クズでもヒーローになれますかねェ?【諸事情により題名変更しました】   作:虚ろな勇者の影

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第6話

「いやぁ、流石雄英高校!金かかってんねぇー。

監視カメラの数がおかしいぐらい多いっ!」

 

はい、皆様おはようございます。今日から雄英高校1年生の

報情読気(ほうじょうよむき)です。

現在時刻1()0():()1()2()。登校初日から余裕で大遅刻してますよォ。

うん。私も流石に初日から寝坊するとは思ってもいなかった。自分に自分でビックリ。

 

「でも焦らない、焦らない。落ち着いてまずはグラウンドに行こう」

 

学校案内の手紙に入っていた地図を取り出し、ゆっくりと歩き始める。……流石雄英、グラウンドが何個もあるねぇ。

どれだろぉ?取り敢えず右から攻めてくか。

 

1つ目のグラウンドに向かって歩いていくと……

 

 

「そうさ緑谷少年!私は彼と……ウマが合わないぞ!!」

 

 

「……オールマイト?」

 

人気No.1ヒーローがいた。頭だけを建物から出しており、思いっきり、ストーカーの体勢だった。そしてブツブツと何か言っていた。正直、直視し難い現状だ。

 

そして、オールマイトの熱心な視線の先を辿ってみると、どうやら緑谷出久君がボール投げをやっているらしい。

 

……ってあの原作でめちゃくちゃカッコイイシーンじゃないか!───スマホカメラセット!!

カメラをズームしてはっきりと見えるようにする。音声も少しなら拾えそうだ。

 

 

ボール投げ2回目、緑谷出久は腕を大きく振りかぶる!!

 

「おいおいマジか!!」

 

オールマイトが叫んでいる。ちょっとうるさい。

 

 

SMASH!!────記録705.3m

 

「先生……!まだ……動けます」

 

 

いや、もうほんとイケメン過ぎて辛い。因みに記録はイレイザーヘッドが持って居るスマホ(計測器)に接続して読み取ったやつだよォ。

 

 

「心配になっちゃって来たけど…なんだよ少年!!」

 

「力の調整はまだ出来ないみたいだねぇ!でも、行動不能になるわけにはぁいかない!」

「そう、ならばと緑谷少年は、ボールを押し出す最後の力…

指先のみにワン・フォー・オールを発揮させた!!」

「最小限のちからでェ、最大限の力を…」

 

「なんだよ、少年!」

「なんだよォ、主人公(緑谷出久)!」

 

「「かっこいいじゃないか!!!」」

 

 

オールマイトと私の台詞が、完全に今一致した。

おっさんと2人、一緒になって感動してしまった。それだけ、緑谷出久はかっこよかった。

 

「……って!!?

自然過ぎて普通に会話してたけど!?君ぃ!!もしかして遅刻してる生徒じゃないか?!」

 

あっ、やっと気が付いたのか。返答したいけど今は……

 

「爆豪勝己の顔やべぇー。写真撮っとこ。

……うんうんわかるよォ。その驚き!無個性だと思ってた人間が急に個性使うんだもんねぇ」

 

「君!!聞いてるかい?!」

「おぉ!!爆豪勝己が緑谷出久に向かって突進!

すかさずイレイザーヘッドが止める!!

今の聞いた?!『んぐぇ!!』だってよ!んぐぇ!ほんっと、顔やべぇ面白すぎィ!!

……それにしても、イレイザーヘッドが個性発動する時に目ェ紅くなんのカッコイイなぁ」

 

「……聞いてない事がよくわかったぞ!!…先生って難しい…」

「聞いてますよぉー、無視してるだけで」

「なんで!?ヒドイっ!!」

「あぁ、すみません。もう大丈夫です。オールマイトですよねぇ?

……ファンの友人です!サイン下さいっ!!!」

 

「話が急展開過ぎてオジサンついていけない!!!」

 

なんでぇ?オールマイトに会ったら、先ずはサイン、その後握手って決まってるんじゃないの?

