進撃の過負荷   作:起式

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ようやく、球磨川先輩の見せ所を書くことができました。しかし、少しだけ無理があったかなとも思います。
それでは、拙い本文をどうぞ


第-6箱 『教えてやるよ』

壁が破られた後、球磨川達は本部で巨人迎撃準備を進めていた。

 

「それでは訓練通りに各班ごと通路に分かれ、駐屯兵団の指揮の下、補給支援、情報伝達、巨人の掃討等を行ってもらう」

「前衛部を駐屯兵団が、中衛部を我々率いる訓練兵団が、後衛部を駐屯兵団の精鋭部隊が…、我々は日々のタダメシのツケを払うべく、住民の避難が完全に完了するまで、このウォール・ローゼを死守せねばならない。」

「なお…承知しているであろうが、敵前逃亡は死罪に値する。みな、心して命を捧げよ。解散!!」

 

「「「ハッ!!」」」

 

そして球磨川達、34班は中衛部の民家の上に配属された。

 

「…アルミン、こりゃあいい機会だと思わねぇか?調査兵団に入団する前によ、この初陣で活躍しとけばオレ達は新兵にして…スピード昇格間違いなしだ!!」

 

「…!!あぁ…間違いない」

 

「言っとくけど2人とも…今期の調査兵団志願者は、いっぱいいるんだからね!」

 

そんなことを言っていると、ついに駐屯兵団から指示がとんでくる。

 

「34班前進!」

 

「行くぞ!!」

 

「「「『おお!』」」」

 

34班が前進すると、驚きの光景がそこにはあった。

 

「なっ!?あれは…!?」

 

「オレ達中衛部まで前衛に駆り出されている!?」

 

既に前線が壊滅し、本来中衛部だったはずの34班までもが、前衛部へと駆り出されていたのだ。

 

『まったく、普段威張り散らしてる前衛の先輩はなにやってんだろうね、前衛部隊が総崩れだ。』

 

(「決して楽観視していたわけじゃなかったが、これはあまりにも…」)

 

「奇行種だ!」

 

「避けろ!!」

 

誰かが上げたそんな咄嗟の叫びを、

 

『え?』

 

球磨川禊は受け取り、動くことができなかった。

 

『うっ…!?クソ…』

 

正面から突っ込んできた巨人を避けることができず、巨人にくわえられてしまう。彼の下半身は既に噛み切られ、大量の出血からか、全身に力が入らず、結局大した抵抗もできずに、

 

「ク、クマガワ!!」

 

そのまま彼は巨人に喰われてしまった。

 

「ま…!!待ちやがれ!!」

 

喰われた球磨川を救おうとエレンは単騎、飛び出してゆくが、

 

「下にもう一体いるぞ!」

 

「うッ!!?」

 

彼は潜んでいたもう一体の巨人に気づくことができず、左足を喰いちぎられてしまう。

 

「そんな…エレンが…」

 

「やばいぞ、止まってる場合か!来るぞ!かかれッッ!!」

 

残ったアルミン以外の34班はエレンの左足を喰いちぎった巨人にかかるが、これまた呆気なく、ある者は握りつぶされ、またある者は頭から噛みちぎられ、全滅してしまった。

 

残ったアルミンも今、巨人に摘まれ喰われようとしている。

 

(「ああ…どうして僕の体は動かないんだ…」)

 

そしてアルミンが口の中に落とされ、飲み込まれようとした瞬間、先程まで倒れていたはずのエレンがアルミンの右手を掴み、屋根に放り投げた。

 

「こんなところで…死ねか…、なぁ…アルミン…、お前が…お前が教えてくれたから…、オレは…外の世界に…」

 

「エレン!!早く!!」

 

アルミンは手を伸ばし、自身の身代わりとなったエレンを救おうとするも、巨人の口は閉じられ、エレンの左腕が宙を舞う。

 

「うわあああああああ!!!」

 

かくして、球磨川が最初の巨人を避けることに失敗したがために34班はアルミンを残し、全滅してしまった。

 

「ようやく面白くなったところなのに、また死んじゃったね。球磨川君」

 

『はぁ…、どうせ喰われて死ぬならもっと美形な巨人に殺してほしかったよ』

 

「ははは、君が相変わらずなのは良いことだけど、球磨川君。早く戻らなくていいのかい?キミの所属していた34班はアルミンくんを残して全滅したみたいだけど」

 

『…!?エレンちゃんもかい?』

 

「ああ、彼はキミを助けようとして、左足を失ったあと、アルミンくんの身代わりになったみたいだね。いやあ友情とは美しいものだねえ」

 

『…悪いけど、安心院さん。僕はすぐに戻ってあの巨人共を螺子伏せないといけないみたいだ』

 

「そうかい。ならさっさと行っておいで。この局面においてだけはキミがスキルを使うことを許してあげるからさ」

 

『ありがとう。それじゃあ、また』

 

球磨川が意識を取り戻すと、そこは巨人の胃袋の中であった。それなりに強い酸性の液体の中、球磨川は腰のブレードで巨人の腹を切り、外へと脱出した。

 

『やれやれ、流石の僕でも喰われるのは初めての経験だったよ』

 

