進撃の過負荷   作:起式

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今回も進展があまりなく、短めです、すみません。次回、頑張ります。

それでは、拙い本文をどうぞ


第-8箱 「塞いで見せます!」

辛くも難を逃れた球磨川達は壁上にてピクシス司令と話をしていた。

 

「そうか…、その地下室に行けば全てがわかると…」

 

「はい…。信じてもらえますか?」

 

「お主自身が確証を得られん以上はとりあえず頭に入れておくといったところかの…。しかし…、物事の真意を見極める程度のことはできるつもりじゃ。お主らの命はワシが保証しよう」

 

その言葉に4人の中に安堵の空気が流れる。

 

「アルミン訓練兵…じゃったかの?」

 

「ハッ!!」

 

「お主は先ほど「巨人の力」と「不思議な力」とやらを使えばこの街(トロスト区)の奪還も可能だと申したな。あれは本当にそう思ったのか?それとも苦しまぎれの命乞いか?」

 

「それは…、……両方です」

「あの時、僕が言おうとしたことは巨人になったエレンが破壊された扉まであの大岩を運んで扉を塞ぐということでした。ただ単純に思いついただけですが…、せめてエレンの持った力に現状を打開できる可能性を感じてもらえないかと…」

 

アルミンがそこまで言うと、ピクシス司令がエレンの前に屈む。

 

「エレン訓練兵よ…、穴を塞ぐことができるのか?」

 

「塞いでみせます!なにがあっても…!!」

 

話が纏まりかけたその時に、球磨川が口を挟んだ。

 

『おいおい、さっきの演説では僕のことも言ってたのに、実際の作戦ではエレンちゃんに頼り切りで僕の出番がないじゃないか。一体僕は何をすればいいんだい?』

 

「クマガワの「大嘘憑き(オールフィクション)…だっけ?僕にはそれが一体どう使えばいいのか分からないんだ。何というか…エレンみたいにわかりやすい実例がないじゃないか」

 

『うーむ、なるほど。確かに言われてみればそうだ。よーし、じゃあ張り切って使用例を見せてあげるよ。ピクシス司令も、ちゃーんと見といてくださいね?』

『アルミンちゃんには前言ったけど「大嘘憑き(オールフィクション)」は現実(全て)虚構(なかったこと)にする取り返しのつかない過負荷(マイナス)なんだ。ああ、過負荷(マイナス)って言い方が言い難いならスキルって呼んでくれてもいいよっと』

 

そう言いながら球磨川は自身の頭に螺子を螺子込んだ。当然、螺子込まれた頭からは血飛沫が吹き出る。白い壁は鮮やかな赤で着色され球磨川以外の全員がこわばった顔をする。

 

「オイ、クマガワ…それ、どうなってんだ?オレには螺子がお前の頭を貫いてるように見えるんだが…」

 

『うん。正真正銘、種も仕掛けもなく貫かれてるよ。でもこの螺子を引っこ抜くと…』

 

球磨川が頭に突き刺さっていた螺子を抜くと、そこにはあるはずの傷跡が、さっきまで飛び散っていたハズの血飛沫が、一切合切「なかったこと」となっていた。

 

「ほう…、これは…」

 

『ま、わかりやすくいくとさっきのが限界かな。やろうと思えば視力とか、記憶も「なかったこと」にできるよ』

 

「ね、ねぇクマガワ…もしかしてそれって壁が壊されたことも「なかったこと」にできるの?」

 

『んー、出来るにはできるけど、今ちょっと訳ありでね。壁の穴だとか、巨人だとかを「なかったこと」にはできないんだ。あと、元から無いものも「なかったこと」にはできないよ』

 

「そうなんだ…。うーんそうなるとやっぱりクマガワのスキルは今回の作戦(思いつき)には不向きじゃないかな…」

 

『そっかー…、ざーんねん!次に期待だね!』

 

話が終わるとピクシスが叫んだ。

 

「話は終わったかの?では参謀を呼ぼう!!作戦を立てようぞ!!」

 

『皮算用ですらない思いつきをいきなり実用するなんて、どうかしてるんじゃないかな』

 

「オレもそう思ったが、多分作戦を実行する以前に根本的な問題があるんだ…。ピクシス司令はその現状を正しく認識してる。敵は巨人だけじゃない」

 

「時は一刻を争う。活躍してもらうぞ、若き兵士たちよ」

 

その頃、壁の下では兵士達が集められていた。

 

「トロスト区奪還作戦だと!?」 「これからか!?」 「嘘だろ!?扉に空いた穴を塞ぐ技術なんか無いのに…!?」

 

先の巨人との戦いで心が折れた者達がざわめき立っている。中には反逆者までもが現れ初め、秩序は崩壊しかけていた。そんな時、壁上からピクシス司令の声が響く。

 

「注!!もおおおおおく!!」

 

それまでのざわめきが嘘のように静まり返り、全ての兵が壁上を見上げる。

 

「これよりトロスト区奪還作戦について説明する!!この作戦の成功目標は破壊された扉の穴を、塞ぐ!!ことである!!」

 

「え…!塞ぐって…一体…どうやって?」

 

「穴を塞ぐ手段じゃがまず彼から紹介しよう!訓練兵所属、エレン・イェーガーじゃ!」

 

エレンの姿を確認した104期生が驚きの声をあげる。

 

「え!?…エ…、エレン!!?」

 

「彼は我々が極秘に研究してきた巨人生体実験の成功者である!!彼は巨人の体を精製し意のままに操ることが可能である!」

 

「んん!?なぁ…今司令が何言ってんのかわかんなかったが…、それはオレがバカだからじゃねぇよな!?なあ!?」

 

「ちょっと黙っていてくれ…バカ」

 

「巨人と化した彼は前門付近にある例の大岩を持ち上げ、破壊された扉まで運び穴を塞ぐ!!諸君らの任務は彼が岩を運ぶまでの間、彼を他の巨人から守ることである!」

 

「あの巨大な岩を持ち上げる…、そんなことが…。人類はついに巨人を支配したのか!?」

 

「嘘だ!!」

 

104期生のダズが叫ぶ。

 

「そんなわけのわからない理由で命を預けてたまるか!!俺達を何だと思ってるんだ!?俺達は…使い捨ての刃じゃないぞ!!」

 

その叫びを皮切りに、次々と命令に逆らい踵を返していく。

 

「オイ!!待て!!死罪だぞ!?」

 

「人類最後の時を家族と過ごします!!」

 

「今日ここで死ねってよ!!俺は降りるぞ!!」 「俺も!!」 「わ…私も…」

 

「覚悟はいいな反逆者共!!今!!この場で叩き斬る!!」

 

秩序が無くなりかけたその時、再びピクシス司令の声が響く。

 

「ワシが命ずる!!今この場から去る者の罪を免除する!!」

 

「な!?」

 

「1度巨人の恐怖に屈した者は二度と巨人に立ち向かえん!巨人の恐ろしさを知った者はここから去るといい!」

「そして!!その巨人の恐ろしさを自分の親や兄弟、愛する者にも味わわせたい者も!!ここから去るといい!!」

 

その言葉で、全ての反逆者の足が止まり、再び兵に戻る。

 

「それだけはダメだ…。それだけは…させない、娘は…私の最後の…希望なのだから」

 

ピクシス司令の発破により、反逆者は消え作戦は実行されることとなる。果たして作戦の結末はどうなる。




『モブキャラのみなさん』を入れたかったですが、整合性が取れなくなるので入れることができませんでした…
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