告を受けるなんてね。誰が予想していたでしょうか。いえ、普通の考えなら、まず思いもしないだろうけれどね。

 

それにあの目、彼は嘘などついていない。相澤消太は合理的主義者だ。この人はそれが不合理なら簡単に切り捨てる。だからこそ、これは本気で最下位を除籍するつもりだ。……この人なら確実にやりかねない。

 

 

……やっぱり。去年のA組、つまりいまの2年生が全員初日早々除籍処分をくらったという噂は本当のようだ。最初はいくら彼でもそこまでしないだろうと思い半信半疑だったが、これで確証がもてた。

 

――これは、本気でやらなければならないね。

 

 

 

「生徒の如何は俺たちの“自由”。ようこそこれが―――雄英高校ヒーロー科だ。」

 

 

 

ニヤリと笑う相澤先生。彼の笑みでクラスのみんなが固まる。

 

ふむ。除籍になるつもりなどさらさらないけれど、それでも油断せず、気を引き締めないとね。

 

ふと影狼を見ると、可哀想なほどガタガタと震えていた。隣にいた百ちゃんが子をあやす様に撫でている。私はそんな彼女をみて嘆息をつく。

 

そして影狼と同様、周りの空気も引き締まり、全員の緊張が伝わるようであった。

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