ついていけないと言いつつも、オールマイトは差し出した色紙にサインしてくれる。

 

「わぁ、ありがとうございます!」

 

やったね。これで、嫌がらせのバリエーションがまた1つ増えたぜ。

 

「で、話を逸らされ続けたけれど!君!!遅刻少女だよね!?」

「いかにもぉ!現在進行形で遅刻してますが何か?」

「コラコラ!!開き直らないで相澤くんの所に行きなさい!そこにいるから!」

「オールマイトだって教師なのに一人の生徒に肩入れして仕事サボって見に来てるじゃないですかァ?!」

「グッ!!そこをつかれると痛いっ!!」

 

お腹を押さえて呻くオールマイト。いちいち動作が大げさだ。

それを横目に私はもう1台のスマホを取り出し、ハッキングをはじめる……相変わらずセキュリティガチガチだなぁ。

雄英高校は有名な割にチョー秘密主義だから今の今まで、学園内全ての地図すら手に入らなかったんだよなぁ。

とりま、あとあと役に立ちそうなUSJの地図は欲しいなぁ。同学年の普通科の人達の情報も欲しいし、二、三年生の生徒の情報も出来るなら見たい……やる事いっぱいだ。

 

「とっ、見ない間に最終種目の長座体前屈まで終わってるし?!時間経つのはっや!」

 

 

☆☆☆☆☆

 

「んじゃ、パパッと結果発表。

トータルは単純に各種目の評価点を合計した数だ。

口頭で説明すんのは無駄なので一括開示する

 

ちなみに除籍はウソな。

 

君らの最大限を引き出su「おはよォうございますぅ!!」」

 

「「「誰?!!」」」

 

「報情さんっ?!」

「チッ、やっと来やがったか」

「俺の台詞を…!」

 

いやぁ、結果表示される前に間に合って良かった良かった!!

あっ、イレイザーヘッドお久しぶりです、4ヶ月ぶりぐらいですかね。

ん?なんか皆んな凄い私のこと見てるな?

あぁ、突然来たもんね、そりゃ、注目しちゃうね!先ずは自己紹介か!

 

「えーと、出席番号17番、報情読気!よろしくゥ!

知りたい事があったら、気軽に相談してね!1000円から情報を提供するよォ!」

 

えーと。

なんだろうこの痛いくらいの沈黙。なんか私だけが空気読めてない感半端ないんだけどぉ。

 

「報情読気、個性把握テスト、遅刻により未受験の為……除籍」

「えっ?!ちょ、ちょっと待ってくださいよォ!!イレイザーヘッ───じゃなくて相澤先生!!

遅刻には海より深く…もしかしたらマリアナ海溝よりも深い理由があるんです!!」

 

相澤先生行動が早すぎぃ!除籍とかそんな軽くするもんじゃないでしょ!!しかも声的に冗談じゃなくて、ガチで言ってるし。

もしかして、台詞遮ったこと根に持ってるんですかァ?

 

理由(ワケ)?なんだそれは?」

「…オールマイトからサイン貰ってたんです!」

 

「……除籍だな」

「うわぁぁぁ、すみません!除籍だけは勘弁してください!ふざけてますよね、でも事実なんです!!

あっ、そうだ!個性把握テストを受ければいいんですよねぇ!

……ちょっとそのスマホ(測定器)貸してください!!」

 

────個性『情報提供』&『情報入れ替え』

 

「───()()()()()()()()()()()()()()()1()9()()()()()……っとこれでいいですよね!

ほら!ここに私の名前があるってことは、つまり私は個性把握テストを受けたってことですよォ!!」

 

私は、個性把握テストの順位の立体映像をブンと映し出し、力説する。

こちとら除籍がかかってんじゃぁ!必死になるわそりゃ。初日から除籍とか洒落になんないぞぉ。

 

「……わかった、除籍は無しだ。だが後で職員室に来い。遅刻の反省文を書いてもらう」

「えっ?嫌ですよォ?」

「なら除籍な」

「速やかに行かせて頂きます!!」

 

相澤先生は言うだけ言って、オールマイトが居る建物の方に行こうとする。

そこに声をかける生徒……あれは飯田天哉だね。

 

「先生!本当に最下位除籍の件は虚偽なのでしょうか!?」

「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えればわかることですわ…」

 

おぉ!八百万百じゃないか!実際に見ると……うん。大っきいね。何がとはいわないけど。

 

「そゆこと。これにて個性把握テストは終わり。

教室にカリキュラム等の書類があるから目ぇ通しとけ」

 

どうやら、これで今日の授業?は終わりらしい。もともと入学式の予定だったしね。午前中で終わるんだね。

 

 

「報情さんっ!えっと、遅れて来たけど何かあったの?大丈夫?」

 

納得していると、緑谷出久君が保健室利用書片手に尋ねてきた。いや、大丈夫も何も

 

