狼娘のヒーローアカデミア   作:三元新

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先週ぶりににハーメルンを開いて、次作を作ろうとここを開いたら、前に投稿してたと思った話が投稿出来ていなくて慌てて投稿(´・ω・`)

予約投稿で、先週の土曜日に投稿したつもりが出来てなかった…………バックアップ……とってて良かったぁ(´;ω;`)


4話

まず初めの競技は……

 

 

【第一種目 50m走】

 

 今の所のトップは飯田くんの3.04秒だ。

 

 それはともかく、自分は50m走をどう走るべきかと一瞬悩むが、結局のところ狼型の個性持ちである自分には普通に走ってと特に問題ないと判断し準備をする。隣には影狼がいる

 

「椛ちゃん。今日こそ勝たせてもらうよ!」

 

「ふふ、なら私は今回も勝たせてもらうわ」

 

 『ヨーイ』と聞こえ、は構える。スタートの合図と同時に2人は走り出した。

 

 

 

結果、50m走  

 

幻獣椛  2.58秒  

幻獣影狼 2.59秒。

 

 

「ああああ! また負けた……次こそ勝ったと思ったのにぃ!」

 

「ふふん。そう簡単に負けてたまるものですか」 

 

 

私と影狼は歩きながら話をする。そう、私たち姉妹はこのような訓練や体育などの運動時に、いつも競争をしているのだ。理由は多々あれど、1番の大きな理由は単純にその方が楽しいからだったりする。

 

 

 【第二種目 握力】

 

これには腕を複製した障子くんが540㎏の記録を叩き出していた。思わず、あの副腕は見た目によらず凄まじいんだなと思った瞬間でもある。

 

ちなみに私は53kg、影狼が32kgだった。私達は狼男ならぬ、妖怪の狼女なので多少なりとも筋力はある。私は武器の関係上、筋力はないとキツイのでこれくらいが普通だ。影狼は普段は素手なので筋力は余りない。ちょっとした情報なのだが、家のお父様とお爺様は両方とも800キロを軽く超えるらしい。

 

 

 

 【第三種目 立ち幅跳び】

 

 これは得意な科目だ。私たち姉妹は幼き頃から家の敷地内にある大森林を庭とし遊んでいて、森の中を駆け回り飛び回ってもいた。文字通り、木と木の間をジャンプしながらね。だからこそ、足腰には自信があるのだ。とは言っても、さすがに空を飛べる人には勝てないけどね

 

 結果 87m あと少しで100mに届きそうだ。

 

 

 

 【第四種目 反復横跳び】

 

 ここでは流石に活躍出来ないわ。いくら足腰鍛えようとも、あのぶどう頭の人には勝てなかった。あと、競技中、こちらをガン見する彼の視線が気になってしまい、あまり集中ができなかったりもする。

 

結果は163回しかできなかった

 

 

 

 【第五種目 ソフトボール投げ】

 

 ここで浮遊個性を持つ麗日さんが無限の大記録を出し、爆豪もまた700m超えの記録を出した。

ちなみに私は先程投げた7500mを少し超えて、7525mが最長となった。

 

「次、緑谷、お前だ投げろ」

 

 複雑な表情で緑谷くんは位置に付く。彼は増強型だというのにいまの所成績に目立つモノは無い。このソフトボール投げ以外の競技は持久走、上体起こし、長座体前屈。そろそろ大記録と呼べる記録を叩き出さないと、最下位となる生徒は彼となってしまうだろう。と言うより彼ならする。

 

緑谷くんが投げた……

 

結果、ソフトボール投げ(1回目) 緑谷出久 46m

 

 

「な…今確かに使おうって…」

 

 

 絶望した表情で彼は呟く。そんな彼を相澤先生は髪を掻き上げ、そんな姿を“視ていた”。

 

 

「個性を消した。つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」

 

 

 

「消した…!あのゴーグル…そうか!視ただけで人の個性を抹消する個性!抹消ヒーロー・イレイザーヘッド!!」

 

 

 

 

 

 イレイザーヘッド、有名なヒーローではないが、個性を消す個性を持っている武闘派のヒーローだ。テレビに出ない理由は面倒臭いのと、いつもの合理性に欠けるからだそうだ。ちなみにドライアイである。あと、家によく遊びに来る人でもある。

 

 

