それでは、拙い本文をどうぞ
対人格闘訓練から一年が経ち、卒業試験も終了し、残った340人の訓練兵団解散式が行われていた。
「100年前の平和の代償は惨劇によって支払われた。当時の危機意識では突然の「超大型巨人」の出現に対応できるはずもなかった…この結果…先端の壁「ウォール・マリア」を放棄、人類の活動領域は現在我々のいる「ウォール・ローゼ」まで後退した。」
「今この瞬間にもあの「超大型巨人」が壁を破壊しに来たとしても不思議ではない。その時こそ諸君は「生産者」に代わり自らの命を捧げて巨人という脅威に立ち向かってゆくのだ!心臓を捧げよ!!」
「「「『ハッ!!!』」」」
「本日、諸君らは「訓練兵」を卒業する…その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する。呼ばれたものは前へ。」
「首席 ミカサ・アッカーマン、2番 ライナー・ブラウン、3番 ベルトルト・フーバー、4番 アニ・レオンハート、5番 エレン・イェーガー、6番 ジャン・キルシュタイン、7番 マルコ・ボット 8番 コニー・スプリンガー、9番 サシャ・ブラウス、10番 クリスタ・レンズ、以上10名」
「本日を以て訓練兵を卒業する諸君らには、3つの選択肢がある。壁の強化に務め、各町を守る「駐屯兵団」、犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む「調査兵団」、王の元で民を統制し秩序を守る「憲兵団」、無論新兵から憲兵団に入団できるのは、成績上位10名だけだ。後日、配属兵科を問う。本日はこれにて、第104期「訓練兵団」解散式を終える…以上!」
「「「『ハッ!』」」」
解散式終了後、球磨川達は街中のレストランで打ち上げをおこなっていた。
『まさか僕が卒業試験に合格できるなんて、夢にも思ってなかったよ!』
球磨川が喜んでいると、ジャンが口を挟んでくる。
「オイオイ…クマガワ、お前は
『うん、そうだね。だから僕は心が折れたとか言って辞退していった彼らの分まで、必死に頑張るよ!そう言うジャンちゃんは6番だっけ?すごいじゃないか!もちろん憲兵団に入るんだよね?』
「ハァ?当たり前だろ。何のために10番内を目指したと思ってんだ。内地で安全で快適な暮らしができるんだぞ?」
「なぁ…」
するとそこにエレンが割り込んでくる。
「内地が快適とか言ったな…この街も5年前まで内地だったんだぞ。
ジャン…内地に行かなくても、お前の脳内は”快適”だと思うぞ?」
「オレが頭のめでたいヤツだと、そう言いたいのかエレン?それは違うな…オレは誰よりも、現実を見てる」
「4年前、巨人に奪われた領土を奪還すべく…人類の2割を投入して総攻撃を仕掛けた…そして、その殆どがそっくりそのまま巨人の胃袋に直行した。あと何割か足せば領域は奪還できたのか?巨人を一体倒すまでに平均30人は死んだ。しかしこの地上を支配する巨人の数は人類の30分の1では済まないぞ」
「もう十分わかった。人類は…巨人に勝てない…」
ジャンの言葉に先程まで騒がしかったレストラン内が静まり返っていた。
「はぁ…見ろ…お前のせいでお通夜になっちまった」
「それで?」
当然の如くエレンはジャンの発言に噛み付く。
「はぁ?話聞いてたか?」
「「
「なぁ…諦めて良いことあるのか?あえて希望を捨ててまで現実逃避する方が良いのか?そもそも、巨人に物量戦を挑んで負けるのは当たり前だ」
「4年前の敗因は巨人に対しての無知だ…負けはしたが得た情報は確実に次の希望に繋がる。お前は戦術の発達を放棄してまで大人しく巨人の飯になりたいのか?……冗談だろ?」
「オレは…オレには夢がある…巨人を駆逐して、この狭い壁内の世界を出たら…外の世界を探検するんだ」
「はッ!何言ってんだお前!?めでたい頭してんのはお前の方じゃねぇか!」
「…なんだと!!」
「見ろよ!誰もお前なんかに賛成なんかしねぇよ!」
「あぁ…そうたな…わかったから…さっさと行けよ内地に…お前見てぇな敗北主義者が
「勿論そのつもりだが、お前こそ壁の外に行きてぇんだろ?さっさと行けよ。大好きな巨人がお前を待ってるぜ?」
「…めんどくせぇ」
「へっ……」
剣呑な雰囲気から喧嘩が始まることを見越した球磨川が2人めがけて突っ込んでいった。
『やめなよ2人とも!喧嘩なんて虚しいことはよすんだ!』