「ただの寝坊だよぉ。それより君の指の方が大丈夫?」

「そうだよ!早くリカバリーガールのとこに行った方がいいよ!」

 

被せるように言ってきたこの茶髪の女子は……麗日お茶子じゃないか!入試ぶりだなぁ。相変わらず可愛いなぁ。

 

「あっ、突然ごめんね。私、麗日お茶子!よろしく!読気ちゃんだよね?個性スゴいねえ!!」

「よろしくゥ。麗日お茶子君の個性だって凄いじゃないか。ボール投げの記録、無限だっただろぅ?」

「なんで知ってるの?まだ来てなかったよね?でも、ありがとう!!」

 

相澤先生が持ってたスマホハッキングして閲覧しました。……その純粋な感謝の言葉が胸に刺さるゥ!

そんなふうにもだえていると、男子生徒が私に話しかけて……いや、叱ってきた。

 

「君い!!初日から遅刻とは雄英高校生徒としての自覚があるのかね?!」

「おぉ!君は飯田天哉君じやぁないか!!本当に全体的に四角いんだねぇー!」

「四角っ?!……だいたい君は、……(以下省略)」

 

いやぁ、ごめんよォ。原作漫画と画面ごしでは見た事あったんだけど、実際に見たら本当に四角くて思わず口から出ちゃったんだよ。

そして、話長いなぁ。

もう皆、さっき声かけてくれた麗日お茶子もいつの間にか、着替えにいっちゃってるじゃん。

うーん。細かい小言ばっかで聞くのめんどくさいし、サクッと終わらせるか。

 

「そう言えば、今日のヒーロー特集インゲニウムだったねぇ」

「っ?!……もしかしてそれは今日の9時に放送されている」

「そうだよォ。家で見てから来たんだ。戦闘シーンとかはあまりの解決スピードに拍手しちゃったよォ!」

「ぼ……俺も見たかったのに……羨ましい!」

「やっぱ、ターボヒーローのトップといったらインゲニウムだよねぇ」

「そっ、そうだろう!!…僕の兄さんは最高なんだ!」

 

そして、今度はそのかっこよさについて語りはじめる。

ちょろいな、飯田天哉。そして地が出てるぞ。おぼっちゃま隠してるんじゃなかったのかぁ?

少し褒めただけで自分がヒーローの弟である事漏らしちゃってるし。……皆これくらいちょろかったらラクなのに。

 

そんな事を思いつつ、私は職員室に向かった。

私はそもそも体育着着てないから、着替える必要もないしね。

もちろん、飯田天哉は放っておいた。そのうち我に帰るでしょうよ。

 

 

☆☆☆☆☆

 

「反省文『遅刻してすみませんでした』……これ以外に何書けばいいんですかァ?」

 

現在、反省文を相澤先生の目の前で作成中。

 

「その遅刻した原因と今後しない為の対策」

「原因と対策ぅ?」

 

原因は寝坊と、その他色々。対策は……意味無いね。だって私これからも遅刻する気満々だし!

前世から学校は遅刻しまくってたし。寧ろ遅刻する時間が私の登校時間的な?

 

「うーん、今後活用されることの無い対策を渡すよりだったら……」

 

いいこと思いついた。折角だからここに書いといてあげよう。

私はそう思い、ペンを滑らせ始めた──出来た。

早速相澤先生に提供する。

 

「……お前、これは……!」

「はい、校門の監視カメラの死角情報です。

私が無駄な対策立てるより、有益な情報を渡した方がいいでしょう?

……もう帰っていいですかねぇ?これ以上一人の生徒に時間をかけるのは非合理的ですよね!

では、さよならァ!」

 

そう言ってさっさと職員室を出た。

書類あるって言ってたし、とりあえず教室に行くか。

 

☆☆☆☆☆

 

教室。

原作どおり、扉がめちゃくちゃでかかった。

そして、なんと私の席は爆豪勝己の後ろだった。嫌だなぁ、だって彼机に足上げるから、その足がいい感じに黒板を見えなくするんだよねぇ。まぁ、出席番号順だから、そうなることはわかってたんだけどさぁー。

あっ、因みに後ろは緑谷出久で隣は瀬呂範太だった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ふと、窓から下の校門を見てみると、麗日お茶子、飯田天哉、緑谷出久が見えた。……原作どおりなら、デク宣言でもしているのだろう。あの赤い顔も撮りたいけど、流石にここからじゃ遠すぎて無理か。

 

「で、なんで君は残っているのかなぁ?既に皆、帰ってるのに」

「撫でんな殺すぞ!」

 

私はいつものように爆豪勝己の頭を撫で、感情情報を読み取っていた。

だって彼の思考回路面白いんだもの。爆発的に自己中心的で、真っ直ぐで……とても好ましい(からかいがいがある)んだよねぇ。

 

「ふむふむ────緑谷出久君の個性の事か!」

「読むなクソが!」

 

「うーん。今言えるの確かな事は────緑谷出久は君を騙すほど勇気も無いし、君に対して不誠実でもないよォ?