「個性は戻した…ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」

 

 

 相澤先生から指導を受けていた緑谷くんは解放され、2度目のボール投げに向かう。暗い表情でブツブツと何かしら呟きながら円に入る緑谷くん。思いっきり振りかぶり……

 

 

 

「SMASH!」

 

 

 

 かけ声と共にボールをブッ飛ばした。結果は700m超えの大記録。おぉ…やるではないですか。

 

 

ただその代わり、彼の指は紫色になるほど変色しており、大怪我をしている。あれは完全に折れている……いや、折れているなんて生温いものじゃないね。

 

 

 

「先生…! まだ…動けます」

 

 

 

 そんな緑谷くんは指の痛みに涙を浮かべるが、変色して腫れ上がった人差し指すらも握り込み、力強い拳を作って相澤先生にアピールする。相澤先生も思わず目を見開きニヤリとする。しかし……

 

 

 

「どーいうことだ!ワケを言え!デクてめぇ!」

 

 

 

 そこに一人ブチ切れた爆豪くんが右手を爆破させながら緑谷くんに襲いかかる……が、一瞬で相澤先生に捕縛された。

 

 

 

「炭素繊維に特殊合金を混ぜ込んだ捕縛武器だ。ったく、何度も個性使わすなよ・・・俺はドライアイなんだ。時間がもったいない、次、準備しろ」

 

 

『もったいねぇ……』

 

 

きっと、このクラスの皆はこの気持ちがひとつになったのだろう。私たち幻獣姉妹だって、初めて聞かされた時そう思ったぐらいだから。

 

 

 最後にももちゃんが大砲を作り、ボールを撃ち出して28kmという大記録を叩き出した。ももちゃん…

 

 

 

長座体前屈と上体起こしはとくにこれといったか記録はないので端折るよ。

 

 

 

 【最終種目 持久走(5km)】

 

 

 

「見ての通り雄英はグラウンドもでかい。カラーコーンを置いたレーンの外周は1周1kmある。5周走れ。他の奴を妨害するなよ。周回数のチェックは機械がしているから、ずるは出来ねぇぞ。準備いいか?位置について、スタート」

 

 

 

 皆一斉に走り出す。やはり速いのは『エンジン』の個性を持つ飯田くんだ。続いて轟くんや爆豪くんなど、身体能力と個性に優れた生徒が後に続く。まぁ、持久走なんてそんなものだ。特に飯田くんなんかはヒーローの家系で兄でプロヒーローがいるからと、彼の個性もあり持久走などの走る競技と体力のいる競技は鍛えているため得意だそうだ。

 

ちなみに私と影狼は勿論トップを争っているぞ。

 

 

 

 しばらく走っているとエンジン音がした。まさか飯田がもう周回して後ろから追いついたのかと思ったが、どうやら違った。

ももちゃんが原付バイクに乗って疾走しているのだ。わざわざヘルメットまで作っているところは相変わらずももちゃんらしい。

 

 創り出すのに時間がかかったようであるが、十分遅れを取り戻すスピードで原付に乗ったももちゃんは次々と華麗に抜き去って行った。彼女は握力測定では万力を作り出し1.2tトンの大記録を、ソフトボール投げでは大砲を作り出していた。個性『創造』、かなり利便性の高い個性である。正直に言うと羨ましいとは思うが、その為にはプロヒーローの1人であるミッドナイト同様、肌色成分の多い衣装じゃないと個性が発動できない。何故なら身体から出てくるということは、上から服を来ていたら服の中で出てきちゃうからだ。ただ、それ以上にエネルギーを使うので多様は出来ないのも欠点だろう。

 

 

 

 『流石にありゃ反則だろぉ!?』と誰かが相澤先生に訴えるも、相澤先生は問題なく許可していた。だってこれはあくまで"個性を使った体力測定"。これも一つの個性の使い方なのだから。

 

 

そうして走り終わった結果が……

 

1位 幻獣椛  2位 幻獣影狼  3位 飯田天哉

 

 

 

 残念なことに惜しくも、ももちゃんは飯田くんに追いつけなかった。彼の個性が『エンジン』というスピード特化である以上、いくら原付が速いとはいえ、最初からフルスピードで走っていた飯田くんには追いつけない。むしろ、後から来てよくくいついたと言うべきだ。最初から原付で走っていれば間違いなく追い越していた筈だ。