2人の間に入ったものの、2人の体を押したおかげで本来なら1発ずつ2人の顔にはいるはずのパンチが、
『ぶべら!』
球磨川の顔面にクリーンヒットしてしまった。
「あ、おいクマガワ!大丈夫か!?てめぇジャン!よくも!!」
「テメェも殴ってたじゃねぇか!この死に急ぎ野郎が!」
再び再発しそうだった喧嘩はエレンがミカサに運ばれて行ったため事なきを得たという。
次の日、球磨川とエレン達は固定砲整備4班として壁上にある固定砲の整備をしていた。
「はぁ…!?調査兵団にするって?コニー…お前8番だろ!?前は憲兵団に入るって…」
「憲兵団がいいに決まってるだろ…けどよ…」
『昨日のエレンちゃんの演説が効いたんだってさ』
「は!?」
「イ…イヤ!!オレは…アレだ…そう!ジャンだ。オレはアイツと同じ兵団に入りたくねぇだけだ!」
『調査兵団に入る説明になってないよ…』
「うっ…うるせぇ!!自分で決めてたんだよ!」
『そう照れるなよ。やるべきことはわかっていても、踏ん切りがつかないこともあるさ』
「あのぅ…、皆さん…」
先程まではいなかったサシャが背後から話しかけてきた。
「上官の食料庫からお肉盗ってきました…」
どうやら、肉を窃盗してきたようである。
「サシャ…、お前独房にぶち込まれたいのか…?」
『サシャちゃん…キミは本当におバカだねえ』
「バカって怖ぇ…」
そんな仲間たちの心配をよそにサシャは肉をどう食べるかを考えている。
「後で…皆さんで分けましょう。スライスしてパンに挟んで…、むふふ…」
「戻してこい」
「そーだよ。土地が減ってから肉なんてすごく貴重になったんだから」
皆の意見を無視し、食料の入った木箱に肉を仕舞いながらサシャは答える。
「大丈夫ですよ。土地を奪還すればまた…、牛も羊も増えますから」
「え?」
『なるほどね。ウォール・マリアを奪還する前祝いに頂こうってわけだね。食べたからには覚悟決めるしかなくなるからね。僕は嫌いじゃあないぜ?そういうの』
「クマガワ…」
「………オレも、その肉食う!!」
「わ…私も食べるから!取っといてよ…!!」
「何つっ立ってんだエレン。作業に戻んねぇとバレちまうぞ!」
「お昼はまださきだよ」
そんな、まだ見ぬ明るい未来への会話をしていると。壁のすぐ近くに濃い黄緑色の電光が一瞬だけ見え、そこには「超大型巨人」が出現していた。
「超大型巨人」が出現した際に生じた圧倒的熱風により、球磨川達は壁上から吹き飛ばされる。
「熱ッ……!?な!!?何が!!?」
「うわああああああああ!」
「みんな!!立体機動に移れッ!」
エレンの掛け声によって、吹き飛ばされた全員が我を取り戻し、立体機動装置を駆使し、壁に張り付くが、「超大型巨人」により壁が再び破壊されてしまう。
『壁が壊された…』
「まただ…、また…巨人が入ってくる…。ちくしょう…やっぱり人類は巨人に……」
「固定砲整備4班!戦闘用意!!目的、目の前!!「超大型巨人」!!」
「『…!!』」
「これは
壁上に戻ったエレンは宿敵と相見える。
「……よう、5年ぶりだな…」
『僕も加勢するぜ、エレンちゃん』
超大型巨人は腕を大きく振りかぶり壁上を薙ぎ払うが、球磨川とエレンは壁から飛び降り立体機動装置で超大型の腕に飛び移った。
(「チャンスだ!壁を破壊できるのはこいつだけ!こいつさえ仕留めれば…!!」)
球磨川とエレンが左右から超大型のうなじへと飛びかかる。
「鈍い!」
『やったか!?』
しかし、超大型は突然、熱を含んだ大量の煙を吹き出し、2人の視界を曇らせる。しかし、負けじと2人はそのまま切りかかる、が
(「手応えは無い…!!外した…!?イヤ…違う、消えた…」)
そこに超大型巨人の姿はなかった。
「超大型巨人が消えた!お前らがたおしちまったのか!?」
『ごめーん、逃がしちゃったー』
「何謝ってんだ。俺達なんてまったく動けなかった…」
「オイ…そんな話してる場合か!!もう壁は壊されちまったんだ!早く塞がないと、また巨人達が入ってくるぞ!!」
(『安心院さんの言いつけがなかったら僕が
「何をしているんだ訓練兵!!」
駐屯兵の上官が慌てて壁上へ飛んできた。
「そして”ヤツ”と接触した者がいれば本部に報告しろ!」
「ハッ、先遣班の健闘を祈ります!」
こうして、ついに球磨川禊と巨人達の戦いが始まった…
投稿ペースが落ちると思います。ご了承ください。