まぁ、そんな事()()()()()()()んだから考えていたって時間無駄だよォ?

それよりだったら、友人らしく私と共に帰路につこうじゃないかァ!」

 

私は手袋を嵌めながら爆豪勝己を誘う。

 

「断ったらまたなんかすんだろ……行くぞ」

「もちろんだともォ!」

 

よくわかってるねぇ。君の思っている通り、もし断ったら、君がとても欲しがっていたオールマイトのサインを、君の目の前でビリビリに破く予定だったよォ。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

「ギリギリセーフ!!」

「いや、余裕でアウトだぜ!俺の最初の授業から遅刻!こいつぁシヴィー!!」

 

はい、おはようございます!!現在時刻11:42!4時間目の授業、英語の真っ只中!昨日の今日で遅刻してる報情読気だよォ。

 

「セーフって言うのは、ヒーロー基礎学にってことです」

「これまたシヴィー!!とりあえず座ってくれ!授業を再開するぜ!!アーユーレディー?!!」

「オーケー!!」

 

あと、今日のヒーロー基礎学は緑谷出久と爆豪勝己の熱い戦いだからねぇ!こりゃ見ないとあかんでしょ!!

そんな事を思いつつ、プレゼント・マイクによる英語の授業を受けた。……叫び過ぎて喉が痛い。

 

 

☆☆☆☆☆

 

午後。ついにヒーロー基礎学の時間だ。タブレットPCの充電100、スマホの充電3台とも百パー。撮影&ハッキング準備は万全だ!!

昼食はINゼリーを胃に流し込んだ。最近こんな食事ばっかだ。ちゃんと温かい家庭の料理が食べたいなぁ。

 

「わーたーしーがー!!」

 

皆憧れの人気No.1ヒーロー、オールマイトの声。途端に教室がザワめきはじめる。

 

「普通にドアから来た!!!」

 

至って普通にドアから入ってきた。

昨日も見て思ったけど、本当に画風が違うんだよなぁ。漫画の表現かなって思ってたんだけど。実際に見てもそう思う。……雰囲気とかが関係あるのかな?

 

「ヒーロー基礎学!

ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う課目だ!!

早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」

 

戦闘訓練かぁ。皆ワクワクしてるなぁ。戦いはヒーローの華だもんねぇ。私は嫌いだけど。

戦いはない方がいいじゃないか。誰も傷付かなくて……平和主義者を謳う、運動したくない主義者の私は思う。

 

「そして、君達のコスチューム!」

「おおお!!!!」

 

私のコスチュームかぁ。ちゃんと要望どおりに出来てるかなぁ!戦いは嫌だけど、戦闘服は楽しみだ。

 

「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!!」

「はーい!!!」

 

皆、自分のコスチュームを手に持ち、我先にと更衣室に向かっていく。それを眺めながらオールマイトが言っている。

 

「格好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!!

自覚するのだ!!!!今日から自分は…

 

()()()()なんだと!!」

 

 

……ヒーローかぁ。私、ヒロアカのストーリーを間近で見る為だけにこの高校入ったからなぁ。うーん。その辺もこれから真面目に考えてかないとね。

 

 

☆☆☆☆☆

 

着替え終え、皆と一緒に体育館入口に集合する。

 

 

 

「さぁ始めようか有精卵共!!」

 

 

 

────波乱のヒーロー基礎学がいよいよ始まろうとしていた。




はい、今回も最後まで読んで下さり、ありがとうございます。連日投稿だったのに、昨日は書いていたデータが消え、投稿出来ませんでした。盛大に泣き叫びました。
出来たら、今日中にもう1話出したいです。

【次回予告】
「生き物を殺すのってぇー、ヒーローとしてどうなのあなぁ!?」と言うわけで、ヒーロー基礎学対人戦始まるぞ!!!

感想いつでもおまちしております。
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