 

昔と比べれば創造の速さは随分と早くなったが、まだまだのようだねももちゃん。

 

 

 

 

 これをもって全種目を終了――。トータル最下位が除籍となる運命の時。20名全員が集められ、その前に相澤先生が立つ。ふと近くにいた緑谷くんの顔を見る。彼の顔ははすごく暗い。何故なら、結局彼はソフトボール投げ以外で好記録をマークする事が出来なかったからだ。贔屓目抜きでみれば恐らく…彼が最下位だろう。

 

 

 

「んじゃ、パパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括表示する…ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 

 

『はーーーーーーー!!!!?』

 

 

 

 相澤はハッと鼻で笑いながら結果を表示する。その言葉に多くが叫ぶ。特に緑谷くんの顔が凄いことになってる。彼にはしつれいだが、思わずクスリと笑ってしまった。

 

そんな結果になって不満たらたらなクラスメイト達、しかし、ももちゃんなど一部の生徒はソレに気付いていたようだ。

 

 

 

「あんなのウソに決まっているじゃない…ちょっと考えればわかりますわ……」

 

 

 

「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類あるから目ぇ通しとけ」

 

 

 

 そう言って相澤先生は緑谷くんに保健室利用届けを渡すとその場から去って行った。皆は呆然としていた。

 

 

 

(…ウソ…ねぇ………相澤さんの"その言葉"こそが嘘なのに。まぁ、良かったね緑谷くん)

 

 

私はそんな事を思いながら、白く石になって固まっている彼を見つめるのだった。ちなみに総合順位は私が一位だった。僅差で同率2位の影狼とももちゃん。あとは想像通りかな。

 

 

 

放課後、私は教室でももちゃんと話していた。

 

「学園で、しかも入学当日に退学なんて普通は有り得ませんわ。少し考えればわかりますもの」

 

そうももちゃんが言うが、私はそれに修正を入れる。

 

「実はねももちゃん。あの人……相澤先生は一度やると言ったらやるよ? それこそ、彼にとって余程の事が起きない限り早々その発言を変えるつもりは無い、言わば頑固者。現に、それでいまの二年生。それも私達と同じA組が除籍処分をくらって一クラス丸々無くなってるんだよ?」

 

『え?』

 

私がそう言うと、残っていたクラスメイト達が一斉に声を揃えて驚いていた。……あれ? 皆聞いてたんだ

 

「も、椛ちゃん。そ、それは本当の事ですの?」

 

「うん。ホントも本当。なんなら私の家名に賭けていい」

 

「………」

 

私は自信満々にいい、ももちゃんはそれが本当の事なんだと理解したのか停止していた。

 

「通算除籍指導数154回。既に7クラス分は見込みなしと切り捨ててきてるの。これはお父様からも、そしてご本人からも聞いているから間違いないわよ。端から見れば冷徹な男と見えるけれど、あの人が除籍する人達って聞いたところによるけどヒーローになった所で長続きしない人や、そもそもがヒーローの器ですらない人達ばかりだったの。

今の時代、ヒーローはただの職業と成り果ててるけれど、でもやっぱりヒーローの本質はあくまでサービス業だから資格のない人がヒーローになった所で社会の迷惑になってしまうからね。だからこそ、あの人はそれがわかっているから厳しくふるい落とすのですよ。」

 

私はそういい終えた。

 

「……驚いたわね。それより、今日の朝から気になっていたんだけれど、幻獣椛さんと八百万百さんは随分仲良しだけれど、お友達なの?」

 

すると、私たちに問いかけるように蛙吹梅雨さんが聞いてきた。

 

「うん、そうなんだよ蛙吹さん。私と影狼は隣にいる八百万百ことももちゃんと幼い頃から幼馴染なんです。それも家ぐるみで随分と古くから…ね」

 

「そうなんです。私と椛ty――椛さん、影狼さんは昔から八百万家と幻獣家と家同士のお付き合いがございまして、こうして幼馴染としてご一緒させていただいています。私の、大切な大切な親友ですわ!」

 

隣にいるももちゃんは鼻息をフンスとだし、少し興奮気味で言い切った。

 

「わうう…ももちゃん、恥ずかしぃよ」

 

ももちゃんの反対側にいた影狼は、顔を真っ赤に染め両手で隠しながらイワンイヤンと言わんばかりに顔を左右に振っていた。かく言う私も少々恥ずかしい。顔は赤くなっていないでしょうか?