球磨川を喰った巨人は早々にその場から離れ、どこかに行ってしまった。

 

『僕の仇を取れなかったのは残念だけど…』

 

しかし、新たな5m級の巨人が、球磨川の前に姿を見せる。

 

『教えてやるぜ。巨人共、過負荷(マイナス)相手にルール無用で戦う愚かさを』

 

手に持っていたブレードを腰に戻し、代わりに何処からともなく取り出した螺子を手に持った。

 

『うん。やっぱりこれ(螺子)の方が僕にはあってるな』

 

そういうと手にした大量の螺子を巨人の足目掛けてぶん投げる。ぶん投げられた螺子は巨人の太腿へ、膝へ、足首へ、と螺子込まれ、巨人はうつ伏せになって倒れ込む。

 

『喰らいな』

 

巨人の頭と手足に、普通ではありえないサイズの巨大な螺子が螺子込まれる。だがそれでは巨人は死なない。失った頭を再生しようとする。が、

 

『無駄だよ。再生しようとしたってそこには螺子があるんだから、再生なんてできっこない。でも僕にはきみを殺す手段なんてないから、きみはそこで永遠に這いつくばってるしかない。』

 

『また、勝てなかった』

 

これからどうしようかと思っていると、壁上へ撤退する合図の金が鳴り響いた。

 

『んー、撤退かー。立体機動装置はあるけど、ガス管の中身が空になってるから壁を登れないや。どうしたもんかな?』

 

球磨川はしばらく悩んでいると名案が思い浮かぶ。

 

『そうだ!一旦本部に戻ってガス管を貰いに行こう!』

 

そう思うと、早速球磨川は本部へと移動を開始する。螺子を撒き散らしながら、巨人を地面に、民家に、磔にしながら。

 

球磨川が本部に到着すると、目を疑うような光景があった。

 

『あれ?巨人って共喰いなんてするものだっけ?』

 

━━━━━━━━━━━━━

 

ガスの補給が終わるとミカサやアルミンは連れてきた「巨人を殺す巨人」が他の巨人に喰われているのを発見する。

 

「どうにかして、あの巨人の謎を解明できれば…、この絶望的な現状を打破するきっかけになるかもしれないと思ったのに…」

 

「同感だ!あのまま食い尽くされりゃ何もわからず終いだ!あの巨人にこびりついてる奴らをオレ達で排除して…。とりあえずは延命させよう!」

 

「正気かライナー!!やっと…この窮地から脱出できるんだぞ!?」

 

ジャンが突っかかったとき、アルミンには見覚えのある巨人が通りかかる。

 

「あ…、あいつは…クマガワを喰った奇行種…!?」

 

その巨人を巨人を殺す巨人が発見すると、今まで大人しく他の巨人に喰われていたにも関わらず、叫び声をあげながら、その巨人へと向かっていき、結局、自身に群がっていた全ての巨人を単体で殺してしまった。

 

「…オイ、何を助けるって?」

 

しかし、力尽きたのかその場に倒れ込む巨人。すると、そのうなじから巨人に喰われたはずのエレンが姿を表した。

 

(「エレンだ…。切断されたハズの腕と足がある…、エレンはあの時巨人に飲み込まれた…」)

「一体…何が…」

 

アルミンがエレンの手を握りしめると、そこにまたも、アルミンにとって、ありえない声がかかる。

 

『おーい!アルミンちゃん!エレンちゃんは無事なのかい!?』

 

「クマガワ…?な、なんで君も生きているんだ!?あの時君は巨人に喰われて……!?」

 

アルミンが球磨川の走ってくる方を見ると向こうに、大量の磔にされた巨人を発見する。

 

「それに、あれは…!?」

 

『僕がなぜ生きてるのか不思議だって顔をしているね。ま、説明してあげてもいいよ。これは僕の持つ(かかえる)過負荷(マイナス)、「大嘘憑き(オールフィクション)」の結果なんだ。』

 

「「大嘘憑き(オールフィクション)」…」

 

『そう、まあこれの能力は、いうなれば「現実(全てを)虚構(なかったこと)にする」っていうものなんだ。それで「僕の死」を、なかったことにしたというわけさ。…理解できた?』

 

「す、全てをなかったことにするだって!?そんな突拍子も無いことができる訳…!!」

 

しかし、アルミンには思い当たることがあった。格闘術では自分にも劣る球磨川が、なぜエレンやジャンのパンチを受けて、すぐに立ち直ることが出来たのか。彼が立体機動装置を無理に使っても、いつも新品かのように整備されていたことを思い出し、アルミンは黙るしかなかった。

 

「…!!」

 

アルミンと球磨川が言い争っていると、駐屯兵団が現れた。

 

「貴様ら…その男達を引き渡してもらおう…」

 

『うわあ、なんだかすごく面倒な人達が出てきたなあ』

 

かくして、球磨川とエレンにはなにやら凄まじい秘密が隠されていると、知られ始めてしまった。それが有益(プラス)であるか、有害(マイナス)であるかは、さておいて…




誤字の指摘ありがとうございます!これからも誤字、脱字は起こり続けると思いますので、どんどん指摘してください。
それと遅くなるのは次回からです。…多分
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