 

「もう、ももちゃんったら……あ、そう言えばまだ私も自己紹介していませんでしたね。では、改めまして。

私の名前は、幻獣椛。幻獣家の五女で、そこにいる影狼とは双子の妹になります。そして、影狼を除けば上と下にそれぞれ三人ずつ姉妹がいます。全員で8人姉妹です。呼び方は皆様のご自由に及びください。この3年間、姉共々よろしくお願いしますね」

 

「わ、私の名前は、幻獣影狼。椛の双子の姉です。私の読み方も椛ちゃんと同じで好きなように呼んでね?

あと、えーと……うぅ、よ、よろしくお願いします」

 

私と影狼はそれぞれ自己紹介をし、軽くお辞儀をする。

 

「そう。なら私もするわ。私の名前は蛙吹梅雨。下に弟1人と妹が2人いるわ。私の事は梅雨ちゃんって呼んで?」

 

蛙吹さん……いえ、梅雨ちゃんが右手を差し出しながら自己紹介をしてくれた。

 

「ええ、こちらこそよろしくお願いします。梅雨ちゃん」

 

「よろしくね!梅雨ちゃん!」

 

私と影狼は梅雨ちゃんの手を握りながら挨拶をした。

 

そのあとは、残っていた何人かのクラスメイトと軽く自己紹介をしながら、この雄英高校での初日は幕を下ろしたのでした。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

翌日。

 

 今日から授業がはじまります。午前の授業は特にこれと言った事はなく……いえ、嘘を着きました。

やはり雄英高校らしく現プロヒーローの人達が教師をするという一般人からとても羨ましく思われそうな授業を終え、現在は昼休み。みんな思い思いに過ごしながら、教室にいる私は影狼と百代の3人でお昼ご飯を食べていた。

 

「この後の授業……楽しみですわ」

 

「ももちゃん。何が楽しみなの?」

 

「それはもちろん……あの、オールマイトが先生として授業をするからですわ!」

 

そう、次の授業は、あのNo.1ヒーロー オールマイトが先生として私たちが授業を受けるのだ。オールマイトらしく実技らしいのだが、私は少し不安だ。

何故かって? ふぅ……理由は簡単です。あの人は、おっちょこちょいだからだ。あの人は元気はいいのだが、普通の話や敵(ヴィラン)が関わらない行事などになると変に空回りする時が多く、何かしらやらかさないか私は不安で仕方がない。何せ、家に来る度、お世話になるならばと手伝ってくれるのは嬉しいのだが失敗する回数が多いのだ。だからこそ、不安も出てくるというものです。

 

ふと影狼を見ると、影狼も顔が少し強ばってる。恐らく、考えていることは同じでしょうね。

 

そんなこんなで、お昼休みは過ぎていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後のヒーロー基礎学の時間。

 

 

「わーたーしーがー!!! 普通にドアから来た!!!」

 

 

 

 そこには、みんなの憧れるトップヒーロー。オールマイトがシルバー時代のヒーロースーツで入ってきた。みんな画風が違うだの、本物だの、とても賑やかだ。

 

 

そんな中、私はオールマイトがまたポカをやらかさないか心配で少しハラハラしている。私のいまの心境を例えるならば、おっちょこちょいな子を見守る母親だ。

 

 

「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う課目だ!! 単位数も最も多いぞ!」

 

 

…………今のところは問題ないかな。

 

 

 

「早速だが、今日はコレ!! 戦闘訓練!!」

 

 

 

 その言葉にざわめくクラスメイト達。みんなの表情から感情を読み取ると、いきなりかという緊張と、ようやくかという興奮が伝わってくる。みんなそれ程までに楽しみにしていたようだ。

 

 

「そしてそいつに伴って、こちら!! 入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってあつらえた……戦闘服コスチューム!!!」

 

「「「「「おおお!!!」」」」」

 

 

 

 その言葉にさらにざわめくクラスメイト。今度は完全に期待と興奮が緊張を押し退けたようだ。みんなはまだまだ子供ね。

 

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」

 

「「「「「はーい!!!」」」」」

 

 

 

 そうして男女別れて更衣室に移動しようとコスチュームを手に持ち、まだ席に座っていた影狼に声をかける。

 

 

「ほら、影狼。さっさと更衣室に行くわよ………………影狼?」

 

 

影狼から返事が来ない。私は不思議に思いながら影狼をよく観察すると

 

 

 

「…………」( ˇωˇ )

 

 

―――イラッ

 

 

スパァァァァァァン

 

 

「わふッ!!?」

 

 

私は無言で影狼の頭を本気で叩いた。凄まじい音と共に影狼が目を覚ます。……全くこの子は、なんで爆睡しているのだろうか。通りでいつも以上に静かだと思った。

 

「い、痛いぃ…」

 

「ほら、さっさと立って! 授業に遅れる」

 

私はついでに取っていた影狼のコスチュームも持ち影狼の腕を引っ張りながら更衣室へと向かう。

 

更衣室では、もう、私たち姉妹を除いた他の女子達が着替えを始めていた。

 

私たちもそそくさと慣れた手つきでコスチュームに着替え、装着し終えたところで麗日さんが声をかけてきた。

 

「わ~椛ちゃん、その衣装かわいいね!巫女服なのかな? 何より椛ちゃんの髪色にすごく合ってるよ! 黒と赤色のスカートに紅い紅葉が刺繍されているんだね。椛ちゃんだから紅葉なのかな?」

 

 私のコスチュームは全体的に黒白で半分づつに別れており、巫女服風で下は膝下まで隠れるロングスカートとなっている。巫女服風の上半身はお腹が隠れる程度の長さで、軽く飛べばおへそが露出してしまう程。普通の巫女服と違い肩と脇は出ていて、袂を含めた袖口部分は二の腕辺りから紐で括られ固定されている。所々紅い紐が白衣に線状となって色合いのアクセントとなっている。

下半身は黒を下地に紅い紅葉が刺繍されているロングスカート、足に伸縮性耐火耐水耐湿性等などの色んな性能がある抜群の万能ニーソックスに下駄という、和の古風を意識した作りになっている。

 

姉様曰く私の白い獣耳尻尾の獣っ娘な容姿にプラス和風の衣装のおかげで、獣耳巫女さんが出来てすごく萌える(誤字にあらず)らしい。途中から、何を言っているのかわからなかった。

 

「ええ、まぁ、私の名前の由来ですからね。それに私も紅葉は好きですから。あと、巫女服風の衣装になりますね。一応、実家では巫女も務めていますがね」

 

私は初めてこの衣装を来た当時の鼻息を荒くした藍姉さんの顔を思い出しながらも、麗日さんの疑問に答えていた。

 

「へぇ〜、そうなんだ! 影狼ちゃんの衣装は……カッコイイね! でも、椛ちゃんがソレなら、何かしらの意味があるのかな?」

 

「うん!あるよ! 私のはね、この白い部分が月を表していて、赤色の部分は紅い夜空を表してるの! ほら、よく昔から狼と月って関係あるでしょ? 狼男なんて満月になると変身する〜みたいな。それで、私は狼は狼でも、影を操る狼。だからこそ、よりミステリアスな紅い月と夜空をイメージした服でより一層、影狼としての妖さを出してるの!」

 

「おお!そんな意味があったんだね!」

 

「ちなみに、これはここをこうして広げると……ほら! 満月になるでしょ?」

 

「ホントだ〜! すご〜い! どこで作ってもらったの!?」

 

影狼が興奮しながら麗日さんにコスチュームを教えているので、最後の質問に私が答えた。

 

「はい。私の実家では専用の発明家さん達がいますので、コスチュームや道具などは基本その方に頼んでいますよ」 

 

「おお〜! いいなぁ〜、私も専属とか欲しいなぁ」

 

「そうですね。あのオールマイトも専属の発明家……と言うよりはパートナーがいるみたいですし、麗日さんもプロヒーローになればきっと専属が着きますよ。私だってあくまで専属は家なので、私個人の専属じゃないですしね」

 

「麗日ちゃんもかわいいよ……ていうかカッコいいぞ!」

 

「ありがと~。でも、要望ちゃんと書けばよかったよ……。パツパツスーツんなった……」

 

 「はずかしい」と小声で呟いたのが聞こえた。

 

 

まぁ、確かにかなりパツパツ具合ですね。色々と強調されています。

 

 

「要望を出して先生に頼んだらきっとどうにかしてくれますよ。一度、頼んでみてはいかがです?」

 

 

「そうだね……うん! そうする!」 

 

 

 

 

 そんな問答をしながらもグラウンド・βへ移動する私たち。ついたそこはグラウンドとは名ばかりのビル群だった。

 

 入試会場もそうだったけど、雄英はこういうのにお金かけすぎだと思うのは私だけだろうか。

 

「ふわ〜……すっごいお金かかってそう! この広さ軽く見ても億は超えるかな?」

 

うん。影狼の言う通り軽く見積ってもそれぐらいはくだらないだろう。それ程までに広大なのだ。外見だけならともかく、運動場と同じ実技をする場所として作ったのなら恐らく中身も凄いのだろう。

 

 

 

そして、ここに入って来た時から気になっていたのだが、ブドウの様な頭の人の視線が鬱陶しい。……確か、名前は峰田実…でしたっけ?

 

――いえ、私だけじゃないですね。彼に気づかれないようによく観察すると、奴の視線は全ての女子の間を行ったり来たりしながら、一人一人舐めるように観察していました。

 

 特に露出が激しいももちゃんやパツパツスーツの麗日さん、そしてこのクラス内では胸が大きな私やももちゃんの次に大きい影狼に送られる視線が半端ない。

 

私はさりげなく彼の視線から影狼を守るように立つ。彼は一瞬悔しそうな、残念そうな表情を作るが、嬉嬉として今度は私の胸部や尻部をジロジロと目に穴が開くのではないかと言うぐらい、目を見開いて血走った眼で私を凝視していた。と言うか、視線がよく見た変態の視姦と同じ目をしている。

 

いままで男性に会う度あったので少しは慣れたものだが、正直かなり辛い…。でも、影狼を守る為ならこれくらいなら大丈夫。少なくても彼は視姦だけで実力行使に映らないだけでも随分マシな方だからだ。

 

 そんな精神攻撃を受けている中、他の皆にちょっと遅れて緑谷くんがやって来た。

 

 ジャージっぽい服に、特徴的なマスクを付けたコスチュームを着てる。

 

……それにしても、あのマスク、随分と分かりやすいのですね。

 

 頭の部分の角みたいなパーツが、オールマイトの髪型を意識してるのが一目で分かる。

 

オールマイトの後継が緑谷出久くんだということは知っているのと、彼がすごくヒーローオタクでオールマイトの大ファンだと言うことも知っている。だからこそ彼を意識した衣装に思わず笑みが出てしまう。何だか、ヒーローに憧れる純粋無垢な少年って感じが出まくっていて可愛く見える。と言うより、すごく微笑ましい。きっと、彼のお母様も微笑ましそうに見ていたのだろう。

 

かく言うオールマイトも、『わかりやす!』といった感じで口に手を当て視線を逸らしていた。ほら、バレてるよ?緑谷くん

 

「おお! 出久、カッコイイよ!」

 

「あ! デクくん! かっこいいね! 地に足ついた感じ!」

 

「影狼さん、麗日さ……うおおお…っ!」

 

 緑谷くんの目が、影狼と麗日さんのコスチュームを見て見開かれる。

 

 特に胸に。まぁ、目のやり場に困るのも納得です。麗日さんも影狼も胸部は強調されていてすごくわかるものね。

 

 

「ヒーロー科最高」

 

「ええ!?」

 

 

 

 峰田くんが緑谷くんに近づいて何事かほざいていた。

 

 

私は思わず、影狼と麗日を守る為にスっと前に出た。

 

「も、椛ちゃん?」

 

「椛さん?」

 

影狼と麗日が何か言っているが、今は無視する。何故なら、私の役目は彼女達を汚らわしい視線から守る為だから。

 

 

「さて、みんな揃ったようだね。――さあ、始めようか有精卵共!!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

 

 

 その一言で、オールマイトの教師としての初めての授業が始まった。私としてはこの授業はぜひとも成功させてあげたい。と言うよりは、お父様にオールマイトのサポートをしてくれと頼まれた。私も失敗して落ち込むオールマイトやガッカリするクラスメイト達を見たくないので影ながらも、できるだけ且つバレないようにサポートに徹しよう。

 

そんな事を思いながら、私たちの初の実技授業が始まろうとしているのだった。

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